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第一章
二十四
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(いじぇすと……)
どこかで聞いたことがあるような気がする、と頭の中の記憶を片っ端から引っ張り出す。
(いじぇすと……イジェスト……あっ!)
「もしかして、魔力を消化する体質の……あの魔力消化体質者のこと?」
「はい。その魔力消化体質者で間違いございません」
了承を示すように頷いたギーに、合っていた、と安堵したのも束の間、シーラは足りないピースが埋まっていくような感覚を覚えた。
ピースがすべて嵌まり、物事の道筋が見え始め、ああそういうことか、とシーラは握る拳に力を入れる。
(――そっか……だから北部公爵様はわたしを……)
魔力消化体質者とは、無魔力者の中に稀に誕生するとても貴重な存在だ。十人中一人は無魔力者だと言われているなかで、魔力消化体質者はそんな無魔力者が一千万人集まって、やっと一人いるかいないかという割合でしか存在しなかった。
(でも、魔力消化体質者の貴重性は数が少ないこと以上に、“魔力を消化できる”っていう体質にある……って、昔教わったな)
魔力消化体質者はその数が少ないせいか、詳しい情報はわからないのだと家庭教師は言っていた。わかっているのは、本人の意思など関係なく、魔力あるものに触れればたちどころに魔力を失わせることができる、ということだけらしい。
魔力持ちにとっては少々恐ろしい存在だが、生きている間に魔力消化体質者に出会える確率はとんでもなく低いだろう、と言われた。
「……わたしが魔力消化体質者っていうのは、本当なの?」
何かの勘違いではないだろうか、という思いが捨てきれずそう問うたものの、ギーはしっかりと首肯した。
「旦那様からそのように伺っています」
「そう……ジルが……」
ジルヴィウスが言うのであれば間違いないのだろう。
彼はそんな嘘をつくタイプではないし、確信の持てないことを他者に伝える人でもない。
(だったら、どうして……)
何故これまで誰もそのことを教えてくれなかったのだろうか。ジルヴィウスだけでなく、交流などなかった北部公爵家だって知っていた可能性があるのだ。両親や兄が知らなかったとは到底思えない。
(知ってて隠してた……? 北部公爵家はどうしてそんなに私が欲しいのって聞いたとき、誰も答えてくれなかったのはそのせい? なんでずっと秘密になんて……)
はっと、シーラは目の前に並べられた本を見た。
表題も装飾もない黒革の書物。
表に出せない内容が記された、自分と同じ体質の者について書かれた本。
(知ったらまずい何かが……あるってこと……?)
「……ギー、この本は……」
「奥様のお気持ちが落ち着いてから、ゆっくり目を通していただければと存じます」
「……そう。わかった」
シーラは深く息を吸い込み、それをゆっくりと吐き出すとギーを見上げる。
ぎこちなくならないように、シーラは努めてにこやかな表情を浮かべた。
「わたしが魔力消化体質者ってことは、ジルの症状は魔力過多症?」
「ご存じでしたか」
「さすがにね。魔力を持つ人の中には魔力の生成速度が速い人がいて、そういう人は魔力消費が追い付かなくて許容量を超えちゃうんだよね?」
「ええ。その通りでございます」
小さく笑んだギーは、ふむ、と首を傾げた。
「旦那様から、奥様は魔力過多症のことをご存じではないかもしれない、と伺っておりましたが、基本的なことですしご存じなのは当然でしたね」
失礼しました、と頭を下げるギーに、シーラは頬が引き攣るのを感じ、慌てて表情を繕う。
「ううん。謝る必要なんてない……んだけど、その……どうしてジルは……わたしが魔力過多症のこと知らないって思ったのか……わかる?」
心臓が嫌な音を立てていることに気付かないふりをして、シーラは窺うように問う。
シーラの問いに、ギーは姿勢を戻すと視線を巡らせた。
「確か、魔力消化体質者に関することはご家族が遠ざけていたから、とおっしゃっていました。何故そうされたのかは……まぁ、わからなくはありませんが、そのあたりはご主じ――旦那様からお聞きになるのがよろしいかと」
「……うん。そうするね」
シーラは淡く笑んで、俯いた。
普段であれば、わざわざ旦那様と言い直したことに言及したことだろう。何故ご主人様と呼ぶのか、ジルヴィウスとはいつ出会ったのか、きっとわくわくした気持ちで尋ねたに違いない。けれど、今はとてもそんな気分にはなれず、縫い付けられたように本を見つめた。
(ジルはいつからわたしが魔力消化体質者って知ってたんだろう……。……最初から……? ジルが魔力過多症だって知ってて、わたしが魔力消化体質者だって知ってて、お兄様がジルを連れて来たの? ……それとも、ジルから……?)
思い返してみれば、ジルヴィウスと兄の出会いについて詳しく聞いたことはなかった。
兄から声を掛けたらしい、というのはなんとなく聞いたことがあるが、それが真実だとは限らない。
(ジルは最初から……わたしが魔力消化体質者だってわかってて……)
利用するために近付いたのだろうか、と心が黒く澱み沈んでいくのを感じ、シーラは慌てて首を横に振る。
(思い込みだめ! ジルは何も言ってないのに決めつけちゃだめ! それにっ……それにたとえそうだったとしても……全部知ってて、わたしと親しくしてたんだとしても、わたしがジルを助けられる存在であることは事実じゃない! 打算でも、下心でも……いいじゃない……)
自分に言い聞かせるように、心の中で、大丈夫、と繰り返すと、シーラは気合いを入れるように両頬を叩く。
勢いよく顔を上げ、窺うようにシーラを見つめていたギーに明るい笑みを向ける。
「教えてくれてありがとう、ギー。ところで、魔力過多症について聞きたいんだけど、いいかな?」
「……ええ、もちろんにございます。なんでしょうか?」
「その、魔力過多症の対処法? について知りたくて。普段……わたしと会ってなかった間はどうしてたのか、とか……わたしには触るだけでいいの? とか」
「……そうですね。私が直接ご説明できる内容とできない内容がございますので、私が説明できる内容だけでよろしければ」
「うん、もちろんよ!」
大丈夫、と示すように大きく頷けば、ギーも小さく頷き返した。
「魔力過多症の対処法として一番真っ当なのは魔法を使うことです。旦那様も常に魔法を展開し魔力が流れるようにしていらっしゃいます」
「? 魔力過多症は魔力の回復が速いから、あんまり意味ないんじゃないの?」
「そうですね。一度の魔力消費量が多くなければあまり意味はありません。ですが、人によってはこの対処法だけでも十分な場合がございます」
「ジルは?」
「当然ながら不十分です。魔法を使うだけでは不十分な場合は……手っ取り早く血を流す方もいらっしゃいます」
「血……? 血を流せば、魔力もなくなるの?」
「細かく言えば血でなくとも構いません。汗や涙、唾液などでも効果があります。魔法が体内にある魔力を体外に排出することで使えるように、大事なのは、“体内にあるものを体外に出す”という行為なのです。ですので……」
ギーはシーラの後ろに控える一号二号に一度目を向けると、小さく咳払いをして、青い表紙に金字の書物を手に取った。
「……こちらへ目を通していただけると」
どこか気まずそうなギーの様子に、シーラは小首を傾げながらも、開かれページの指差された場所へ目を向ける。
そこに書かれた文言を見た瞬間、シーラは大きく目を見開いた。
どこかで聞いたことがあるような気がする、と頭の中の記憶を片っ端から引っ張り出す。
(いじぇすと……イジェスト……あっ!)
「もしかして、魔力を消化する体質の……あの魔力消化体質者のこと?」
「はい。その魔力消化体質者で間違いございません」
了承を示すように頷いたギーに、合っていた、と安堵したのも束の間、シーラは足りないピースが埋まっていくような感覚を覚えた。
ピースがすべて嵌まり、物事の道筋が見え始め、ああそういうことか、とシーラは握る拳に力を入れる。
(――そっか……だから北部公爵様はわたしを……)
魔力消化体質者とは、無魔力者の中に稀に誕生するとても貴重な存在だ。十人中一人は無魔力者だと言われているなかで、魔力消化体質者はそんな無魔力者が一千万人集まって、やっと一人いるかいないかという割合でしか存在しなかった。
(でも、魔力消化体質者の貴重性は数が少ないこと以上に、“魔力を消化できる”っていう体質にある……って、昔教わったな)
魔力消化体質者はその数が少ないせいか、詳しい情報はわからないのだと家庭教師は言っていた。わかっているのは、本人の意思など関係なく、魔力あるものに触れればたちどころに魔力を失わせることができる、ということだけらしい。
魔力持ちにとっては少々恐ろしい存在だが、生きている間に魔力消化体質者に出会える確率はとんでもなく低いだろう、と言われた。
「……わたしが魔力消化体質者っていうのは、本当なの?」
何かの勘違いではないだろうか、という思いが捨てきれずそう問うたものの、ギーはしっかりと首肯した。
「旦那様からそのように伺っています」
「そう……ジルが……」
ジルヴィウスが言うのであれば間違いないのだろう。
彼はそんな嘘をつくタイプではないし、確信の持てないことを他者に伝える人でもない。
(だったら、どうして……)
何故これまで誰もそのことを教えてくれなかったのだろうか。ジルヴィウスだけでなく、交流などなかった北部公爵家だって知っていた可能性があるのだ。両親や兄が知らなかったとは到底思えない。
(知ってて隠してた……? 北部公爵家はどうしてそんなに私が欲しいのって聞いたとき、誰も答えてくれなかったのはそのせい? なんでずっと秘密になんて……)
はっと、シーラは目の前に並べられた本を見た。
表題も装飾もない黒革の書物。
表に出せない内容が記された、自分と同じ体質の者について書かれた本。
(知ったらまずい何かが……あるってこと……?)
「……ギー、この本は……」
「奥様のお気持ちが落ち着いてから、ゆっくり目を通していただければと存じます」
「……そう。わかった」
シーラは深く息を吸い込み、それをゆっくりと吐き出すとギーを見上げる。
ぎこちなくならないように、シーラは努めてにこやかな表情を浮かべた。
「わたしが魔力消化体質者ってことは、ジルの症状は魔力過多症?」
「ご存じでしたか」
「さすがにね。魔力を持つ人の中には魔力の生成速度が速い人がいて、そういう人は魔力消費が追い付かなくて許容量を超えちゃうんだよね?」
「ええ。その通りでございます」
小さく笑んだギーは、ふむ、と首を傾げた。
「旦那様から、奥様は魔力過多症のことをご存じではないかもしれない、と伺っておりましたが、基本的なことですしご存じなのは当然でしたね」
失礼しました、と頭を下げるギーに、シーラは頬が引き攣るのを感じ、慌てて表情を繕う。
「ううん。謝る必要なんてない……んだけど、その……どうしてジルは……わたしが魔力過多症のこと知らないって思ったのか……わかる?」
心臓が嫌な音を立てていることに気付かないふりをして、シーラは窺うように問う。
シーラの問いに、ギーは姿勢を戻すと視線を巡らせた。
「確か、魔力消化体質者に関することはご家族が遠ざけていたから、とおっしゃっていました。何故そうされたのかは……まぁ、わからなくはありませんが、そのあたりはご主じ――旦那様からお聞きになるのがよろしいかと」
「……うん。そうするね」
シーラは淡く笑んで、俯いた。
普段であれば、わざわざ旦那様と言い直したことに言及したことだろう。何故ご主人様と呼ぶのか、ジルヴィウスとはいつ出会ったのか、きっとわくわくした気持ちで尋ねたに違いない。けれど、今はとてもそんな気分にはなれず、縫い付けられたように本を見つめた。
(ジルはいつからわたしが魔力消化体質者って知ってたんだろう……。……最初から……? ジルが魔力過多症だって知ってて、わたしが魔力消化体質者だって知ってて、お兄様がジルを連れて来たの? ……それとも、ジルから……?)
思い返してみれば、ジルヴィウスと兄の出会いについて詳しく聞いたことはなかった。
兄から声を掛けたらしい、というのはなんとなく聞いたことがあるが、それが真実だとは限らない。
(ジルは最初から……わたしが魔力消化体質者だってわかってて……)
利用するために近付いたのだろうか、と心が黒く澱み沈んでいくのを感じ、シーラは慌てて首を横に振る。
(思い込みだめ! ジルは何も言ってないのに決めつけちゃだめ! それにっ……それにたとえそうだったとしても……全部知ってて、わたしと親しくしてたんだとしても、わたしがジルを助けられる存在であることは事実じゃない! 打算でも、下心でも……いいじゃない……)
自分に言い聞かせるように、心の中で、大丈夫、と繰り返すと、シーラは気合いを入れるように両頬を叩く。
勢いよく顔を上げ、窺うようにシーラを見つめていたギーに明るい笑みを向ける。
「教えてくれてありがとう、ギー。ところで、魔力過多症について聞きたいんだけど、いいかな?」
「……ええ、もちろんにございます。なんでしょうか?」
「その、魔力過多症の対処法? について知りたくて。普段……わたしと会ってなかった間はどうしてたのか、とか……わたしには触るだけでいいの? とか」
「……そうですね。私が直接ご説明できる内容とできない内容がございますので、私が説明できる内容だけでよろしければ」
「うん、もちろんよ!」
大丈夫、と示すように大きく頷けば、ギーも小さく頷き返した。
「魔力過多症の対処法として一番真っ当なのは魔法を使うことです。旦那様も常に魔法を展開し魔力が流れるようにしていらっしゃいます」
「? 魔力過多症は魔力の回復が速いから、あんまり意味ないんじゃないの?」
「そうですね。一度の魔力消費量が多くなければあまり意味はありません。ですが、人によってはこの対処法だけでも十分な場合がございます」
「ジルは?」
「当然ながら不十分です。魔法を使うだけでは不十分な場合は……手っ取り早く血を流す方もいらっしゃいます」
「血……? 血を流せば、魔力もなくなるの?」
「細かく言えば血でなくとも構いません。汗や涙、唾液などでも効果があります。魔法が体内にある魔力を体外に排出することで使えるように、大事なのは、“体内にあるものを体外に出す”という行為なのです。ですので……」
ギーはシーラの後ろに控える一号二号に一度目を向けると、小さく咳払いをして、青い表紙に金字の書物を手に取った。
「……こちらへ目を通していただけると」
どこか気まずそうなギーの様子に、シーラは小首を傾げながらも、開かれページの指差された場所へ目を向ける。
そこに書かれた文言を見た瞬間、シーラは大きく目を見開いた。
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