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第二章
二
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(わたしはっ……! 目先の欲に囚われて……!)
図書館で調べ物をしていたシーラは、今朝の出来事を定期的に思い出しては羞恥に駆られていた。頭を抱え身悶えしていると、一号と二号が心配そうに覗き込んでくる。
「あっ、ごめんね。なんでもないの。大丈夫よ」
手を振りながら答えると、二人は軽く頭を下げ後ろへと控えた。手で顔を仰ぎながら、シーラはそんな二人を見て口元を緩める。
(魔法自動人形って表情が変わったりするわけじゃないから、最初は何考えてるのかわからないなーってときもあったけど、最近はなんとなくわかってきたんだよねぇ。まぁ、そうだったらいいなっていう、わたしの願望の可能性もあるけど……)
そこは前向きに考えよう、と握りこぶしを作ったシーラは、柱に掛けられた時計に目を向ける。
(執務室に行くの午後って言ってたけど、午後ならいつでもいいのかな?)
そろそろ正午になりそうな時計の針を見て逡巡する。
(……早すぎたら待ってればいいよね?)
開いていた本を閉じ立ち上がると、二号が近付いて来て手を差し出した。
「ありがとう、にーちゃん」
先ほどまで読んでいた本を差し出せば、二号はそれを受け取り所定の場所へと戻しに行く。魔法自動人形は壁や天井を伝って移動することもできるようで、高い場所にある本は彼女たちに任せていた。最初に見たときは腰を抜かすほど驚いたが、今ではすっかり見慣れてしまった。
戻って来た二号にもう一度お礼を伝えると、シーラは図書室を後にする。
窓の外に広がる澄んだ空を見つめながら、そういえば、と首を傾げる。
(あと一ヵ月半もすれば春の社交界が始まるけど、ジルはどうするんだろう? ここ数年は春の社交界も秋の社交界もジルは出てなかったし、東部公爵城でパーティーが開かれることもなかったけど……あっ、もしかしてその準備もあるからこのタイミングでメイドを、ってこと!?)
ジルヴィウスの妻になってから初めての大仕事だ、とやる気を滾らせながら執務室まで向かうと、ギーが扉の前で門番のように立っていた。
声を掛けるより前にシーラに気付いたギーが、口元に笑みを浮かべ頭を下げる。
「お早いご到着ですね、奥様」
「午後としか言われてなかったから……早すぎちゃった?」
「いえ、まさか」
相変わらず目が笑っていない笑みを浮かべながら、ギーは姿勢を戻し執務室の扉を叩く。
「奥様がいらっしゃいました」
「入れ」
ギーの目配せに頷き返せば、彼は恭しく扉を開けた。
扉の先には、魔法自動人形と同じ白いメイドキャップを着け、魔法自動人形とは違う紺色のメイド服を着た三人の女性がいた。後ろを向いているため詳しくはわからないが、皆とても若そうだ。
魔力がないためアカデミーには通えず、エルネストの婚約者ということで同年代の令嬢から敬遠されていたシーラは、これまで歳の近い友人がいなかった。そのせいか、友人という存在に強い憧れを抱いており、もしかしたら彼女たちとそうなれるかも、と期待に胸が弾む。
しかし、そんなシーラのわくわくした気持ちは、彼女たちと向き合うジルヴィウスの格好を視認した途端、一瞬で別のドキドキに成り代わった。
(なっ、なんであんなにシャツのボタン開いてるの!? おへそ近くまで見えてるよ!? ……ボタンの意味ある!?)
ジルヴィウスの鍛え上げられた美しい上半身を自分以外の女性が見ている。その事実に、拗ねた気持ちがふつふつと湧き上がってきた。
(過去はいい……! 過去はもう気にしない! でも、結婚してからはっ……! 結婚してからは……わたしのジルなのに……)
「どうした、シーラ。近くに来い」
落ち着いたジルヴィウスの声に、はっと我に返ったシーラは、全員の視線が自分に集まっていることに気付き、すぐに淑女らしい楚々とした笑みを浮かべた。
優雅な足取りでジルヴィウスの元まで行くと、差し出された手を取り、優美に微笑む。
「お呼びでしょうか、ジルヴィウス様」
ジルヴィウスの指先がぴくりと揺れる。固まったようにシーラを見つめるジルヴィウスに、シーラは小首を傾げる。
(いつもの感じは公爵夫人らしくないから、と思ったけど、だめだったかな……?)
どれほど拗ねた気持ちを抱き、今すぐ問い詰めたい衝動に駆られても、初対面の相手の前でそんな行動を起こすわけにはいかない。これはシーラなりに考えた結果の行動だったが、ジルヴィウスの反応がないのが少々怖かった。
「……ジルヴィウス様?」
もう一度名を呼ぶと、ジルヴィウスはシーラの手を強く握り引き寄せた。
「お前たちの主となる妻のシーラだ。何よりもシーラを優先し、彼女に尽くせ」
(妻……)
腰を抱き寄せ、額に口付けてくれるジルヴィウスに、シーラの口元は緩みそうになる。それをなんとか堪えると、三人の女性に目を向けた。
「右の茶色髪から順に挨拶しろ」
ジルヴィウスの命令に、右にいた女性が頭を下げる。
「リディです。姓はありません。よろしくお願いいたします、奥様」
「会えて嬉しいわ。よろしくね、リディ」
右の茶色い髪の女性――リディは、シーラと同じくらいか、もしかしたら下かもしれないという歳のころだった。無垢な眼差しが印象的だ。
次に、真ん中の金髪の女性が頭を下げる。
「イレーヌと申します。姓はありませんが父は貴族の血を引いております。きっと奥様のお役に立ってみせますわ」
「そう。とても頼もしいわ。よろしくね、イレーヌ」
イレーヌはシーラよりは年上そうで、艶やかな雰囲気を持っている。笑みはどこか作り物のように感じたが、シーラは気にせず笑みを返し、次の紺色の髪の女性に目を向けた。
「ネ、ネリーと申します。料理や、お、お裁縫が得意です。よろしくお願いします、奥様」
「まあ。よかったらいろいろ教えてね。よろしく、ネリー」
ネリーも少し年上そうで、優しそうに見える垂れ目が特徴的だ。緊張しているのか、目線は常に下を向いている。
一通り挨拶が終わり、全員頭を上げていい、と言おうとしたシーラだったが、ジルヴィウスに顎を掴まれそれは叶わなかった。
ジルヴィウスはシーラに自分のほうを向かせると、目尻に口付けた。
「最初は全員一緒にお前につける。だが最終的にお前の側仕えを許すのは一人だけだ」
「……あとの二人は?」
「掃除でも料理でも洗濯でも、やりたければいくらでも仕事はある」
興味なさそうにシーラの頭を撫でるジルヴィウスに、シーラは頭を下げたままの三人を横目で見る。
一番年下そうなリディは気にした様子もなくただ真っ直ぐ床を見つめ、少々気弱そうなネリーはわずかに体を震わせていた。
真ん中のイレーヌは、どこか睨むようにシーラを見ていたものの、目が合うとすぐに柔和な笑みを浮かべ視線を床に落とした。
(……大丈夫かなぁ……)
友人ができるかも、とわくわくしていた先ほどまでの気持ちが嘘のように、シーラは今後が少しだけ不安になった。
図書館で調べ物をしていたシーラは、今朝の出来事を定期的に思い出しては羞恥に駆られていた。頭を抱え身悶えしていると、一号と二号が心配そうに覗き込んでくる。
「あっ、ごめんね。なんでもないの。大丈夫よ」
手を振りながら答えると、二人は軽く頭を下げ後ろへと控えた。手で顔を仰ぎながら、シーラはそんな二人を見て口元を緩める。
(魔法自動人形って表情が変わったりするわけじゃないから、最初は何考えてるのかわからないなーってときもあったけど、最近はなんとなくわかってきたんだよねぇ。まぁ、そうだったらいいなっていう、わたしの願望の可能性もあるけど……)
そこは前向きに考えよう、と握りこぶしを作ったシーラは、柱に掛けられた時計に目を向ける。
(執務室に行くの午後って言ってたけど、午後ならいつでもいいのかな?)
そろそろ正午になりそうな時計の針を見て逡巡する。
(……早すぎたら待ってればいいよね?)
開いていた本を閉じ立ち上がると、二号が近付いて来て手を差し出した。
「ありがとう、にーちゃん」
先ほどまで読んでいた本を差し出せば、二号はそれを受け取り所定の場所へと戻しに行く。魔法自動人形は壁や天井を伝って移動することもできるようで、高い場所にある本は彼女たちに任せていた。最初に見たときは腰を抜かすほど驚いたが、今ではすっかり見慣れてしまった。
戻って来た二号にもう一度お礼を伝えると、シーラは図書室を後にする。
窓の外に広がる澄んだ空を見つめながら、そういえば、と首を傾げる。
(あと一ヵ月半もすれば春の社交界が始まるけど、ジルはどうするんだろう? ここ数年は春の社交界も秋の社交界もジルは出てなかったし、東部公爵城でパーティーが開かれることもなかったけど……あっ、もしかしてその準備もあるからこのタイミングでメイドを、ってこと!?)
ジルヴィウスの妻になってから初めての大仕事だ、とやる気を滾らせながら執務室まで向かうと、ギーが扉の前で門番のように立っていた。
声を掛けるより前にシーラに気付いたギーが、口元に笑みを浮かべ頭を下げる。
「お早いご到着ですね、奥様」
「午後としか言われてなかったから……早すぎちゃった?」
「いえ、まさか」
相変わらず目が笑っていない笑みを浮かべながら、ギーは姿勢を戻し執務室の扉を叩く。
「奥様がいらっしゃいました」
「入れ」
ギーの目配せに頷き返せば、彼は恭しく扉を開けた。
扉の先には、魔法自動人形と同じ白いメイドキャップを着け、魔法自動人形とは違う紺色のメイド服を着た三人の女性がいた。後ろを向いているため詳しくはわからないが、皆とても若そうだ。
魔力がないためアカデミーには通えず、エルネストの婚約者ということで同年代の令嬢から敬遠されていたシーラは、これまで歳の近い友人がいなかった。そのせいか、友人という存在に強い憧れを抱いており、もしかしたら彼女たちとそうなれるかも、と期待に胸が弾む。
しかし、そんなシーラのわくわくした気持ちは、彼女たちと向き合うジルヴィウスの格好を視認した途端、一瞬で別のドキドキに成り代わった。
(なっ、なんであんなにシャツのボタン開いてるの!? おへそ近くまで見えてるよ!? ……ボタンの意味ある!?)
ジルヴィウスの鍛え上げられた美しい上半身を自分以外の女性が見ている。その事実に、拗ねた気持ちがふつふつと湧き上がってきた。
(過去はいい……! 過去はもう気にしない! でも、結婚してからはっ……! 結婚してからは……わたしのジルなのに……)
「どうした、シーラ。近くに来い」
落ち着いたジルヴィウスの声に、はっと我に返ったシーラは、全員の視線が自分に集まっていることに気付き、すぐに淑女らしい楚々とした笑みを浮かべた。
優雅な足取りでジルヴィウスの元まで行くと、差し出された手を取り、優美に微笑む。
「お呼びでしょうか、ジルヴィウス様」
ジルヴィウスの指先がぴくりと揺れる。固まったようにシーラを見つめるジルヴィウスに、シーラは小首を傾げる。
(いつもの感じは公爵夫人らしくないから、と思ったけど、だめだったかな……?)
どれほど拗ねた気持ちを抱き、今すぐ問い詰めたい衝動に駆られても、初対面の相手の前でそんな行動を起こすわけにはいかない。これはシーラなりに考えた結果の行動だったが、ジルヴィウスの反応がないのが少々怖かった。
「……ジルヴィウス様?」
もう一度名を呼ぶと、ジルヴィウスはシーラの手を強く握り引き寄せた。
「お前たちの主となる妻のシーラだ。何よりもシーラを優先し、彼女に尽くせ」
(妻……)
腰を抱き寄せ、額に口付けてくれるジルヴィウスに、シーラの口元は緩みそうになる。それをなんとか堪えると、三人の女性に目を向けた。
「右の茶色髪から順に挨拶しろ」
ジルヴィウスの命令に、右にいた女性が頭を下げる。
「リディです。姓はありません。よろしくお願いいたします、奥様」
「会えて嬉しいわ。よろしくね、リディ」
右の茶色い髪の女性――リディは、シーラと同じくらいか、もしかしたら下かもしれないという歳のころだった。無垢な眼差しが印象的だ。
次に、真ん中の金髪の女性が頭を下げる。
「イレーヌと申します。姓はありませんが父は貴族の血を引いております。きっと奥様のお役に立ってみせますわ」
「そう。とても頼もしいわ。よろしくね、イレーヌ」
イレーヌはシーラよりは年上そうで、艶やかな雰囲気を持っている。笑みはどこか作り物のように感じたが、シーラは気にせず笑みを返し、次の紺色の髪の女性に目を向けた。
「ネ、ネリーと申します。料理や、お、お裁縫が得意です。よろしくお願いします、奥様」
「まあ。よかったらいろいろ教えてね。よろしく、ネリー」
ネリーも少し年上そうで、優しそうに見える垂れ目が特徴的だ。緊張しているのか、目線は常に下を向いている。
一通り挨拶が終わり、全員頭を上げていい、と言おうとしたシーラだったが、ジルヴィウスに顎を掴まれそれは叶わなかった。
ジルヴィウスはシーラに自分のほうを向かせると、目尻に口付けた。
「最初は全員一緒にお前につける。だが最終的にお前の側仕えを許すのは一人だけだ」
「……あとの二人は?」
「掃除でも料理でも洗濯でも、やりたければいくらでも仕事はある」
興味なさそうにシーラの頭を撫でるジルヴィウスに、シーラは頭を下げたままの三人を横目で見る。
一番年下そうなリディは気にした様子もなくただ真っ直ぐ床を見つめ、少々気弱そうなネリーはわずかに体を震わせていた。
真ん中のイレーヌは、どこか睨むようにシーラを見ていたものの、目が合うとすぐに柔和な笑みを浮かべ視線を床に落とした。
(……大丈夫かなぁ……)
友人ができるかも、とわくわくしていた先ほどまでの気持ちが嘘のように、シーラは今後が少しだけ不安になった。
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