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10.巨匠
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函館は日本でも人気実力ともに日本屈指のロックバンドの聖地だ。そのためこの駅ピアノでもそのバンドの曲を弾く人がとても多い。多くは独学のようだが、そのバンドに対する深い愛着が感じられる。ここは音楽の街と言ってもよさそうだ。
今日この駅ピアノに来た時も、そのバンドの曲を弾く若い男性がいた。若いと言っても僕より年上みたいだ。その人は多分プロだと思う。正確な技巧と豊かな表現力はなかなかのものだ。見ればビデオカメラで撮影している人がいる。空腹を抱えた僕はそんな様子をぼんやりと眺めていた。
「動画撮ってんだね」
すぐ隣で藍の声がしたのでぎょっとした。驚きのあまり思わず声が出る。
「びっくりした!」
藍は笑いをかみ殺して唇に人差し指を当てた。
「しー」
本当に神出鬼没な奴だ。
また、さり気なく僕にピッタリとくっついて来ようとするので、僕はそれを引き剥がした。
演奏が終わり大きな拍手も鳴りやんで、男性たちがいなくなると、駅構内はつかの間静けさを取り戻す。微かな雑踏のざわめきだけが駅の空間を満たしていく。
僕は背後に人影を感じた。そちらを振り向くとやせ形で背の高いひげをぼうぼうにはやした外国人が立っていた。どこかで見たことがあるが、どうにも記憶があいまいで思い出せない。
彼は顎髭を撫でながら、隣の背が低い女性に何か言うとピアノに向かって大股に、颯爽として歩いて行く。椅子に掛けるとおもむろに弾き始めた。弾き始めるや否や僕も藍も目を丸くする。
彼が弾き始めた曲はリストのパガニーニによる超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」だったのだ。「超絶技巧」の名にふさわしく、初稿の楽譜では演奏不可能と言われ、幾度も難度を落として改稿されたものが現在の楽譜と言われる。それでもこの音符の多さはそうそうは弾けるものではない。僕たちは彼のテクニックに息を呑んだ。テクニックだけではない。その美しい旋律も超絶的だった。僕もそして多分藍も鳥肌が立っていたに違いない。
これだけの曲をいとも容易く弾いてのけた彼が演奏を終えると、いつもよりは多めの拍手が沸き起こる。僕たちも手が痛くなるくらいの拍手をし、藍は「ブラボー!」と叫んだ。
彼がまた僕の背後に戻って時計をちらりと見ると次の演奏を聴く様だ。そしてその次は、僕だった。
ギャラリーの中から「次の人やりにくいよねえ」と意地の悪い囁きが聞こえる。
それならいっそ野心的な選択をしてみようと僕は思った。当初頭にあったチャイコフスキーの舟歌から、ショパンの12の練習曲Op.10-4に切り替える。あの奏者に喰らい付いてやりたい。そう考えるだけで僕は胸がわくわくした。この生まれて初めて感じる昂揚感に包まれながら僕はピアノの前に座る。もともと得意だった曲だ、それにテクニックだけなら僕だってほんの少しでもやれそうな気がした。
この曲を弾く度に僕は思っていた。なんという疾走感、幻惑されるようなきらびやかさ、指も手も腕も試される素早さ。肘から下が悲鳴を上げているのに楽しい。楽譜についていけている自分が嬉しい。そんなことを思い出していた。これが長さんの言っていた「演奏が上手くいった時は嬉しいものでしょう」という感覚だったのか。
演奏を終えた僕は今までで一番ミスタッチも少なく、充分な手ごたえを感じた。僕の中ではここに来てからベストの演奏だった。藍が後ろで歓声をあげている。拍手の数もいつもよりほんの少し多いかも知れない。僕は藍の隣に戻り感想を聞いてみた。
「どう?」
藍は目を輝かせて言う。
「今までで最高だったんじゃない? すごいよ!」
「そんなに?」
「そんなに!」
「失礼します」
声がするのでそちらを向く。背の低い女性が僕のすぐそばまで来ていた。
「あの。クラシックをやってらっしゃるんですか?」
「あ、はい。音大生だったんですが、今はちょっとあって……」
僕は最後の部分を濁す。
「ああ、それで。実は、大変上手だったと『彼』が……」
女性が手で指したのは先ほどの背が高いひげもじゃの外国人だった。
その瞬間僕の頭の中で閃光が走る。
「ジュラフスキー!」
「えっ、あのひげおっさんが、ジュラフスキー?」
驚いた僕の声を受けて藍も驚く。
僕は彼の目の前であんな演奏をしたことを恥じた。なんといっても彼はペライア、アルゲリッチ、ツィンマーマンらと肩を並べる世界の第一線で活躍中のピアニストなのだから。
顔を真っ赤にして身体を硬直させ身動きの取れない僕に代わって、ジュラフスキーの方から僕に近づく。
「Здравствуйте(こんにちは)」
にこやかに握手を求めてくるジュラフスキー。その気さくさに僕は胸を打たれた。僕は片言のロシア語を交えて震えながら応えた。
「Добрый день(こんにちは)、あ、あの、お会いできて光栄です。とても感激しています」
笑顔をたたえた藍が脇から割り込んできて握手を求める。
「Здравствуйте」
ジュラフスキーは嫌な顔一つせず藍に応える。
「Здравствуйте」
背の低い女性は通訳だろう、僕の言葉を訳しているようだ。するとジュラフスキーが色々通訳に語り掛ける。そして通訳が僕に語り掛ける。
「素晴らしい演奏でした。あなたの若さでこれだけ弾ける人は多くはないでしょう。ただ表現力にはとても大きな課題が残されているように思います。不思議なのはそれでもどこかとても心に残るものがあることです。とても魅力的です。これからも向上心を持って精励すると良いと思います」
講評された。僕の演奏がジュラフスキーに講評された! 僕はもう天にも昇る気持ちだった。僕は「ありがとうございます!」と言って深々と頭を下げた。
またジュラフスキーと通訳の女性が色々と話してから、彼女が僕の方を向く。
「近々またここを訪れる機会があります。その時またお会いしたいです。またあなたの演奏を聴かせて欲しいです。その時まで頑張って学んでください」
「はい、はいっ!」
ジュラフスキーに何かを言われた通訳がため息をついて分厚いファイルの中から二枚の券を出す。
「それとこれが来週のリサイタルのチケットです。良い席ではないのですが良かったら聴きに来てください」
僕と藍は色めき立った。
「もちろんです! 喜んで聴きに行きます!」
「私も? 私ももらっていいんですか?」
「もちろんです。こちらのお嬢さんは大切なパートナーなんですよね」
「やだもう……」
「いや違うんです違うんですそうじゃないんですそれは大きな誤解で」
あほみたいに照れる藍と慌てる僕を見て通訳は不思議そうな顔をする。が、気を取り直してまたジュラフスキーの言葉を通訳する。
「楽屋にもいらっしゃい。歓迎しますよ」
通訳が名刺を渡す。僕は驚いた。なんということだ。それだけ僕の演奏がジュラフスキーに評価されたということなんだろうか。僕は感激のあまり茫然としていた。
ジュラフスキーは腕時計を見ると、いそいそと床に置いたかばんを手に取る。
「さて、時間が来ましたのでこれで。彼は時間にはうるさいのでね。それでは。思いの外若々しくていい演奏が聴けて良かったです。ええと」
上機嫌のジュラフスキーが手を差し出す。僕はそれをしっかり握って答えた。
「奏輔、奏輔・入江です」
「あたしは藍・高溝」
「хорошо。ではСоске、Айいずれまたここで」
「ありがとうございました」
「дo свидания спасибо」
ジュラフスキーと通訳は足早に駅の外へ向かって歩いて行く。
僕は藍が意外と流ちょうにロシア語であいさつしたことに驚いた。ジュラフスキーの後ろ姿を見つめながら藍に訊く。
「藍、ロシア語できるのか?」
「ふふふ、あたしの特技は語学なんだなあ」
「意外な才能」
「意外って何?」
「いや、なんでも」
僕たちは活力亭ラーメンで塩ラーメンを食べている間でも興奮してあれやこれやとしゃべり通しだった。
僕たちはラーメン屋で解散して僕はバイトに出かける。その帰り、僕はいつも通り冨久屋に向かった。冨久屋ののれんをくぐった僕の顔を見てすがちゃんが嬉しそうな顔をした。
「いらっしゃいませ。あら」
「どうしました?」
「ええ、なんだかすっごく嬉しそうですね」
すがちゃんまで嬉しそうな顔で僕を迎える。
「ええ、すっごく嬉しいことがあったんですよ」
「まあ」
僕は長さんにも聞こえるように言った。
「今日高名なピアニストのジュラフスキーに会って、僕の演奏のテクニックがいいって褒めてくれたんですよ」
長さんの耳がぴくぴくっと反応した。
「もっとも表現力はひどいそうですが……」
「まあ……」
苦笑いをする僕にすがちゃんが気遣うような表情を見せ、お通しとおしぼりを僕の前に置いた。
「それでもテクニックの面ではそれなりに聴けるということですから僕としては自信がつきました。すがちゃん、燗酒と冷奴下さい」
「はあい」
笑顔で注文を受けるすがちゃん。長さんは心なしかうんうんと頷いたようにも見える。
これから練習に励んでジュラフスキーにどんな音楽を聴かせられるか、僕はわくわくしながら頬杖をついて、右手はラヴェルの水の戯れを奏でていた。
◆次回
11.ロールキャベツ
2022年4月11日 21:00 公開予定
今日この駅ピアノに来た時も、そのバンドの曲を弾く若い男性がいた。若いと言っても僕より年上みたいだ。その人は多分プロだと思う。正確な技巧と豊かな表現力はなかなかのものだ。見ればビデオカメラで撮影している人がいる。空腹を抱えた僕はそんな様子をぼんやりと眺めていた。
「動画撮ってんだね」
すぐ隣で藍の声がしたのでぎょっとした。驚きのあまり思わず声が出る。
「びっくりした!」
藍は笑いをかみ殺して唇に人差し指を当てた。
「しー」
本当に神出鬼没な奴だ。
また、さり気なく僕にピッタリとくっついて来ようとするので、僕はそれを引き剥がした。
演奏が終わり大きな拍手も鳴りやんで、男性たちがいなくなると、駅構内はつかの間静けさを取り戻す。微かな雑踏のざわめきだけが駅の空間を満たしていく。
僕は背後に人影を感じた。そちらを振り向くとやせ形で背の高いひげをぼうぼうにはやした外国人が立っていた。どこかで見たことがあるが、どうにも記憶があいまいで思い出せない。
彼は顎髭を撫でながら、隣の背が低い女性に何か言うとピアノに向かって大股に、颯爽として歩いて行く。椅子に掛けるとおもむろに弾き始めた。弾き始めるや否や僕も藍も目を丸くする。
彼が弾き始めた曲はリストのパガニーニによる超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」だったのだ。「超絶技巧」の名にふさわしく、初稿の楽譜では演奏不可能と言われ、幾度も難度を落として改稿されたものが現在の楽譜と言われる。それでもこの音符の多さはそうそうは弾けるものではない。僕たちは彼のテクニックに息を呑んだ。テクニックだけではない。その美しい旋律も超絶的だった。僕もそして多分藍も鳥肌が立っていたに違いない。
これだけの曲をいとも容易く弾いてのけた彼が演奏を終えると、いつもよりは多めの拍手が沸き起こる。僕たちも手が痛くなるくらいの拍手をし、藍は「ブラボー!」と叫んだ。
彼がまた僕の背後に戻って時計をちらりと見ると次の演奏を聴く様だ。そしてその次は、僕だった。
ギャラリーの中から「次の人やりにくいよねえ」と意地の悪い囁きが聞こえる。
それならいっそ野心的な選択をしてみようと僕は思った。当初頭にあったチャイコフスキーの舟歌から、ショパンの12の練習曲Op.10-4に切り替える。あの奏者に喰らい付いてやりたい。そう考えるだけで僕は胸がわくわくした。この生まれて初めて感じる昂揚感に包まれながら僕はピアノの前に座る。もともと得意だった曲だ、それにテクニックだけなら僕だってほんの少しでもやれそうな気がした。
この曲を弾く度に僕は思っていた。なんという疾走感、幻惑されるようなきらびやかさ、指も手も腕も試される素早さ。肘から下が悲鳴を上げているのに楽しい。楽譜についていけている自分が嬉しい。そんなことを思い出していた。これが長さんの言っていた「演奏が上手くいった時は嬉しいものでしょう」という感覚だったのか。
演奏を終えた僕は今までで一番ミスタッチも少なく、充分な手ごたえを感じた。僕の中ではここに来てからベストの演奏だった。藍が後ろで歓声をあげている。拍手の数もいつもよりほんの少し多いかも知れない。僕は藍の隣に戻り感想を聞いてみた。
「どう?」
藍は目を輝かせて言う。
「今までで最高だったんじゃない? すごいよ!」
「そんなに?」
「そんなに!」
「失礼します」
声がするのでそちらを向く。背の低い女性が僕のすぐそばまで来ていた。
「あの。クラシックをやってらっしゃるんですか?」
「あ、はい。音大生だったんですが、今はちょっとあって……」
僕は最後の部分を濁す。
「ああ、それで。実は、大変上手だったと『彼』が……」
女性が手で指したのは先ほどの背が高いひげもじゃの外国人だった。
その瞬間僕の頭の中で閃光が走る。
「ジュラフスキー!」
「えっ、あのひげおっさんが、ジュラフスキー?」
驚いた僕の声を受けて藍も驚く。
僕は彼の目の前であんな演奏をしたことを恥じた。なんといっても彼はペライア、アルゲリッチ、ツィンマーマンらと肩を並べる世界の第一線で活躍中のピアニストなのだから。
顔を真っ赤にして身体を硬直させ身動きの取れない僕に代わって、ジュラフスキーの方から僕に近づく。
「Здравствуйте(こんにちは)」
にこやかに握手を求めてくるジュラフスキー。その気さくさに僕は胸を打たれた。僕は片言のロシア語を交えて震えながら応えた。
「Добрый день(こんにちは)、あ、あの、お会いできて光栄です。とても感激しています」
笑顔をたたえた藍が脇から割り込んできて握手を求める。
「Здравствуйте」
ジュラフスキーは嫌な顔一つせず藍に応える。
「Здравствуйте」
背の低い女性は通訳だろう、僕の言葉を訳しているようだ。するとジュラフスキーが色々通訳に語り掛ける。そして通訳が僕に語り掛ける。
「素晴らしい演奏でした。あなたの若さでこれだけ弾ける人は多くはないでしょう。ただ表現力にはとても大きな課題が残されているように思います。不思議なのはそれでもどこかとても心に残るものがあることです。とても魅力的です。これからも向上心を持って精励すると良いと思います」
講評された。僕の演奏がジュラフスキーに講評された! 僕はもう天にも昇る気持ちだった。僕は「ありがとうございます!」と言って深々と頭を下げた。
またジュラフスキーと通訳の女性が色々と話してから、彼女が僕の方を向く。
「近々またここを訪れる機会があります。その時またお会いしたいです。またあなたの演奏を聴かせて欲しいです。その時まで頑張って学んでください」
「はい、はいっ!」
ジュラフスキーに何かを言われた通訳がため息をついて分厚いファイルの中から二枚の券を出す。
「それとこれが来週のリサイタルのチケットです。良い席ではないのですが良かったら聴きに来てください」
僕と藍は色めき立った。
「もちろんです! 喜んで聴きに行きます!」
「私も? 私ももらっていいんですか?」
「もちろんです。こちらのお嬢さんは大切なパートナーなんですよね」
「やだもう……」
「いや違うんです違うんですそうじゃないんですそれは大きな誤解で」
あほみたいに照れる藍と慌てる僕を見て通訳は不思議そうな顔をする。が、気を取り直してまたジュラフスキーの言葉を通訳する。
「楽屋にもいらっしゃい。歓迎しますよ」
通訳が名刺を渡す。僕は驚いた。なんということだ。それだけ僕の演奏がジュラフスキーに評価されたということなんだろうか。僕は感激のあまり茫然としていた。
ジュラフスキーは腕時計を見ると、いそいそと床に置いたかばんを手に取る。
「さて、時間が来ましたのでこれで。彼は時間にはうるさいのでね。それでは。思いの外若々しくていい演奏が聴けて良かったです。ええと」
上機嫌のジュラフスキーが手を差し出す。僕はそれをしっかり握って答えた。
「奏輔、奏輔・入江です」
「あたしは藍・高溝」
「хорошо。ではСоске、Айいずれまたここで」
「ありがとうございました」
「дo свидания спасибо」
ジュラフスキーと通訳は足早に駅の外へ向かって歩いて行く。
僕は藍が意外と流ちょうにロシア語であいさつしたことに驚いた。ジュラフスキーの後ろ姿を見つめながら藍に訊く。
「藍、ロシア語できるのか?」
「ふふふ、あたしの特技は語学なんだなあ」
「意外な才能」
「意外って何?」
「いや、なんでも」
僕たちは活力亭ラーメンで塩ラーメンを食べている間でも興奮してあれやこれやとしゃべり通しだった。
僕たちはラーメン屋で解散して僕はバイトに出かける。その帰り、僕はいつも通り冨久屋に向かった。冨久屋ののれんをくぐった僕の顔を見てすがちゃんが嬉しそうな顔をした。
「いらっしゃいませ。あら」
「どうしました?」
「ええ、なんだかすっごく嬉しそうですね」
すがちゃんまで嬉しそうな顔で僕を迎える。
「ええ、すっごく嬉しいことがあったんですよ」
「まあ」
僕は長さんにも聞こえるように言った。
「今日高名なピアニストのジュラフスキーに会って、僕の演奏のテクニックがいいって褒めてくれたんですよ」
長さんの耳がぴくぴくっと反応した。
「もっとも表現力はひどいそうですが……」
「まあ……」
苦笑いをする僕にすがちゃんが気遣うような表情を見せ、お通しとおしぼりを僕の前に置いた。
「それでもテクニックの面ではそれなりに聴けるということですから僕としては自信がつきました。すがちゃん、燗酒と冷奴下さい」
「はあい」
笑顔で注文を受けるすがちゃん。長さんは心なしかうんうんと頷いたようにも見える。
これから練習に励んでジュラフスキーにどんな音楽を聴かせられるか、僕はわくわくしながら頬杖をついて、右手はラヴェルの水の戯れを奏でていた。
◆次回
11.ロールキャベツ
2022年4月11日 21:00 公開予定
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