月と影――ジムノペディと夜想曲
音楽を捨て放浪する音大生「想」は冬の函館にフリーターとして身を置いていた。想は行きつけの居酒屋「冨久屋」で働く年上の従業員、すがちゃんに心温まるものを感じていた。
そんな中、駅に置かれているピアノを見つけた想。動揺しながらも、そこでとある女性が奏でるショパンの夜想曲第19番の表現力に激しい衝撃を受ける。それに挑発されるように、音楽を捨てたはずの想もまたベートーベンの月光ソナタ第三楽章を叩きつけるように弾く。すると夜想曲を奏でていた女性が、想の演奏を気に入った、と話しかけてきた。彼女の名は「藍」。
想はすがちゃんや藍たちとの交流を経て絶望的に深い挫折と新しい道の選択を迫られる。そしてついにはある重大な決断をすべき時がやってきた。
音楽に魅入られた人々の生きざまを描いた長編小説。
些か読みにくいのですが、登場人物たちは自分としてはそれなりに魅力的だと思っています。
男性向けか女性向けかというと、消去法的に女性向け、と言えなくもないでしょう……
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