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第25話ランガの森ダンジョン編⑥
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「嫌な思いをさせてごめんなさい。ミラー大隊長は冒険者嫌いで有名なの。部下に対しても威圧的で見下した態度をとるし……」
ベネディクタが苦笑いする。
「いえ、気にしてません。騎士の方、しかもベネディクタさんみたいな強い方に手合わせしていただけて光栄です」
「買い被りよ。完全にあなたのペースだった。あのまま続けていても勝てたかどうか」
「ベネディクタさんが魔法剣を使った時点で私は負けていました。防ぐことが出来たのはこれのお陰で」
マリアがIカップの胸に触れる。
そのしぐさを見てベネディクタが不思議そうに首をかしげる。
「えっと、私が着けているブラなんですが、戦闘用ブラっていう自動防御機能が備わった装備なんです」
「そんな下着があるの? 初めて聞いたわ。魔法剣は加減したけれど、確かにあなたはノーダメージだった。反動で飛ばされたのは私の方だったし……」
ベネディクタが驚きの声を上げる。
「ベネディクタさんは飛び級で騎士学校を卒業したと聞きましたが、おいくつなんですか?」
「17歳よ」
「えっ! 私の一つ上なんですね」
今度はマリアが驚きの顔を見せる。
「ネームドの件が無ければ、私がマリアに出会うこともなかった。年も近いし剣の道を歩むもの同士、友達になってくれないかしら?」
「いいんですか?」
「ええ、もちろん。友達なのだから敬語も無しでね」
ベネディクタの申し出に、マリアは大いに喜んだ。
「それじゃ、ベネディって呼んでもいい?」
「素敵な愛称ね。近しい感じでいいわね」
同世代の2人の少女は意気投合し、会話に花を咲かせた。
マリアが騎士学校や騎士団での日常を訪ねると、ベネディクタは笑顔で答えた。ベネディクタが冒険者の生活について質問すると、マリアは手振り身振りで語った。さらに対人戦とモンスターとの戦闘について、2人は熱く論議した。
剣の道を歩み、戦いの中に身を置く女性は少ない。騎士や冒険者という職業で年齢の近い少女と出会う機会は希少である。互いに友人を得た彼女たちは尽きることのない会話を楽しみ、同じ時を共有できる喜びを分かち合った。
「えっと、話の最中に済まない」
店の扉が開き、ハルトが顔を出す。
「ベネディ、こちらがハルト。防具店の店主で戦闘用ブラを作ってくれた人よ。ベネディにはネームドの件、全部話したわ」
「精霊使いに会うのは初めてだわ。マリアから聞いたあなたの事情も察するし、この件について口外しないと剣に誓って約束する」
ベネディクタが真っすぐにハルトを見つめる。
「俺は精霊使いじゃないよ。それにその言葉は好きじゃない。精霊を使うなんて、まるで奴隷みたいだからな。気のいいこいつらが、俺の仕事を手伝ってくれてるだけさ」
「そうだぞ、感謝しろよハルト」
「アンタは食べてばっかじゃない」
姿を現したノ―ムとシルフが、ベネディクタの周りを飛び回る。
「す、すごい! 本物なの? 精霊が私の目の前を飛んでる!」
ベネディクタが目を丸くし、幼い子供のように無邪気に喜んだ。
ベネディクタが苦笑いする。
「いえ、気にしてません。騎士の方、しかもベネディクタさんみたいな強い方に手合わせしていただけて光栄です」
「買い被りよ。完全にあなたのペースだった。あのまま続けていても勝てたかどうか」
「ベネディクタさんが魔法剣を使った時点で私は負けていました。防ぐことが出来たのはこれのお陰で」
マリアがIカップの胸に触れる。
そのしぐさを見てベネディクタが不思議そうに首をかしげる。
「えっと、私が着けているブラなんですが、戦闘用ブラっていう自動防御機能が備わった装備なんです」
「そんな下着があるの? 初めて聞いたわ。魔法剣は加減したけれど、確かにあなたはノーダメージだった。反動で飛ばされたのは私の方だったし……」
ベネディクタが驚きの声を上げる。
「ベネディクタさんは飛び級で騎士学校を卒業したと聞きましたが、おいくつなんですか?」
「17歳よ」
「えっ! 私の一つ上なんですね」
今度はマリアが驚きの顔を見せる。
「ネームドの件が無ければ、私がマリアに出会うこともなかった。年も近いし剣の道を歩むもの同士、友達になってくれないかしら?」
「いいんですか?」
「ええ、もちろん。友達なのだから敬語も無しでね」
ベネディクタの申し出に、マリアは大いに喜んだ。
「それじゃ、ベネディって呼んでもいい?」
「素敵な愛称ね。近しい感じでいいわね」
同世代の2人の少女は意気投合し、会話に花を咲かせた。
マリアが騎士学校や騎士団での日常を訪ねると、ベネディクタは笑顔で答えた。ベネディクタが冒険者の生活について質問すると、マリアは手振り身振りで語った。さらに対人戦とモンスターとの戦闘について、2人は熱く論議した。
剣の道を歩み、戦いの中に身を置く女性は少ない。騎士や冒険者という職業で年齢の近い少女と出会う機会は希少である。互いに友人を得た彼女たちは尽きることのない会話を楽しみ、同じ時を共有できる喜びを分かち合った。
「えっと、話の最中に済まない」
店の扉が開き、ハルトが顔を出す。
「ベネディ、こちらがハルト。防具店の店主で戦闘用ブラを作ってくれた人よ。ベネディにはネームドの件、全部話したわ」
「精霊使いに会うのは初めてだわ。マリアから聞いたあなたの事情も察するし、この件について口外しないと剣に誓って約束する」
ベネディクタが真っすぐにハルトを見つめる。
「俺は精霊使いじゃないよ。それにその言葉は好きじゃない。精霊を使うなんて、まるで奴隷みたいだからな。気のいいこいつらが、俺の仕事を手伝ってくれてるだけさ」
「そうだぞ、感謝しろよハルト」
「アンタは食べてばっかじゃない」
姿を現したノ―ムとシルフが、ベネディクタの周りを飛び回る。
「す、すごい! 本物なの? 精霊が私の目の前を飛んでる!」
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