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第80話渦巻く陰謀と新たな敵①
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「王室の薬剤師と魔術師は、フィーニが亡くなることを望んでいたということですね……」
「そ、そんな……」
俺の言葉にゲーテ伯爵が絶句する。
「命を狙っていたと言った方が正確かもね。フィーニはその薬剤師から投薬治療を受けていなかった?」
「はい。毎月二回、薬剤師の方が王都から足を運んでくださり、治療を受けておりました」
「それ、治療薬じゃなくて毒よ。調べさせてもらったら、村の井戸水と畑の土からも同じ毒の成分が検出されたわ」
スキルバの口から驚愕の事実が飛び出す。
「黒幕と目的がはっきりしませんが、伯爵とフィーニちゃんは俺たちで保護した方が良さそうですね」
「それは大変ありがたく心強いお話なのですが、領民を残して私たちだけ逃げるということは……」
ゲーテ伯爵が言葉を詰まらせる。
「それじゃ、みんなで行っちゃいましょう!」
「えっ!?」
部屋にいる皆が驚きの声を上げた。
俺はルイスと共にリランへ戻って早速会議を開き、ギルド幹部やギルド協会長、商工会長に現状報告を行った。その上で、ゲーテ伯爵の領地の村々すべてを、リラン近郊へ移転する計画を提案した。
ギルドや町のみんなに、かなり負担をかける大規模な計画だが、反対する者は一人もおらず快諾してくれた。
商工会長やクレアが先頭に立ち、町の人たちに協力を仰ぎ、村人たちの受け入れ態勢を整えてくれた。
レイドたち『ドラゴンブレス』のメンバーにはルイス指揮のもと、村人全員分の解毒剤に使用する薬草採集をお願いした。
俺は急いでお屋敷に戻り、ゲーテ伯爵とスキルバと共に領地内の村を周り、凶作の原因と村人たちの体調不良の原因を説明した。土壌改善が困難なため、麦畑を復活させることができないと知った領民たちは落胆していた。しかし、村の移転計画を告げると、リラン近郊で再び小麦栽培ができることに希望を持てたようで、少し表情に明るさが見えた。
『ドラゴンブレス』のメンバーが集めてくれた薬草で、スキルバは解毒剤を作り、二日間で領民全員を治療してくれた。
その後、リランに近い村から順次町まで移動してもらい、住居が完成するごとに入居を繰り返し、二週間という短期間で村の移転をすべて完了させた。
ちなみにゲーテ伯爵のお屋敷は、俺のレアスキル・マリオネットで運んできた。力加減が難しくてところどころ破壊してしまい、職人たちにかなり文句を言われた……。
こうしてキューべ村復興計画から、ゲーテ伯爵の領民移転計画にまで膨れ上がった大規模な一大プロジェクトは、無事に成功をおさめた。
一か月後、リラン近郊は広大な牧場と麦畑を有する大規模農家に発展していった。
「ユージ、見て見て! 花飾りを作ったの」
「わたくしも、できました」
牧場で寝転がっている俺のところに、エリーとフィーニがレンゲソウで作った飾りを見せに来る。
フィーニはスキルバの薬のおかげですっかり元気になり、仲良くなったエリーと毎日走り回って遊んでいる。
畑の麦はまだまだ青くて小さいけれど、五か月後には立派に成長して収穫時期を迎えるらしい。
牛たちは、広い牧場で牧草を美味しそうにムシャムシャ食べている。
ああ、平和っていいなあ。
青空をぼんやり眺めていると、走ってくる馬の足音が聞こえた。
馬の足音がすぐそばで止まり、一人の女性が俺の目の前に転げ落ちてきた。
「大丈夫ですか?」
女性を抱き起す。
彼女は腰に剣を携え、白色をベースにした見覚えのある衣装をまとっていた。
「こ、ここはリランですか?」
「はい。えっと、正確にはもう少し先がリランの町になります。ここはキューべ村です」
「勇者様にお会いしないと。アイゼン団長の命が……」
彼女は振り絞るような声でそう言うと、気を失った。
「そ、そんな……」
俺の言葉にゲーテ伯爵が絶句する。
「命を狙っていたと言った方が正確かもね。フィーニはその薬剤師から投薬治療を受けていなかった?」
「はい。毎月二回、薬剤師の方が王都から足を運んでくださり、治療を受けておりました」
「それ、治療薬じゃなくて毒よ。調べさせてもらったら、村の井戸水と畑の土からも同じ毒の成分が検出されたわ」
スキルバの口から驚愕の事実が飛び出す。
「黒幕と目的がはっきりしませんが、伯爵とフィーニちゃんは俺たちで保護した方が良さそうですね」
「それは大変ありがたく心強いお話なのですが、領民を残して私たちだけ逃げるということは……」
ゲーテ伯爵が言葉を詰まらせる。
「それじゃ、みんなで行っちゃいましょう!」
「えっ!?」
部屋にいる皆が驚きの声を上げた。
俺はルイスと共にリランへ戻って早速会議を開き、ギルド幹部やギルド協会長、商工会長に現状報告を行った。その上で、ゲーテ伯爵の領地の村々すべてを、リラン近郊へ移転する計画を提案した。
ギルドや町のみんなに、かなり負担をかける大規模な計画だが、反対する者は一人もおらず快諾してくれた。
商工会長やクレアが先頭に立ち、町の人たちに協力を仰ぎ、村人たちの受け入れ態勢を整えてくれた。
レイドたち『ドラゴンブレス』のメンバーにはルイス指揮のもと、村人全員分の解毒剤に使用する薬草採集をお願いした。
俺は急いでお屋敷に戻り、ゲーテ伯爵とスキルバと共に領地内の村を周り、凶作の原因と村人たちの体調不良の原因を説明した。土壌改善が困難なため、麦畑を復活させることができないと知った領民たちは落胆していた。しかし、村の移転計画を告げると、リラン近郊で再び小麦栽培ができることに希望を持てたようで、少し表情に明るさが見えた。
『ドラゴンブレス』のメンバーが集めてくれた薬草で、スキルバは解毒剤を作り、二日間で領民全員を治療してくれた。
その後、リランに近い村から順次町まで移動してもらい、住居が完成するごとに入居を繰り返し、二週間という短期間で村の移転をすべて完了させた。
ちなみにゲーテ伯爵のお屋敷は、俺のレアスキル・マリオネットで運んできた。力加減が難しくてところどころ破壊してしまい、職人たちにかなり文句を言われた……。
こうしてキューべ村復興計画から、ゲーテ伯爵の領民移転計画にまで膨れ上がった大規模な一大プロジェクトは、無事に成功をおさめた。
一か月後、リラン近郊は広大な牧場と麦畑を有する大規模農家に発展していった。
「ユージ、見て見て! 花飾りを作ったの」
「わたくしも、できました」
牧場で寝転がっている俺のところに、エリーとフィーニがレンゲソウで作った飾りを見せに来る。
フィーニはスキルバの薬のおかげですっかり元気になり、仲良くなったエリーと毎日走り回って遊んでいる。
畑の麦はまだまだ青くて小さいけれど、五か月後には立派に成長して収穫時期を迎えるらしい。
牛たちは、広い牧場で牧草を美味しそうにムシャムシャ食べている。
ああ、平和っていいなあ。
青空をぼんやり眺めていると、走ってくる馬の足音が聞こえた。
馬の足音がすぐそばで止まり、一人の女性が俺の目の前に転げ落ちてきた。
「大丈夫ですか?」
女性を抱き起す。
彼女は腰に剣を携え、白色をベースにした見覚えのある衣装をまとっていた。
「こ、ここはリランですか?」
「はい。えっと、正確にはもう少し先がリランの町になります。ここはキューべ村です」
「勇者様にお会いしないと。アイゼン団長の命が……」
彼女は振り絞るような声でそう言うと、気を失った。
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