この異世界住人が卑猥すぎて魔王討伐が進まない……

パイ吉

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第81話渦巻く陰謀と新たな敵②

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「ここは……」
 目を覚ました女性が頭を押さえながら周囲を見渡す。
「安心して。私はスキルバ。リランの薬剤師よ。ここは私の店の診察室」
 スキルバが彼女の背中を支えながら優しく答える。
「この町に勇者様はいらっしゃいますか? ランクLRの伝説の勇者様です。私は、その方にお会いせねばならぬのです!」
「今は起きちゃダメよ。ほらじっとして。傷口が開いちゃうから」
 ベッドから下りて立ち上がろうとする女性を、スキルバが慌てて制止した。
「私の体など、どうなろうと構いません。アイゼン様の命がかかっているのです!」
「落ち着いてゆっくり話して。ほら、そこに立ってるお人よしそうな顔した子が勇者様よ」
「えっ……あなたが?」
 女性が改めて俺をジッと見つめる。
「なんかすみません。こんなんで。一応ランクLRの勇者です。ユージと申します。よろしくお願いします」
「た、大変失礼いたしました。ここまで運んで頂いたのに、お礼も申し上げず。申し訳ございません。私はアイゼン騎士団副団長、レベッカ・クラウゼと申します」
 レベッカが何度も頭を下げる。

 ショートカットの髪型と中性的な顔立ちから一見男の子っぽくも見えるが、体つきは非常にスタイルが良い。特に豊満なバストには思わず目がいってしまう。
 アイゼンの巨乳には及ばないが、スキルバのGカップ乳より大きく見える。

 おっと、レベッカのおっぱいに意識が集中して大事なことを忘れていた……。

「アイゼンさんの命がかかっているというのは、どういうことですか?」
「団長がっ、アイゼン様が処刑されてしまうんです!」
「えぇぇっ! な、なんでそんなことに? 落ち着いて順番に話してください」
「はい。アイゼン団長が王都に帰還されてすぐのことでした。団長とレイモンド大隊長が身柄を拘束されて……」
 レベッカが声を震わせ語り始めた。


 王都に到着したアイゼンたちを待ち構えていたのは憲兵隊だった。アイゼンとレイモンドはその場で身柄を拘束され、投獄されてしまった。容疑は、モンスター襲撃事件の首謀者である偽勇者に加担したこと。
 ローガルド王国国王は俺を魔王と認定し、国内に討伐クエストが発注された。魔王に加担する者たち、潜伏先の町もがせん滅対象とされた。
 
 取り調べの際、二人は俺の無実を訴え続け、その結果、魔王崇拝の大罪で公開処刑が決定された。
 アイゼン騎士団は判決に猛反発し、抗議運動を起こした。それを憲兵隊が鎮圧にあたり、武力衝突にまでエスカレートした。やがてアイゼン騎士団討伐の命まで下り、団員たちは王都から追われる形で散り散りになってしまった。


「私はアイゼン様を救い出そうと地下牢に潜入しました。しかし、アイゼン様は勇者様に危機が迫っていることを知らせるようにと仰って……」

 なるほど。自分のことより俺たちの心配をしてくれたのか。
 アイゼンらしい。

「わかりました。アイゼンさんとレイモンドさんは、必ず俺が助け出します! 二人は共に死線を潜り抜けた大切な仲間ですから」
「本当ですか! ありがとうございます」
「まずは、リランとゲーテ伯爵領を守らないと。クエストを受けたギルドや冒険者って分かります? 国王軍とかも動いたりします?」
「はい、私の知り得るすべての情報をお伝えします」
 レベッカが涙を拭い、真っすぐに俺を見つめた。
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