白雨の魔女は物語を紡ぐ

こたつでごはん

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プロローグ

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天使のようだ、と少女は思った。


ある日の昼下がり、学校の屋上。美しく澄み切った空の下、相対する2人の少女。
聞くだけならばまるで青春ドラマのワンシーンのような光景だが、2人のうちの1人、黒髪の少女はどこか怯えたような瞳で目の前の彼女を見つめていた。


対してもう一方の少女——薄い金髪の少女は整った指で自身の髪を弄びながら心底楽しそうに黒髪の少女を眺めていた。そう、まるで与えられた玩具を見るような瞳で。


一歩、金髪の彼女は少女に近づいた。

一歩、少女はすくむ脚で後退る。

やだなァ、そんなに怯えないでよ、彼女は鈴を転がしたようなかわいらしい声でそう告げるも、それに含まれたそこはかと無い怒気と計り知れない狂気が少女をまた一歩後ろへと下がらせる。


カシャン


少女の腰ほどのフェンスが音を立てる。それはまるで少女の逃げ道を塞ぐ施錠音のようで青ざめる少女に対して笑みを深める彼女。

形の良い唇を笑みの形にしながら彼女は少女の肩にそっと手を置いた。



「————————」



そこからのことはよく覚えていない。


いや、思い出せないが正しいのか。


気がついたら私の体は宙に浮いていて、すぐに重力を纏って落ちていく。


突き抜けた青空を背に、憎たらしいほどに美しく微笑む彼女を見て、まるで天使のようだと少女は、私は思った。
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