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シルヴィアと言う少女 II
しおりを挟む人気のない廊下、しとしとと降り注ぐ雨のせいで底冷えする廊下を銀髪の少女がなぜか寝巻き姿で歩いている。
なかなかに異様な光景であるがそんなこと彼女は知る由もない。今の彼女は自身の名前しかわからない立場であり、自分の身分や国内での立場、今この絶妙に住人に優しくない造りをした屋敷に自身がいる理由も知らないのだから。
「うぅ、さむい」
カーペットすら敷かれていない廊下をペタペタと裸足で歩く少女は自身の肩をさすりながら愚痴をこぼす。
「なんで一人も人がいないの……さっきの人は…??」
こんな大きなお屋敷なんだからもっと人がいたっていいじゃない、ついでに空調もあったっていいじゃない、ぽつぽつと不満を漏らしながら彼女が足を進めていると、ふと後ろから慌てたような声が響いた。そう、今彼女が最も求めていた"第三者”の声である。
「シルヴィア様!?」
使用人の姿をした声の主は思いも寄らない姿の彼女に目を白黒とさせ、彼女はと言えばやっと見つけた人の姿に安堵の表情を見せる。実に相対的な反応だ。
「あぁ、良かった、他にも人がいたのね」
「シルヴィア様どうされたのですか、こんなところまでおいでになるなんて!」
「いや、あの…」
「許可なく屋敷内を立ち回るのが私以外に見つかったらシルヴィア様の幽閉が長引かれてしまいます、さぁ、お部屋に戻りましょう」
「ゆう、へい…?」
寝巻き姿のシルヴィアに自身のカーディガンを羽織らせながら部屋へと促す彼女。しかしシルヴィアは思いも寄らない言葉に思わず足を止めた。
「シルヴィア様?」
「ねぇ、今あなた、幽閉って、言ったの?」
「し、シルヴィア様?今更何を…」
「お願い教えて、なぜ私は、ここにいるの。ここはどこなの、シルヴィアは何をしたの、あなたは私の何?ねぇ、"私"は誰!?」
「シルヴィア様!」
ゆらり、透き通った銀髪の頭がゆらりと傾く。彼女の肩に頭を預け、気を失ったシルヴィアーー否、少女の顔は青白く、今にも泣き出しそうだった。
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