絶対に笑える作者の日常・爆笑した話集

㊶秘密結婚、秘密出産する友人たち

かの有名な感染症の流行が落ち着き。
その日の梨乃は女子会におめかしをしてお出かけをしていた。
「「お久しぶりー！」」

「最後に会ってから4年？5年？あの時の彼とはどうなったの？結婚した？」
文面で聞くと詮索しているようで聞きにくいが、会話だとサラッと聞けるので雑談になる。
「したよ～。3年前に」
しれっと答える幼馴染の東野静麻にに莉乃はお店でなければ盛大に大拍手をするのだが、他のお客さんに配慮して小さく拍手をする。
会わなかったのだから、ここで心を込めてお祝いをしなければならないと意気込む梨乃は素朴な疑問を問いかけた。
「おめでとう！子供おるとか言わんとってな」
結婚祝いもしてなければ、出産祝いをしてないのでそこは少し友人ポジションとしては寂しい。
「いてるよ。2歳」
おっ！なんと、でかっ！2歳！
数ヶ月とかであればそれは、それで最近じゃんという突っ込みになるのだが。
驚愕の表情をつくる梨乃に静真はくすくす笑う。
「会えていないのに極秘結婚に極秘出産は寂しいな」
「うーん。だって、父はまだまだ内閣総理大臣選挙に立候補するとか言ってるし。外野がしれば、黙ってないからね」
うんざりとした様子の友人に梨乃はそうかっと呟く。
「友人では言ったのは梨乃で2人目だから。広まったら梨乃ね」
ふふふっと誘拐でも起これば世間が騒ぎまくるだろうネタを言う彼女に梨乃は苦笑する。
「ひょー！貴重なカミングアウト２人目。ってか、そうだよね。外野が結婚出産黙ってないよね」
「そうなのよ。政治家関係と結婚させたい周囲もいるしね」
「令和の世にも誓約結婚って絶滅してなかったんだ」
「まだ、保護しなくても大丈夫じゃない？パンダよりも強かった」
ケラケラ笑う。
リアルお嬢様は苦労が絶えないようだ。
こういう時に庶民は何をしても周囲の干渉を受けないので楽だなと思いつつ頭を横切る。
「仕事関係の人は知らないの？」
「直属の上司と総務の人が知ってるだけじゃないかな？テレワークが基本だから、産前産後休暇も３か月くらいしかとってないし。３か月語学留学で休んでる人もいるし。いないなーくらいで気にしてないんじゃない？」
「あはははは。ドライな職場すぎる」
小学校であれば１週間休んだだけで、うつ病か？代わりの教師（講師）は来るのかと大騒ぎになる。
そんな話の展開を児童がどこから知識を集めて来るのかは毎度、謎ではあるし。

「あの先生、急に学校来なくなったけど。蒸発したんとかも聞かれるわ」
「蒸発！すごい言葉を使うね」

結婚出産を自分と伴侶だけで完結するその意志というか魂は私の好みにあい。

―――家
「見習おうと思った！」
拳を握りお家で宣言する梨乃に梨乃の夫は苦笑する。
「おめでたい事は共有しましょう」