蝉しぐれ

リュウ

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蝉しぐれ

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*****

 「ジジジ、ジリジリジ-」
 
外では油蝉が、鳴いている。

やや湿り気のある布団から
カビ臭い臭いが漂ってくる。

「ねぇ。リョウちゃん、こういうことしていいの?」

スミレは、泣きそうな顔で僕を見つめた。

スミレは、僕と同じ小学2年生で、
母方の従姉妹だ。
 
毎年お盆に祖母の家に集まる。
従姉妹は、6人いて僕とスミレは、
ちょうど真ん中ぐらいの歳だった。

黒髪がさらさらでお人形のように目鼻立ちがはっきりとしていた。
僕のクラスにいる田舎くさい女子とは
全く違っていた。

僕は、スミレのことを好きだった。

「もういいーかい?」

従兄弟のコウちゃんの声が聞こえた。

5年生のらコウちゃんは、かくれんぼの鬼を引き受けてくれた。

僕とスミレが、鬼をやりたがらないからだった。

祖母の寝室には高々と布団が
積み上げられている。
僕達が泊まるために用意された
布団だろう。

隠れるには絶好のポジションだった。
  
スミレの後姿が見えた。

かくれんぼ中に、わざと僕はスミレと一緒に隠れていた。

スミレの側に居たかったから。

鬼に見つからないためには、
声を出してはいけない。

そんな状況を利用してスミレのフリルのスカ-トをめくった。

「やっ」

スミレは、僕をにらんだ。

白のパンツには、小さな苺が
沢山プリントされていた。

「しっ」

僕は、左手でスミレの口を押さえ、右手でスルリとスミレのパンツを下ろした。

「リョウちゃん、やめて」  

スミレは膝立ちをしていたから、パンツが膝の上で引っかかっていた。

小さな指で恥ずかしそうに秘部を隠そうとするスミレを見て、僕は興奮した。

初めて女の子のワレメを見た。

僕のチン○ンとは全然違うかたち。

スミレの秘部を指で触ると、ほんのりと暖かく湿り気があった。

花のような甘い香りが漂っていた。

「痛い、リョウちゃんのお母さんに言うよ」

 5分ぐらいだろうか。
僕は、スミレの秘部を見たり、
指で触ったりした。

スミレは、抵抗するのをやめて
虚ろな表情をしていた。

「リョウ、スイカ食べる?」

母の声だ。

「叔母さん、今かくれんぼ中なんだけど」

コウちゃんが、不機嫌そうにぼやいた。

「わかった、今行く」

スミレは、急いでパンツを履き、
スカ-トを直した。

僕とスミレは、何事もなかったように
茶の間に戻った。

「スミレちゃん、元気がないけど
具合でも悪いの?」

「なんでもないの」

スミレは、黒髪をかきあげた。
右の耳に大きなホクロが見えた。
ホクロのかたちは、星の様な
珍しい形だった。

僕は、ずっとドキドキが止まらなかった。
僕がスミレにしたいけないことをばらされるのが怖かった。

結局スミレは、その日何も話さなかった。

僕は、スミレが暴露しなくて
ほっと胸を撫で下ろした。

そのあと、5年生の時にスミレは
遠くに引っ越してしまった。

伯母さん夫婦が離婚したからだった。

実際は、隣の県だからそれほど
距離が遠いわけではなかったが、
僕はスミレと会う機会はなかった。

*****

「リョウ、今日の合コンは、すっげ-綺麗な子がくるらしいぜ」

タカシは、トイレの鏡の前で自慢の髪型を整えながら言った。
タカシの声は弾んでいた。

「タカシは、いつも同じこと言ってるけど。いつも微妙なレベルだぜ」

今日は、夕方から白鳥女子大学と
合コンの予定だ。

ユウスケは、バイト後に合流する予定だ。
いつもの3人グループである。

相手の女子生も3人来る予定だった。

タカシは、カラオケのバイトをやっている。
社交的な性格と押しの強さで、絶えず合コンのネタを持ってきた。

「リョウ、そろそろ彼女を作れよ。毎回お前のためにセットしてるんだから」

タカシは、余裕の表情だ。

「うっせ-、遊び人」

「今日の合コンで、1番綺麗な子を
持って行けよ」

タカシは、僕の肩をポンとたたいた。

タカシは、一つ年下の小柄な彼女がいる。
彼女がいながらも合コンする理由は、
自分の視野を広げるためらしい。

僕とタカシは、明大前から渋谷行きの急行列車に乗り込んだ。

*****

タカシの話は、本当だった。

タカシは、渋谷のイタリアンレストランを予約していた。店内の様子も料理も
インスタ映えしそうな小洒落た雰囲気だ。

男性陣から
簡単に自己紹介をした。

白鳥女子大学の一人は、
理屈っぽい雰囲気のメガネブスだった。

もう一人は、ショ-トカットで
ややぽっちゃり体型。チノパンを履いていておばさんくさい。ヨシモトの芸人に居そうだ。

最後の一人。

僕とタカシとユウスケは息を呑みこんだ。

(やべぇ、一人だけ綺麗すぎる)

黒髪に、透けるように白い肌。
薄いブルーのワンピースからは
細っそりと長い腕が伸びていた。

まるで、一般人の中に一人だけ
芸能人が混ざっているような感じだ。

「スミレ綺麗でしょ?」

メガネブスが言った。

僕達は、素直に頷いた。

「スミレは、ミス白鳥に出場したことが
あるんだ」

「やめてよ」

スミレは、頬を赤らめた。

「私は、絶対スミレがミス白鳥になると思っていたんだ。でも、学長の姪がミスになったのよ。コネだよ、きっとズルイ」

ショ-トカットのおばさんは、まるで
自分のことのように悔しがった。

「あははは、そうだよね。ミスコンが
できレ-スは、ひどいよね」

タカシが話を合わせた。

僕達は、酔いが回っていた。

席替えをして、スミレが
僕の左に座った。

「ねぇ、リョウちゃん、久しぶり」

スミレは、僕だけに聞こえる声で
囁いた。

「えっ?あっ」

スミレが長い髪をかきあげた。
右耳に星の形の大きなホクロがあった。

「スミレちゃん?あのスミレちゃん?」

スミレは、コクっと首だけ頷いた。

「リョウちゃん、二次会は2人で
飲み直そうよ」

耳元で囁いた。

僕の顔は、異常なほど熱くなっていた。
あのかくれんぼを思い出したから。

スミレは、覚えているのだろうか。

僕は、懐かさしさと高揚する気持ちを
抑えきれなかった。

*****

ハチ公前で、僕達は解散した。

タカシが、僕に気を利かせてくれたからだ。

ユウスケは、「リョウだけずるい」
とぼやいていたらしい。

タカシは、リョウに次の機会でアシストすると約束したという。

メガネブスは、カラオケに行きたがって
いたが、タカシが適当な言い訳をして
断ったらしい。

この間の一部始終は、タカシからの
ラインでわかったことだ。

僕とスミレは、渋谷のバ-で飲み直した。

祖母の家にでカブトムシを採ったこと、
近くの川で釣りをした話などで盛り上がった。

でも、お互いにあのかくれんぼの話だけは避けていた。

道玄坂を歩いていると、
ガラの悪い客引きが声をかけてきた。

スミレが、スルリと僕に腕を絡ませてきた。
  
ドキドキした。

スミレの腕は、冷んやりと気持ちが
良かった。

「ずっと、リョウちゃんのことを考えていたの」

スミレは、潤んだ瞳で僕を見つめた。

僕の体の奥底が疼くのがわかった。

僕とスミレは、ホテルの扉を開いた。

*****

僕は、スミレを強く抱きしめた。
 スミレの身体は壊れそうなほど華奢だった。

「リョウちゃん、ずっとリョウちゃんに
会いたかったの」

僕は、そっとスミレの唇にキスをした。

スミレの唇は、薄くて冷んやりと
していた。

ワンピースのチャックを下ろすと、
白いレ-スのブラジャーが露わになった。

スミレのおっぱいは、想像していたよりもずっと豊かだった。痩せて腰がくびれているのに、胸だけが異常に盛り上がっている。


「いやっ」

僕は、不器用な手先でブラジャーを剥ぎ取った。

真っ白な肌の上に、薄いピンク色の
乳輪と乳首が顔を出した。

ピチャピチャ。

「ひっ、ひっ、ううん」

スミレは、腰をヒクヒクさせた。

スミレの乳房は、冷んやりと
気持ち良くて、柔らかかった。

舌で乳首を舐めると、スミレの乳首は
生き物のようにキュッと硬くなった。

「リョウちゃん、きっ、うっ、
気持ちいいよ。うれしっ」
 
僕がスミレの乳輪と乳首を舐める
たびに、スミレは海老反りの様に
敏感に反応し続けた。

(早く、大人になったスミレのあそこを見たい)

あの時のかくれんぼの情景が
浮かんできた。

蒸し暑かった部屋。
湿った布団の匂い。

スミレの露わになったオマ○ンコ。
決してしてはいけない秘密の出来事。

スミレのパンティをずり下ろした。

薄っすらと陰毛が覆われていた。
秘部は、立派に大人のものだった。

「いいっ、うっ、うっ」  

陰毛を掻き分けると、愛液で
ビショビショになったヒダヒダが
あらわれた。

僕は、指と舌を使って丁寧に愛撫した。  
スミレの愛液は、ココナッツミルクの
様に甘くておいしかった。

ずっと舐めていたいと思った。

ヒクヒク、ヒクヒク。

スミレのクリを舌でつつくと
スミレは、小刻みに震えた。

「あっ、あっ、あん、リョウちゃん
イッ、イッ、イクっ」

スミレは、絶頂を迎えた。

「スミレちゃん、入れるよ」

ずっ、ずん、じゅぽっ。

スミレの膣は、ヌメヌメしていた。
こんなに気持ちいいおま○んこは
経験したことがなかった。

スミレの中に入るたびに、熱くて
冷んやりとした快感が僕の
身体を突き抜けた。

ドピュ、ドピュ。  

「リョウちゃん、もっとしたい」

僕達は、狂った動物のように何度も
愛し合った。

スミレ中に僕のすべてを流しこんだ。

「リョウちゃん、リョウちゃん・・・」
  
スミレは、僕の顔を見て悲しそうで
満足した微笑みを浮かべていた。

*****

「ぴ、ぴ、ぴ」

スマホからアラ-ムの音が聞こえる。

ホテルの出窓から暑い日差しが
注ぎ込んでいる。

「スミレちゃん?」

スミレの姿は、どこにもなかった。

枕から花のような甘い香りが漂ってきた。

*****

「トルントルン、トルントルン」

僕のスマホが鳴っていた。

「リョウ、リョウかい?」

「母さん、リョウだけど」

母から電話がかかってくることは
めったにない。

普段は朗らかな母の声のトーンは、暗くて重たかった。

「リョウ、聞いて。スミレちゃんって覚えている、従姉妹の?」

僕は、ドキドキした。
今朝まで一緒に過ごしていたからだ。

「実は、昨日の夜亡くなったらしいのよ。病死だって。
1年ぐらい前から癌で入院していたみたい。
リョウと同じ20歳だろ?
若いのに気の毒だよ」

「えっ、スミレちゃんが?まさか」
僕は、昨夜スミレと過ごしたことを
いいかけて、飲みこんだ。

「妹から聞いたんだけど、亡くなるまで病室でリョウのことも話していたらしいよ」

電話から母のすすり泣く声と
微かに油蝉の鳴き声が聞こえた。

*****

「タカシ、おい」

「リョウか、昨日はお疲れ。で、朝から 
何の電話?」

タカシは、寝起きの不機嫌そうな声だった。

「あのさ、昨日の合コンにスミレ、
いや綺麗な子がいたよな?」  

タカシからイエスを聞きたかった。
僕は、泣きたくなった。
何でもいいからすがりたかったのだ。

「はあ、リョウ何言ってるの?
昨日来た白鳥女子大学の2人。
2人ともブスだったぜ。悪かったな、
次の慶東大学の合コンに期待しろよ」























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