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蝉しぐれ
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「ジジジ、ジリジリジ-」
外では油蝉が、鳴いている。
やや湿り気のある布団から
カビ臭い臭いが漂ってくる。
「ねぇ。リョウちゃん、こういうことしていいの?」
スミレは、泣きそうな顔で僕を見つめた。
スミレは、僕と同じ小学2年生で、
母方の従姉妹だ。
毎年お盆に祖母の家に集まる。
従姉妹は、6人いて僕とスミレは、
ちょうど真ん中ぐらいの歳だった。
黒髪がさらさらでお人形のように目鼻立ちがはっきりとしていた。
僕のクラスにいる田舎くさい女子とは
全く違っていた。
僕は、スミレのことを好きだった。
「もういいーかい?」
従兄弟のコウちゃんの声が聞こえた。
5年生のらコウちゃんは、かくれんぼの鬼を引き受けてくれた。
僕とスミレが、鬼をやりたがらないからだった。
祖母の寝室には高々と布団が
積み上げられている。
僕達が泊まるために用意された
布団だろう。
隠れるには絶好のポジションだった。
スミレの後姿が見えた。
かくれんぼ中に、わざと僕はスミレと一緒に隠れていた。
スミレの側に居たかったから。
鬼に見つからないためには、
声を出してはいけない。
そんな状況を利用してスミレのフリルのスカ-トをめくった。
「やっ」
スミレは、僕をにらんだ。
白のパンツには、小さな苺が
沢山プリントされていた。
「しっ」
僕は、左手でスミレの口を押さえ、右手でスルリとスミレのパンツを下ろした。
「リョウちゃん、やめて」
スミレは膝立ちをしていたから、パンツが膝の上で引っかかっていた。
小さな指で恥ずかしそうに秘部を隠そうとするスミレを見て、僕は興奮した。
初めて女の子のワレメを見た。
僕のチン○ンとは全然違うかたち。
スミレの秘部を指で触ると、ほんのりと暖かく湿り気があった。
花のような甘い香りが漂っていた。
「痛い、リョウちゃんのお母さんに言うよ」
5分ぐらいだろうか。
僕は、スミレの秘部を見たり、
指で触ったりした。
スミレは、抵抗するのをやめて
虚ろな表情をしていた。
「リョウ、スイカ食べる?」
母の声だ。
「叔母さん、今かくれんぼ中なんだけど」
コウちゃんが、不機嫌そうにぼやいた。
「わかった、今行く」
スミレは、急いでパンツを履き、
スカ-トを直した。
僕とスミレは、何事もなかったように
茶の間に戻った。
「スミレちゃん、元気がないけど
具合でも悪いの?」
「なんでもないの」
スミレは、黒髪をかきあげた。
右の耳に大きなホクロが見えた。
ホクロのかたちは、星の様な
珍しい形だった。
僕は、ずっとドキドキが止まらなかった。
僕がスミレにしたいけないことをばらされるのが怖かった。
結局スミレは、その日何も話さなかった。
僕は、スミレが暴露しなくて
ほっと胸を撫で下ろした。
そのあと、5年生の時にスミレは
遠くに引っ越してしまった。
伯母さん夫婦が離婚したからだった。
実際は、隣の県だからそれほど
距離が遠いわけではなかったが、
僕はスミレと会う機会はなかった。
*****
「リョウ、今日の合コンは、すっげ-綺麗な子がくるらしいぜ」
タカシは、トイレの鏡の前で自慢の髪型を整えながら言った。
タカシの声は弾んでいた。
「タカシは、いつも同じこと言ってるけど。いつも微妙なレベルだぜ」
今日は、夕方から白鳥女子大学と
合コンの予定だ。
ユウスケは、バイト後に合流する予定だ。
いつもの3人グループである。
相手の女子生も3人来る予定だった。
タカシは、カラオケのバイトをやっている。
社交的な性格と押しの強さで、絶えず合コンのネタを持ってきた。
「リョウ、そろそろ彼女を作れよ。毎回お前のためにセットしてるんだから」
タカシは、余裕の表情だ。
「うっせ-、遊び人」
「今日の合コンで、1番綺麗な子を
持って行けよ」
タカシは、僕の肩をポンとたたいた。
タカシは、一つ年下の小柄な彼女がいる。
彼女がいながらも合コンする理由は、
自分の視野を広げるためらしい。
僕とタカシは、明大前から渋谷行きの急行列車に乗り込んだ。
*****
タカシの話は、本当だった。
タカシは、渋谷のイタリアンレストランを予約していた。店内の様子も料理も
インスタ映えしそうな小洒落た雰囲気だ。
男性陣から
簡単に自己紹介をした。
白鳥女子大学の一人は、
理屈っぽい雰囲気のメガネブスだった。
もう一人は、ショ-トカットで
ややぽっちゃり体型。チノパンを履いていておばさんくさい。ヨシモトの芸人に居そうだ。
最後の一人。
僕とタカシとユウスケは息を呑みこんだ。
(やべぇ、一人だけ綺麗すぎる)
黒髪に、透けるように白い肌。
薄いブルーのワンピースからは
細っそりと長い腕が伸びていた。
まるで、一般人の中に一人だけ
芸能人が混ざっているような感じだ。
「スミレ綺麗でしょ?」
メガネブスが言った。
僕達は、素直に頷いた。
「スミレは、ミス白鳥に出場したことが
あるんだ」
「やめてよ」
スミレは、頬を赤らめた。
「私は、絶対スミレがミス白鳥になると思っていたんだ。でも、学長の姪がミスになったのよ。コネだよ、きっとズルイ」
ショ-トカットのおばさんは、まるで
自分のことのように悔しがった。
「あははは、そうだよね。ミスコンが
できレ-スは、ひどいよね」
タカシが話を合わせた。
僕達は、酔いが回っていた。
席替えをして、スミレが
僕の左に座った。
「ねぇ、リョウちゃん、久しぶり」
スミレは、僕だけに聞こえる声で
囁いた。
「えっ?あっ」
スミレが長い髪をかきあげた。
右耳に星の形の大きなホクロがあった。
「スミレちゃん?あのスミレちゃん?」
スミレは、コクっと首だけ頷いた。
「リョウちゃん、二次会は2人で
飲み直そうよ」
耳元で囁いた。
僕の顔は、異常なほど熱くなっていた。
あのかくれんぼを思い出したから。
スミレは、覚えているのだろうか。
僕は、懐かさしさと高揚する気持ちを
抑えきれなかった。
*****
ハチ公前で、僕達は解散した。
タカシが、僕に気を利かせてくれたからだ。
ユウスケは、「リョウだけずるい」
とぼやいていたらしい。
タカシは、リョウに次の機会でアシストすると約束したという。
メガネブスは、カラオケに行きたがって
いたが、タカシが適当な言い訳をして
断ったらしい。
この間の一部始終は、タカシからの
ラインでわかったことだ。
僕とスミレは、渋谷のバ-で飲み直した。
祖母の家にでカブトムシを採ったこと、
近くの川で釣りをした話などで盛り上がった。
でも、お互いにあのかくれんぼの話だけは避けていた。
道玄坂を歩いていると、
ガラの悪い客引きが声をかけてきた。
スミレが、スルリと僕に腕を絡ませてきた。
ドキドキした。
スミレの腕は、冷んやりと気持ちが
良かった。
「ずっと、リョウちゃんのことを考えていたの」
スミレは、潤んだ瞳で僕を見つめた。
僕の体の奥底が疼くのがわかった。
僕とスミレは、ホテルの扉を開いた。
*****
僕は、スミレを強く抱きしめた。
スミレの身体は壊れそうなほど華奢だった。
「リョウちゃん、ずっとリョウちゃんに
会いたかったの」
僕は、そっとスミレの唇にキスをした。
スミレの唇は、薄くて冷んやりと
していた。
ワンピースのチャックを下ろすと、
白いレ-スのブラジャーが露わになった。
スミレのおっぱいは、想像していたよりもずっと豊かだった。痩せて腰がくびれているのに、胸だけが異常に盛り上がっている。
「いやっ」
僕は、不器用な手先でブラジャーを剥ぎ取った。
真っ白な肌の上に、薄いピンク色の
乳輪と乳首が顔を出した。
ピチャピチャ。
「ひっ、ひっ、ううん」
スミレは、腰をヒクヒクさせた。
スミレの乳房は、冷んやりと
気持ち良くて、柔らかかった。
舌で乳首を舐めると、スミレの乳首は
生き物のようにキュッと硬くなった。
「リョウちゃん、きっ、うっ、
気持ちいいよ。うれしっ」
僕がスミレの乳輪と乳首を舐める
たびに、スミレは海老反りの様に
敏感に反応し続けた。
(早く、大人になったスミレのあそこを見たい)
あの時のかくれんぼの情景が
浮かんできた。
蒸し暑かった部屋。
湿った布団の匂い。
スミレの露わになったオマ○ンコ。
決してしてはいけない秘密の出来事。
スミレのパンティをずり下ろした。
薄っすらと陰毛が覆われていた。
秘部は、立派に大人のものだった。
「いいっ、うっ、うっ」
陰毛を掻き分けると、愛液で
ビショビショになったヒダヒダが
あらわれた。
僕は、指と舌を使って丁寧に愛撫した。
スミレの愛液は、ココナッツミルクの
様に甘くておいしかった。
ずっと舐めていたいと思った。
ヒクヒク、ヒクヒク。
スミレのクリを舌でつつくと
スミレは、小刻みに震えた。
「あっ、あっ、あん、リョウちゃん
イッ、イッ、イクっ」
スミレは、絶頂を迎えた。
「スミレちゃん、入れるよ」
ずっ、ずん、じゅぽっ。
スミレの膣は、ヌメヌメしていた。
こんなに気持ちいいおま○んこは
経験したことがなかった。
スミレの中に入るたびに、熱くて
冷んやりとした快感が僕の
身体を突き抜けた。
ドピュ、ドピュ。
「リョウちゃん、もっとしたい」
僕達は、狂った動物のように何度も
愛し合った。
スミレ中に僕のすべてを流しこんだ。
「リョウちゃん、リョウちゃん・・・」
スミレは、僕の顔を見て悲しそうで
満足した微笑みを浮かべていた。
*****
「ぴ、ぴ、ぴ」
スマホからアラ-ムの音が聞こえる。
ホテルの出窓から暑い日差しが
注ぎ込んでいる。
「スミレちゃん?」
スミレの姿は、どこにもなかった。
枕から花のような甘い香りが漂ってきた。
*****
「トルントルン、トルントルン」
僕のスマホが鳴っていた。
「リョウ、リョウかい?」
「母さん、リョウだけど」
母から電話がかかってくることは
めったにない。
普段は朗らかな母の声のトーンは、暗くて重たかった。
「リョウ、聞いて。スミレちゃんって覚えている、従姉妹の?」
僕は、ドキドキした。
今朝まで一緒に過ごしていたからだ。
「実は、昨日の夜亡くなったらしいのよ。病死だって。
1年ぐらい前から癌で入院していたみたい。
リョウと同じ20歳だろ?
若いのに気の毒だよ」
「えっ、スミレちゃんが?まさか」
僕は、昨夜スミレと過ごしたことを
いいかけて、飲みこんだ。
「妹から聞いたんだけど、亡くなるまで病室でリョウのことも話していたらしいよ」
電話から母のすすり泣く声と
微かに油蝉の鳴き声が聞こえた。
*****
「タカシ、おい」
「リョウか、昨日はお疲れ。で、朝から
何の電話?」
タカシは、寝起きの不機嫌そうな声だった。
「あのさ、昨日の合コンにスミレ、
いや綺麗な子がいたよな?」
タカシからイエスを聞きたかった。
僕は、泣きたくなった。
何でもいいからすがりたかったのだ。
「はあ、リョウ何言ってるの?
昨日来た白鳥女子大学の2人。
2人ともブスだったぜ。悪かったな、
次の慶東大学の合コンに期待しろよ」
了
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