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第4章
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それからもひと悶着あった。アパートをぶち抜くような騒動を起こしたのだ、当然と言えば当然か。消防車やらパトカーやらご近所の方々が集まり、普段は静かな住宅街が喧噪に包まれてしまった。
結局サレナが、以前セラスが交番でやった技を使って、無人だった2階でガス漏れがあったということにして無理やり解決した。
で今、俺達は主の居ない、育子さんの部屋で今後について話しをしている。
育子さんの部屋は、必要以上に物の無い、若い女性の部屋とは思えない殺風景なものだった。まあ、どうでも良いことだが。
集まったものの沈黙の中、俺がうなだれるセラスを撫でていると、
「で、お前はどうするのだ」
と、サレナが口を開いた。
「どうするって・・・」
そこで俺は口をつぐんだ。当然こころを助けたい。だけど俺にはそんな力が無い・・・ただのヘタレな高校生だ・・・悲しいことに。むかつくことに。絶望的なことに。
「わ、私が・・・!」
セラスがそう言って、言いかけて、自分の言った言葉にびくりと震える。
「無理すんな」
俺はそう言って、セラスの肩に手を置いた。
「お前はセラスを甘やかしすぎだ。そいつは本気になれば一隻で艦隊を全滅させる力があるのだぞ?」
サレナはそう言って俺を軽く睨んだ。
セラスにはその力がある・・・そうなのかもしれない。
だが、俺にとってはセラスは妹のような、ああ、いや、まあ、最近急に大きくなっちまって、多少、いやかなり、ドキドキすることもあるが、そんな大事な存在だ。それを本人の望まない戦いに無理やり連れ出す訳にはいかない。それに、マスターになる時に、戦わせないと約束したし。
「で、結局、ヒーロー君はどうするのかな~?」
今まで黙っていたカルティが、ぽわんとした笑みを浮かべる。
「は? 俺のどこが・・・」
はっぱを掛けるつもりなのだろうが、逆効果だ。こんなヘタレなヒーロー居ないだろ。自分じゃ何も出来ないような。他にもいろいろ情けないし・・・うぅ・・・
「あら、ヒーローよ~ あなたは三つの宇宙を揺るがす事件の中心に居るんだから。あなたの選択次第で大きな影響が出るわよ~」
えらくでかい話しになったな? 気になる女子も守れない俺に何を求めてんだよ?! うぅ・・・
「あら? 大丈夫大丈夫。突然同居しちゃった二人の美少女にドキドキして、これって二股なんて悩んだり、ラッキーイベントに興奮しすぎちゃって、エッチな夢見て漏らしちゃったりなんて、普通だから~?」
「ぐひょっ!? な、な、な?」
ちょ? な、なんで知ってるんですか! 俺の恥ずかしいメモリーを! でも漏らしてはいません!?
「ああ、居場所さえ分かれば、そこでの会話はもちろん起きた事柄を、遠方から拾った音声で推定するくらい訳はない」
うぎょっ! サレナが俺の様子を見て脳内の叫びを察したのか、さらっと説明しやがる! で、では、あんなことやこんなこともばれてしまっているわけなのですか!? お姉さん方!?
お、俺は恥ずかしさのあまりぷるぷると震えてしまった。顔が充血しているのが自覚できる。しかも、そんな俺をセラスがきょとんとした顔で見ているし! カルティはくすくす笑ってるし! サレナは呆れたような顔で見てるし! これってどういうプレイ!? め、目覚めろと言うのか、俺に! Mに!
「Mってなんですか?」
セラスがサレナに尋ねる。むきゃ~!? また伝わってましたか?
「こういう状況を楽しめる感性をもった特別な人間のことだ」
サレナは淡々と答える。
「? 良く分かりません・・・」
分からんでいいぞ、そんなよけいなことは!
「で、どうするのだ」
あさっての方向へ向きかけた話しの流れを、サレナが引き戻す。皆がじっと俺を見るので、俺もいまいち自信の無い頭で必死に考える。育子さんはラナンキュラスというセラスの姉妹艦のマスターになっている。こころを助けるためには、同等以上の力が必要だ。だが、セラスは戦わせたくない。だとすれば一つしか選択肢は無いか・・・
がばっと、俺はサレナに頭を下げた。頭が勢いよく畳にぶつかる。
「なんのつもりだ?」
サレナが不審そうな顔で尋ねる。
「俺に力を貸してくれ!」
俺は頭を畳に付けたまま、必死で頼んだ。
「ふん、セラスを戦わせたくないから、カルティと私に育子達の相手をしろと言うのか? まあ、無論民間人に手を出した育子を放っておくつもりは無いが、自分達は見物か?」
少し怒ったように言うサレナ。おぉ、戦ってはくれるのか? じゃあ、話しは早い! 俺は顔を上げると、両手でサレナの手を握った。
「なっ?!」
ぼっと顔を少し赤くするサレナ。う? 女性の手をいきなりつかむのは失礼か。だが、どうしても俺はサレナにどうしても協力してもらわないといけない。細かいことは気にしていられない。
「お前に乗せてくれ!」
「ふなっ!?」
サレナはぼんっと一瞬で顔を真っ赤にした。
「な、おま、い、いきなり何を?!」
「俺は本気だ!」
俺は手を握ったまま、サレナにぐっと近づく。
「な、な、な?」
サレナはそんなことを言いながら、なぜか目をつぶり、体を堅くする。
「あらあら~、強引にいやらしいことしようと迫ってるみたいね~この非常時に大人の階段登っちゃうのかしら~?」
カルティがまたくすくすと笑う。
「ち、違うわ! 俺を乗せて戦ってくれって言ってんだ!」
ま、まあ、言ったことだけならそう聞こえなくもないが・・・
「そ、そうか」
サレナはほっとした顔をして、体の力を抜く。だが、俺に握られた手を見て、
「きゃっ」
と意外にも小さく可愛らしい悲鳴を上げて、俺の手を振りほどいた。そしてまた顔を赤くする。う、うごっ? 男っぽい美人さんのそんな表情、めちゃくちゃ可愛い! こんな状況でなかったらしばらく眺めていたいところだ!
「あらあら~、サレナは相変わらず男に免疫が無いわね~」
「ほ、放っておいてくれ!」
カルティにからかわれたサレナは顔を赤らめたままそっぽを向く。うがっ! ギャップ萌堪らん! もともとサレナの容姿はかなり好みだったしな! だ、だが、そんなことをしている場合ではない!
「で、どうなんだ。乗せてくれるのか!」
また話しが脱線しそうだったので、俺はサレナとカルティの間に割って入って、二人に尋ねる。
「い、いいだろう。セラスを無理に戦わせて暴走されたら困るし、私もカルティを戦場へ連れて行くのは出来る限り避けたいと思っていたところだ」
「ほ、本当か?!」
「ああ、お前を私の、仮のマスターにしてやる」
「できるのか?」
「私はカルティをマスターにしているわけではない。カルティは製作者権限で私とアクセスしているのだ。だから可能だ」
「ありがとう」
俺がそう言うと、サレナは顔を赤くして、
「べ、別に礼を言われることではない。私もラナを取り戻したいだけだ!」
と怒鳴った。そして、すうっと大きく息を吸うと、人差指を俺に近付けた。
「あ、あくまで仮だからな?! 用が済んだら解除するからな?!」
サレナの指先が光り輝く。先日セラスが俺をマスターにした時のように。その輝く光は黒。黒い宝石の様にきらめく指先が俺の額に近付く。
「だ、だめです!」
突然、セラスがサレナの腕にしがみ付いた。
「コーイチは私のマスターです!」
「ほう? じゃあ、お前が戦うというのか?」
サレナはほっとしたような、あと、少しだけそれとは違う表情を浮かべてから、邪魔したセラスをちらりと見る。
「戦います!」
セラスはサレナをじっと見て、少しだけ顔を引き攣らせながら、だが、強く言った。
「だ、大丈夫なのか?」
俺が尋ねると、
「大丈夫です! 私だってこころが心配です! それに、これは私がここに居たから起きたことです。私が何もしない訳にはいきません!」
セラスはそうはっきりと答えた。
「そうか・・・」
あんなに怖がっていたのにな、戦うことを。セラスは見た目だけじゃなくて、いろいろ成長しているんだなと思うと、なぜか嬉しくなった。
「命令して下さい、コーイチ!」
セラスが言う。
「ああ、行くぞ! こころを取り戻しに!」
俺はセラスの手を取った。
結局サレナが、以前セラスが交番でやった技を使って、無人だった2階でガス漏れがあったということにして無理やり解決した。
で今、俺達は主の居ない、育子さんの部屋で今後について話しをしている。
育子さんの部屋は、必要以上に物の無い、若い女性の部屋とは思えない殺風景なものだった。まあ、どうでも良いことだが。
集まったものの沈黙の中、俺がうなだれるセラスを撫でていると、
「で、お前はどうするのだ」
と、サレナが口を開いた。
「どうするって・・・」
そこで俺は口をつぐんだ。当然こころを助けたい。だけど俺にはそんな力が無い・・・ただのヘタレな高校生だ・・・悲しいことに。むかつくことに。絶望的なことに。
「わ、私が・・・!」
セラスがそう言って、言いかけて、自分の言った言葉にびくりと震える。
「無理すんな」
俺はそう言って、セラスの肩に手を置いた。
「お前はセラスを甘やかしすぎだ。そいつは本気になれば一隻で艦隊を全滅させる力があるのだぞ?」
サレナはそう言って俺を軽く睨んだ。
セラスにはその力がある・・・そうなのかもしれない。
だが、俺にとってはセラスは妹のような、ああ、いや、まあ、最近急に大きくなっちまって、多少、いやかなり、ドキドキすることもあるが、そんな大事な存在だ。それを本人の望まない戦いに無理やり連れ出す訳にはいかない。それに、マスターになる時に、戦わせないと約束したし。
「で、結局、ヒーロー君はどうするのかな~?」
今まで黙っていたカルティが、ぽわんとした笑みを浮かべる。
「は? 俺のどこが・・・」
はっぱを掛けるつもりなのだろうが、逆効果だ。こんなヘタレなヒーロー居ないだろ。自分じゃ何も出来ないような。他にもいろいろ情けないし・・・うぅ・・・
「あら、ヒーローよ~ あなたは三つの宇宙を揺るがす事件の中心に居るんだから。あなたの選択次第で大きな影響が出るわよ~」
えらくでかい話しになったな? 気になる女子も守れない俺に何を求めてんだよ?! うぅ・・・
「あら? 大丈夫大丈夫。突然同居しちゃった二人の美少女にドキドキして、これって二股なんて悩んだり、ラッキーイベントに興奮しすぎちゃって、エッチな夢見て漏らしちゃったりなんて、普通だから~?」
「ぐひょっ!? な、な、な?」
ちょ? な、なんで知ってるんですか! 俺の恥ずかしいメモリーを! でも漏らしてはいません!?
「ああ、居場所さえ分かれば、そこでの会話はもちろん起きた事柄を、遠方から拾った音声で推定するくらい訳はない」
うぎょっ! サレナが俺の様子を見て脳内の叫びを察したのか、さらっと説明しやがる! で、では、あんなことやこんなこともばれてしまっているわけなのですか!? お姉さん方!?
お、俺は恥ずかしさのあまりぷるぷると震えてしまった。顔が充血しているのが自覚できる。しかも、そんな俺をセラスがきょとんとした顔で見ているし! カルティはくすくす笑ってるし! サレナは呆れたような顔で見てるし! これってどういうプレイ!? め、目覚めろと言うのか、俺に! Mに!
「Mってなんですか?」
セラスがサレナに尋ねる。むきゃ~!? また伝わってましたか?
「こういう状況を楽しめる感性をもった特別な人間のことだ」
サレナは淡々と答える。
「? 良く分かりません・・・」
分からんでいいぞ、そんなよけいなことは!
「で、どうするのだ」
あさっての方向へ向きかけた話しの流れを、サレナが引き戻す。皆がじっと俺を見るので、俺もいまいち自信の無い頭で必死に考える。育子さんはラナンキュラスというセラスの姉妹艦のマスターになっている。こころを助けるためには、同等以上の力が必要だ。だが、セラスは戦わせたくない。だとすれば一つしか選択肢は無いか・・・
がばっと、俺はサレナに頭を下げた。頭が勢いよく畳にぶつかる。
「なんのつもりだ?」
サレナが不審そうな顔で尋ねる。
「俺に力を貸してくれ!」
俺は頭を畳に付けたまま、必死で頼んだ。
「ふん、セラスを戦わせたくないから、カルティと私に育子達の相手をしろと言うのか? まあ、無論民間人に手を出した育子を放っておくつもりは無いが、自分達は見物か?」
少し怒ったように言うサレナ。おぉ、戦ってはくれるのか? じゃあ、話しは早い! 俺は顔を上げると、両手でサレナの手を握った。
「なっ?!」
ぼっと顔を少し赤くするサレナ。う? 女性の手をいきなりつかむのは失礼か。だが、どうしても俺はサレナにどうしても協力してもらわないといけない。細かいことは気にしていられない。
「お前に乗せてくれ!」
「ふなっ!?」
サレナはぼんっと一瞬で顔を真っ赤にした。
「な、おま、い、いきなり何を?!」
「俺は本気だ!」
俺は手を握ったまま、サレナにぐっと近づく。
「な、な、な?」
サレナはそんなことを言いながら、なぜか目をつぶり、体を堅くする。
「あらあら~、強引にいやらしいことしようと迫ってるみたいね~この非常時に大人の階段登っちゃうのかしら~?」
カルティがまたくすくすと笑う。
「ち、違うわ! 俺を乗せて戦ってくれって言ってんだ!」
ま、まあ、言ったことだけならそう聞こえなくもないが・・・
「そ、そうか」
サレナはほっとした顔をして、体の力を抜く。だが、俺に握られた手を見て、
「きゃっ」
と意外にも小さく可愛らしい悲鳴を上げて、俺の手を振りほどいた。そしてまた顔を赤くする。う、うごっ? 男っぽい美人さんのそんな表情、めちゃくちゃ可愛い! こんな状況でなかったらしばらく眺めていたいところだ!
「あらあら~、サレナは相変わらず男に免疫が無いわね~」
「ほ、放っておいてくれ!」
カルティにからかわれたサレナは顔を赤らめたままそっぽを向く。うがっ! ギャップ萌堪らん! もともとサレナの容姿はかなり好みだったしな! だ、だが、そんなことをしている場合ではない!
「で、どうなんだ。乗せてくれるのか!」
また話しが脱線しそうだったので、俺はサレナとカルティの間に割って入って、二人に尋ねる。
「い、いいだろう。セラスを無理に戦わせて暴走されたら困るし、私もカルティを戦場へ連れて行くのは出来る限り避けたいと思っていたところだ」
「ほ、本当か?!」
「ああ、お前を私の、仮のマスターにしてやる」
「できるのか?」
「私はカルティをマスターにしているわけではない。カルティは製作者権限で私とアクセスしているのだ。だから可能だ」
「ありがとう」
俺がそう言うと、サレナは顔を赤くして、
「べ、別に礼を言われることではない。私もラナを取り戻したいだけだ!」
と怒鳴った。そして、すうっと大きく息を吸うと、人差指を俺に近付けた。
「あ、あくまで仮だからな?! 用が済んだら解除するからな?!」
サレナの指先が光り輝く。先日セラスが俺をマスターにした時のように。その輝く光は黒。黒い宝石の様にきらめく指先が俺の額に近付く。
「だ、だめです!」
突然、セラスがサレナの腕にしがみ付いた。
「コーイチは私のマスターです!」
「ほう? じゃあ、お前が戦うというのか?」
サレナはほっとしたような、あと、少しだけそれとは違う表情を浮かべてから、邪魔したセラスをちらりと見る。
「戦います!」
セラスはサレナをじっと見て、少しだけ顔を引き攣らせながら、だが、強く言った。
「だ、大丈夫なのか?」
俺が尋ねると、
「大丈夫です! 私だってこころが心配です! それに、これは私がここに居たから起きたことです。私が何もしない訳にはいきません!」
セラスはそうはっきりと答えた。
「そうか・・・」
あんなに怖がっていたのにな、戦うことを。セラスは見た目だけじゃなくて、いろいろ成長しているんだなと思うと、なぜか嬉しくなった。
「命令して下さい、コーイチ!」
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「ああ、行くぞ! こころを取り戻しに!」
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