うちの居候は最強戦艦!

morikawa

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第4章

4-6

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「いらっしゃい。花咲君、セラスチウム」

 とても嬉しそうに育子さんは言った。

 俺の目の前に投影された、3Dテレビなんて目じゃないマジで立体映像の彼女は満面の笑みを浮かべている。言葉だけ聞けばまるで育子さん家に遊びに行ったみたいだが、ここは太陽系のはずれの宇宙空間だ。育子さんと一緒に、黄色い腰まで届く豊かな髪を持つ美少女が映っている。セラスにどこか似た可憐な容姿だが、初めて会った頃のセラスのように表情が無い。この娘がラナだろうか。

「こころは無事なんだろうな?」

「ええ、もちろん」

 育子さんは、アパートで会ったいつもの時のように微笑んだ。

「ちょっと大胆な行動をするから拘束させてもらっているけど。元気よ?」

 黄色いリボンのようなもので身動きできないように縛られた、こころの映像も映る。

「映像解析しました。加工した様子はありません。リアルタイムのものです」

 セラスの言葉を聞いて、俺は少し胸をなでおろす。よかった、無事だったな。まってろよ、すぐに助けてやるから。それにしてもひでえな、あんなに縛って。女子を縛っていいのはベッドの上かつ合意の上でだけだろう?

 俺はこころの居る場所をにらんだ。宇宙戦艦ラナンキュラスは、先程から動かず、星雲のようなものを背後に停止している。あの星雲みたいのがセラス達をこちらの宇宙に放りだした、時空の断層か。

 ラナンキュラスの船体は彼女の髪と同じく、鮮やかな黄色。セラスやサレナと違って、球形の中心部から左右に船体が伸びた、まるで馬の蹄鉄のような船型をしている。こころはあの中心部のどこかに居るんだろう。

「あら、ひどい。私達は無視~?」

 カルティの映像がすっと現れ、軽口を叩く。

「だって、私が帰るのに、貴女とその黒いのは必要ないもの」

 育子さんは冷笑する。別々の立体映像なのだが、こうやって見ると目の前でケンカしてるみたいで、変な光景だ。

「ふん、ほざいていろ。ラナは返してもらうぞ。そんなに帰りたいのなら、その断層に生身で放り込んでやる」

 カルティの横に居たサレナがそう言い放つと、ブラックサレナはラナンキュラスへ向けて前進を開始する。

「くらえ!」

 ブラックサレナの外装、その後部の上下左右が無数にスライドする。まるで黒い花弁に突然たくさんの穴が開いたようだ。そしてその穴から光を放ちながら何かが無数に飛び出す。それも連続して。

「ミサイルか?」

「そうです。誘導ミサイル。サレナはその探知能力を生かして、光学迷彩を使って潜む敵を燻り出したり、複数の敵をその手数で包囲し殲滅するのが得意です。」

 煙、ではなく白く輝く噴射材を放出しながらブラックサレナから離れ、ぐんぐんと加速する無数のミサイル達。

 俺の目の前に、俺達を中心にした球形の広域戦闘図が表示される。もちろん三隻の宇宙戦艦も表示されているが、そこにブラックサレナから放たれた数千のミサイルが表示され、正確にその動きを追う。

「そんなものがラナンキュラスに届くと思っているの?」

 育子さんは不敵に笑う。すると、ラナンキュラスが光った。その光はオーロラのように見える輝く帯を形成し、ラナンキュラスの周囲を覆う。まるで黄色の泡に包まれているようだ。

 そこへ数千のミサイルが到達する。だが、逸れる! マジで逸れるとしか言いようがない! ミサイルは正常に作動しているのに、黄色の泡の所まで来ると、するっとそれに沿って目標であるラナンキュラスとは別の方向へ行ってしまうのだ。

 ラナンキュラスの後方で数千の爆発が起こる。激しい光を浴びて金色に輝くラナンキュラス。微動だにせず鎮座するその美しい姿に、俺は少し恐怖を感じた。

「じゃあ、お返し」

 育子さんがほほ笑むと、ラナンキュラスの馬蹄型の船体の、両腕の内側が輝く。

「回避~」

 緊迫感のないカルティの声とともに、ブラックサレナはその大きな船体からは想像もつかないほど身軽に、舞う様に舵を切る。その時、ラナンキュラスの船体の内側に、金色の火球が生じる。まるで小さな太陽のような巨大プラズマだ。二千万度に達するという測定結果が俺の眼前に小さな立体ディスプレイとして表示される。太陽の中心より熱いのか!?

「ラナの主砲、縮退プラズマ投射砲(ブラスト・キャノン)です」

 セラスが呟く。

「あれは超高温で敵艦の空間障壁を無視してダメージを与えられる上に、拡散拡大しながら前進するので近距離では回避しにくいのです」

「じゃ、じゃあ、俺達で援護しねえと! セラス、攻撃の準備だ! 副砲を出せ!」

「は、はい!」

 俺はセラスの船体の両側にある二門の副砲の稼働を立体ディスプレイで確認する。それからセラスをちらりと見ると、少し震えている。俺はセラスの頭を撫でた。

「大丈夫だ、俺がやる。セラスはサポートしてくれ」

「はい・・・」

 セラスは青い瞳に涙を浮かべ、だが、ぐっと歯を食いしばった。すっと俺の前に照準用の立体ディスプレイが現れ、左手側の操縦席から引き金の付いた操縦桿みたいのが出る。副砲はセラス一人でも打てるのだが、この様子じゃとても頼めなそうだ。俺がやるしかない。大丈夫だ、操作方法は頭に入っている。要はゲームと同じだろ!?

「逃がさないわよ!」

 やばい、遅かった! 育子さんの叫び声とともに、ラナンキュラスから金色のプラズマが放たれる! プラズマはどんどん拡大しながら逃げるブラックサレナを追う。まずいそ、避けられるのか?

「ぐうっ!」

 サレナがうめくように叫ぶ。ブラックサレナはまるで曲芸飛行する戦闘機のような動きで、巨大な火球をすれすれでかわし、なんとか回避に成功した。

「まだまだよ?」

 育子さんは舌なめずりするように言う。やばいぞ、これ以上攻撃されたら、ブラックサレナでも回避できるか分からん!

「セラス!」

「はい、コーイチ!」

 俺はラナンキュラスを牽制しようと、セラスの助けを借りながら、副砲の照準を合わせた。そうだ、難しく考えるな、これはゲームだ、ゲームだ・・・

「行けえっ!」

 俺は気合を入れる為に、叫びながら引き金を引いた。船体が揺れる訳ではないが、何か重量のあるものが船体を通りぬけるのが感覚として分かった。セラスの副砲、超大型のグラビティ・リニア・レールガンが二門、火を吹く。

 こいつは副砲とは言っても、30mもの巨大な弾頭を重力と電磁力で加速して放つ化け物だ。セラスの宇宙でも超ド級の戦艦にしか積んでいない、ある意味惑星攻撃兵器だ。これが地球に当たれば日本くらい吹き飛ぶぞ?

 だが、それでもラナンキュラスには効果が無い! まるで光が屈折するみたいに砲弾もするりとラナンキュラスを避けて通る!

「あら、だめよ? 打ってくれるなら主砲でなきゃ」

 育子さんはくすりと笑う。

「じゃあ、これはど~お?」

 体勢を立て直したブラックサレナは船体前方を開いて、主砲の砲口を出していた。そこからラナンキュラス目掛けて、黒い砲弾が放たれる!

 いや、砲弾じゃねえ! セラスチウムより大型のブラックサレナには大型のブラックホール生成装置が搭載されている。だからその主砲はブラックホール投射砲(ブラスト・キャノン)。 黒く見えたのは光をも飲み込む小さなブラックホールだ!

「それが、何か?」

 育子さんはくすくすと笑う。当然のように超重量、超重力の攻撃も、ラナンキュラスには届かない!

「ラナンキュラスの力はあなたが一番良く知っているでしょう?」

 育子さんは笑いながら言う。すると、ラナンキュラスの船体左右から、何かがするりと伸びる。あれはこころを攫った、あのナノ・ホイルとかいう薄い金属の板だ! だが、でかい! 幅が何百メートルってあるんじゃないか、今出してるのは!?

「さあ、行きなさい! ナノ・ホイル!」

 ナノ・ホイルはするりと動き、ラナンキュラスの時空障壁に接触する。すると、突然ブラックサレナの近くにその先端が現れ、一瞬でブラックサレナに巻きつく。そうか、ブラックサレナとの距離を変更したのか!

「ぐうっ!」

 サレナが呻く。カルティとサレナの映像からは激しいアラート音も入ってきている。何重にも巻きつくナノ・ホイル。ここまでブラックサレナが軋む音が聞こえてきそうだ!

「セラス! 主砲だ!」

 俺は叫んだ。このままじゃカルティとサレナがやられちまう! 一か八かやるしかない!

「いや! まだだ!」

 サレナが怒鳴る。そして船体をナノ・ホイルに巻き付かれたまま、ラナンキュラスに向け前進を始める。

「どうするつもり? そんなに圧し折って欲しいの?」

 育子さんは冷笑する。

「さあ、花咲君、セラスチウム? 打つなら早く打った方が良いわよ?」

 そしてブラックサレナをさらに締め付ける。メキッと嫌な音がカルティとサレナの映像から聞こえた。次の瞬間、バコッと鈍い音がして、ブラックサレナの外装が凹む! だが、ブラックサレナは前進を止めない。

「育子、作ったのは私だからラナの力は良く知ってるわよ~」

 カルティがこんな状況だというのに緊張感のない声で言う。

「そして、弱点もな!」

 サレナも吠える。ラナンキュラスの至近まで詰め寄ったブラックサレナ。そしてそこで再び主砲を放った! ラナンキュラスへ迫るブラックホールの弾丸。だが、今までと同じく金色の膜に沿って逸れる。

「きゃああ!」

 だが、育子さんは悲鳴を上げた。ブラックホールの超重力が膜の中にまで影響を与えたようだ。ラナンキュラスの船体が激しく揺れている。

「なるほど、ラナンキュラスの出力には限界があります。ナノ・ホイルを使っている時はあの絶対防御にもわずかな隙ができるのですね」

 セラスが言う。そうか、今の状態では並みの攻撃ならともかく、ブラックサレナの主砲を完全に逸らすことはできなかったんだ!

 船体の振動の影響か、ブラックサレナ達に巻きついていたナノ・ホイルが解け、バラバラに、そして煙のように分解していく。あの技の正体は、極微小な金属粒子を薄い帯状に集結させて、次元干渉で薄くても強靭なものにして操っていたってわけか。

「ファック! この豚女共!」

 育子さんは若い美人さんが口にして欲しくない類の罵り声を上げる。そして黄金の膜を張り直すと、狂ったようにブラックサレナへ向けて主砲を連射する。だが、ラナンキュラスが体勢を立て直す間に適度な距離を取ったブラックサレナはアクロバット飛行のように金色の火球をかわし続ける!

「セラス! 主砲を使うぞ!」

 俺はセラスに言った。ブラックサレナがラナンキュラスの注意を引きつけている今なら、落ち着いて打てる!

「は、はい!」

 セラスは俺の要求に答える。艦首が左右に開き、槍のようにも、アンテナのようにも見える、五叉の次元干渉機関の先端が現れる。そして操縦席の俺の目の前にも、副砲の時よりでかい立体ディスプレイが現れ、操縦席の右手から、今度は本当に銃のような照準器とトリガーがぐっと伸びてくる。俺はそれを両手で握った。

 俺はセラスを見た。もともと白い顔をさらに蒼白にさせ、不安そうな顔で俺を見つめている。

「心配すんな。俺達なら上手くやれる」

 自分でも不安だった俺は、自分も励ますように、セラスを撫でながら言った。

「こころを連れて帰るぞ! また三人で楽しくやるんだ」

「はい!」

 セラスはにこっと可愛らしく微笑むと、俺の腕をぎゅっと握った。

「時空干渉機関、同期開始します!」

 セラスがそう告げると、俺の視界にはセラスのマスターになった時と同じように無数の光の筋が流れる。自分の体どころか手足すら見えない。見えるのはセラスと主砲用のディスプレイ、照準器とトリガーだけだ。本当にセラスの一体になったようだ。おおぅ、これが同期ってやつか?

「時空干渉機関起動!」

 セラスが叫ぶと、俺の頭に無数の情報が流れ込み、普段はろくに使ってない俺の脳味噌も勢いよく稼働しているみたいだ。

渡された知識によれば、セラス一人では主砲は打てない。

 俺には良く理解できないが、次元という完全に固定された存在に干渉して引っかき回すには、セラスとマスターの『精神』というのが不可欠なんだとか。

 俺は流れ込んでくる情報で、今稼働してる機関が生み出すとんでもない力を理解した。だが、一歩間違えば、育子さんが失敗したみたいになっちまう。かなりやばい力だよな。だけどこれしか手が無い。俺はセラスを信じて引き金を引く! 一か月も経ってないけど、一緒に暮らした相棒だもんな。 

『私もコーイチを信じます』

 セラスはそう言って微笑んだ。もう不安そうな様子は無い。

「ああ、ようやく打ってくれるの! さあ、早く! さあ!」

 育子さんの声だけが聞こえる。ラナンキュラスはブラックサレナを追うのを止め、次元の狭間の方角へと船体を移動させる。

「さあ! 早く来て! 早く!」

 育子さんは上気したような声で叫ぶ。うごっ! な、なんかエロい声だな!

『本当にコーイチは、すぐに性的興奮状態になりますね?』

 セラスがむすっとした顔で言う。性的興奮状態って・・・そんな直接的に、はっきり言うな、はっきり! しかもそんな可愛い声で!

『帰ったらこころと一緒にお仕置きするべきでしょうか?』

 お、おま! 俺を殺す気ですか? セラスはくすくすと笑っている。気付かない間にまた少し大きくなったようだ。その仕草はちょっと大人っぽいものに変わっていた。俺は不覚にも、まあ何度もあったことだし今更なんだが、どきっとする。

「さあ、コーイチ、行きましょう!」

 セラスはにこりと微笑んだ。

「ああ、そうだな! こころを待たせちゃ悪いしな!」

 俺は意識を集中させる。気のせいか、さっきよりもセラスと強く同期したような気がする。

「行け! 時空振動砲!」

 俺は照準を合わせ、トリガーを引く! 艦首の五叉の槍が一瞬白く激しく光り、そこから銀色の波が放たれる! そして船体が大きく揺れた。銀色の波はまるで鏃のように円錐の形を取り、ラナンキュラスへと殺到する。波はとんでもないスピードで進んでいるはずだが、俺にはそれがスローモーションのように見えた。

「そんな?!」

 育子さんの叫びが聞こえる。波は黄金の泡を、まるで本物のシャボン玉のように容易く破り、ラナンキュラスの馬蹄型船体の右舷に激突した。そして爆発、いや違う! まるで粒子にまで分解するようにラナンキュラスの船体右舷全体を粉砕し、そのまま左舷をも貫く! 左舷も円錐の鏃に触れた部分は同じように分解され、すこし遅れてから残った部分が激しく爆発した。

ラナンキュラスは中央の球形部分のみを残し、活動を停止する!

「やったわ!」

 カルティが珍しく興奮したように言う。

「こころは?!」

 セラスとの同期が解けて視界が元に戻った俺は、三人に尋ねる。

「大丈夫です、艦橋には影響ありません」

「ああ、今探査が完了した。生体反応が3つある。どれも異常は無い。無事だ」

 セラスとサレナが答える。俺は緊張が解けて一瞬めまいがした。そしてそのまま力が抜けて、操縦席に沈み込む。よかった・・・
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