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第4章
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俺達はセラスチウムとブラックサレナでラナンキュラスを挟むように接舷した。
そしてセラスがどこかからか出した揚陸戦用ロボット、顔がなくて肩幅が広く巨大な銃を両手で持った二足歩行のロボットだ、を数機先頭にして乗り移る。
ブラックサレナが完全にラナンキュラスのコントロールを乗っ取ったそうで、隔壁もすんなりと開く。
ラナンキュラスもセラスチウムと同じく居住スペースは大して広くないようで、すぐに艦橋へと辿り着いた。部屋の構造もセラスチウムと大して変わらないな。半球形のスペースに幾つかのドアが付いている。そこにはカルティとサレナが既に居て、育子さんは仰向けに倒れたラナの脇にへたり込んでいた。
「どうして・・・どうして・・・まだ不完全なものを完全に使いこなすなんて・・・」
育子さんは呻くように言う。
「あら、失礼ね~私の造るものに不完全なんてないわ~。セラスの精神が成長して運用に耐えうるまでになったことと、コウイチ君との同期があなたよりずっと深かったってことよ」
カルティは勝ち誇って答えた。育子さんはがくりとうな垂れる。
「こころは?」
俺は育子さんに尋ねる。育子さんは呆けたような顔のまま、一つのドアを指差した。俺とセラスは掛け足でそのドアへと向かう。ドアは今までと同じようにすんなりと開く。そこには拘束が解けて、うつ伏せに倒れているこころが居た。
「こころ!」
俺とセラスはこころに駆け寄って、抱き起こす。こころは小さく呻くと、ゆっくりと目を開けた。
「好一君、セラスちゃん?」
「ああ、大丈夫か?」
俺がそう言うと、こころはぽろぽろと涙を流した。そして俺にしがみ付く。
「も、もう会えないかと思った・・・」
そう言って泣くこころ。俺は軽く肩を抱いて、頭を撫ででやった。って、うほぉ、本物のヒーローみたいだな、俺! そ、それになんというか、じょ、女子をこんな風に抱きしめるってのはどきどきするもんだな?! 意外に華奢なこころの肩、それでいて柔らかい体、良い香りもする。そ、そして当たってるよ、当たってるんだよ、おぱ、おぱ、おぱぱ・・・
「ししし、心配す、すんにゃ! 俺とセラスで何度らって助けてやふ!」
ドキドキしすぎて、肝心なところでどもる俺。ううぅ、情けな・・・
くすっと笑うこころ。セラスも軽く笑ってやがる。ち、ちくしょう・・・
「でも、それがコーイチ君らしくて良いよ」
こころは笑いながら言う。
「そ、そうかよ」
「うん、そう。それが初めて会った時から、大好きな好一君だよ」
え、何? 今何て・・・?
こころの言葉が消化できないうちに、すっとこころは顔を寄せて来た。そして、唇が触れる。永遠に感じるような一瞬。こころの唇は小さくて、柔らかかった。
呆ける俺から体を離し、こころは顔を赤くしながら、恥ずかしそうに微笑んだ。今更ながら心臓がバクバクと鼓動を始める。お、お、お、お、おぉ・・・これはも、もしかして、もしかしたのか? してしまったのか? 俺は感動と興奮で顔だけでなく、体中が発火したように感じた。
その時、セラスが視界に入った。セラスは茫然とした顔をしている。そして、
「嫌あぁ!」
と叫び声を上げると、ゆっくりと崩れ落ちるように倒れた。
「セラス?!」
俺とこころは慌ててセラスに駆け寄る。だが、セラスはピクリとも動かなかった。
そしてセラスがどこかからか出した揚陸戦用ロボット、顔がなくて肩幅が広く巨大な銃を両手で持った二足歩行のロボットだ、を数機先頭にして乗り移る。
ブラックサレナが完全にラナンキュラスのコントロールを乗っ取ったそうで、隔壁もすんなりと開く。
ラナンキュラスもセラスチウムと同じく居住スペースは大して広くないようで、すぐに艦橋へと辿り着いた。部屋の構造もセラスチウムと大して変わらないな。半球形のスペースに幾つかのドアが付いている。そこにはカルティとサレナが既に居て、育子さんは仰向けに倒れたラナの脇にへたり込んでいた。
「どうして・・・どうして・・・まだ不完全なものを完全に使いこなすなんて・・・」
育子さんは呻くように言う。
「あら、失礼ね~私の造るものに不完全なんてないわ~。セラスの精神が成長して運用に耐えうるまでになったことと、コウイチ君との同期があなたよりずっと深かったってことよ」
カルティは勝ち誇って答えた。育子さんはがくりとうな垂れる。
「こころは?」
俺は育子さんに尋ねる。育子さんは呆けたような顔のまま、一つのドアを指差した。俺とセラスは掛け足でそのドアへと向かう。ドアは今までと同じようにすんなりと開く。そこには拘束が解けて、うつ伏せに倒れているこころが居た。
「こころ!」
俺とセラスはこころに駆け寄って、抱き起こす。こころは小さく呻くと、ゆっくりと目を開けた。
「好一君、セラスちゃん?」
「ああ、大丈夫か?」
俺がそう言うと、こころはぽろぽろと涙を流した。そして俺にしがみ付く。
「も、もう会えないかと思った・・・」
そう言って泣くこころ。俺は軽く肩を抱いて、頭を撫ででやった。って、うほぉ、本物のヒーローみたいだな、俺! そ、それになんというか、じょ、女子をこんな風に抱きしめるってのはどきどきするもんだな?! 意外に華奢なこころの肩、それでいて柔らかい体、良い香りもする。そ、そして当たってるよ、当たってるんだよ、おぱ、おぱ、おぱぱ・・・
「ししし、心配す、すんにゃ! 俺とセラスで何度らって助けてやふ!」
ドキドキしすぎて、肝心なところでどもる俺。ううぅ、情けな・・・
くすっと笑うこころ。セラスも軽く笑ってやがる。ち、ちくしょう・・・
「でも、それがコーイチ君らしくて良いよ」
こころは笑いながら言う。
「そ、そうかよ」
「うん、そう。それが初めて会った時から、大好きな好一君だよ」
え、何? 今何て・・・?
こころの言葉が消化できないうちに、すっとこころは顔を寄せて来た。そして、唇が触れる。永遠に感じるような一瞬。こころの唇は小さくて、柔らかかった。
呆ける俺から体を離し、こころは顔を赤くしながら、恥ずかしそうに微笑んだ。今更ながら心臓がバクバクと鼓動を始める。お、お、お、お、おぉ・・・これはも、もしかして、もしかしたのか? してしまったのか? 俺は感動と興奮で顔だけでなく、体中が発火したように感じた。
その時、セラスが視界に入った。セラスは茫然とした顔をしている。そして、
「嫌あぁ!」
と叫び声を上げると、ゆっくりと崩れ落ちるように倒れた。
「セラス?!」
俺とこころは慌ててセラスに駆け寄る。だが、セラスはピクリとも動かなかった。
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