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第5章
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私は自分が嫌になった。
私はコーイチが大好きだ。
それにこころも大好きだ。
二人とも、大事な家族だ。
二人がお互いに恋愛感情を持っているということはデータから簡単に推測できた。それはとても良いことだと思っていた。
その、はずなのに。
二人が唇を触れ合わせるという愛情の確認行動をした時、私は胸が締め付けられるように感じた。
理解できない痛み。
主砲の発動で何か異常でも生じたのかと思い、私は慌てて内部機関をスキャンした。だが、中枢部にも、船体にも、異常は無い。
いや、異常はあった。私の思考に、だ。
こころが居なければ良いいのに。
確かに私はそう考えた。
思考機関の一瞬の誤作動ではない。現に今もそう考え続けている。
こころが居なければ。
こころを助けなければ。
こころが育子と一緒に別の宇宙に行ってしまっていれば。
なんなのだ、この思考は。私は自分の考えていることに驚愕する。
私はその原因を検索しようとした。だが、止めた。
分かっていたはずだ。私はコーイチを、家族としての『好き』意外の『好き』という対象にしていたのだ、大分前から。
機械のくせに、宇宙戦艦のくせに、兵器のくせに。
コーイチとこころが優しくしてくれるのを良いことに、そんな感情を抱いていた。しかもその上、こころに対してこんな黒い感情を抱いている。
なんて汚いのだろう、醜いのだろう、私は。私という存在は。
最低だ。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ! 私の全てが嫌だ! もう消えてしまいたい!
そう思った時、私の視界は真っ白になった。
私はコーイチが大好きだ。
それにこころも大好きだ。
二人とも、大事な家族だ。
二人がお互いに恋愛感情を持っているということはデータから簡単に推測できた。それはとても良いことだと思っていた。
その、はずなのに。
二人が唇を触れ合わせるという愛情の確認行動をした時、私は胸が締め付けられるように感じた。
理解できない痛み。
主砲の発動で何か異常でも生じたのかと思い、私は慌てて内部機関をスキャンした。だが、中枢部にも、船体にも、異常は無い。
いや、異常はあった。私の思考に、だ。
こころが居なければ良いいのに。
確かに私はそう考えた。
思考機関の一瞬の誤作動ではない。現に今もそう考え続けている。
こころが居なければ。
こころを助けなければ。
こころが育子と一緒に別の宇宙に行ってしまっていれば。
なんなのだ、この思考は。私は自分の考えていることに驚愕する。
私はその原因を検索しようとした。だが、止めた。
分かっていたはずだ。私はコーイチを、家族としての『好き』意外の『好き』という対象にしていたのだ、大分前から。
機械のくせに、宇宙戦艦のくせに、兵器のくせに。
コーイチとこころが優しくしてくれるのを良いことに、そんな感情を抱いていた。しかもその上、こころに対してこんな黒い感情を抱いている。
なんて汚いのだろう、醜いのだろう、私は。私という存在は。
最低だ。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ! 私の全てが嫌だ! もう消えてしまいたい!
そう思った時、私の視界は真っ白になった。
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