ハルカ・カナタの宇宙戦争

morikawa

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第1章

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「ど、どうしよう?! こういう時は誰に言えばいいの? お、お巡りさん? ひゃ、ヒャクトウバンって119だっけ?」

「落ち着いて下さい、警察を呼ぶ時は110です。自分でひゃくとうばんって言ってるじゃないですか。それに警察じゃ対処できませんよ」

「じゃ、じゃあ自衛隊? 米軍?」

「地球の軍隊のミサイルでは太陽まで届かないと思います」

「JAXA? NASAは?」

「まあ、到達は出来るかもしれませんが、何年かかりますかね」

「ど、どうしよう?!」

 ほ、本当にどうしたら良い? わ、分かんないよ! 頭が真っ白を通り越して脳味噌が蒸発しちゃったみたいに感じるよ?!

「あなたが戦うしかありません」

「はい?」

 私がですか? ど、どうやって?

「私は選ばれた者に最強の力を与える剣。建造されてから随分時間が経ちましたが、まだまだ銀河系で最高レベルの戦闘艦のはずです。カナタが望むのなら数百数千の戦艦を屠り、星をも砕いてみせましょう」

「へ、へえ」

 セントーカンって戦う船ってことだったの? で、でも私シューティングゲームって苦手なんだよ?! そ、そんなことできっこないよ! というか選ばれた者って何? こんな並み以下な私にそれほど似合わない言葉は無いよ?!

「展開中のダイソン殻付近を索敵したところ、護衛の戦艦、それも無人機が1隻付いているだけです。まったく何の問題もありません。せっかくの初陣の相手があれではがっかりなくらいです」

「え、えと…」

「何か?」

「わ、私じゃなくちゃ本当にだめなのかな~、と」

 もう私、訳が分からなくて本当に涙目だよ? そんな世界の命運を担う的なことを私に振られても…あ、足も震えてきたし!

「カナタでなくては私の本当の力は引き出せません。ですが、どうしても嫌だというのなら仕方がありません。無理やりカナタを私に乗せて地球から退避することにします」

「わ、私だけ?」

「そうですよ、私はカナタの為の艦なのですから。まあ、あと3人は乗れます。誰か連れて行きたい人は居ますか? 選んで下さい」

 そう静かに言うと、ハルカは私を見つめる。

「さ、3人…?」

 脳裏に両親やヒフミちゃん達、お祖父ちゃんお婆ちゃんに叔父ちゃん叔母ちゃん従兄弟達、クラスのみんなや先生、他にも今まで知り合った人達の顔が浮かぶ。え、選べるわけなんか無いよ!

 私は半分以上泣きながらハルカを見た。ハルカはまるで感情が無いかのような冷静な目で私を見ている。その時私は初めてハルカを少し怖く感じた。

「さあ、選んで下さい。どうするのかを」

 一瞬の静寂の後、ハルカが小さな声で、だけど強く私に迫る。

「…戦う…」

 私は下を向いて声を絞り出すようにしながら、ハルカにそう伝えた。
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