13 / 41
第1章
1-12
しおりを挟む
「ど、どうしよう?! こういう時は誰に言えばいいの? お、お巡りさん? ひゃ、ヒャクトウバンって119だっけ?」
「落ち着いて下さい、警察を呼ぶ時は110です。自分でひゃくとうばんって言ってるじゃないですか。それに警察じゃ対処できませんよ」
「じゃ、じゃあ自衛隊? 米軍?」
「地球の軍隊のミサイルでは太陽まで届かないと思います」
「JAXA? NASAは?」
「まあ、到達は出来るかもしれませんが、何年かかりますかね」
「ど、どうしよう?!」
ほ、本当にどうしたら良い? わ、分かんないよ! 頭が真っ白を通り越して脳味噌が蒸発しちゃったみたいに感じるよ?!
「あなたが戦うしかありません」
「はい?」
私がですか? ど、どうやって?
「私は選ばれた者に最強の力を与える剣。建造されてから随分時間が経ちましたが、まだまだ銀河系で最高レベルの戦闘艦のはずです。カナタが望むのなら数百数千の戦艦を屠り、星をも砕いてみせましょう」
「へ、へえ」
セントーカンって戦う船ってことだったの? で、でも私シューティングゲームって苦手なんだよ?! そ、そんなことできっこないよ! というか選ばれた者って何? こんな並み以下な私にそれほど似合わない言葉は無いよ?!
「展開中のダイソン殻付近を索敵したところ、護衛の戦艦、それも無人機が1隻付いているだけです。まったく何の問題もありません。せっかくの初陣の相手があれではがっかりなくらいです」
「え、えと…」
「何か?」
「わ、私じゃなくちゃ本当にだめなのかな~、と」
もう私、訳が分からなくて本当に涙目だよ? そんな世界の命運を担う的なことを私に振られても…あ、足も震えてきたし!
「カナタでなくては私の本当の力は引き出せません。ですが、どうしても嫌だというのなら仕方がありません。無理やりカナタを私に乗せて地球から退避することにします」
「わ、私だけ?」
「そうですよ、私はカナタの為の艦なのですから。まあ、あと3人は乗れます。誰か連れて行きたい人は居ますか? 選んで下さい」
そう静かに言うと、ハルカは私を見つめる。
「さ、3人…?」
脳裏に両親やヒフミちゃん達、お祖父ちゃんお婆ちゃんに叔父ちゃん叔母ちゃん従兄弟達、クラスのみんなや先生、他にも今まで知り合った人達の顔が浮かぶ。え、選べるわけなんか無いよ!
私は半分以上泣きながらハルカを見た。ハルカはまるで感情が無いかのような冷静な目で私を見ている。その時私は初めてハルカを少し怖く感じた。
「さあ、選んで下さい。どうするのかを」
一瞬の静寂の後、ハルカが小さな声で、だけど強く私に迫る。
「…戦う…」
私は下を向いて声を絞り出すようにしながら、ハルカにそう伝えた。
「落ち着いて下さい、警察を呼ぶ時は110です。自分でひゃくとうばんって言ってるじゃないですか。それに警察じゃ対処できませんよ」
「じゃ、じゃあ自衛隊? 米軍?」
「地球の軍隊のミサイルでは太陽まで届かないと思います」
「JAXA? NASAは?」
「まあ、到達は出来るかもしれませんが、何年かかりますかね」
「ど、どうしよう?!」
ほ、本当にどうしたら良い? わ、分かんないよ! 頭が真っ白を通り越して脳味噌が蒸発しちゃったみたいに感じるよ?!
「あなたが戦うしかありません」
「はい?」
私がですか? ど、どうやって?
「私は選ばれた者に最強の力を与える剣。建造されてから随分時間が経ちましたが、まだまだ銀河系で最高レベルの戦闘艦のはずです。カナタが望むのなら数百数千の戦艦を屠り、星をも砕いてみせましょう」
「へ、へえ」
セントーカンって戦う船ってことだったの? で、でも私シューティングゲームって苦手なんだよ?! そ、そんなことできっこないよ! というか選ばれた者って何? こんな並み以下な私にそれほど似合わない言葉は無いよ?!
「展開中のダイソン殻付近を索敵したところ、護衛の戦艦、それも無人機が1隻付いているだけです。まったく何の問題もありません。せっかくの初陣の相手があれではがっかりなくらいです」
「え、えと…」
「何か?」
「わ、私じゃなくちゃ本当にだめなのかな~、と」
もう私、訳が分からなくて本当に涙目だよ? そんな世界の命運を担う的なことを私に振られても…あ、足も震えてきたし!
「カナタでなくては私の本当の力は引き出せません。ですが、どうしても嫌だというのなら仕方がありません。無理やりカナタを私に乗せて地球から退避することにします」
「わ、私だけ?」
「そうですよ、私はカナタの為の艦なのですから。まあ、あと3人は乗れます。誰か連れて行きたい人は居ますか? 選んで下さい」
そう静かに言うと、ハルカは私を見つめる。
「さ、3人…?」
脳裏に両親やヒフミちゃん達、お祖父ちゃんお婆ちゃんに叔父ちゃん叔母ちゃん従兄弟達、クラスのみんなや先生、他にも今まで知り合った人達の顔が浮かぶ。え、選べるわけなんか無いよ!
私は半分以上泣きながらハルカを見た。ハルカはまるで感情が無いかのような冷静な目で私を見ている。その時私は初めてハルカを少し怖く感じた。
「さあ、選んで下さい。どうするのかを」
一瞬の静寂の後、ハルカが小さな声で、だけど強く私に迫る。
「…戦う…」
私は下を向いて声を絞り出すようにしながら、ハルカにそう伝えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる