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#1 全てはこのLINEから始まった
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放課後、ポケットの中でスマホが震えた。
マコトからのLINE。
<至急! 図書館に来て!>
マコトとは浅香 真。最近付き合い始めた僕の友達だ。
僕は池上 遼。
マコトからはリョウと言われている。
共に今年F県東高校に入学した一年生だ。
クラスが違う二人が友達となるきっかけは図書館だった。
僕が図書室である小説を読んでいたとき、声を掛けてきたのがリョウだった。
「よく図書室に来るね」
マコトは図書委員だった。
本好きな二人はすぐに打ち解けた。
<どうした?>
<書庫で待ってる!>
何なのだろう?
理由は分からないが、図書館へ行ってみるしかなかった。
僕らの高校の図書室は本校舎から渡り廊下で行かなければならない独立した建物だがちょっと変わった造りになっていた。
高校全体の敷地に高低差がある為、コンクリート造りの2階建てなのだが、その2階が入口となっているのだ。入ると傘立てがあり、その先にまたドアがある。
そこを開けると図書室だ。そしてその図書室の片隅に階段があり、1階の書庫につながっている。
すぐに書庫に行く前に僕は図書室のドアを開けてちょっと中を覗いてみた。
書庫と言われたが、もしかしたらマコトはこっちかもしれないと思ったのだ。
他の高校はどうか知らないが、うちの高校で図書室を利用する人は少ない。
今日も数人が長机に座って、ある生徒は本を読み、またある生徒は自習をしていた。せいぜい5,6人と言ったところだろう。いつも図書委員が座る受付には誰もいなかった。
うちの高校の場合、本を借り出すときには備えのノートに自分で記入すれば良いし、返却するときはただ受付横のダンボール箱に入れればそれで済む。
だから受付に図書委員がいなくても特には困らない訳だ。
やっぱり書庫か…。
中にいる人の気を散らさないように図書室のドアを静かに閉めると、僕は階段を降りていった。
1階というよりは地階といった方がふさわしい。
書庫のドアを開けた。
湿った黴臭い臭いが鼻を突く。
案に相違して中の電気は付いていなかった。
電気を付けて明るくすると僕はマコトを呼んだ。
しかし…、返事がない。
整然と並んだ本棚の列の間を通り抜けると、片隅に部屋がある。
何の用途で作られたのかは分からない。
ここかな?
でもマコトはなぜこんな所に僕を呼び出したのだろう?
一応ドアをノックしてみる。
しかしここでも反応はなかった。
ちょっと変だな…。
そう思いながら、でも僕は部屋のドアを押し開いた。
書庫の照明の位置が悪いのか、部屋の中は薄暗い。
でも部屋の奥に佇む黒いシルエットを僕は認めた。
マコト?
呼びかけるが返事はない。
確かこの部屋にも照明のスイッチはある筈だ………。
手探りで壁のスイッチを探しながら、何かちょっとした違和感を覚えていた。
人影の腰の当たりがふっくらと膨らんでいるのだ。
えっ? 女生徒?
僕は探し当てたスイッチを押し上げた。
部屋がパッと明るくなる。
えええっ!?
部屋の奥に立っているのは女生徒……ではなかった。
マコトだった。
何とマコトが女生徒の制服を着ていたのだ。
そればかりではない。マコトの胸には縄が掛かっていた。両手は背中に回されている。
これって一体?
マコトからのLINE。
<至急! 図書館に来て!>
マコトとは浅香 真。最近付き合い始めた僕の友達だ。
僕は池上 遼。
マコトからはリョウと言われている。
共に今年F県東高校に入学した一年生だ。
クラスが違う二人が友達となるきっかけは図書館だった。
僕が図書室である小説を読んでいたとき、声を掛けてきたのがリョウだった。
「よく図書室に来るね」
マコトは図書委員だった。
本好きな二人はすぐに打ち解けた。
<どうした?>
<書庫で待ってる!>
何なのだろう?
理由は分からないが、図書館へ行ってみるしかなかった。
僕らの高校の図書室は本校舎から渡り廊下で行かなければならない独立した建物だがちょっと変わった造りになっていた。
高校全体の敷地に高低差がある為、コンクリート造りの2階建てなのだが、その2階が入口となっているのだ。入ると傘立てがあり、その先にまたドアがある。
そこを開けると図書室だ。そしてその図書室の片隅に階段があり、1階の書庫につながっている。
すぐに書庫に行く前に僕は図書室のドアを開けてちょっと中を覗いてみた。
書庫と言われたが、もしかしたらマコトはこっちかもしれないと思ったのだ。
他の高校はどうか知らないが、うちの高校で図書室を利用する人は少ない。
今日も数人が長机に座って、ある生徒は本を読み、またある生徒は自習をしていた。せいぜい5,6人と言ったところだろう。いつも図書委員が座る受付には誰もいなかった。
うちの高校の場合、本を借り出すときには備えのノートに自分で記入すれば良いし、返却するときはただ受付横のダンボール箱に入れればそれで済む。
だから受付に図書委員がいなくても特には困らない訳だ。
やっぱり書庫か…。
中にいる人の気を散らさないように図書室のドアを静かに閉めると、僕は階段を降りていった。
1階というよりは地階といった方がふさわしい。
書庫のドアを開けた。
湿った黴臭い臭いが鼻を突く。
案に相違して中の電気は付いていなかった。
電気を付けて明るくすると僕はマコトを呼んだ。
しかし…、返事がない。
整然と並んだ本棚の列の間を通り抜けると、片隅に部屋がある。
何の用途で作られたのかは分からない。
ここかな?
でもマコトはなぜこんな所に僕を呼び出したのだろう?
一応ドアをノックしてみる。
しかしここでも反応はなかった。
ちょっと変だな…。
そう思いながら、でも僕は部屋のドアを押し開いた。
書庫の照明の位置が悪いのか、部屋の中は薄暗い。
でも部屋の奥に佇む黒いシルエットを僕は認めた。
マコト?
呼びかけるが返事はない。
確かこの部屋にも照明のスイッチはある筈だ………。
手探りで壁のスイッチを探しながら、何かちょっとした違和感を覚えていた。
人影の腰の当たりがふっくらと膨らんでいるのだ。
えっ? 女生徒?
僕は探し当てたスイッチを押し上げた。
部屋がパッと明るくなる。
えええっ!?
部屋の奥に立っているのは女生徒……ではなかった。
マコトだった。
何とマコトが女生徒の制服を着ていたのだ。
そればかりではない。マコトの胸には縄が掛かっていた。両手は背中に回されている。
これって一体?
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