奴隷白書

#14 征服される悦び

「お預けだ」
　俺は後一歩で絶頂というところではぐらかされ、たまらない気持ちをぶつけるように木馬の上からご主人様を見つめます。
「ああ…最後まで……逝いかせて下さい」
「それはお前が今夜俺にどういう奉仕をしてくれるかにかかっているのさ」

　そう、阿久沢様はいつもこうして俺を肉体的に追い込んでおいてから、様々な羞ずかしい約束を強いるのです。俺としては、何としても逝いきたい一心で阿久沢様のご命令を総て約束させられてしまいます。

「いいか。お前を逝いかさせてやる代わりにお前はこの後、口と舌を使って俺の全身を愛撫するんだぞ」
「…は、はい」
「急所もそして、ケツの穴までしっかり舐め上げるんだぞ」
「はい…」
「返事だけじゃ駄目だ。ちゃんと言葉にして誓ってみろ」

「ああ……俺はご主人様の全身を口舌奉仕させていただきます。そして心を込めてご主人様の巨筒をしゃぶり上げると同時に、……菊花もきれいに舐めさせていただきます」
「フフフ、そうだ。そしてその後はお前のケツを犯してやるからな」
「はい。……ぜ、是非ご主人様の巨筒で俺を犯して下さいませ」
「俺が爆発した後の後始末もきちんとするな？」
「はい。ご主人様が俺の中にミルクをご放出された後、巨筒を口と舌で清めさせて下さい……」
「ようし。約束したことを忘れるなよ」

　……再び、ご主人様が俺の肉筒を握りしめると、強くしごかれ始めました。
「あ…ああ…あ………」
頭の中に白い光が点滅を始めました。……そして一際強い閃光を感じたとき……俺は絶頂を迎えていました。
「逝いく！」
　その言葉を言い終わらない内に俺は大量の白い牡精をご主人様の手の中に噴き散らしていたのでした………。

「もっとケツを上げろ！」
　ベッドの上、頭と両膝を敷き布団に付けた俺はお尻を高く持ち上げました。
　あの後、俺は約束通りご主人様の全身に口舌奉仕を行いました。もちろんご主人様の巨筒をしゃぶり、そして菊花を丹念に舐め上げました。そして今、ご主人様は俺を犯そうとしているのです。

「あ…」
　ご主人様が巨筒の先を俺の菊花にあてがわれました。
「いくぞ！」
　ご主人様のお言葉とほぼ同時に、熱く固い肉塊がメリメリと俺の中に侵入してきました。
「あああああ！」

　厳しい調教の末に俺の身体は普通の大きさの男性器なら難無く受け入れられるように肉体改造されています。しかしご主人様の巨筒は俺の限界を超えています。
　貫かれる度に、痺れるような痛みを感じ、無意識気の内に俺は体を前に倒そうとするのですが、ご主人様の両手が俺の腰をガッチリと押さえ、それを許しません。

　征服されている………。
　そう、俺は今ご主人様に征服されています。
　でも性奴にとっては、それが心ときめく悦びなのです。何度か突き立てられる内に、再び俺の意識は疼くような官能の世界に浮遊していくのでした。（了）