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#9 今面白いことしてるんだけど…
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ジュンはケータイを手に取ると、誰かに電話をかけた。何度目かのコール音の後に誰だか分からないが電話に出たようだ。電話の相手の声まで僕には聞こえない。
「ああ、ショウヘイ? しばらくぶり。ジュンだよ」
ショウヘイとは僕とジュンの共通の中学校時代の友人で、近所に住んでいる。
「今、コウイチの家にいるんだけどさ……」
僕は真っ青になった。ジュンの電話は続く。
「お前も遊びに来ないか? 今面白いことしてるんだけど…」
「だ、駄目!」
大声を出してはショウヘイに聞きとがめられてしまう。僕は押し殺した声で抗議した。そしてジュンの電話を止めさせるため、立ち上がりジュンに詰め寄ろうとしたのだが、そのときまたしても急所縛りの紐がピンと張り、下半身を襲う激痛に僕は呻いた。僕はただヤキモキしながらジュンを見つめているしかなかった。
ジュンはニヤニヤしながらケータイの通話口を手で押さえ、
「じゃあする?」
これも僕同様ショウヘイに聞かれないように、小声で尋ねる。
「する、するよ!」
僕は大きく何度もうなずいた。
ケータイの向こうでは、ショウヘイが何か話しているらしい。しばらくジュンはショウヘイの話を聞いた後、唐突に言った。
「あ、悪い、うっかりしてた。用事を思い出した。僕はこれから帰らなくちゃいけないんだ。また電話するから」
そこで電話は切れたようだった。
(助かった……)
こんな浅ましい姿をショウヘイにまで晒したくはなかった。でも、その代償として僕はジュンに口舌奉仕をしなければならなくなった。
(そんなこと……本当にできるのだろうか………?)
ほっとした気持ちと、不安な気持ちがないまぜになって、悶々としている僕の耳に、唐突ジュンのケータイが当てられた。
(何か声が聞こえる…)
ジュンは電話を切っていなかったのだ!
僕は緊張し、顔は真っ青になった。
(ジュンは僕からもショウヘイに何か話せというのだろうか?…)
「……の方は1を、……そうでない方は2を………」
(ん…? 何か変だ)
第一ケータイから聞こえてくる声は女性の声だった。
「…初めからお聞きされたい方は3を押してください………」
僕は思わずジュンを見上げた。ジュンはゲラゲラと笑っている。
これはどこかの会社の自動応答の音声サービスガイドだ。ジュンはショウヘイに電話したのではなかった。さっきの電話はジュンの一人芝居だったのだ。
「だ、騙したの?」
僕の声には少し怒気が含まれていたのだろう。
言い訳するようにジュンが応えた。
「だましてなんかないよ。さっきのは予行練習だよ」
「予行練習?……」
「これから本当にショウヘイに電話かけてもいいんだよ。でもさっきのお芝居でお前はショウヘイに来られるよりはフェラチオすることを選んだだろう?」
確かに、……確かにジュンの言うとおりだった。
「だったら、さっきの電話がウソだろうとホントだろうとどっちでもいいじゃないか」
僕は深くうなだれた。ジュンはそれを見て、もう僕の怒りは静まり、承諾したと思ったのだろう。ベッドの脚に結ばれた急所縛りの紐をほどくと、それを手に取り、キュッと引っ張った。
「さあ、約束を守ってもらおうか」
顔を上げるとジーパンの開かれたチャックから覗いたジュンの肉茎がすぐ目の前にあった。
僕はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「ああ、ショウヘイ? しばらくぶり。ジュンだよ」
ショウヘイとは僕とジュンの共通の中学校時代の友人で、近所に住んでいる。
「今、コウイチの家にいるんだけどさ……」
僕は真っ青になった。ジュンの電話は続く。
「お前も遊びに来ないか? 今面白いことしてるんだけど…」
「だ、駄目!」
大声を出してはショウヘイに聞きとがめられてしまう。僕は押し殺した声で抗議した。そしてジュンの電話を止めさせるため、立ち上がりジュンに詰め寄ろうとしたのだが、そのときまたしても急所縛りの紐がピンと張り、下半身を襲う激痛に僕は呻いた。僕はただヤキモキしながらジュンを見つめているしかなかった。
ジュンはニヤニヤしながらケータイの通話口を手で押さえ、
「じゃあする?」
これも僕同様ショウヘイに聞かれないように、小声で尋ねる。
「する、するよ!」
僕は大きく何度もうなずいた。
ケータイの向こうでは、ショウヘイが何か話しているらしい。しばらくジュンはショウヘイの話を聞いた後、唐突に言った。
「あ、悪い、うっかりしてた。用事を思い出した。僕はこれから帰らなくちゃいけないんだ。また電話するから」
そこで電話は切れたようだった。
(助かった……)
こんな浅ましい姿をショウヘイにまで晒したくはなかった。でも、その代償として僕はジュンに口舌奉仕をしなければならなくなった。
(そんなこと……本当にできるのだろうか………?)
ほっとした気持ちと、不安な気持ちがないまぜになって、悶々としている僕の耳に、唐突ジュンのケータイが当てられた。
(何か声が聞こえる…)
ジュンは電話を切っていなかったのだ!
僕は緊張し、顔は真っ青になった。
(ジュンは僕からもショウヘイに何か話せというのだろうか?…)
「……の方は1を、……そうでない方は2を………」
(ん…? 何か変だ)
第一ケータイから聞こえてくる声は女性の声だった。
「…初めからお聞きされたい方は3を押してください………」
僕は思わずジュンを見上げた。ジュンはゲラゲラと笑っている。
これはどこかの会社の自動応答の音声サービスガイドだ。ジュンはショウヘイに電話したのではなかった。さっきの電話はジュンの一人芝居だったのだ。
「だ、騙したの?」
僕の声には少し怒気が含まれていたのだろう。
言い訳するようにジュンが応えた。
「だましてなんかないよ。さっきのは予行練習だよ」
「予行練習?……」
「これから本当にショウヘイに電話かけてもいいんだよ。でもさっきのお芝居でお前はショウヘイに来られるよりはフェラチオすることを選んだだろう?」
確かに、……確かにジュンの言うとおりだった。
「だったら、さっきの電話がウソだろうとホントだろうとどっちでもいいじゃないか」
僕は深くうなだれた。ジュンはそれを見て、もう僕の怒りは静まり、承諾したと思ったのだろう。ベッドの脚に結ばれた急所縛りの紐をほどくと、それを手に取り、キュッと引っ張った。
「さあ、約束を守ってもらおうか」
顔を上げるとジーパンの開かれたチャックから覗いたジュンの肉茎がすぐ目の前にあった。
僕はゴクリと生唾を飲み込んだ。
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