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#10 これからコウイチは僕の奴隷だよ
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「ま、待って。する。するから……。でも……」
口から出たのはただの時間延ばしだった。
「でも、何だよ?」
何か思いついていた訳ではなかった。
しかし何か言わなければならない。
「ジュンも、……ジュンも裸になってよ」
とっさにそんな言葉が口から出ていた。
「僕にも裸になれって言うの?」
「…う、うん、」
僕は弱々しくうなずいた。
ジュンも裸になって………。深く考えて言った言葉ではなかったけれど、それはそのときの僕の想いを的確に表していた。
ジーパンのチャックから摘まみ出されたジュンの肉茎を見ると、なぜかトイレがイメージされ、僕には心理的に強い抵抗感が生じていた。
これがもしジュンも裸であったらならば………、そこには愛が……、愛と言っても純愛とは程遠い性愛であろうが……、そう、ともかく愛があるように思えたのだ。そうであれば、僕は愛撫として、ジュンに口舌奉仕できる………。
「僕も裸になったら必ずやるんだね?」
「うん…やるよ」
ここはもううなずくしかなかった。
よし……。そう言うとジュンは立ち上がりポロシャツを脱いだ。下には何も着ていないのでそれだけでもう上半身は裸だ。
色白で華奢なジュンの半裸体はなぜかまぶしく見え、僕はドキリとした。
続いてジーパンを脱ぎ捨てると、ジュンはソックスも脱いだ。
裸になって…とは言ったが、素裸になってとか、そこまで考えて言ったわけではなかったのだが、今ジュンは最後の一枚のトランクスにも手をかけ、全裸になろうとしている。
自ら素裸になることで、これ以上の僕の言い逃れを封じ込めようとしたのかもしれない。もしくは雑誌の投稿写真で素裸だったSにジュン自身も合わせようとしたのかもしれない。
理由はどうであれ、ジュンは足首からトランクスを抜き取ると、部屋の隅に投げ捨てた。少し恥じらうかのように、口元に微かなほほえみを浮かべている。ジュンの裸体は少しかよわげで少女を思わせたが、それでも丸みを帯びた女性とは異なる細身な体形は若い牡特有のものだった。
「さあ…」
再びベッドに腰掛けると、ジュンはうながすように急所縛りの紐を引いた。
もう僕に先延ばしの手立ては何もなかった。
「どうしたんだよ、やるって言っただろう」
僕はせっぱつまった。
「ね…、このことは絶対に秘密にして」
「ああ、秘密にするよ。だけどその代わり…」
「その代わり?………」
「これからコウイチは僕の奴隷だよ。僕の命令には絶対服従。いいかい?」
僕に選択の余地はない。
「わ、分かった。いや、分かりました……。奴隷になります。ジュンの命令には絶対服従します」
自分でも意外にスラスラと言葉が出てきた。
「僕はご主人様だからね……」
「うん。い、いや、はい……」
「それならご主人様の急所を奴隷の口と舌で奉仕するんだ」
「はいっ…」
口から出たのはただの時間延ばしだった。
「でも、何だよ?」
何か思いついていた訳ではなかった。
しかし何か言わなければならない。
「ジュンも、……ジュンも裸になってよ」
とっさにそんな言葉が口から出ていた。
「僕にも裸になれって言うの?」
「…う、うん、」
僕は弱々しくうなずいた。
ジュンも裸になって………。深く考えて言った言葉ではなかったけれど、それはそのときの僕の想いを的確に表していた。
ジーパンのチャックから摘まみ出されたジュンの肉茎を見ると、なぜかトイレがイメージされ、僕には心理的に強い抵抗感が生じていた。
これがもしジュンも裸であったらならば………、そこには愛が……、愛と言っても純愛とは程遠い性愛であろうが……、そう、ともかく愛があるように思えたのだ。そうであれば、僕は愛撫として、ジュンに口舌奉仕できる………。
「僕も裸になったら必ずやるんだね?」
「うん…やるよ」
ここはもううなずくしかなかった。
よし……。そう言うとジュンは立ち上がりポロシャツを脱いだ。下には何も着ていないのでそれだけでもう上半身は裸だ。
色白で華奢なジュンの半裸体はなぜかまぶしく見え、僕はドキリとした。
続いてジーパンを脱ぎ捨てると、ジュンはソックスも脱いだ。
裸になって…とは言ったが、素裸になってとか、そこまで考えて言ったわけではなかったのだが、今ジュンは最後の一枚のトランクスにも手をかけ、全裸になろうとしている。
自ら素裸になることで、これ以上の僕の言い逃れを封じ込めようとしたのかもしれない。もしくは雑誌の投稿写真で素裸だったSにジュン自身も合わせようとしたのかもしれない。
理由はどうであれ、ジュンは足首からトランクスを抜き取ると、部屋の隅に投げ捨てた。少し恥じらうかのように、口元に微かなほほえみを浮かべている。ジュンの裸体は少しかよわげで少女を思わせたが、それでも丸みを帯びた女性とは異なる細身な体形は若い牡特有のものだった。
「さあ…」
再びベッドに腰掛けると、ジュンはうながすように急所縛りの紐を引いた。
もう僕に先延ばしの手立ては何もなかった。
「どうしたんだよ、やるって言っただろう」
僕はせっぱつまった。
「ね…、このことは絶対に秘密にして」
「ああ、秘密にするよ。だけどその代わり…」
「その代わり?………」
「これからコウイチは僕の奴隷だよ。僕の命令には絶対服従。いいかい?」
僕に選択の余地はない。
「わ、分かった。いや、分かりました……。奴隷になります。ジュンの命令には絶対服従します」
自分でも意外にスラスラと言葉が出てきた。
「僕はご主人様だからね……」
「うん。い、いや、はい……」
「それならご主人様の急所を奴隷の口と舌で奉仕するんだ」
「はいっ…」
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