5 / 14
#5 鮎原の弱み その3
しおりを挟む
「クラス一、いや学年で一番の秀才のお前がまさかあんな本屋にいるなんて。ましてや男性SMの写真集を万引きするなんてなあ………。
「俺があの場に居合わさなかったら、あのまま警察に通報され、内定していた大学の推薦入学もパアになっていたところだろうな」
確かに曽根の言う通りで、鮎原もそれは認めざるを得ない。桜陰高校3年学年主任という名刺が物を言い、後で曽根から厳重注意するということで、鮎原は無罪放免となったのだ。
万引きした本も曽根が代金を払い引き取ったので、店主としても不満は残らなかったのだろう。二人して店を出た後、曽根からこのことは俺だけの秘密にしてやると言われたとき、鮎原は心から助かったと思ったものだった。
だが………だが、喜べたのも束の間だった。曽根は秘密を守る代償を鮎原に求めたのだ。
「どうだ、鮎原。先生に感謝しているか?」
立ち居縛りで俯く鮎原の顎に手を掛けて、その顔を引き起こすと、酒臭い息づかいで曽根が尋ねる。
「は…はい。感謝……しています」
「これだけの秘密を先生は守ってやっているんだ。先生の奴隷として仕えるくらい何でもないよな?」
「……はい……」
「ようし、それならいつもの通り隷属の誓いを言ってみろ」
「………」
曽根は嵩にかかって命令してくる。鮎原は唇をぎゅっと噛んだ。
………あの日、書店を出た後真直ぐに曽根の家に連れ込まれた鮎原………。万引きを学校に知らせないことと交換条件に、曽根は鮎原に自分の奴隷になることを強要し、……そして鮎原は承諾した。承諾するより他なかったのだ。
鮎原が承諾するや否や、曽根は鮎原を押し倒していた。
手荒く鮎原の服を剥ぎ、素っ裸にし、そして両手を後ろ手に縛り上げいかなる抵抗も封じた後、曽根は鮎原を獣のように凌辱したのだ。
鮎原が心に受けた傷は大きかった。帰りにホームで電車を待つ間、いっそのこと飛び込み自殺しようかと考えた程だった。しかし死に切れなかった。
それどころかその後何度も曽根の凌辱を受ける内に次第に鮎原の心は擦り切れ、終いにはもうどうなっても構わないと半ば自暴自棄になっていった。そうして総てを曽根に委ねてみると悔しいことではあるが、曽根の暴力的な行為に時折激しく感じてしまう自分にも鮎原は気付き始めていた。
(僕はMなのかもしれない………)
……それでも曽根とのプレイの中、ふとしたことで自意識が目覚めるときがある。そんなとき、鮎原は自分の境涯を改めて思い知ることとなり、たまらなく惨めな気分に突き落とされるのだ。
曽根から隷属の誓いを強要されている今がまさしくそうだった………。
「俺があの場に居合わさなかったら、あのまま警察に通報され、内定していた大学の推薦入学もパアになっていたところだろうな」
確かに曽根の言う通りで、鮎原もそれは認めざるを得ない。桜陰高校3年学年主任という名刺が物を言い、後で曽根から厳重注意するということで、鮎原は無罪放免となったのだ。
万引きした本も曽根が代金を払い引き取ったので、店主としても不満は残らなかったのだろう。二人して店を出た後、曽根からこのことは俺だけの秘密にしてやると言われたとき、鮎原は心から助かったと思ったものだった。
だが………だが、喜べたのも束の間だった。曽根は秘密を守る代償を鮎原に求めたのだ。
「どうだ、鮎原。先生に感謝しているか?」
立ち居縛りで俯く鮎原の顎に手を掛けて、その顔を引き起こすと、酒臭い息づかいで曽根が尋ねる。
「は…はい。感謝……しています」
「これだけの秘密を先生は守ってやっているんだ。先生の奴隷として仕えるくらい何でもないよな?」
「……はい……」
「ようし、それならいつもの通り隷属の誓いを言ってみろ」
「………」
曽根は嵩にかかって命令してくる。鮎原は唇をぎゅっと噛んだ。
………あの日、書店を出た後真直ぐに曽根の家に連れ込まれた鮎原………。万引きを学校に知らせないことと交換条件に、曽根は鮎原に自分の奴隷になることを強要し、……そして鮎原は承諾した。承諾するより他なかったのだ。
鮎原が承諾するや否や、曽根は鮎原を押し倒していた。
手荒く鮎原の服を剥ぎ、素っ裸にし、そして両手を後ろ手に縛り上げいかなる抵抗も封じた後、曽根は鮎原を獣のように凌辱したのだ。
鮎原が心に受けた傷は大きかった。帰りにホームで電車を待つ間、いっそのこと飛び込み自殺しようかと考えた程だった。しかし死に切れなかった。
それどころかその後何度も曽根の凌辱を受ける内に次第に鮎原の心は擦り切れ、終いにはもうどうなっても構わないと半ば自暴自棄になっていった。そうして総てを曽根に委ねてみると悔しいことではあるが、曽根の暴力的な行為に時折激しく感じてしまう自分にも鮎原は気付き始めていた。
(僕はMなのかもしれない………)
……それでも曽根とのプレイの中、ふとしたことで自意識が目覚めるときがある。そんなとき、鮎原は自分の境涯を改めて思い知ることとなり、たまらなく惨めな気分に突き落とされるのだ。
曽根から隷属の誓いを強要されている今がまさしくそうだった………。
16
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる