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25.チェリーとヴァージンのフィズ
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「殺し合いの真っ最中」
「俺に手伝えといったのは?」
「遅いから始めた。あと2、3人死ねば終わるから待ってろ」
「鬼畜かよ……」
黙れロリコン。性欲を制御できないお前には言われたくないわ。
なんだよ、お前にブーメランじゃんてか?
俺は制御してますー。ちゃんと我慢してますー。アマネちゃんだって、殺さずに牢屋で飼ってたし。磔組だってちゃんと生かしてるし。
イジメて愉しんでるだろって?
煩い!
俺が良ければいいんだよ!
「友梨佳、危ないっ!」
「キャッ」
ん?
んん?
なんか、仲良しね。
バトロワの真っ最中に人を守る余裕があるのかね。
「あの野球部員と美形の子、付き合ってたりする?」
「ああ、よく分かったな」
「チェリー、どう?」
「はっ。昨日、交尾をしているのを見ました」
「こ、交尾ですか。なるへそ。君には刺激が強かったろうね」
「ええ、反吐が出そうでした」
「よく頑張った。ありがとう、下がっていいよ」
「はっ、お褒めに預かり光栄でございます」
交尾とな?
交尾、交尾。ふーん。
ゆーりーかーちゃーーーーん。絶対に捕まえたいっ!
にしても、でゅふふCは雑魚いな。死にそうだ。
アッチは元気だけど。よくも切られずに生き残ってる。俺なら速攻で切るけどな。切り刻んでチャーハンの具材にでもするけどな。
「あん中入って、全裸を助けてこい」
「アイツ以外は殺すぞ」
「ノーだ」
「は?ふざけ……」
「今はノーだ。楽しみは取っておくべきだろ」
「――――プランがあるのか」
「ロンロンロン!モチモチロン!」
「分かった」
「ユウキッ!」
トタタッと走ってきたのはフレデリカ。
――――もう嫌だ。
何で服がはだけてるの?お前ら、キスだけだよな?それ以上は禁止だぞ!いくら異世界だからってツルペタへの挿入は厳禁だからね?
もう嫌だよ。マジで倫理観バグってるって。
どーせ死んでもらうから良いんだけどさ。
フレデリカが入れ込みすぎるのは良くない。だって、青頭が死んだ後の扱いが難しくなるじゃん?適度にイチャイチャさせて、恋に恋してたんだって気付かせてあげようと思ってたのに。
処女だったんだろうね。
初めての彼氏は、重いよなー。
あーあ、魔族って殺しちゃあダメかね。クソメンドイわー、あのガキ。
「行ってくる」
「気を付けてね!」
族長の視線はめっちゃ険しい。これはもう、お父さんの目だ。チャラチャラした恋愛は認めんっ!って腹巻きしたお父さんが言うような目だよ。
他の魔族も複雑そうだ。
子供は嬉しいけど、相手がね。ただの人間なら良かったろうに、転生者じゃあね。
「ふんっ」
――――はあ?
はあああああ?何?今の、ふんっ、は何?ナメてんの?ねえ、ナメてんのかガキ!?クソが、マジで…………。
「族長、やっぱり殺すか」
「神の使命は宜しいので?」
「魔族を助けろって言ってたんだ、神様は」
「はい」
「俺と魔族の神は転生者が嫌い。何故なら魔族が転生者を嫌うから。魔族が祈って神は生まれた。神が転生者を嫌うのは必然だな」
「はい」
「つまり、転生者を嫌わない魔族は存在しないんだよ」
「しかしフレデリカは……」
「見た目も魔力も魔族だけど、神様が庇護する魔族ではない。神様が庇護するのは、転生者を嫌う魔族だ」
「それはつまり」
「アイツは、真の魔族ではない。ネオ魔族とでもしよう。お前たちとは似て非なるものだ」
「さすれば、使命を違えることもありませんな」
「青頭の目の前でこーろすっ!」
世間話をしている間に、結界が解け始めた。
青頭、マジで使えねえな。間に合ってねえよゴミが。でゅふふCは?生きてる、か。辛うじて息はある。金玉こっちに向けるんじゃねえよキモいな。
「標様、王国騎士団の斥候を仕留めました。そろそろ動き出すかと」
「絶対にここの情報を持って帰らせるな」
「はっ」
騎士団のタイミングはバッチリだ。熟達してる感じがするな。
でもうちの御庭番が見張ってるから、簡単に情報は持ち帰らせない。そうすると、出撃タイミングが計れずに、指を咥えて待ちぼうけを食らうだけ。
それでいい。
コイツらもだいぶ疲弊しているから、そろそろ帰してやろう。バトルロワイヤルもできたし、後はそっちでギスギス殺し合ってくれい。
「魔王!お前だけは赦さない!」
「帰っていいよ。ああそれと、アイツらどうする?」
「帰るだとっ!?ふざけるな!」
「幸太、落ち着け!」
「そうよ、一旦引きましょう」
帰れ帰れー。ゆりかちゃんを置いて帰れー。
「あの、彼らを解放してくれますか?」
「チミ、名前は?」
「み、深雪です」
「返してほしい?」
「はい。クラスメイトなんです」
偽善者面してんなあ。いいローブだけど、使用者がクソみたいな面してるわ。見え透いてるぞー!いいカッコして、好感度上げたいの見え見えだぞー。
「代わりに何をくれんの?」
「代わり、ですか……」
「お前が残ってくれる?それとも他の子を置いてく?」
「それは……」
「ああ、死体を残していくなら1人解放してやるよ」
「出来ません!大切な仲間を置いていけなんて」
この演劇、誰が見たいの?ウザさが極まってて吐き気がするわ。
「じゃあ解放しない。さっさと帰れ」
「さっき解放するって……」
「ああそうだ!この女と子供、トゥカナから拐ったんだけど使い物にならないんだよ。コイツらは連れて帰っていいよー」
衣服がボロボロになり、エッロイ横乳がはみ出した女性を転がした。それから、良い感じに怪我している子供たちも……えっ!?何で怪我してんの?そこまでしろって言った?いやいや、青あざだらけじゃん。やり過ぎだろうがっ!変なスイッチ入れんじゃねえよ、狂戦士めっ!
「この人たちは……」
「ヒィィ、お助けを!お助けを、勇者様!」
「うええーーん。お母さーん」
アカデミー賞受賞です!演技派だ!残念なエロい女かと思っていたが、演技は一流だな。いい女ほど、演技派、か。男は辛いね。いつの時代も、翻弄されるねえ。
「ほれ、連れて帰れ。5秒以内に消えないと、魔族たちが動くから。お前ら見せてやれ」
「はっ」
ミチミチと音がすると、真の姿が顕になった。漆黒の翼、真っ赤な瞳、紫紺の肌。刺々しい爪がカチカチと脅しを掛け、鋭利な尻尾がゆらりと的を絞る。
この禍々しい魔力、うーん好み。
ビビってやんの。嫌いかな?この魔力。こんなにどす黒くて汚らしい魔力、他にないぞ?
――――ちっ、ああムラムラするわ。
なんでだろう。性欲が爆発って感じではない。けど、本能から求めてるって感じだ。
コイツらの姿か?いや、控えめに言ってもキモい。マジで化け物だ。だったら魔力?
うーん、魔力か。確かに心地良いんだよ。可能性はあるな。
まっいっか。
健全な男子なんだから、ムラムラぐらいするよ!
「5ーーー4ーーー3」
「深雪、その人たちを連れて転移だ!」
「分かってるわよっ!命令しないで!」
「2ーーー」
「――ってお前、優紀!?何でここに!」
「気づくの遅くね?」
「1ーーー」
「じゃあな、必ず殺しに行くわ」
「優紀、まだあの事を恨んで……」
「0」
『転移』
「転移できないやつが、何人か居残りですねー」
置いてけぼりが今のトレンドか。
くううう!楽しみだ!上手くいったか!?
「ターゲットは捕らえました」
「ナイス!ナイスチェリー!」
「はっ、光栄でございます」
「居残り組は牢屋にぶち込め。暴れたら手足を千切っとけ」
「はっ」
ああ、ああああああああ!マジで堪らんわ。ゾクゾクするぅ!これからいっぱい楽しめると思うと、もうヨダレが出る止まらないよお!
風俗行きたい!一発どころか、十発ぐらいヌかないと治まらないよおお。
「標様、万事上手くいきました。始めますか?」
「すぐに、はあはあ、すぐにヤッちゃおうか」
「はっ」
この世界は、すんばらすぃぃぃーー!
※※※
クソがっ。汚ねえイチモツを向けやがって。アイツは絶対に殺さないと気が済まねえよ。それに、他の影が見てたはずだ。ナメられる要因になる。
「ディキ様」
「――――標様のお側を離れるな」
「今は安全でございます」
「ということは、転生者共を逃したのか?」
「はっ。計画通り、何名か捕らえました」
「混ぜたんだろうな?」
「抜かりなく」
「良くやった」
帰っていった転生者の中には魔族がいる。殺し合いの果てに死んだ者や、影に引き摺り込み殺した者に成りすまして、潜んでいる。
そして、標様が指定したターゲットも捕らえた。
あの乱戦の最中、対象を捕らえて魔族が変装している。生き残った転生者8人のうち、4人は魔族だ。結束を掻き乱し、内紛が起きるよう仕向けるだろう。
そして、拐ってきたという人間はバイア様だ。
あの子供はバイア様の部下たち。よって、計7人の魔族が転生者たちと行動をともにする。恐らく、機が熟すのは2日後。そうなればユーラケー王国は我らの手に落ちる。
ああ、ディキ様。お労しや。いつにも増してお顔の色が悪い。でも欲しいのです。頑張った僕に、情けを……。
「では、頂けますか……その、ご褒美を……」
「俺の容態を見て言ってるのか?」
「は、はい。僕が、その……動けばいいのでは?」
「――――標様にご迷惑が掛かる」
「そんなぁ」
「だからすぐに終わらせよう」
「はいっ!」
標様のお側にいると、気が変になりそうだ。あの魔力に当てられて、体が疼く。魔族の本能だろうか。だからディキ様もこんなに……。
※※※
ニンニンニンニン。トゥカナに帰った転生者は4人。でも転生者とされる者を合わせると、8人だ。
上手くいったわー。影使い強えー。
トゥカナで仲間割れをしてもらいます。そうすると、殺し合いが始まります。
何故か?
だって、さっきクラスメイト殺してたじゃん。理由なき殺人はない。けれども理由があれば殺す、それが殺人鬼。
殺人鬼になるにはどうするか、人を殺すだけ。初体験は、そりゃあ怖い。緊張もするだろう。しかし一度ヴァージンを卒業すれば、あら不思議。
理由さえあれば殺せる体になってます。
必ず殺るね。殺らなきゃ、向こうにいる魔族が殺してくれるさ。転生者とされる8人のうち、4人は魔族が擬態しているだけ。更に、あの巨乳と子供たちはゴリゴリの魔族。
ムハハハハ!くたばれ転生者!
オイラ、愉しんじゃおーっと。
「ゆーりーかーちゃん。ツンツンつんつん」
「ひっ」
何か雰囲気が出ない。ここが古民家だからか?牢屋って感じはないんだよな。一応、座敷牢にはなってるけど。もっとこう、脱出不能みたいな、無駄に堅牢な感じじゃないとな。
ああ、アマネちゃんが入ってたあの牢屋が懐かしいよ。
作ろう!
「チェリー」
ん?
「チェリー?」
あれ?
「チェリーフィズ」
「はっ、申し訳ありません。只今チェリーは別件で外しております」
「あ、そう。別件てなに」
「ディキ様へのご報告でございます」
「ふーん。了解。大した用じゃないんだけどさ」
ということで牢屋を新築してもらう。その間に俺の前にいるメンバーを紹介しよう。
まずはゆりかちゃん。普通に可愛い子だ。モテるだろうね。
次にでゅふふCだ。治療してやったので生きている。コイツはクソ雑魚いので、適当に殺して魔族の苗床になってもらう予定だ。
次に、でゅふふを置いて逃げていったでゅふふ。メンバー紹介が終わり次第、殺す。
それから深雪ちゃん。君だよ君!いじめられっ子は君だったのか。転移できなくて残念でしたねー。
後は、モブだ。コイツらは魔族の玩具にする。
それから磔にされてるでゅふふAとBがいるな。魔族が今肉刺しを喰ってると思う。
魔力が少なくなったから、俺も回復させたいな。寝る以外にないのかねー。
「お前さあ、ミッションクリアできなかったな」
「申し訳……」
「ソイツ殺せ」
「えっ」
「543210」
「そ、そんないきなり……」
ごちゃごちゃ言い訳ばっかり。マジで使えねえな。
いや、使えるか。うん、苗床は延期だな。
でもでゅふふCの横にいる君!お前は要りまへん。
『首チョンパ』
ゆで卵をタコ糸で切るみたいに、首がもげた。頑丈なタコ糸だこと。魔法は便利だねえ。
「お、おぇぇぇ゛」
女の子が吐くなよ。飲み込めい!
ピコン!
『ステータスの引き継ぎを開始します。暫く……』
『中……いや、続行で』
『暫くお待ち下さい』
ステータスに魔力も含まれてるよな。回復すんじゃねえの?
『現在のステータスに加算します。宜しいですか?』
『加算かいっ!引き継ぎっていうから入れ替わるのかと思ったわ!』
『…………ヂヂヂ』
『ああ、オッケー。YES!』
『ステータスの引き継ぎが完了しました』
うん、魔力が戻った。何かキモいな。魔力が童貞臭い。臭え、臭えよ。自分の魔力じゃないのがよーく分かる。いずれ馴染むんだろが、キモいな。魔族の魔力を全身から浴びて、洗い流したいぜ。
「標様、完成しました」
「おう!コイツら移動しといて」
「はっ。この死体は……」
「それはあげる」
「有り難く」
さあああああて!着きました、新しい牢屋!外観は石!内装も石!前の物とほとんど同じ!変わったのは囚人部屋の数ぐらい!
「C!童貞捨てるか?」
「えっ」
「ちょうど女もいるしな」
「……嘘でしょ」
マジですよ、ゆりかちゃん。
「俺に手伝えといったのは?」
「遅いから始めた。あと2、3人死ねば終わるから待ってろ」
「鬼畜かよ……」
黙れロリコン。性欲を制御できないお前には言われたくないわ。
なんだよ、お前にブーメランじゃんてか?
俺は制御してますー。ちゃんと我慢してますー。アマネちゃんだって、殺さずに牢屋で飼ってたし。磔組だってちゃんと生かしてるし。
イジメて愉しんでるだろって?
煩い!
俺が良ければいいんだよ!
「友梨佳、危ないっ!」
「キャッ」
ん?
んん?
なんか、仲良しね。
バトロワの真っ最中に人を守る余裕があるのかね。
「あの野球部員と美形の子、付き合ってたりする?」
「ああ、よく分かったな」
「チェリー、どう?」
「はっ。昨日、交尾をしているのを見ました」
「こ、交尾ですか。なるへそ。君には刺激が強かったろうね」
「ええ、反吐が出そうでした」
「よく頑張った。ありがとう、下がっていいよ」
「はっ、お褒めに預かり光栄でございます」
交尾とな?
交尾、交尾。ふーん。
ゆーりーかーちゃーーーーん。絶対に捕まえたいっ!
にしても、でゅふふCは雑魚いな。死にそうだ。
アッチは元気だけど。よくも切られずに生き残ってる。俺なら速攻で切るけどな。切り刻んでチャーハンの具材にでもするけどな。
「あん中入って、全裸を助けてこい」
「アイツ以外は殺すぞ」
「ノーだ」
「は?ふざけ……」
「今はノーだ。楽しみは取っておくべきだろ」
「――――プランがあるのか」
「ロンロンロン!モチモチロン!」
「分かった」
「ユウキッ!」
トタタッと走ってきたのはフレデリカ。
――――もう嫌だ。
何で服がはだけてるの?お前ら、キスだけだよな?それ以上は禁止だぞ!いくら異世界だからってツルペタへの挿入は厳禁だからね?
もう嫌だよ。マジで倫理観バグってるって。
どーせ死んでもらうから良いんだけどさ。
フレデリカが入れ込みすぎるのは良くない。だって、青頭が死んだ後の扱いが難しくなるじゃん?適度にイチャイチャさせて、恋に恋してたんだって気付かせてあげようと思ってたのに。
処女だったんだろうね。
初めての彼氏は、重いよなー。
あーあ、魔族って殺しちゃあダメかね。クソメンドイわー、あのガキ。
「行ってくる」
「気を付けてね!」
族長の視線はめっちゃ険しい。これはもう、お父さんの目だ。チャラチャラした恋愛は認めんっ!って腹巻きしたお父さんが言うような目だよ。
他の魔族も複雑そうだ。
子供は嬉しいけど、相手がね。ただの人間なら良かったろうに、転生者じゃあね。
「ふんっ」
――――はあ?
はあああああ?何?今の、ふんっ、は何?ナメてんの?ねえ、ナメてんのかガキ!?クソが、マジで…………。
「族長、やっぱり殺すか」
「神の使命は宜しいので?」
「魔族を助けろって言ってたんだ、神様は」
「はい」
「俺と魔族の神は転生者が嫌い。何故なら魔族が転生者を嫌うから。魔族が祈って神は生まれた。神が転生者を嫌うのは必然だな」
「はい」
「つまり、転生者を嫌わない魔族は存在しないんだよ」
「しかしフレデリカは……」
「見た目も魔力も魔族だけど、神様が庇護する魔族ではない。神様が庇護するのは、転生者を嫌う魔族だ」
「それはつまり」
「アイツは、真の魔族ではない。ネオ魔族とでもしよう。お前たちとは似て非なるものだ」
「さすれば、使命を違えることもありませんな」
「青頭の目の前でこーろすっ!」
世間話をしている間に、結界が解け始めた。
青頭、マジで使えねえな。間に合ってねえよゴミが。でゅふふCは?生きてる、か。辛うじて息はある。金玉こっちに向けるんじゃねえよキモいな。
「標様、王国騎士団の斥候を仕留めました。そろそろ動き出すかと」
「絶対にここの情報を持って帰らせるな」
「はっ」
騎士団のタイミングはバッチリだ。熟達してる感じがするな。
でもうちの御庭番が見張ってるから、簡単に情報は持ち帰らせない。そうすると、出撃タイミングが計れずに、指を咥えて待ちぼうけを食らうだけ。
それでいい。
コイツらもだいぶ疲弊しているから、そろそろ帰してやろう。バトルロワイヤルもできたし、後はそっちでギスギス殺し合ってくれい。
「魔王!お前だけは赦さない!」
「帰っていいよ。ああそれと、アイツらどうする?」
「帰るだとっ!?ふざけるな!」
「幸太、落ち着け!」
「そうよ、一旦引きましょう」
帰れ帰れー。ゆりかちゃんを置いて帰れー。
「あの、彼らを解放してくれますか?」
「チミ、名前は?」
「み、深雪です」
「返してほしい?」
「はい。クラスメイトなんです」
偽善者面してんなあ。いいローブだけど、使用者がクソみたいな面してるわ。見え透いてるぞー!いいカッコして、好感度上げたいの見え見えだぞー。
「代わりに何をくれんの?」
「代わり、ですか……」
「お前が残ってくれる?それとも他の子を置いてく?」
「それは……」
「ああ、死体を残していくなら1人解放してやるよ」
「出来ません!大切な仲間を置いていけなんて」
この演劇、誰が見たいの?ウザさが極まってて吐き気がするわ。
「じゃあ解放しない。さっさと帰れ」
「さっき解放するって……」
「ああそうだ!この女と子供、トゥカナから拐ったんだけど使い物にならないんだよ。コイツらは連れて帰っていいよー」
衣服がボロボロになり、エッロイ横乳がはみ出した女性を転がした。それから、良い感じに怪我している子供たちも……えっ!?何で怪我してんの?そこまでしろって言った?いやいや、青あざだらけじゃん。やり過ぎだろうがっ!変なスイッチ入れんじゃねえよ、狂戦士めっ!
「この人たちは……」
「ヒィィ、お助けを!お助けを、勇者様!」
「うええーーん。お母さーん」
アカデミー賞受賞です!演技派だ!残念なエロい女かと思っていたが、演技は一流だな。いい女ほど、演技派、か。男は辛いね。いつの時代も、翻弄されるねえ。
「ほれ、連れて帰れ。5秒以内に消えないと、魔族たちが動くから。お前ら見せてやれ」
「はっ」
ミチミチと音がすると、真の姿が顕になった。漆黒の翼、真っ赤な瞳、紫紺の肌。刺々しい爪がカチカチと脅しを掛け、鋭利な尻尾がゆらりと的を絞る。
この禍々しい魔力、うーん好み。
ビビってやんの。嫌いかな?この魔力。こんなにどす黒くて汚らしい魔力、他にないぞ?
――――ちっ、ああムラムラするわ。
なんでだろう。性欲が爆発って感じではない。けど、本能から求めてるって感じだ。
コイツらの姿か?いや、控えめに言ってもキモい。マジで化け物だ。だったら魔力?
うーん、魔力か。確かに心地良いんだよ。可能性はあるな。
まっいっか。
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「深雪、その人たちを連れて転移だ!」
「分かってるわよっ!命令しないで!」
「2ーーー」
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「じゃあな、必ず殺しに行くわ」
「優紀、まだあの事を恨んで……」
「0」
『転移』
「転移できないやつが、何人か居残りですねー」
置いてけぼりが今のトレンドか。
くううう!楽しみだ!上手くいったか!?
「ターゲットは捕らえました」
「ナイス!ナイスチェリー!」
「はっ、光栄でございます」
「居残り組は牢屋にぶち込め。暴れたら手足を千切っとけ」
「はっ」
ああ、ああああああああ!マジで堪らんわ。ゾクゾクするぅ!これからいっぱい楽しめると思うと、もうヨダレが出る止まらないよお!
風俗行きたい!一発どころか、十発ぐらいヌかないと治まらないよおお。
「標様、万事上手くいきました。始めますか?」
「すぐに、はあはあ、すぐにヤッちゃおうか」
「はっ」
この世界は、すんばらすぃぃぃーー!
※※※
クソがっ。汚ねえイチモツを向けやがって。アイツは絶対に殺さないと気が済まねえよ。それに、他の影が見てたはずだ。ナメられる要因になる。
「ディキ様」
「――――標様のお側を離れるな」
「今は安全でございます」
「ということは、転生者共を逃したのか?」
「はっ。計画通り、何名か捕らえました」
「混ぜたんだろうな?」
「抜かりなく」
「良くやった」
帰っていった転生者の中には魔族がいる。殺し合いの果てに死んだ者や、影に引き摺り込み殺した者に成りすまして、潜んでいる。
そして、標様が指定したターゲットも捕らえた。
あの乱戦の最中、対象を捕らえて魔族が変装している。生き残った転生者8人のうち、4人は魔族だ。結束を掻き乱し、内紛が起きるよう仕向けるだろう。
そして、拐ってきたという人間はバイア様だ。
あの子供はバイア様の部下たち。よって、計7人の魔族が転生者たちと行動をともにする。恐らく、機が熟すのは2日後。そうなればユーラケー王国は我らの手に落ちる。
ああ、ディキ様。お労しや。いつにも増してお顔の色が悪い。でも欲しいのです。頑張った僕に、情けを……。
「では、頂けますか……その、ご褒美を……」
「俺の容態を見て言ってるのか?」
「は、はい。僕が、その……動けばいいのでは?」
「――――標様にご迷惑が掛かる」
「そんなぁ」
「だからすぐに終わらせよう」
「はいっ!」
標様のお側にいると、気が変になりそうだ。あの魔力に当てられて、体が疼く。魔族の本能だろうか。だからディキ様もこんなに……。
※※※
ニンニンニンニン。トゥカナに帰った転生者は4人。でも転生者とされる者を合わせると、8人だ。
上手くいったわー。影使い強えー。
トゥカナで仲間割れをしてもらいます。そうすると、殺し合いが始まります。
何故か?
だって、さっきクラスメイト殺してたじゃん。理由なき殺人はない。けれども理由があれば殺す、それが殺人鬼。
殺人鬼になるにはどうするか、人を殺すだけ。初体験は、そりゃあ怖い。緊張もするだろう。しかし一度ヴァージンを卒業すれば、あら不思議。
理由さえあれば殺せる体になってます。
必ず殺るね。殺らなきゃ、向こうにいる魔族が殺してくれるさ。転生者とされる8人のうち、4人は魔族が擬態しているだけ。更に、あの巨乳と子供たちはゴリゴリの魔族。
ムハハハハ!くたばれ転生者!
オイラ、愉しんじゃおーっと。
「ゆーりーかーちゃん。ツンツンつんつん」
「ひっ」
何か雰囲気が出ない。ここが古民家だからか?牢屋って感じはないんだよな。一応、座敷牢にはなってるけど。もっとこう、脱出不能みたいな、無駄に堅牢な感じじゃないとな。
ああ、アマネちゃんが入ってたあの牢屋が懐かしいよ。
作ろう!
「チェリー」
ん?
「チェリー?」
あれ?
「チェリーフィズ」
「はっ、申し訳ありません。只今チェリーは別件で外しております」
「あ、そう。別件てなに」
「ディキ様へのご報告でございます」
「ふーん。了解。大した用じゃないんだけどさ」
ということで牢屋を新築してもらう。その間に俺の前にいるメンバーを紹介しよう。
まずはゆりかちゃん。普通に可愛い子だ。モテるだろうね。
次にでゅふふCだ。治療してやったので生きている。コイツはクソ雑魚いので、適当に殺して魔族の苗床になってもらう予定だ。
次に、でゅふふを置いて逃げていったでゅふふ。メンバー紹介が終わり次第、殺す。
それから深雪ちゃん。君だよ君!いじめられっ子は君だったのか。転移できなくて残念でしたねー。
後は、モブだ。コイツらは魔族の玩具にする。
それから磔にされてるでゅふふAとBがいるな。魔族が今肉刺しを喰ってると思う。
魔力が少なくなったから、俺も回復させたいな。寝る以外にないのかねー。
「お前さあ、ミッションクリアできなかったな」
「申し訳……」
「ソイツ殺せ」
「えっ」
「543210」
「そ、そんないきなり……」
ごちゃごちゃ言い訳ばっかり。マジで使えねえな。
いや、使えるか。うん、苗床は延期だな。
でもでゅふふCの横にいる君!お前は要りまへん。
『首チョンパ』
ゆで卵をタコ糸で切るみたいに、首がもげた。頑丈なタコ糸だこと。魔法は便利だねえ。
「お、おぇぇぇ゛」
女の子が吐くなよ。飲み込めい!
ピコン!
『ステータスの引き継ぎを開始します。暫く……』
『中……いや、続行で』
『暫くお待ち下さい』
ステータスに魔力も含まれてるよな。回復すんじゃねえの?
『現在のステータスに加算します。宜しいですか?』
『加算かいっ!引き継ぎっていうから入れ替わるのかと思ったわ!』
『…………ヂヂヂ』
『ああ、オッケー。YES!』
『ステータスの引き継ぎが完了しました』
うん、魔力が戻った。何かキモいな。魔力が童貞臭い。臭え、臭えよ。自分の魔力じゃないのがよーく分かる。いずれ馴染むんだろが、キモいな。魔族の魔力を全身から浴びて、洗い流したいぜ。
「標様、完成しました」
「おう!コイツら移動しといて」
「はっ。この死体は……」
「それはあげる」
「有り難く」
さあああああて!着きました、新しい牢屋!外観は石!内装も石!前の物とほとんど同じ!変わったのは囚人部屋の数ぐらい!
「C!童貞捨てるか?」
「えっ」
「ちょうど女もいるしな」
「……嘘でしょ」
マジですよ、ゆりかちゃん。
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彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
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14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
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