12 / 52
12.労働
しおりを挟む
「人間は難しいねえ」
何が機嫌を悪くさせるのか分からない。
ついついうっかりが、相手の心象を悪くする。
人間は難しい。
会話は難しい。
そして友だち作りも難しいなと、しみじみするアスドーラは、3区から中央区へと入った。
気品と華美な空気感が、否応なくアスドーラの興味をくすぐる。
すれ違うのは馬車だったり、紳士だったり。皆一様に、3区のようなまったりした所作がありつつ、優雅な余裕とも呼べるオーラを纏っている。
「いい匂いだなあ」
そして何より、今まで嗅いだことのない香りを、すれ違う人々から吸い込みながら、ちらりと見える現場へと向かうのであった。
「こんにちは!」
「……ああ」
「働きに来ました!」
「……代わりってお前のことかよ」
髭面のおじさんは、手に持っていた便箋とアスドーラを見比べて、かなり落胆したようだ。
「帰るなら今のうちだぞ。何を考えてるか知らんが、ここはお子さまの職業体験場所じゃないからな」
男は、明らかにアスドーラを敬遠しているようだ。
「いいえ働きます!お願いしますッ!」
「……来い」
ため息交じりに男が向かうは、石材が積み上げられた場所だった。
そこにいるのは、ネネのような獣人たちで、列をなして石材を運んでいる。
「バロム!新入りだ」
「おう」
男が呼び寄せたのは、虎人のバロム。
上背は軽く2メートルあり、鋭い眼光も相まって常人ならば近寄りがたい威圧感がある。
「面倒見てやれ。それから分かってるな?コイツがヘマしたら、コレだからな」
男は首を切る手振りをしてみせると、そそくさと日陰へと去っていった。
「名前は」
ドスの効いた声で尋ねられたアスドーラ。いつものように元気良く答える。
「アスドーラですッ!よろしくお願いしますッ!」
「これ持ち上げてみろ。ムリなら帰れ」
指さされたのは、でんと並ぶ石材だった。
高さはアスドーラぐらいで、幅は目一杯手を広げてようやくというぐらい。
誰がどう見ても、こんな子どもには持ち上げられない。隣で作業を続ける獣人たちは、冷ややかな視線を送っていた。
虎人のバロムも同じ思いだったようで、さっさと帰れとでも言いたげである。
しかしアスドーラはそんな思惑など意にも介さない。
「はいッ!」
そう言うや、地面に置かれた石材の前に屈み、グッと力を込めた。
「……フンッ!」
「んえ?」
虎人のバロムは、あり得ない光景を前にして、思わず驚きの声を上げる。
「……んんーよいしょ!」
幼い声色で気張る少年が、石材を持ち上げているのだ。
肉体的に人間より優れていると言われる獣人ですら、持ち上げられない者がいるというのに。
この少年は……。
「……どこに、置けばいいです?」
持ち上げるどころか、てくてくと歩き出した。
唖然とする虎人のバロム。
周囲で作業していた獣人たちも、手を止めてその光景に驚愕していた。
「……あ、いや、そこに置いとけ。運べとはいってない」
ドスン。
「すみません。あの、持ち上げたので働いてもいいですか?」
「……ああもちろん」
「よろしくお願いします!」
こうしてアスドーラは、職を手に入れたのだった。
材回しと呼ばれる、素材を運搬する作業に従事するアスドーラは、余裕綽々の表情とは裏腹に、意外にも苦労していた。
なんせ人間形態で初めて5割ぐらいの力を出したのだ。
バロムに言われて持ってみたけど、ずーっとミシミシと手やら足の骨が鳴るし、筋肉がブチブチと跳ね回るし。
持ち上げるのはできても、体が耐えきれないことが判明した。
だがしかし、彼は世界最強である。
骨が悲鳴を上げ筋肉が断裂しても、速攻で治ってしまうので、アスドーラは持ち上げるたびにケガをしながら回復し、材回しに精を出していた。
「おっす!」
「うぉっし!」
石材を積んでる場所から、また別のところへと、リレー形式で運ぶ作業が、数時間続く。
手渡す前に、声を掛けて、渡される方も声を掛けて。リズムよく石材が運搬されていく。
アスドーラも単調な作業に慣れてきた頃、日が暮れてバロムの声が上がった。
「よし、今日はあがりだ。続きは明日にするぞ」
「おうッ!」
バロムの声に、獣人たちは豪快に答える。
アスドーラも、遅れて返事をして、その日の業務は終了となった。
「おうッ!」
中央区から3区のギルドまで、獣人たちに囲まれながら歩くアスドーラ。
出会った頃の冷ややかな視線はどこへやら。
皆、アスドーラに興味津々のようだ。
「ホントに人間か?」
「ど、どうですかねえ」
「にしても小せえ。いくつだ?」
「えーと、10歳です」
「将来有望だなあ」
「ありがとうございます!」
わいわいと歩く一行を見るや、中央区の人々は素早く距離を取る。
アスドーラが一人で歩いていた時は、普通にすれ違ったのに、今では獣人たちに道を明け渡すほど、遠巻きに見つめている。
その様子を知ってか知らずか、獣人たちは気に留めた様子もなく新入りのアスドーラを質問攻めにする。
そうして3区の商業ギルドへ到着。
皆で中に入ると、受付前に陣取っていた商人たちがハッとした表情を浮かべて、道を開ける。
獣人たちから少しでも離れたいのか、壁に張り付く者もいれば、受付に「また明日」と言い残して去っていくものまで。
アスドーラは変な空気を察したが、その正体が分からず困惑する。
一方バロムはというと、慣れた様子で受付に声を掛けた。
「終わったぞ」
そこに居たのは、アスドーラを現場へ派遣した受付嬢だった。
鬱陶しそうにバロムを見上げて、気だるそうにトレーを差し出す。
「さっさと帰りなさいよ。臭くて他のお客さんに迷惑よ」
受付嬢はわざとらしく鼻をつまみ、出てけと手を振った。
「……」
バロムは受付嬢を睨みつけるが、特に何も言わず、トレーから金を受け取り踵を返す。
皆も順繰りに金を受け取って、とうとうアスドーラの番が来る。
「……6ゴールドね」
トレーの上には金貨が6枚。
なんか他の人より少ないなあと、怪訝な表情を浮かべると受付嬢は言った。
「3時間しか働いてないんだから、計算は合ってるわよ。まさか私を疑ってるんじゃないわよね?」
「あ、いえ」
「さっさと帰れ。シッシッ」
アスドーラは金貨を握りしめ、ギルトを後にする。
生まれて初めての給金であったが、それよりも、受付嬢の嫌味な態度について、とても不思議に思うのであった。
ギルドから出ると、獣人たちが待っていた。
「お前どこに住んでるんだ?」
虎人のバロムが尋ねる。
「2区の宿ですッ!」
「ほー2区か。良いじゃねえか」
バロムはそう言うと、通りを歩く制服姿の子どもに視線を送った。
「3区にゃ、学校に通えるボンボンもいるってのに。世知辛えよなあ。薄給の俺らにもちょっくら金を寄越してほしいぜ」
ガハハと笑ったバロム。
通り掛かった少女が、アスドーラと同じぐらいの年齢だったので、気を使ったらしい。
貧乏ぐらいでへこたれるなよと。
子どもながらに働くアスドーラを思っての、バロムなりのジョークであった。
「僕、明後日から学校に行くんですけど。ボンボンなんですかねえ」
「……学校なあ、学校!?」
突然声を荒げるバロム。
獣人たちも、驚いた様子だ。
どうやらバロムたちは、2区に宿を取るぐらいだから、貧乏人だと思ったらしい。
「なんで働いてんだよ」
「え?うーんと、知り合いに働いたほうがいいと言われまして」
「いや、わざわざ俺たちのとこで働かなくても……ああ、ヤツが振り分けたのか。ったくどうかしてるぜこんなガキにまで」
バロムがブツブツ言うのでアスドーラは首を傾げる。
「受付の女がいたろ。金でしか人を見れない性悪だからよお、ってこんな話はいい。別のところで働いたほうがいいんじゃねえか?学校行くぐらいなら、オツムの出来もいいんだろ?」
「いやー。字も読めないし魔法も下手なので。明日も来ていいですか?」
「……俺は歓迎だがよお」
奥歯に物が挟まったような言い方であったが、アスドーラは気にしない。
素直に言葉を受け止めて、いつもの明るさで言うのであった。
「よろしくお願いします!」
翌朝、入学手続きのため学校へ向かうと、校門の前にはノピーが立っていた。
「お、おはようアスドーラ君」
「おはようッ!」
昨日と同じく中庭へ向かうと、長蛇の列が幾つもあった。人が溢れて先が見えない昨日とは違い、列の先では長机を挟んで、ローブ姿の先生たちが書類を書きながら入学生と話をしている。
順番が来るのを待つべく、アスドーラとノピーは、近くの列の最後尾に並んだ。
「あ、あのさ」
「ん?」
長い待機時間。
晴れた空をボーっと眺めていたアスドーラに、ノピーが話しかける。
「ひ、ひひ筆記用具を、そ、そのー買いに行こうと思ってるんだ」
「え?今?」
「にゅ、入学手続きが終わってからだよ。あと1時間もすれば終わると思うんだ。そ、そそそそそれでどうかな?」
「……えーと、どうってなにが?」
「い、一緒に買いに行かないかい?」
「……ほうほう」
微妙な返事をするアスドーラは、筆記用具の必要性に疑問を感じ、人間サイズに縮んだ脳みそをフル回転させる。
試験でも必要なかったのに、学校で使うのだろうか。
使うにしても、読み書きができないんじゃあ、持ってる意味がないのでは。
だがしかし!
これは大きなチャンスである。
ノピーと友だちになる、大きなきっかけだ。
試験日以来交流を続け、これからは親睦を深める段階へと移行するだろう。
アスドーラは【第一回友だち作りに関する会議】にて、とある重鎮が述べた言葉を思い出す。
「一見すると無駄で野蛮な愚行に思えても、ともに行動し感情を共鳴させることが、友情を深めます」
買い物はいいイベントになりそうだ。
心の中で呟いたアスドーラ。
「……い、嫌だったら」
「行こうッ!筆記用具をたくさん買うぞぉぉぉ!」
「おー!じゃなくて……えぇっ!いいいいの?」
そうこうしていると、アスドーラの番が回ってくる。
長机の向こうに座ってるのは、兎人のラビ先生だった。
「おっすー!君覚えてるよーいやホント。名前はなんだっけ?」
「こんにちは!アスドーラです!」
「アスドーラねー。アスドーラ!?ホント?」
名前を聞くと、ハッとして顔を覗き込む兎人のラビ。
「はい。ホントです!」
「出身は?」
「……ノース王国です」
「王様の名前は?ちなみに今のね」
「エリーゼです」
「……おう、いやホントかー」
ラビは驚きつつも納得した様子で、書類に載せられたペンを動かした。
「アスドーラ君、学費は払わなくていいからねー。それから教材費だとか制服も、ぜーんぶノース王国が支払うんだってー。もしかしてアスドーラ君て超大物なのかなー?」
足りない学費はノース王国に催促しようと思っていたアスドーラだったが、用意周到に先回りしてくれていたようで、感謝というよりも驚きが勝つ。
なぜなら、ノース王国で決めた身の上の設定では、ただの一般市民だったからだ。
王国が学費全般を肩代わりをしてくれる、ただの一般市民など存在するだろうか。
疑問に思いつつ、どうやってはぐらかそうかと思案するアスドーラだったが、ラビは返答を待たずに言葉を続けた。
「……まっ、どうでもいいやー。学校に入ったら身分は関係ないしねーいやホント。ところで学科は決まってるー?決まってないと困るんだけどね、いやホント」
「……はいッ!魔法科でお願いしますッ!」
「魔法科!ワタシ魔法科の先生なんだーいやホントよろしくね。じゃあ明日、クラス発表と入学式があるから遅刻しないでねー。あ、あと君は寮生活だねー、荷物は忘れずに持ってきてよね?いやホント」
「寮、ですかあ。分かりましたッ!」
「ハイ次!」
寮生活だというのは初耳のアスドーラだったが、もとより家を持たないので、特に問題はなかった。
ノピーの入学説明も終わり、時刻は朝の9時である。
「買い物行こうッ!」
友だち作りにおける第二フェーズに、ワクワクした様子で買い物へと足を向けるのであった。
ふたりが歩くは、中央区でも比較的大衆向けと言われる、商店街だ。
異国情緒漂うスパイシーなごはん処があれば、学問書から幼児向け本まで扱う書店があり、その隣には刻印術用インクや一般・絵画用紙、鉛筆まで扱う文房具店まで、なんでもござれの賑わいぶり。
同じ中央区ながらアスドーラが働く現場とは違い、気品溢れる御仁がちらほら。
どこもかしこも庶民的な気安さがある。
「アスドーラ君は何を買うか決まってる?」
「なんでも買うよ!何がいいかな!」
とりあえずついてきたが、欲しい物があるわけではないアスドーラは、ノピーに全部丸投げしようと画策する。
「あ、えーと、そうだなあ。鉛筆とかペンとか、魔法陣を描く紙だとかインクだとか、寮生活に必要な日用品だとか色々とあると思うんだけど。どうする?」
「じゃあ全部買おう!」
「……う、うん」
ノピーは何やら言いたげであったが、全てを飲み込み、まずは文房具店へ入るのであった。
「いらっしゃい」
精算台の後ろでちょこんと座るおじいさんが、優しい声でふたりを出迎える。
「ふぉお」
店に入るや思わず感嘆の声を漏らすアスドーラ。
初めて嗅ぐ匂いに包まれながら、丁寧にそれでいて目を引くように並べられた商品に、キョロキョロが止まらない。
数ある商品から、まずアスドーラが手に取ったのはつけペンだった。
まるで燃え盛る火を氷に閉じ込めたようなグリップと、新緑が芽吹く大地を表現したペン先。
持ってみると、確かな重みがあり、それでいて疲れを感じさせない軽やかさを併せ持っている。
心惹かれるペン。
買うならばコレがいい。
いわゆる一目惚れをしたアスドーラは、ポツリとこぼす。
「これいいねえ」
ニンマリするおじいさん。
はたまた顔を引き攣らせるノピー。
「ア、アスドーラ君、値段は見たの?」
「ううん、見てないよ。でもこれいいねえ」
「ここにほら、書いてあるから」
ノピーは、商品と共に棚に置かれている値札を指さした。
そこに書かれていた金額は……。
「うーん、読めないなあ。ごめんノピー、幾らだって書いてあるの?」
「……500ゴールドだよ」
「ふーん。500かあ。500!?」
アスドーラは金額を聞いてたじろいだ。
今までなら、だから?と言っていたかもしれない。
けれど昨日、初めて給金を得たのだ。
いかに大金か、身に沁みて分かる。
「……ノピー間違ってない?」
「う、うん。間違いなく500だよ」
所持する金額は、約2500ゴールド。
買えなくはない。
買えなくはないのだが、買ったところでどうだろう。
確かに綺麗で、肌見放さず持っていたいと思わせる代物だが、触れてみた感じだと耐久性に問題がありそうだ。
もしも落としたら?
もしも力を込め過ぎたら?
もしも盗まれたら?
何日も働かないと稼げない金額が、一瞬でなくなってしまう。
このペン一つと、何日も重労働をした給金が等しいとは、思いもしなかった。
果たして、手に入れる価値があるのだろうか――。
アスドーラは、慎重にペンを戻したのだった。
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
何が機嫌を悪くさせるのか分からない。
ついついうっかりが、相手の心象を悪くする。
人間は難しい。
会話は難しい。
そして友だち作りも難しいなと、しみじみするアスドーラは、3区から中央区へと入った。
気品と華美な空気感が、否応なくアスドーラの興味をくすぐる。
すれ違うのは馬車だったり、紳士だったり。皆一様に、3区のようなまったりした所作がありつつ、優雅な余裕とも呼べるオーラを纏っている。
「いい匂いだなあ」
そして何より、今まで嗅いだことのない香りを、すれ違う人々から吸い込みながら、ちらりと見える現場へと向かうのであった。
「こんにちは!」
「……ああ」
「働きに来ました!」
「……代わりってお前のことかよ」
髭面のおじさんは、手に持っていた便箋とアスドーラを見比べて、かなり落胆したようだ。
「帰るなら今のうちだぞ。何を考えてるか知らんが、ここはお子さまの職業体験場所じゃないからな」
男は、明らかにアスドーラを敬遠しているようだ。
「いいえ働きます!お願いしますッ!」
「……来い」
ため息交じりに男が向かうは、石材が積み上げられた場所だった。
そこにいるのは、ネネのような獣人たちで、列をなして石材を運んでいる。
「バロム!新入りだ」
「おう」
男が呼び寄せたのは、虎人のバロム。
上背は軽く2メートルあり、鋭い眼光も相まって常人ならば近寄りがたい威圧感がある。
「面倒見てやれ。それから分かってるな?コイツがヘマしたら、コレだからな」
男は首を切る手振りをしてみせると、そそくさと日陰へと去っていった。
「名前は」
ドスの効いた声で尋ねられたアスドーラ。いつものように元気良く答える。
「アスドーラですッ!よろしくお願いしますッ!」
「これ持ち上げてみろ。ムリなら帰れ」
指さされたのは、でんと並ぶ石材だった。
高さはアスドーラぐらいで、幅は目一杯手を広げてようやくというぐらい。
誰がどう見ても、こんな子どもには持ち上げられない。隣で作業を続ける獣人たちは、冷ややかな視線を送っていた。
虎人のバロムも同じ思いだったようで、さっさと帰れとでも言いたげである。
しかしアスドーラはそんな思惑など意にも介さない。
「はいッ!」
そう言うや、地面に置かれた石材の前に屈み、グッと力を込めた。
「……フンッ!」
「んえ?」
虎人のバロムは、あり得ない光景を前にして、思わず驚きの声を上げる。
「……んんーよいしょ!」
幼い声色で気張る少年が、石材を持ち上げているのだ。
肉体的に人間より優れていると言われる獣人ですら、持ち上げられない者がいるというのに。
この少年は……。
「……どこに、置けばいいです?」
持ち上げるどころか、てくてくと歩き出した。
唖然とする虎人のバロム。
周囲で作業していた獣人たちも、手を止めてその光景に驚愕していた。
「……あ、いや、そこに置いとけ。運べとはいってない」
ドスン。
「すみません。あの、持ち上げたので働いてもいいですか?」
「……ああもちろん」
「よろしくお願いします!」
こうしてアスドーラは、職を手に入れたのだった。
材回しと呼ばれる、素材を運搬する作業に従事するアスドーラは、余裕綽々の表情とは裏腹に、意外にも苦労していた。
なんせ人間形態で初めて5割ぐらいの力を出したのだ。
バロムに言われて持ってみたけど、ずーっとミシミシと手やら足の骨が鳴るし、筋肉がブチブチと跳ね回るし。
持ち上げるのはできても、体が耐えきれないことが判明した。
だがしかし、彼は世界最強である。
骨が悲鳴を上げ筋肉が断裂しても、速攻で治ってしまうので、アスドーラは持ち上げるたびにケガをしながら回復し、材回しに精を出していた。
「おっす!」
「うぉっし!」
石材を積んでる場所から、また別のところへと、リレー形式で運ぶ作業が、数時間続く。
手渡す前に、声を掛けて、渡される方も声を掛けて。リズムよく石材が運搬されていく。
アスドーラも単調な作業に慣れてきた頃、日が暮れてバロムの声が上がった。
「よし、今日はあがりだ。続きは明日にするぞ」
「おうッ!」
バロムの声に、獣人たちは豪快に答える。
アスドーラも、遅れて返事をして、その日の業務は終了となった。
「おうッ!」
中央区から3区のギルドまで、獣人たちに囲まれながら歩くアスドーラ。
出会った頃の冷ややかな視線はどこへやら。
皆、アスドーラに興味津々のようだ。
「ホントに人間か?」
「ど、どうですかねえ」
「にしても小せえ。いくつだ?」
「えーと、10歳です」
「将来有望だなあ」
「ありがとうございます!」
わいわいと歩く一行を見るや、中央区の人々は素早く距離を取る。
アスドーラが一人で歩いていた時は、普通にすれ違ったのに、今では獣人たちに道を明け渡すほど、遠巻きに見つめている。
その様子を知ってか知らずか、獣人たちは気に留めた様子もなく新入りのアスドーラを質問攻めにする。
そうして3区の商業ギルドへ到着。
皆で中に入ると、受付前に陣取っていた商人たちがハッとした表情を浮かべて、道を開ける。
獣人たちから少しでも離れたいのか、壁に張り付く者もいれば、受付に「また明日」と言い残して去っていくものまで。
アスドーラは変な空気を察したが、その正体が分からず困惑する。
一方バロムはというと、慣れた様子で受付に声を掛けた。
「終わったぞ」
そこに居たのは、アスドーラを現場へ派遣した受付嬢だった。
鬱陶しそうにバロムを見上げて、気だるそうにトレーを差し出す。
「さっさと帰りなさいよ。臭くて他のお客さんに迷惑よ」
受付嬢はわざとらしく鼻をつまみ、出てけと手を振った。
「……」
バロムは受付嬢を睨みつけるが、特に何も言わず、トレーから金を受け取り踵を返す。
皆も順繰りに金を受け取って、とうとうアスドーラの番が来る。
「……6ゴールドね」
トレーの上には金貨が6枚。
なんか他の人より少ないなあと、怪訝な表情を浮かべると受付嬢は言った。
「3時間しか働いてないんだから、計算は合ってるわよ。まさか私を疑ってるんじゃないわよね?」
「あ、いえ」
「さっさと帰れ。シッシッ」
アスドーラは金貨を握りしめ、ギルトを後にする。
生まれて初めての給金であったが、それよりも、受付嬢の嫌味な態度について、とても不思議に思うのであった。
ギルドから出ると、獣人たちが待っていた。
「お前どこに住んでるんだ?」
虎人のバロムが尋ねる。
「2区の宿ですッ!」
「ほー2区か。良いじゃねえか」
バロムはそう言うと、通りを歩く制服姿の子どもに視線を送った。
「3区にゃ、学校に通えるボンボンもいるってのに。世知辛えよなあ。薄給の俺らにもちょっくら金を寄越してほしいぜ」
ガハハと笑ったバロム。
通り掛かった少女が、アスドーラと同じぐらいの年齢だったので、気を使ったらしい。
貧乏ぐらいでへこたれるなよと。
子どもながらに働くアスドーラを思っての、バロムなりのジョークであった。
「僕、明後日から学校に行くんですけど。ボンボンなんですかねえ」
「……学校なあ、学校!?」
突然声を荒げるバロム。
獣人たちも、驚いた様子だ。
どうやらバロムたちは、2区に宿を取るぐらいだから、貧乏人だと思ったらしい。
「なんで働いてんだよ」
「え?うーんと、知り合いに働いたほうがいいと言われまして」
「いや、わざわざ俺たちのとこで働かなくても……ああ、ヤツが振り分けたのか。ったくどうかしてるぜこんなガキにまで」
バロムがブツブツ言うのでアスドーラは首を傾げる。
「受付の女がいたろ。金でしか人を見れない性悪だからよお、ってこんな話はいい。別のところで働いたほうがいいんじゃねえか?学校行くぐらいなら、オツムの出来もいいんだろ?」
「いやー。字も読めないし魔法も下手なので。明日も来ていいですか?」
「……俺は歓迎だがよお」
奥歯に物が挟まったような言い方であったが、アスドーラは気にしない。
素直に言葉を受け止めて、いつもの明るさで言うのであった。
「よろしくお願いします!」
翌朝、入学手続きのため学校へ向かうと、校門の前にはノピーが立っていた。
「お、おはようアスドーラ君」
「おはようッ!」
昨日と同じく中庭へ向かうと、長蛇の列が幾つもあった。人が溢れて先が見えない昨日とは違い、列の先では長机を挟んで、ローブ姿の先生たちが書類を書きながら入学生と話をしている。
順番が来るのを待つべく、アスドーラとノピーは、近くの列の最後尾に並んだ。
「あ、あのさ」
「ん?」
長い待機時間。
晴れた空をボーっと眺めていたアスドーラに、ノピーが話しかける。
「ひ、ひひ筆記用具を、そ、そのー買いに行こうと思ってるんだ」
「え?今?」
「にゅ、入学手続きが終わってからだよ。あと1時間もすれば終わると思うんだ。そ、そそそそそれでどうかな?」
「……えーと、どうってなにが?」
「い、一緒に買いに行かないかい?」
「……ほうほう」
微妙な返事をするアスドーラは、筆記用具の必要性に疑問を感じ、人間サイズに縮んだ脳みそをフル回転させる。
試験でも必要なかったのに、学校で使うのだろうか。
使うにしても、読み書きができないんじゃあ、持ってる意味がないのでは。
だがしかし!
これは大きなチャンスである。
ノピーと友だちになる、大きなきっかけだ。
試験日以来交流を続け、これからは親睦を深める段階へと移行するだろう。
アスドーラは【第一回友だち作りに関する会議】にて、とある重鎮が述べた言葉を思い出す。
「一見すると無駄で野蛮な愚行に思えても、ともに行動し感情を共鳴させることが、友情を深めます」
買い物はいいイベントになりそうだ。
心の中で呟いたアスドーラ。
「……い、嫌だったら」
「行こうッ!筆記用具をたくさん買うぞぉぉぉ!」
「おー!じゃなくて……えぇっ!いいいいの?」
そうこうしていると、アスドーラの番が回ってくる。
長机の向こうに座ってるのは、兎人のラビ先生だった。
「おっすー!君覚えてるよーいやホント。名前はなんだっけ?」
「こんにちは!アスドーラです!」
「アスドーラねー。アスドーラ!?ホント?」
名前を聞くと、ハッとして顔を覗き込む兎人のラビ。
「はい。ホントです!」
「出身は?」
「……ノース王国です」
「王様の名前は?ちなみに今のね」
「エリーゼです」
「……おう、いやホントかー」
ラビは驚きつつも納得した様子で、書類に載せられたペンを動かした。
「アスドーラ君、学費は払わなくていいからねー。それから教材費だとか制服も、ぜーんぶノース王国が支払うんだってー。もしかしてアスドーラ君て超大物なのかなー?」
足りない学費はノース王国に催促しようと思っていたアスドーラだったが、用意周到に先回りしてくれていたようで、感謝というよりも驚きが勝つ。
なぜなら、ノース王国で決めた身の上の設定では、ただの一般市民だったからだ。
王国が学費全般を肩代わりをしてくれる、ただの一般市民など存在するだろうか。
疑問に思いつつ、どうやってはぐらかそうかと思案するアスドーラだったが、ラビは返答を待たずに言葉を続けた。
「……まっ、どうでもいいやー。学校に入ったら身分は関係ないしねーいやホント。ところで学科は決まってるー?決まってないと困るんだけどね、いやホント」
「……はいッ!魔法科でお願いしますッ!」
「魔法科!ワタシ魔法科の先生なんだーいやホントよろしくね。じゃあ明日、クラス発表と入学式があるから遅刻しないでねー。あ、あと君は寮生活だねー、荷物は忘れずに持ってきてよね?いやホント」
「寮、ですかあ。分かりましたッ!」
「ハイ次!」
寮生活だというのは初耳のアスドーラだったが、もとより家を持たないので、特に問題はなかった。
ノピーの入学説明も終わり、時刻は朝の9時である。
「買い物行こうッ!」
友だち作りにおける第二フェーズに、ワクワクした様子で買い物へと足を向けるのであった。
ふたりが歩くは、中央区でも比較的大衆向けと言われる、商店街だ。
異国情緒漂うスパイシーなごはん処があれば、学問書から幼児向け本まで扱う書店があり、その隣には刻印術用インクや一般・絵画用紙、鉛筆まで扱う文房具店まで、なんでもござれの賑わいぶり。
同じ中央区ながらアスドーラが働く現場とは違い、気品溢れる御仁がちらほら。
どこもかしこも庶民的な気安さがある。
「アスドーラ君は何を買うか決まってる?」
「なんでも買うよ!何がいいかな!」
とりあえずついてきたが、欲しい物があるわけではないアスドーラは、ノピーに全部丸投げしようと画策する。
「あ、えーと、そうだなあ。鉛筆とかペンとか、魔法陣を描く紙だとかインクだとか、寮生活に必要な日用品だとか色々とあると思うんだけど。どうする?」
「じゃあ全部買おう!」
「……う、うん」
ノピーは何やら言いたげであったが、全てを飲み込み、まずは文房具店へ入るのであった。
「いらっしゃい」
精算台の後ろでちょこんと座るおじいさんが、優しい声でふたりを出迎える。
「ふぉお」
店に入るや思わず感嘆の声を漏らすアスドーラ。
初めて嗅ぐ匂いに包まれながら、丁寧にそれでいて目を引くように並べられた商品に、キョロキョロが止まらない。
数ある商品から、まずアスドーラが手に取ったのはつけペンだった。
まるで燃え盛る火を氷に閉じ込めたようなグリップと、新緑が芽吹く大地を表現したペン先。
持ってみると、確かな重みがあり、それでいて疲れを感じさせない軽やかさを併せ持っている。
心惹かれるペン。
買うならばコレがいい。
いわゆる一目惚れをしたアスドーラは、ポツリとこぼす。
「これいいねえ」
ニンマリするおじいさん。
はたまた顔を引き攣らせるノピー。
「ア、アスドーラ君、値段は見たの?」
「ううん、見てないよ。でもこれいいねえ」
「ここにほら、書いてあるから」
ノピーは、商品と共に棚に置かれている値札を指さした。
そこに書かれていた金額は……。
「うーん、読めないなあ。ごめんノピー、幾らだって書いてあるの?」
「……500ゴールドだよ」
「ふーん。500かあ。500!?」
アスドーラは金額を聞いてたじろいだ。
今までなら、だから?と言っていたかもしれない。
けれど昨日、初めて給金を得たのだ。
いかに大金か、身に沁みて分かる。
「……ノピー間違ってない?」
「う、うん。間違いなく500だよ」
所持する金額は、約2500ゴールド。
買えなくはない。
買えなくはないのだが、買ったところでどうだろう。
確かに綺麗で、肌見放さず持っていたいと思わせる代物だが、触れてみた感じだと耐久性に問題がありそうだ。
もしも落としたら?
もしも力を込め過ぎたら?
もしも盗まれたら?
何日も働かないと稼げない金額が、一瞬でなくなってしまう。
このペン一つと、何日も重労働をした給金が等しいとは、思いもしなかった。
果たして、手に入れる価値があるのだろうか――。
アスドーラは、慎重にペンを戻したのだった。
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
10
あなたにおすすめの小説
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる