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第三章 信望
27 ライバル
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そんなこんなで渋滞もあり予定よりだいぶ遅れて午後1時頃、海が見えて来た。
この日は雲はまぁまぁ出ていたが、そんなの気にならない程の青空で海の青さが霞んで見えた。
「海っすね。早速写真撮りますか?」
東さんは淡々と言った。
いつもの調子ならもっと大騒ぎしそうだが、静かなのは、運転中だからかな?
「ホントだ!綺麗ね」
「海を直ぐに撮りたいところですが、報国寺が16時には閉まってしまいますので、海を撮るのは夕方にしましょう」
「はーい。それで報国寺、ですか。そこに何しに行くんですか?参拝ですか?」
確かに遥さんの言う通りお寺なんかに何しにいくのだろう。
「参拝かいい心がけだね」
カメ爺も品川さんも信心深そうだから、お寺とか好きそうだもんな。
「えーーー。そんなのつまらないじゃ無いですか。だったらショッピングしたいです。鎌倉の雑貨見たい!」
冬乃さんが子供のように駄々をこねている。
確かに僕たちの年代では興味は湧かないな。
お寺に行くとしても正月ぐらい。
「報国寺にはね、綺麗な竹林があるんだ。結構大きくていいスポットなんだけど、冬乃さんが買い物の方がいいなら変更しようか?」
「なーんだ。早く言ってくださいよ。写真撮るなら行きますよ。竹林って見たことないから見てみたいし、ショッピングは明日にでもしますよ」
「そうか、良かった。みんなもそれでいいかな?」
「はい。大丈夫です」
「竹林。いいですね」
僕も大きく顔を縦に振った。
東さんは路肩に車を止め、ナビに報国寺を打ち込む。
すると案外近いようでモノの10分もかからずに着いてしまった。
駐車して、ぞろぞろと車から降りる。
僕も車から降りて伸びをしながら、周辺を見渡す。
報国寺って、なかなか奥まったところにあるんだな。
こんな場所じゃ人はあんまり来なさそう。
「ここの門をくぐったところが竹林だよ」
「へぇー、竹林があるだけあって庭園って感じ。ザ・和ですね」
「そうね。趣あるわ」
やはり、皆さん年代が上なだけあって庭園を見るのが好きらしい。
僕なんかは、写真で見ると綺麗だと思うが、この景色を見てもせいぜい古い感じたなー、と思うぐらい。
花火さんを見ても案の定つまらなさそうだ。
でも、つまらなそうな理由は冬乃さんも要因の一つなのかも。
竹林の入り口で入場料の200円を払い、あまり期待せず場内に入る。
すると、先程とは空気が変わったように感じた。
何百本もの竹が所狭しと空を覆い隠すように生い茂る。
まるで樹海にでも迷い込んだような気分になった。
人も先ほどとは違いこんな狭いスペースに100人近くいる。
結構有名なスポットなのかもしれない。
すぐさまカメラを取り出し、一枚パシャっとシャッターを切った。
やっぱりすごい映える、地元では絶対に見られない景色に感動してしまった。
こっちの竹は真っ直ぐ伸びていて綺麗だとか、この二本の竹はクロスしていて面白いとか、まるで子供に戻ったかのようにはしゃいだ。
他のメンバーも夢中で特に会話もせずに撮り続けている。
その中で、冬乃さんだけは花火さんにちょっかいを出していた。
あんまり写真は好きじゃ無いのかな?
熱中していると、1時間はあっという間に過ぎていった。
興奮冷めやらぬまま、車に乗り込み先ほど撮った写真を見返していると、中々いい写真をフォルダの中からみつけた。
大量の竹がある中で、一本の竹にカメラをくっつけながら撮ったので竹の根元から力強く伸びている様子が出ている。
それによって先端との遠近感が出て、吸い込まれるように思える。
これは家にも飾れるかもしれない。
ウキウキでいると、花火さんがトントンと肩を叩いた。
「どうしたんですか?」
「君、いい写真撮れたの?」
「はい!ちょうど今見つけたところです」
「ちょっと見せて」
カメラを手渡たした。
花火さんは見た瞬間、「ふーん」と言って、逆に自分のカメラを渡してきた。
「私の写真の方が面白い」
写真で面白いという意味が分からなかったが取り敢えず、カメラを受け取り画面を見てみる。
確かに面白い。
ただ綺麗なだけじゃなくて、写真に物語を感じる。
ジャックと豆の木のように天高く伸びる竹に登っている最中のようであり、一本の竹から生えた葉っぱが空を隠そうとしているようにも思える。
僕の写真は綺麗なだけで、ずっと見ていても飽きないような物語性のようなものが無い。
カメ爺や他の大人達に写真で負けているのはしょうがないと思えるが、同い年の花火さんにまで負けているのは自分が許せない。
「すごいですね。負けました」
悔しいがその気持ちを押し殺しながら発する。
「そうでしょ。君もまだまだね」
花火さんは勝ち誇った表情。
すると、冬乃さんが、後部座席から身を乗り出してきた。
「えー、そうですか?空太さんの写真の方が私は好きですよ」
「そうかな?ありがとう」
完敗だと思っていたところに、思わぬ人から僕の写真の方がいいと言ってもらえて声が上ずってしまった。
「じゃあ冬乃さんはどんな写真撮れたの?」
花火さんが、ムキになっている。
こういう時は関わらないに限る。
「私、3枚ぐらいしか撮ってなかったです。抹茶あったから呑んでゆっくりして、花火さんと話してたら時間になってました」
「あなた、写真好きじゃ無いの?」
「好きですよ。花火さん達ほど真剣じゃ無いだけで」
「そうなんだ。へぇー」
花火さんの顔は引きつっている。
気持ちを代弁するなら「だったらなんで今回付いてきたんだよ」って感じかな。
すごいトラブルメーカーが来てしまったな。
この日は雲はまぁまぁ出ていたが、そんなの気にならない程の青空で海の青さが霞んで見えた。
「海っすね。早速写真撮りますか?」
東さんは淡々と言った。
いつもの調子ならもっと大騒ぎしそうだが、静かなのは、運転中だからかな?
「ホントだ!綺麗ね」
「海を直ぐに撮りたいところですが、報国寺が16時には閉まってしまいますので、海を撮るのは夕方にしましょう」
「はーい。それで報国寺、ですか。そこに何しに行くんですか?参拝ですか?」
確かに遥さんの言う通りお寺なんかに何しにいくのだろう。
「参拝かいい心がけだね」
カメ爺も品川さんも信心深そうだから、お寺とか好きそうだもんな。
「えーーー。そんなのつまらないじゃ無いですか。だったらショッピングしたいです。鎌倉の雑貨見たい!」
冬乃さんが子供のように駄々をこねている。
確かに僕たちの年代では興味は湧かないな。
お寺に行くとしても正月ぐらい。
「報国寺にはね、綺麗な竹林があるんだ。結構大きくていいスポットなんだけど、冬乃さんが買い物の方がいいなら変更しようか?」
「なーんだ。早く言ってくださいよ。写真撮るなら行きますよ。竹林って見たことないから見てみたいし、ショッピングは明日にでもしますよ」
「そうか、良かった。みんなもそれでいいかな?」
「はい。大丈夫です」
「竹林。いいですね」
僕も大きく顔を縦に振った。
東さんは路肩に車を止め、ナビに報国寺を打ち込む。
すると案外近いようでモノの10分もかからずに着いてしまった。
駐車して、ぞろぞろと車から降りる。
僕も車から降りて伸びをしながら、周辺を見渡す。
報国寺って、なかなか奥まったところにあるんだな。
こんな場所じゃ人はあんまり来なさそう。
「ここの門をくぐったところが竹林だよ」
「へぇー、竹林があるだけあって庭園って感じ。ザ・和ですね」
「そうね。趣あるわ」
やはり、皆さん年代が上なだけあって庭園を見るのが好きらしい。
僕なんかは、写真で見ると綺麗だと思うが、この景色を見てもせいぜい古い感じたなー、と思うぐらい。
花火さんを見ても案の定つまらなさそうだ。
でも、つまらなそうな理由は冬乃さんも要因の一つなのかも。
竹林の入り口で入場料の200円を払い、あまり期待せず場内に入る。
すると、先程とは空気が変わったように感じた。
何百本もの竹が所狭しと空を覆い隠すように生い茂る。
まるで樹海にでも迷い込んだような気分になった。
人も先ほどとは違いこんな狭いスペースに100人近くいる。
結構有名なスポットなのかもしれない。
すぐさまカメラを取り出し、一枚パシャっとシャッターを切った。
やっぱりすごい映える、地元では絶対に見られない景色に感動してしまった。
こっちの竹は真っ直ぐ伸びていて綺麗だとか、この二本の竹はクロスしていて面白いとか、まるで子供に戻ったかのようにはしゃいだ。
他のメンバーも夢中で特に会話もせずに撮り続けている。
その中で、冬乃さんだけは花火さんにちょっかいを出していた。
あんまり写真は好きじゃ無いのかな?
熱中していると、1時間はあっという間に過ぎていった。
興奮冷めやらぬまま、車に乗り込み先ほど撮った写真を見返していると、中々いい写真をフォルダの中からみつけた。
大量の竹がある中で、一本の竹にカメラをくっつけながら撮ったので竹の根元から力強く伸びている様子が出ている。
それによって先端との遠近感が出て、吸い込まれるように思える。
これは家にも飾れるかもしれない。
ウキウキでいると、花火さんがトントンと肩を叩いた。
「どうしたんですか?」
「君、いい写真撮れたの?」
「はい!ちょうど今見つけたところです」
「ちょっと見せて」
カメラを手渡たした。
花火さんは見た瞬間、「ふーん」と言って、逆に自分のカメラを渡してきた。
「私の写真の方が面白い」
写真で面白いという意味が分からなかったが取り敢えず、カメラを受け取り画面を見てみる。
確かに面白い。
ただ綺麗なだけじゃなくて、写真に物語を感じる。
ジャックと豆の木のように天高く伸びる竹に登っている最中のようであり、一本の竹から生えた葉っぱが空を隠そうとしているようにも思える。
僕の写真は綺麗なだけで、ずっと見ていても飽きないような物語性のようなものが無い。
カメ爺や他の大人達に写真で負けているのはしょうがないと思えるが、同い年の花火さんにまで負けているのは自分が許せない。
「すごいですね。負けました」
悔しいがその気持ちを押し殺しながら発する。
「そうでしょ。君もまだまだね」
花火さんは勝ち誇った表情。
すると、冬乃さんが、後部座席から身を乗り出してきた。
「えー、そうですか?空太さんの写真の方が私は好きですよ」
「そうかな?ありがとう」
完敗だと思っていたところに、思わぬ人から僕の写真の方がいいと言ってもらえて声が上ずってしまった。
「じゃあ冬乃さんはどんな写真撮れたの?」
花火さんが、ムキになっている。
こういう時は関わらないに限る。
「私、3枚ぐらいしか撮ってなかったです。抹茶あったから呑んでゆっくりして、花火さんと話してたら時間になってました」
「あなた、写真好きじゃ無いの?」
「好きですよ。花火さん達ほど真剣じゃ無いだけで」
「そうなんだ。へぇー」
花火さんの顔は引きつっている。
気持ちを代弁するなら「だったらなんで今回付いてきたんだよ」って感じかな。
すごいトラブルメーカーが来てしまったな。
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