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二章 この感情に名をつけるには

④相談-4 side瑠亜

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しあわせ、、か、、、

秋亜の相談を聞いて俺もなんとなく相談してみたくなった
だって今日の俺はなんか変だったから
あれはなんだったのか確かめたい


いや、本当は分かってるんだ
秋亜に何と言われるのかも
この気持ちが何なのかも


俺はお湯の中で体育座りをしながら秋亜に話しかけた

「秋、聞いてほしいことがあるんだけど」
「改まってどうしたの??」

秋亜が首を傾げる

「今日のお客さんなんだけど、その、、俺とシたがらなくって、、話だけ聞いてくれればいいって、、おかしくない??」

なんとなく秋亜の目を見て話すのが恥ずかしくて下を向いていたけれど、あまりにも返答がないので意を決して顔を上げてみた
すると、秋亜はぽかーんと口を開けたままでいた

「あき?」

俺が秋亜の肩を叩くと堰を切ったように話し始めた

「僕のさっきの話のお客さん…………浩二さんも僕とお話ししたいって玉の緒に来たから、人のこと言えないけど、その人頭おかしいって!」
「頭おかしいは言い過ぎだって……」

秋亜は俺の話に興味をもったみたいだ
思ったよりノリノリで調子狂うな………

「るぅはそのお客さんのことどう思ってるの?」

核心をついてくる質問………
質問に質問で返すのは良くないことくらいわかってるけど

「秋こそ浩二さんだっけ?の事どう思ってるの??」

秋亜は恥ずかしいのか頭の上まで湯船に浸かってしまった
でもすぐに出てきて言った

「お客さんに恋するのは御法度…って藍原さんから教わったよ?」

「こっ、、恋?!?!」

驚きのあまり声が裏返ってしまった

「るぅは分かりやすいんだもん、、そのお客さんにたぶん恋をしたんだけど自分では認めたくなかったって感じ??」

まあ、そうなんだけど、、、

「僕の気持ちもるぅの気持ちも多分恋ってやつだよ!ぜったい!」

秋亜とは同い年なのに時々年下みたいに感じる時がある

「秋に相談したのが間違いだったよ、、」
「えーひどい!」

秋亜は口を尖らせながらぽかぽかと殴ってくる
でもやっぱりそうだよね
この感じ、初めてじゃない
分かってた

俺は素直にすぐるに「恋してる」って言ってもいいのかな


お互いにのぼせそうになったからそのあとは適当に髪の毛を洗って風呂から上がった
寝間着に着替えると、布団に入ってとりあえず目を閉じてみた


「恋ってやつだよ!ぜったい!」


秋亜の言葉が妙に頭に残って離れない




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