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二章 この感情に名をつけるには

⑤忘れられない  side傑

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あれからずっと忘れられない……

「昨日は結局どうなりましたか??まあいくら社長でもいきなり瑠亜くんに会うのは難しいですよね」

何度か通えば大丈夫ですよ、と書類を片付けながら高松が励ましてくれている

「いや………瑠亜に相手してもらった」

え?という声と共にドサドサと書類が落ちる音がした

「大丈夫か?」

高松はすみませんと謝りながら書類を集めている

「すごいですよ………私は何度も通ってやっと秋亜くんの予約取れるようになったんです。社長、もしかして権力使いました??」

高松を秘書として任命したのは仕事ができるだけではない
こうやって軽口を叩いてくるところが気に入ったのだ

「そんなわけないだろう、普通にお願いした」

本当のことだ
嘘はついていない

「どうでした??瑠亜くんのことはチラリと見かけただけですが、あの肌は触ったら絶対病みつきになるやつですよ」

高松は案外変態なのかもしれない

「触れてない、、正確に言うと触れる前に時間が来た」

高松は目に見えて残念そうな顔をした

「次はできるといいですね、感想聞かせてください。私は今日秋亜くんに会ってきますね」

最後の報告は必要だったのか??

「楽しんでこいよ」

瑠亜、、、、
瑠亜、、、、
忘れられない



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