科学になぐさめられる時Ⅰ

michaelyamaguchi

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第Ⅱ章

神様はサイコロを振らない

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 一日目。  
総会の翌日。
ヒデキは始めから書くつもりだった。男の拘りには何かある。代貸しであるハンタロウのオジキもきっと何かに拘っている。だから書いたはずだ。
アインシュタイン、相対性理論。
ヒデキにとっては遠い世界だ。
いや、遠すぎる。しかし、そんな世界をハンタロウは持っている。それに触れてみるのも悪くはない。
勿論そう思ったのは、ヒデキだけだった。誰しも最初は書く奴などいないと思っていた。何せ、ヤクザが読書感想文を書くなんてことは、古今東西、日本の歴史上初めてのことだ。その上アインシュタインとくれば、フランケンシュタインの親戚かってくらいなもんだ。日頃、ソープとヘルスぐらいのカタカナしか読んだことがないものだから、三回ぐらい読み直さないと、何を言ってんだか、誰の事なんだか、自分でも分からないのだ。
まぁ、ハンタロウの代貸しには悪いが、こいつは勘弁してもらおう。まさか本当に破門する気はないさ。
そんな感じだった。
ところが妙な噂が流れだした。この感想文に組長(オヤジ)が本気だと言う。本気の証拠に、感想文の一等賞に選ばれた奴には、組長の娘が当たると言う。
当たる、と言う事は、とりもなおさず結婚、つまり次期組長の座。
そんな噂、誰も信じない、と思うのが普通だが、彼らはヤクザだった。ヤクザは噂に弱い。しかも愚かだ。
確かに組長に息子はいない。いるのは娘ばかり三人。

二日目。
男は見かけじゃない。アインシュタインもそうだった。ヒデキは好きになれそうな気がした。何せ学校を退学までしているところがいい。やはり学校なんて何処の国でも詰まらないものだ。ヒデキはヤクザにになったが、奴は天才になった。要はその違いだけだ。
読書の滑り出しは好調だった。
そんなヒデキの部屋、というか倉庫にシンイチロウが飛び込んできた。
「アニキ、ココだったんですか。探しちゃったじゃないですか、もぅ。」
「オゥ。」
「あれ、アニキも早速、読んでいますね。情報が速いんだから。隅に置けないなぁ。」
「何だぁ、その隅に置けないってのはよー。」
 折角の読書を邪魔されて、ヒデキは少しだけ気分を害した。
「い、いえ、あの組長の娘さんのことで。」
「あー、あの噂か。感想文の一等賞がどうしたこうしたって奴だろ。」
「えぇ、やっぱりアニキも知っていたんじゃないですか。」
「バカ。三人娘の誰かもわかってねーのに、詰まらねぇ噂、真に受けてんじゃねぇよ。」
「あれ、アニキ、知らないんですか?末娘の小夜ちゃんだってこと。」
「小夜子?だってあの娘まだ十七じゃねーかよ。」
「それはそうなんですけどね、どうも小夜ちゃん本人から言い出したようなんですよ。」
「本人がぁ?またそんな口から出まかせを。」
「あっしもそう考えたんですがね、一つ疑問がありやしてね。」
「なんだ?」
「だからもし組長(オヤジ)の娘さんとの結婚だったら、候補は何といってもハンタロウのオジキじゃないですか。」
「そうかぁ?でもなぁ、年も離れているしなぁ、、、」
代貸しのハンタロウは、まだ若いとはいえ、三十三になるはずだ。
「まだ、三十ちょっとじゃないですか。今日日歳の差なんて関係ないっすよぉ。」
「あぁ、でもそれに春江さんもいるだろぅ。」
春江とはハンタロウの内縁の妻と言えばいいだろうか、二つ年上の姉さん女房である。
「確かに春江の姐さんには随分お世話になってますけど、極道っつったら妾の一人や二人おかしかないじゃないですか。」
ヒデキもシンイチロウも、気風(きっぷ)の良い姉御肌の春江には随分良くしてもらっていたし、慕ってもいた。ただ、極道の女であることに違いはない。
「そりゃぁそうだなぁ。」
「なのに今回、たとえそんな話は噂でも流れていない。そこに突然の感想文。そしてご褒美の結婚の噂。こりゃぁ、何かありますよ。」
「そんなことだけは頭が回るなぁ。」
褒められたシンイチロウは、素直に嬉しそうに頭を搔いた。
確かに組を継ぐならハンタロウが一番に決まっている。ハンタロウと、まだ幼さが残る小夜子。

と、ヒデキは思い出したように、
「小夜子って言えば、お前、仲が良いんだろ?」
「えぇ、まぁ。」
照れるシンイチロウ。
ヒデキの言うとおり、小夜子とシンイチロウは知り合いなのであった。ヒデキをはじめ、普通の組員なら口をきいたこともない組長(オヤジ)の愛娘である。その詳しいなれそめは、また別の機会に説明することにもなるだろう。今は先に進む。
「じゃぁ、なんかプレゼントでもしてやりゃぁ、良いんじゃねぇか?」
そうヒデキが言うと、
「えぇ、あっしもそう思いまして、これなんかどうかなって、、、」
そう言ってシンイチロウが脇から取り出したのは、レトロタイプのヘルメットだった。
「あぁ、そうか。バイクの乗り方もお前が教えたって言ってたもんなぁ。」
「へぇ、このタイプなら女の子でも似合いそうかと思いまして。」
ヒデキはヘルメットを手に取り、色々角度を変えて眺めると、
「成程ね、フルフェイスとは随分雰囲気が変わるなぁ。」
ヘルメットをシンイチロウに返し、ついでに右手の拳でその額を小突く。
「随分とセンスが良いじゃねぇーかよ。シンイチロウの旦那さんよ。」
「い、いえ、それほどでも。」
照れるシンイチロウは、それでも嬉しさが隠し切れないようだ。
舎弟の笑顔。
『たまには、良いもんだ。』
と、ヒデキは思い出した。
「おぉ、読書、読書。」
ヒデキは読みかけの本を開くと、ソファに寝ころび読書の体勢に戻った。
「あれ、アニキもう二十ページまで行っているじゃねぇですか。ヤバいな。俺まだ五ページだもんな。負けないっすよ、アニキ。」
シンイチロウは素直だった。素直なバカ。
それはそれでいいことだ。アインシュタインもバカと言えばバカだ。ダメな科目は徹底的にダメ。凄い科目は徹底的に凄い。バカか天才かのどっちかでないとこうは行かない。いや、バカと天才の両方だったのではないかとヒデキは思う。
ふと横のデスクを見るとシンイチロウは既に寝息をたてていた。カーディガンをかけてやる。
ヒデキは静かにソファに足を投げ出し、読書を再開した。
ヒデキとシンイチロウに静かな時間が流れていく。
  
三日目。
一通りシマを見回った後、ヒデキは何時ものミカサのカウンターで、エビスビールを片手に本を読んでいた。麦芽100%、 これがビールだ。
シノブが隣のカウンターに腰掛け、身を寄せてくる。うるさい小娘だ。
「あら、ヒデキもこの本、読んでるんだぁ。最近、みんなどうしちゃったのよ、ヤクザが読書なんかしちゃってさぁ。」
「好いからあっち行ってろよ。」
「そんな言い方ないでしょ。
ねぇ、ヒデキ、あたしさぁ、今日早番なんだけどさぁ、ねぇ、ヒデキ、ねぇ、、、」
最近の小娘はなれなれしい。すぐに男の腕に絡みつく。
「俺は忙しいんだよ。」
「とか言って、本読んでるだけでしょ。あたしが読んであげてもいいよ。」
覗き込んでくるシノブの胸が腕に当たる。シノブは結構巨乳だ。
「お前、オッパイ押し付けるのやめろよ。女のくせに。」
「あ、分かったのぉ。ヒデキったら、やだ、もう。」
十九の女、最近は発育がいい。こういう女がAVとかに出たりするのか。ソープよりはましか。したたかだからな、女は。
しかし、ヒデキは本を読みたかった。この小娘を追っ払いたかった。ならば、
「シノブ、俺やりたくなったよ。やろう。」
「え?何言ってんのよ。」
「ここでやろう。今すぐやろう。あ、立ってきた。早く手出せよ。」
「バカ、後でなら。」
「いいや、ダメだ。今だ。今すぐだ。今やりたい。思い立ったら吉日だ。義を見てせざるは勇無きなりだ。決めた。今やる。絶対にやる。あー、もうやっちゃう。」
ヒデキはシノブのスカートに頭を突っ込んだ。
「ハロー。今から行くぞ。いいな、覚悟は良いんだな。オーケー、サイコー。」
「やめてよ、お客さん他にもいるんだから。」
シノブの眼が泳ぐ。
ヒデキはベルトを外すと、立ち上がった。
「何なの、いやだぁ!」
シノブが両手で目を覆い、後ずさる。
「カム、オン。」
一声叫ぶとヒデキはもう然とシノブに襲い掛かった。逃げる女。足を前に踏み出した途端、ズボンにもつれた。もんどりうってヒデキは倒れた。
シノブの姿は既にない。
ズボンの裾をはたきながら立ち上がる。追い払うのも一苦労だ。これでやっと静かに本が読める。
バーテンがにやりとウィンクを寄こす。ヒデキは肩をすくめて席に着いた。
  
シンイチロウが飛び込んできた。シンイチロウはいつも飛び込んでくる。
「ここにいたんですか、アニキ。探しましたよ、もー。」
横に座る。
「俺もビールね。
あれ、アニキ、チャック空いてますよ。」
「こうすると落ち着くんだよ。」
「何、訳の分かんないこと言ってんですか。それよりもあの話、俺の思ったとおり、裏があったみたいですよ。」
「裏も表もねぇーだろうよ。」
「いや、だから三女の小夜ちゃんの結婚は、代貸しの勧めだったらしいんですよ。
 つまり、ハンタロウのオジキは、ヤクザもこれからは表向き堅気の顔を持たなきゃいけないってことで、そのために、、、」
「そのために足を洗おうってのかよ。」
「違いますよ。って言うか、半分当たってますけどね。」
シンイチロウは、ビールを一口呷って話を続けた。
「だから、今までの汚ねぇ仕事はハンタロウのオジキがやっていく。それでもう一つの堅気の顔を持つ。そのための企業、それを小夜ちゃんに任せようってことらしいんで。」
「それで組の若いもんから、相手を選ぼうってことか。」
「その通り。きっちりそいつには足を洗わせて、表向きの会社をやらせるってことらしいんですよ。」
「そんなもん、元々堅気を連れてくりゃぁ、話しが済むことじゃねぇか。」
「いや、堅気じゃ信用が置けねぇっていうか、いざって時の肝の据わり方って違うじゃないですか。それで組の中でそれらしいのを見つけようって話しになったそうです。」
「ふーん、まぁ、ここぞって時に腰を引かれた日にゃぁ、堪らねぇからな。」
「でしょ、アニキ。アニキもそう来なくっちゃぁ。」
そう言うと、シンイチロウは二杯目のビールを頼んだ。摘まみは柿の種だ。
「ハァ?来るも来ねぇもねぇけどな。
でも、それと感想文と一体何の関係があるんだよ。」
本題に入ったのが嬉しいのか、シンイチロウがヒデキの方に向き直る。
「だから、相手には一番頭の切れる奴を選ぼう。一番頭の切れる奴を選ぶんだったら、感想文、ってことになるじゃないですか。」
「なんでそうなるのかなぁ。ちょっと単純すぎる気がするぞ。」
「ともかく、もう組じゃぁ、その話でも持ちっきりで、みんな眼の色変えて本読んでますよ。」
「ふーん。俺も読んでるよ。」
「どのくらい読みました?」
「150ページ、かな。残りあと10ページってとこだよ。」
「アニキ、凄いっすよ。トップですよ、トップ。このまま行けばアニキが一番ですよ。」
「バカ、読んだって書かなきゃ仕方ねえだろ。」
「スゲェなぁ。やっぱりアニキもやると時ゃやるんだな。」
ただただ感心するシンイチロウ。しかし、グラスのビールを飲み干し、目を見開き言い放つ。
「俺もやる。こいつだけはアニキだからって遠慮はしない。良いっすか?良いっすね。」
「何言ってんだ、お前。」
「邪魔しないでください。俺にも意地ってものがありますから。」
「勝手にやれよ。」
「ハ!」
気合を入れてシンイチロウは読み始めた。7ページ目からだった。
横でヒデキも読み始める。邪魔する奴は誰もいない。ヒデキは、シンイチロウの読書の邪魔をしないように、ゆっくりとジッパーのチャックを上げた。
  
四日目。
ヒデキは昼間から玉を突いていた。他に客はいない。考え事をする場所としては最高だ。心を落ち着ける。何かを頭の中でまとめ上げる。それには四つ玉が最適だ。
ゆっくりと玉を突きながら、感想文をどうまとめるかをヒデキは考えていた。ここからが勝負だ。
シンイチロウが飛び込んできた。奴はいつも飛び込んでくる。
「アニキ、ここだったんですか。探しましたよ、もぉ。」
そしていつも俺を探している。
「どうまとめたらいいかと思ってね。」
チョークを塗りながら、台と玉の位置を見つめる。頭で考えていることは別のことだ。
少なくとも最初は。
まずはサーブ。ヒデキはツークッションだった。軽く逆回転をかけて手玉を突く。手玉は的玉、長クッション、短クッション、とゆっくり跳ね返って、向こうの白玉に軽く当たる。
はずなのだ。
ヒデキは突いた。強すぎた。強いと玉は跳ねすぎて、ツークッションにはならない。
元に戻して、また突いた。今度は弱すぎた。弱すぎると玉は止まる。
元に戻して、また突く。今度は回転が逆だった。回転が逆だと、玉は跳ね返える角度がずれる。
元に戻して、また突く。今度は的玉に当たる角度が薄すぎた。角度が薄すぎると、やっぱり跳ね返る角度がずれる。
又、突く。薄すぎる。又、突く。ちょっと逸れる。又、突く。もうちょっとだが、やはりずれる。又、突く。が当たらない。又、突く。そして、又、突く。突く。突く。突く。でも、どうしても当たらない。
「アニキ、むきになってもダメですよ。」
見かねたシンイチロウが口を挟む。ヒデキの耳にはもう何も入ってこない。
「そんなことより、アニキ、あの話が凄いことになっているんですよ。玉なんて突いている場合じゃないんですよ。」
ヒデキは発見した。下を突くと玉は戻ってくる。
「おい、シンイチロウ、玉が戻ってきたぞ。」
「それ、引き玉っていう突き方ですよ。知らないでやってるんですか?
あのねぇ、アニキ。大戦争がおっぱじまるんですよ。考和会の関の奴と終に決着をつけるんですよ。」
ヒデキはまた発見した。上を突くと玉は前に進む。
「おい、シンイチロウ、玉が前に進むぞ。」
ヒデキは玉を追って、打つ場所を移動する。それを追って、シンイチロウも移動する。
「それ、押し玉って奴ですよ。
良いですか、アニキ。何で小夜ちゃんが堅気になるか。それは長女の八重さんを鳴滝組へ、次女の真理さんを渡辺組へ嫁がせることが決まったからなんですよ。
つまり、平賀組と関一家の二大勢力の間でどっちつかずだった鳴滝と渡辺を、こっちにつけたってことですよ。そうなりゃぁ、ここら一帯の勢力は完全にうちのものになる。そうなりゃ、考和会の関の奴と一発やるってのは決まったようなもんでしょ。」
ヒデキはまた発見した。真ん中を突くと玉は止まる。
「おい、シンイチロウ。玉が止まるぞ。」
「えぇ、それは止め玉って言うんですよ。
聞いてんですか。その戦争が始まっちまう前に組織の逃げ道を作っておかなきゃならないんですよ。だから小夜ちゃんの相手を急に決めなくちゃいけなくなったってことですよ。こりゃぁ、本当に凄いことになりますよ。」
ヒデキは考えた。上から突いたらどうなるのだろうか。
「おい、シンイチロウ。上から突いてみようかな。」
「それマッセっていうんですよ。ダメですよ、初心者がそんなことやったら。クロスが破れたらどうするんですか。凄いお金取られますよ。」
「マッセか。なんか車みたいでカッコいい名前だな。マッセラッティー、なんちゃって。」
珍しくシンイチロウは無反応だった。
「カッコいい名前かもしれませんが、アニキでもダメですよやっちゃぁ。」
シンイチロウはヒデキからキューを取り上げた。
「何すんだよ、おい。これからやろうってとこだろう。」
「だめですよ。一回も当たってないじゃないですか。」
「あのなぁ、お前もしかすると玉突きのやり方知ってるな。」
モンテクリストに火を付けながらヒデキは聞いた。
「ええ、一応は。」
「何時からだよ。」
「いえ、以前から。」
「手前、知ってて俺に隠してやがったな。」
「隠すなんて、俺、そんな。」
「コノヤロー、知ってて何で教えなかったんだよ。
小夜がどうした、関の奴がこうしたってよ。そんな詰まらねぇことばかり教えやがってよ。」
「聞いてたんじゃないですか。」
「何が、聞いていたんじゃないですか、だ。肝心なことは手前だけで隠しやがってよ。」
「一番肝心なこと言ってたんじゃないですか。
戦争っすよ、戦争。」
「その戦争と俺の玉突きとどんな関係があるんだよ。」
「いえ、玉突きとは関係ないですけど。」
「じゃぁ、何で隠してたんだよ。」
「何を?」
「玉突きのやり方。」
「ハ?」
「全くよぉ、アニキに恥かかせやがってよぉ。ハ、はないだろ、ハは。」
「マァ。」
「マァ、だよ。言うに事欠いてこれだもの。全くやってらんないよ。マァ、一言。辛いなぁ。」
「あ、あの、俺なんか悪かったら謝ります。済みません。」
「済みません、だぁ?」
「・・・」
「お前、玉つきのやり方知ってんだな。」
「ハイ、多少は。」
「だったらやって見せてみろよ。」
「え?」
ぶつぶつ言いながらシンイチロウは、四つの玉を並べなおしてキューを構えた。
「じゃ、ちょっと失礼します。」
緩やかに突き出されたキューに、手玉がゆっくりと的玉に当たった。すると手玉はその跳ね返りで、長クッションに入ったかと思うと、そのまま短クッションにも当たって、向こうの白い球にゆっくりと触れるように当たった。
「上手いもんじゃねぇか、シンイチロウ。」
「いえ、それほどでも。」
といいながら、シンイチロウは第二打を構えた。
四つ玉は、当たり続ければ、突き続けることができる。外した時点で、相手と交代となる。
「もう、全く。いいですか、関との戦争の段取りが全て出来てるって訳ですよ、アニキ。それも全部ハンタロウのオジキがコーディネートしたんですよ。コーディネートはこーでねーとってね。アニキ、頼みますよ。しっかりしてくださいよ。」
そう言いながらシンイチロウは玉を突いた。
突かれた玉は、やや押し玉気味に手前の二つの玉に当たった。最初に当たった的玉が、遠く向こう側の短クッションまで行ったかと思うと、クッションに跳ね返って手元まで戻ってきた。微妙に散らばらない。
「しかし、ハンタロウのオジキも思い切ったもんですよね。関の奴らと全面戦争ですもんね。」
シンイチロウは、丹念にキューにチョークを塗って、三打目の構えに入った。
ヒデキは隣の台の縁に腰掛けながら、シンイチロウの打つ玉を眺めた。こんな時、キューの長さは床に突き立てるのに丁度いい。
不思議と考えがまとまってくるような気がした。
シンイチロウの三打目も、手前の二つの的玉を狙ったものだったが、打つと的玉はそれぞれ跳ね返って、最終的には玉が片方にまとまる様に寄ってきた。
ヒデキはモンテクリストを取り出して、火を点けた。考えが自然とまとまり始めた。
「でも、そんな時に結婚だなんてね。小夜ちゃんも堪ったもんじゃありませんよね。」
ヒデキは生返事をしながら、なおもシンイチロウの四つ玉を眺めた。
玉、反射、光、摩擦、そんな言葉が、頭の中を飛び交った。
シンイチロウの四つ玉は続いた。
真空、無限、それから、
ヒデキは言葉を模索した。
八回ほど続いて、結局玉がばらけた。
「チッ。」
と、シンイチロウが舌打ちをした。
ヒデキは声を掛けた。
「シンイチロウ、今お前が外したのは、どうしてだ?」
「ちょっと手元が狂っちまって。」
「そうだよな、手元が狂って、玉の跳ね返る計算が違ったって訳だ。」
「えぇ、そうですが。」
「違わなけりゃ、外さなかったよなぁ。」
「ハイ、そりゃあそうですが、何時もここら辺まで続くと、やらかしちまうんですよ。」
シンイチロウは、悔しそうにビリヤード台の玉を見つめた。
「そうだよな、ビリヤード台は嘘はつかねぇってことだ。」
ヒデキは、シンイチロウの肩を軽く叩きながら呟いた。
考えがまとまった。
「サイコロなんて振りはしねぇ、か。」
「ハァ?サイコロじゃないですよ、ビリヤードっすよ。」
「あぁ、シンイチロウ。ちょっとだけハンタロウのオジキが見えた気がするよ。」
「ハンタロウのオジキが見えた?」
「あぁ、アインシュタインさ。よっしゃ、そうと決まったら、書くぞぉ。書いて書いて書きまくるぞぉ。
待ってろよ、小夜子。」
ヒデキは駆け出していた。駆け出して店を飛び出していた。ヒデキにとってのアインシュタイン。それが今、少しだけ見えた気がした。
そうだ、その通りだ。嘘はつかない。サイコロなんて振るはずはない。それが男だ。天才もヤクザもない。あるのはただ一つ。光の速度でまっしぐらだ。
俺は書ける、ヒデキはそう確信した。

五日目。
「『ヤクザのためのアインシュタイン』を読んで」
改行。   
「神様なんてのがいるとしたら、サイコロなんて振らねぇと俺も思う。サイコロなんざチンケな遊びだ。そんなので決められた日にゃぁ、シャレにもならねぇ。
奴は確かにスゲエ。俺にはわからねぇことばっかりだ。でも俺には奴のことがわかる。奴は死んでも量子力学を好きになれなかった。何故か?
奴は筋を通したかったんだ。」
   
六日目
「ヤクザなら誰でも名を上げたい。学者の世界だって似たようなもんだろう。何処の世界だっていい目は見たいもんさ。
しかし、本当のヤクザは違う。筋を通すからだ。
奴もそうだ。他の奴らがいいとこ付きする時、奴だけは不確定性原理を信じなかった。
これが男じゃねぇか、と俺は思う。仁義なんだ。仁義もへったくれもねぇ学者連中の中で、奴は菅原文太だったんだ。俺も文太が好きだ。新能昭三じゃなきゃダメなんだ。健さんもいいが、やっぱり文太だ。」
   
七日目
「原爆を作っちまったのは、やはり間違いだったと思う。けど、誰にも間違いはある。間違った後、どうするかだ。そこでも奴は筋を通した。
俺は組のためなら何でもやる。しかし、原爆だけはやめておこう。奴が悲しむだろうから。
核戦争はもう起きねぇのかな。世の中のことは良く分からねぇが、ソ連がぶっ壊れたから多分起きねぇんだろう。奴が生きていたらきっと喜ぶだろうな。そしてこう呟くだろう。
『やっぱり、神様はサイコロを振らなかった。』
そこまで信じ切ったぐらいだから、奴はきっと気狂いさ。俺もそこまで気狂いになれるのか。なれるものならなってみたい気もする。」

八日目
ヤクザの朝は遅い。しかし、その日だけは違っていた。感想文の提出、そして組長の座。誰しもがその可能性を持っていた。感想文の重み、つまり一票の重み。これが民主主義だ。民主主義の朝は早い。即日開票だからだ。
今日の夕方には全てが決まる。誰もがゆっくりと歩いていた。まるで手にした感想文が自分たちの運命を決めてしまうかのように。
ヒデキも歩いていた。シンイチロウも歩いていた。そうだ、今日だけは組に行くまでの歩みを楽しもう。今なら夢を見ていられる。最後の夢だ。味わって味わい尽くさない手はない。ゆっくりとゆっくりと一歩ずつ歩みを進める。こんな気分は何時振りだろうか。組に入りたての若造の頃以来だろうか。それでも気分は悪くない。
そして、夢は醒める。雑居ビルの二階、そこが組の事務所だ。
「ガチャ。」
扉のノブを回し、中へ入る。
ソファやデスクが雑然と並べられた何時もの風景。左手の奥には組長の部屋、手前の角には給湯室だ。ただ違うのは正面の机に蓋が開いた段ボールが置かれてあり、黒のマジックで「感想文提出箱」と書かれていたことだった。
ヒデキとシンイチロウも、事務所の中を進み段ボールのデスクのところまで進んだ。中を覗くと、結構の枚数の原稿用紙が既に入っていた。
思わず顔を見合わすヒデキとシンイチロウ。みんななかなか健闘しているようだ。
二人も提出した。
ヒデキは辺りを見回した。何となく、受け取り証なり、提出証明書みたいなものを誰かが何かするかとも思ったからだ。しかし、どうやらその様な気配はない。辺りは静寂だけが支配していた。誰もが期待するように、そしてその期待にじっと耐えるかのように、そこここに佇んでいた。出してしまえば、後は待つだけだ。待てばいい。それだけだ。それだけが今日の仕事なのだ。しかし、誰もが待ち方を知らなかった。苦痛とはそんなものだ。
一瞬どよめきが起こった。振り返ると、そこには小夜子が立っていた。ゆっくりとお辞儀をしながら男たちの間を進む。
礼儀を知った娘。でもまだ十七だ。あどけなさの残る横顔。いい女になるだろう。
小夜子が振り返った。一瞬目と目があったような気がした。気がしただけだ。
小夜子は何も言わず背を向け、奥の部屋に入って行った。
再び男たちに静寂が戻る。
感想文を提出したヒデキはそのまま入ってきた扉に向かった。残された時間を楽しもう。そのためには外に出なきゃならない。明日になれば戦争が待っているのだ。今日は今日で決着が付き、明日は明日でまた新しい何かが始まるのだ。階段を降り外に出ると、ヒデキは大きく息を吸った。
シンイチロウが慌てて追ってきた。
「アニキ、何処に行くんですか?」
「バカ、徹夜明けのこんな時はよ、餌待っている猿みてぇに雁首揃えてじっとしているなんて縁起でもねぇだろ。」
「縁起でもないっすかね。」
「ねぇったらねぇよ。こういう時はよ、パーっと行かなきゃいけねぇだろ。」
「そーっすよね。こういう時はパーと昼間から抜きにでも行きますか。それともいきなりどんちゃん騒ぎっすかね。」
「おう、パーッと行こうぜ。」
「そーっすよね。パーッとすよね。」
「おうよ、パーッとよ。」
「何処でパーッと行きやすか。」
「パーッとって言ったらよ、」
「えぇ、パーッとって言ったらですよね。」
「四つ玉よ。」
「そう、パーッとって言ったら、何といっても四つ、、、
 な、わけないでしょ。 あんな糞地味なもん、パーッと行けるわけないでしょ。」
ヒデキはもう歩き出していた。
「しょうがねぇなぁ。待ってくださいよ、アニキ。俺も付き合いますよ。でもその前に飯でも食ってからにしましょうよ。」
ヒデキは立ち止まり振り返ると、ニコッと笑いながらペコリと頭を下げた。
「本日もよろしくご教授お願いいたします。」
「はいはい、お手柔らかに。」
 シンイチロウは四つ玉の師匠であり、ヒデキはその弟子になっていたのだった。

夕方、ヒデキとシンイチロウが四つ玉と格闘している頃、市街の上空に巨大な飛行船が現れた。その横腹には意味不明な文字がでかでかと描かれていた。
「ニイタカヤマハドコ?スカスカスカ。該当者なしね。」
勿論、ある種の青年たちとっては十分すぎる意味を持つ言葉ではあったが。

ヒデキとシンイチロウはいつものミカサに来ていた。シンイチロウはエビスを既に五本も空けている。
「そりゃぁ、ないじゃないですか、アニキ。あれだけ盛り上げといてですよ、該当者なしなんて、ありっすか、アニキ。」
「まぁ、仕方ねぇだろう。」
「あれ、アニキ。仕方ねぇ、で済ましちゃうんですか。それでいいんですか、アニキ。感想文っすよ、感想文。感想文つったら文部省だって一目置くくらいの代物じゃねぇんですか。」
「何言ってんだ、お前。」
「文句に決まってるでしょ、文句ですよ。文部じゃなくて、モ・ン・ク!」
シンイチロウは余程悔しかったのだろうか、ヤケに荒れている。ピアノのBGMは低い。
「あれ、この曲、セロニアス・モンクだったっけ?」
「越美晴ですよ。コ・シ・ミ・ハ・ル。」
「誰だ、それ?」
「そんなことどうだっていいんですよ。つまらないこと言ったって騙されませんよ。悔しくないんですか、アニキは?」
「そりゃぁ、悔しいさ。でも他の奴がなっちまうよりか、結果としては良かったんでじゃねぇーのか。」
「良かないでしょ。これじゃぁ、筋が通らないじゃないですか。アニキもよく言いますよね。筋を通すのが男の中の男だって。仁義を欠いちゃぁ、いられやしねぇよ、って。」
「そりゃぁ、そうだけどよ、元はと言えばただの感想文だろ。そんなにムキになることでもねぇじゃねぇかよ。」
「何をまたアニキらしくもねぇ。小夜子ちゃんがかかっているんですよ。あんな可愛い子が。あぁ、小夜ちゃん、、、」
シンイチロウの眼が大きく見開かれたかと思うと、いきなり身体が痙攣し始めた。
「小夜ちゃーン、さ、さ、さ、小夜ちゃーン。」
「どうした、こら、シンイチロウ。」
「あ、小夜子だ。」
シンイチロウはいきなりヒデキに向き直ると、大きく深呼吸をした。
「落ち着け、シンイチロウ。」
シンイチロウが眼だけでなく、鼻の穴まで丸くさせた。
「どうした、シンイチロウ。」
「ウォー、小夜子ぉー。vg@ヶb$」
シンイチロウはヒデキの股間にむしゃぶりついてきた。
他人とは思えない。
しかし、甘やかしてはならない。ヒデキは右手を振り上げると、シンイチロウの延髄に正確に拳を叩きこんだ。
「フガ!」
カエルのように床に倒れ込むシンイチロウ。ピクッと一度だけ体を震わせてから静かになった。
バーテンがニヤリとウィンクを寄こす。ヒデキは肩を竦めると座りなおした。
「ヤクザって言ってもよ、まだ十九だからさ。カワイイもんさ。」
ヒデキはエビスを口に運んだ。
しかし、上手いこと一杯食わされたもんだ。今となってはわざとらしい感想文の演出。あまりにもタイミングのいい小夜子の結婚の噂。そして関一家との戦争。いつの間にか若い奴らはやる気になっている。その話だけだったとしたらビビり出す奴も出ただろう。一見バカバカしいセレモニーがあったからこそ、素直にやる気になれた。いや、そうせざる雰囲気にさせられたと言うべきか。
ヒデキはハンタロウの顔を思い浮かべた。

「ヒデキ、電話よ。」
シノブがコードレスを持ってきた。やっときっかけが出来たかのように、そのまま横のカウンターに座る。
「女の人、切っちゃおうかな。」
「バカ。」
シノブからコードレスをひったくる。女は懲りない。大きく胸の開いたドレスだ。
「風邪ひくぞ、お前。」
シノブが舌を出した。
「もしもし。」
やはり女だ。それも若い。こんな時間に誰だ。
「誰だよ?」
「ヒデキさんですか。夜遅くにごめんなさい。」
初めてなのにすぐにわかった。小夜子だ。
「ハイ、ヒデキです。お疲れ様です。」
即座には、何を話していいのかヒデキには分からなかった。十七の小娘。組長の愛娘。
「すみません。何も聞かずに今からラブラドールまで来ていただけませんか。お願いします。」
声音が切羽詰まっている。ただ事ではない。
「ラブラドールですね。今すぐ伺いましょう。」
「最上階のスイートです。よろしくお願いします。」
「承知しました。」
電話は静かに切れた。小夜子からの電話、それはあまりにも唐突だった。
「誰なの、ねぇ、ヒデキ。」
既にシノブは視界から消えていた。
「悪いが、シンイチロウを頼む。」
福沢諭吉をその胸に突っ込み、そのままヒデキは駆け出していた。
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