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呪氷の杖
しおりを挟むー✕4号失敗、候補の魂【鍵倉雅美】の呼び出し叶わずー
ー続けます。作成失敗 14号破棄 15号準備 ー
ーうぁ! ✕✕号がッ! 拘束魔術を速く!!! ー
「うぅ、体中痛いし、変な夢見るし、まさみって私の親友の……元気にしてるかなぁ……」
結局ボスを倒すもののスタミナ切れや、出血多量によりただっぴろい裏ボスみたいな老婆のいた所で気絶して眠ってしまったカリスティア、睡眠をとったことにより多少なりともHPとMPが回復していることをステータスで確認してから、立ち上がり両腕を大ぶりに回して肩をほぐす。さてさて、速く帰ろうかとあたりを見回すと一つだけ石造りの入り口があったのでそこに向かって走る。
遺跡の中はやはり初級とは言えない中級クラスのモンスターが闊歩している危険な遺跡。慎重に歩いているとミノタウロスという中級ではあるが、上級に近い強さを持つモンスターと対峙してしまった。さらには横の石の壁には何かが壁を壊しながら進んでいるようなけたましい音が聞こえる。カリスティアは急いでこの場から逃げようとミノタウロスを自分のできる速さで一撃を食らわせるが、ミノタウロスは自前のでかい斧の刃で止めてしまう。
やがて、壁を壊しながらまっすぐこちらに向かってくる何かの気配が、あとこの壁一枚に迫ってくる物のそこからウンとも寸とも言わない。これ幸いとミノタウロスに連撃を食らわせるものの、ミノタウロスの反撃で4歳の体重しかない自身の身体はたやすく吹っ飛んで壁に身体を激突させてしまった。
はぁ、貴方が無茶をする度に駆り出される私の身になってください。
壁からグラスの声が聞こえたと思うと、ミノタウロスの横の壁が弾けるように吹っ飛び、ミノタウロスに石の弾丸が直撃してミノタウロスは絶命した。カリスティアは、グラスの姿を見て「なんでここに!?」っと問いただしそうになるが……。グラスと会って間もない頃にグラスに渡した杖になる腕輪を杖にした状態で、鉄面皮のグラスがこれ以上ないまでに笑って向かってくるグラスを見てカリスティアは冷や汗が止まらなかった。
それもそうだろう、とても素敵に笑うグラスの左頬は怒りで時折、ヒクヒクを引きつり、魔力は怒りでドロドロと煮えたぎらせた状態で迫ってくるのだ。大抵の者は逃げ出すだろう。カリスティアも逃げだしたく思ったが逃げた逃げたで後がとても怖いので、大人しく石畳に正座をしてグラスがこちらに到達するのを待つ。
「カリスティア……取りあえずは生きていてよかったです」
目の前に来たときに怒られる! っと身構えて居たが実際はに降ってきたのは泣きそうな震えた声と震えたグラスの抱擁だった。香水なのだろうかミントのようにスッキリとしたグラスらしい香りと自身よりも遥かに低い体温の身体、けれども、自分の身体に落ちてくる涙は何よりも熱かった。氷雪適応体質スキル保持者独自の異常な低体温が今はとても心地よい。グラスの高級な布地を使われた衣服が自分の血で濡れることも厭わずに、ただただ、心配してくれたようだ。
「はい、ごめんなさい」
流石に泣かせてしまったので、素直に謝る。実際に今回は故意ではないとはいえ無断でダンジョンに赴いたのだ。怒られようと泣かれようと受け止めることが最大の罰なのだ。だからカリスティアは素直に謝り泣くグラスの背中をさすり続ける。魔物に空気を読む力があるのかはわからないけれども、グラスの涙が止まるまで二人の間を引き裂く不届き者は現れなかった。
「それで、魔法で壁吹っ飛ばしたの?」
流石に心配で友達思いでここまでまっすぐ壁を破壊して進むなど、普通のグラスにはとても考えられない所業なのだが、それを聞くとお説教が始まるので、どうやって壁を壊したかを聞いた。
「いいえ? 貴方に作っていただいた杖で叩いて壊しました」
(過去の私コイツに何渡したんだよ)
二人とも自覚はないが、天才の域のなので普通は六人パーティーで精一杯戦って勝てるレベルの魔物を二人で協力して倒してゆく、そんな中で、まっすぐ自分に向かって壁が壊されていたので不意に聞いてみると、グラスから何を今更?っと言いたげな顔で言われた。カリスティアはすぐさま、使いこなし始めているグラスの杖に鑑定を掛けると。
【無色呪氷の杖】
効果 所有者の許可外に触れた物質と生命を弾く
氷属性と闇属性の魔法発動補助【強】
所有者の実力による武器成長【Lv8】
時をも凍結する武器装備専用氷魔法の使用可能
鑑定を見ると、グラスがムキムキにいつの間にかなっているわけではなく、生命と物質を弾くこの効果を作者であるカリスティアの意図に外れてグラスは攻撃として使用しているためのようだ……。
(本当は所有者以外が触れたら爆破されるとかにしようと考えてたけど、やめて良かった……)
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