81 / 175
手を差し伸べるということ
しおりを挟む
「やかましい!!! 何遍も言わせんな、このまま行けばこの国は悪魔に支配される。予知や予知! 新しい神? そんなんどこにおんねやボケが、ツラくらい拝ませろや」
グルグル巻きに自身を縛る鎖が喋る度に身体に食い込んでゆく、目の前の謀反を起こした総教皇が蓄えた髭と撫で付けて、邪悪に、いや、コレが最善と信じて止まない宗教に毒されたものの笑みをありありと貼り付け、俺の目の前で高笑いし始めた。なにが面白いんやわれ? 喋る度にギチギチと締め付けがきつくなる鎖に難儀しながらも、法王の意地で、ニタリと笑ってやる。ほれほれ……その顔歪ましたれ。
(予知通りいきゃ、わてこのまま死にますわ……。世界の歯車を乱す黒髪の嬢ちゃんに会えずにの、それは勘弁やから腹くくるで、説教はあったときにたっぷり聞いたるわ、セシル!)
そんなこんなで、反精霊の洞窟に魔法封じの手錠付けられたまま、最下層の腐肉踊る死体の山の中に放り込まれて死んだんやけど、これがごっつーしんどいんや。魔属性の魔力に当てられて魂が歪まないように少しずつ自分の身体を保護しながら魔力を自分の死体に浸透させんの。
俺が法王即位して解体してやろうとした、多種族を悪とする思想を取り払い我が信じる神はその悪すらも許し人々を見守る存在として、変えてヘレ・ケッテ・カルゲンもリチェルリットのような、優しい国にして行きたかったが、その思想を邪魔に思った、総教皇に悪魔付きとして、引きずり下ろされ、ペルマネンテと俺が組んで多種族排除をしただの言われもない罪を着せられ……それでも俺は死んでも生きなければならなかった。
「お前さ、僕と約束しろよ……。僕は外からお前は中から、一緒に全ての人類が楽しく暮らせる差別のない世界を目指そう……」
「せやな、それこそが……わてたちの……わてたち二人の信じる神の望むものや! 今に親父引き釣り下ろして変えたるから待ってろよ! セシル」
大聖堂城の中央中庭の神の御前で、二人で共に信じる神に向けて空を仰ぎ毎日祈りをあげた光景が、脳裏に浮かぶ、死んでも良い、わてが最悪の法王として追い出されてもいい。せめて……。
「主はん、グラスはん、ウィーンはん、ちょっと……まちいな」
本当は待てる猶予なんてない。今にも背に火を背負った子供が力なく地を這いつくばり、顔に傷を負った女が泣き叫んで発狂して足を踏み外し火の海に、空は夕焼けよりも赤く染まり、鼻につく焼け焦げた匂いは人々の苦しみと悪意の籠もった声を運んでくる。
確かめなければ……。自分の予知の通りにカリスティアが破滅の流れを変えるに足る人物か。
予知とカリスティアの証言で明らかになった具現化スキル、それはリチェルリットに巣くう悪魔よりも強大かつ世界を一瞬で破壊しかねないほどのもの、彼女は友の為に立ち上がったが、友を助けたあとに自身の力に溺れて厄災となるくらいならば……。今此処で死んでくれた方がまだ世界の為になる。
見定めるんや
「主はんの目的は、幹部さんの依頼やろ? 大事なお友達の為の……だったらこの場は見捨てなはれ、見た所ペルマネンテの奇襲戦争や主はんだって、短い間で幹部さんにきいたんやろ?ペルマネンテは悪魔の息がかかっとることを……なら、リスクが高すぎや、予知や予知、ほな見捨てていこか」
「うん、じゃあスケイスだけ勝手に見捨てて先行って。じゃ!」
……一秒も悩むそぶりもなく、戦火の中に堂々と走ってゆく主はん、まぁーなんて素敵でしょう……なんってなるわけないやろ!
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?????
ほんまに話しきいとったんか? そんな考えがわてに浮かぶも、一つの大雑把に思考がまとまっていく
わて、忠告で見捨てていこかー♪
主はん、予知でリスク高い、見捨てて行くの提案してきた。 なら、スケイスは見捨てて行きたいってことね!どうぞどうぞ、私は助けてから向かいまーす。いってらっしゃーい。
こういうことやな。
「……」
「カリスティアを試すのはちょっと……やり方を工夫しないと難しいとご忠告申し上げます。スケイス様」
「ぷはー……。うん、ある意味試したいことはできたんで、うんもう、主はんについて行きますわ」
「最初からそうすればいいのに……人間って難儀ねぇー。あっゴメンなさい、今魔物だったわね」
悩みはすれど、結果的に助けに向かうって選択肢をとってくれりゃええくらいに思っとったんに即答かつ、わての意見を尊重した上で行きよってからに。
グラスはわての肩に哀れむように手を置いてから、カリスティアを追い素早く国境町町に向けて走り去っていった。ウィーンは、「私のカリスティアちゃんを試すなんて生意気!」っと言いたげに、棘のある言葉を吐いてから彼女を追ってこちらも尋常じゃないスピードで走って行った。
「はぁ……。じゃ、ちょっくら変装してからわても向かいますか」
自身の神聖魔力を増幅させて、自分の姿を隠蔽する結界を張る。そうして魔力を全身から外に向けて這い上がるように放出させる。ボキボキと骨が軋んで、肉に覆われ水晶のような目玉が浮かびあがり髪の毛が最後にできあがる。魔力で作ったわての仮の肉体。人間だったわての元の姿……。隠蔽したのは単純に肉体を作る工程が中々えぐいことになってますんで、恥ずかしいから隠したんや。
褐色の肌
藍色の瞳
この世界で一番多い髪色の金髪
「助け……ひぃ! 盗賊」
「誰が盗賊じゃい、神官や神官」
ガイコツの姿よりも神官服が似合わない元法王がそこに居た。
グルグル巻きに自身を縛る鎖が喋る度に身体に食い込んでゆく、目の前の謀反を起こした総教皇が蓄えた髭と撫で付けて、邪悪に、いや、コレが最善と信じて止まない宗教に毒されたものの笑みをありありと貼り付け、俺の目の前で高笑いし始めた。なにが面白いんやわれ? 喋る度にギチギチと締め付けがきつくなる鎖に難儀しながらも、法王の意地で、ニタリと笑ってやる。ほれほれ……その顔歪ましたれ。
(予知通りいきゃ、わてこのまま死にますわ……。世界の歯車を乱す黒髪の嬢ちゃんに会えずにの、それは勘弁やから腹くくるで、説教はあったときにたっぷり聞いたるわ、セシル!)
そんなこんなで、反精霊の洞窟に魔法封じの手錠付けられたまま、最下層の腐肉踊る死体の山の中に放り込まれて死んだんやけど、これがごっつーしんどいんや。魔属性の魔力に当てられて魂が歪まないように少しずつ自分の身体を保護しながら魔力を自分の死体に浸透させんの。
俺が法王即位して解体してやろうとした、多種族を悪とする思想を取り払い我が信じる神はその悪すらも許し人々を見守る存在として、変えてヘレ・ケッテ・カルゲンもリチェルリットのような、優しい国にして行きたかったが、その思想を邪魔に思った、総教皇に悪魔付きとして、引きずり下ろされ、ペルマネンテと俺が組んで多種族排除をしただの言われもない罪を着せられ……それでも俺は死んでも生きなければならなかった。
「お前さ、僕と約束しろよ……。僕は外からお前は中から、一緒に全ての人類が楽しく暮らせる差別のない世界を目指そう……」
「せやな、それこそが……わてたちの……わてたち二人の信じる神の望むものや! 今に親父引き釣り下ろして変えたるから待ってろよ! セシル」
大聖堂城の中央中庭の神の御前で、二人で共に信じる神に向けて空を仰ぎ毎日祈りをあげた光景が、脳裏に浮かぶ、死んでも良い、わてが最悪の法王として追い出されてもいい。せめて……。
「主はん、グラスはん、ウィーンはん、ちょっと……まちいな」
本当は待てる猶予なんてない。今にも背に火を背負った子供が力なく地を這いつくばり、顔に傷を負った女が泣き叫んで発狂して足を踏み外し火の海に、空は夕焼けよりも赤く染まり、鼻につく焼け焦げた匂いは人々の苦しみと悪意の籠もった声を運んでくる。
確かめなければ……。自分の予知の通りにカリスティアが破滅の流れを変えるに足る人物か。
予知とカリスティアの証言で明らかになった具現化スキル、それはリチェルリットに巣くう悪魔よりも強大かつ世界を一瞬で破壊しかねないほどのもの、彼女は友の為に立ち上がったが、友を助けたあとに自身の力に溺れて厄災となるくらいならば……。今此処で死んでくれた方がまだ世界の為になる。
見定めるんや
「主はんの目的は、幹部さんの依頼やろ? 大事なお友達の為の……だったらこの場は見捨てなはれ、見た所ペルマネンテの奇襲戦争や主はんだって、短い間で幹部さんにきいたんやろ?ペルマネンテは悪魔の息がかかっとることを……なら、リスクが高すぎや、予知や予知、ほな見捨てていこか」
「うん、じゃあスケイスだけ勝手に見捨てて先行って。じゃ!」
……一秒も悩むそぶりもなく、戦火の中に堂々と走ってゆく主はん、まぁーなんて素敵でしょう……なんってなるわけないやろ!
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?????
ほんまに話しきいとったんか? そんな考えがわてに浮かぶも、一つの大雑把に思考がまとまっていく
わて、忠告で見捨てていこかー♪
主はん、予知でリスク高い、見捨てて行くの提案してきた。 なら、スケイスは見捨てて行きたいってことね!どうぞどうぞ、私は助けてから向かいまーす。いってらっしゃーい。
こういうことやな。
「……」
「カリスティアを試すのはちょっと……やり方を工夫しないと難しいとご忠告申し上げます。スケイス様」
「ぷはー……。うん、ある意味試したいことはできたんで、うんもう、主はんについて行きますわ」
「最初からそうすればいいのに……人間って難儀ねぇー。あっゴメンなさい、今魔物だったわね」
悩みはすれど、結果的に助けに向かうって選択肢をとってくれりゃええくらいに思っとったんに即答かつ、わての意見を尊重した上で行きよってからに。
グラスはわての肩に哀れむように手を置いてから、カリスティアを追い素早く国境町町に向けて走り去っていった。ウィーンは、「私のカリスティアちゃんを試すなんて生意気!」っと言いたげに、棘のある言葉を吐いてから彼女を追ってこちらも尋常じゃないスピードで走って行った。
「はぁ……。じゃ、ちょっくら変装してからわても向かいますか」
自身の神聖魔力を増幅させて、自分の姿を隠蔽する結界を張る。そうして魔力を全身から外に向けて這い上がるように放出させる。ボキボキと骨が軋んで、肉に覆われ水晶のような目玉が浮かびあがり髪の毛が最後にできあがる。魔力で作ったわての仮の肉体。人間だったわての元の姿……。隠蔽したのは単純に肉体を作る工程が中々えぐいことになってますんで、恥ずかしいから隠したんや。
褐色の肌
藍色の瞳
この世界で一番多い髪色の金髪
「助け……ひぃ! 盗賊」
「誰が盗賊じゃい、神官や神官」
ガイコツの姿よりも神官服が似合わない元法王がそこに居た。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる