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32歳、人生の再スタート
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季節は秋。
平日の15時。
1人船で沖に出て、イカの大物を求めて釣りをしながら遠くを眺めていた。
私は本当は1人で釣りには行きたくないが、平日の真っ昼間から釣りに行ける同世代なんていない。
漁師のじーさんとかは、この周辺にいるけど、私はイカ釣りをしに海に出ているだけだ。
竿先かグイーッっと曲がり、イカのアタリが来た。
フッキング成功。
私「おっしゃ、きたぁー!」
この時期のイカは引きがいいから面白い。
高級食材だ。
タモタモー。
船に備え付けてある巨大なタモですくって、イケスにズコーン!って突っ込んだ。
フフフフ大漁大漁~。
遠くに少し、でかい船が見えた。
私「んー?なんだ?あ!海上保安庁の巡視船だ」
ずーっと先に見える。
向こうもこっちを望遠鏡で見てるに違いない。
海上に出ていると時々、海上保安庁の巡視船とすれ違うことがある。
テロ対策や密漁の取り締まりで警戒しているそうだ。
免許とか確認したい場合は、見にくることもたまにある。
しかし、今回は確認には来なかった。
波が少しあるせいで、船はユラユラ揺れて私は気持ち悪くなっていた。
私は船長なんだけど、船酔いはする。
時間が経つにつれ余計気持ち悪くなってきた。
私「おぇー、もうダメだ。島にあがろ。うーきもちわりぃー」
こういう場合、私はイカリを降ろして船を固定し、島に上がることがある。
近くの岩に上陸して、座って酔いが覚めるまで遠くを眺めはじめた。
こうすることでしばらくすると回復する。
酔い止めを飲んでおけばいい話なんだが、よく飲み忘れる。
海上保安庁の巡視船は、私の船に近づいては来たのだが、目の前を通り過ぎて行った。
おそらく巡視船内ではこういったやり取りがあったのだろう。
海上保安庁の職員「隊長、あの船の船長は岩に座ってこちらを見ています」
海上保安庁の隊長「んー、たぶん船酔いして休んでるんだろう。そっとしておこう」
海上保安庁の職員「あいあいさー、面舵いっぱい全速前進!」
なーんて話してるんじゃないかなぁーと勝手に思いながら、こっちは過ぎ去る巡視船を眺めていた。
私が酔わなかったら、まだまだイカが釣れるかもしれないのに。
しばらく酔いを覚ましていると、漁師のおじさんが近くを通った。
私の住む地域のベテラン漁師だ。
ちなみに私はベテランイカ釣り師だ。
漁師のおじさん「おーい なおさんや~」
私「あぁ、なんだー?」
漁師のおじさん「釣れたかやー?」
私「あぁ、でっけーイカが12杯くらい釣れたでー」
漁師のおじさん「そげん釣れたかやぁー、魚やるわー交換さこい」
私「あぁいいでー」
漁師のおじさんは80歳ぐらい。
私は32歳。
海上でよく会う友達だ。
漁師のおじさん「島に上がって、なにしとるんやー?」
私「船酔いしたから、レロレローって吐く前に、休憩してるにー」
漁師のおじさん「そげん、船に弱いんか。ははは~気を付けてかえれやー」
私「あぁ、わかったーじゃあなー」
と言っておじさんは漁港へ向かった。
しばらく岩の上で遠くを眺めながら人生の振り返っていた。
今年で結婚生活7年目。
最近、同じことで悩むことが多かった。
はぁー・・・・・人生失敗したな~。
なんで、俺はよく考えずに結婚したんだろうか。
かわいくて仕方がない人を探して、結婚すればよかったなー。
結婚は我慢って言うけど、我慢して終わる人生なんて嫌だなぁ。
「好き、可愛い、愛してる」って言える人と、結婚すればよかった。
このままじゃ幸せを感じることなく、俺の人生ゲームオーバーだ。
私は相手の押しに負けて、流されるまま25歳で結婚。
妻は13歳年上。
「まあいっか」で人生歩んできたらこうなった。
結婚してから7年の月日が過ぎ、同年代の人を見ていると、みんな子供が産まれて羨ましかった。
早い人は20歳ぐらいで親になっている。
私はもう32歳。
孫とか一生いないのかなぁ。
地区の運動会とか参加していると、保育園や幼稚園の子供がいる親はカメラやスマホで撮影して楽しそう。
保育園や幼稚園の子供がいる親たちは、手をつないで競技なんて羨まし過ぎる。
こんなことになってるのは、ちゃんと考えなかった自分が悪いのもわかっている。
チームのテントで休憩タイム。
学校は違うけど、歳は同じ同級生も何人かいる。
近所の同級生「なおくんは、子供つくらないの?」
私「あぁ、俺は子供いなくても別にいいんだー」
なーんて、言ってごまかすばかり。
ホントは欲しい。
私の妻には3人の連れ子がいて、私自身には子供はいない。
結婚した後に、妻に「子供を作る気はない」と言われ、ただ単に一緒に生活して歳をとっていく暮らしだった。
こんな人生でよかったのかなぁ。
なんで結婚したんだろ!?
あーあ、やっちまったなぁ。
同じ考えを繰り返しついに決意した。
実行したらもうあとには戻れない。
このままダラダラ生活していく人生もある。
あーもうやめた!ここが俺の人生のターニングポイントだ。
俺は離婚して再婚相手を見つけて幸せ掴んでみせる!
人生の目標は、可愛い妻と再婚して子供を育てることに決めた!
もう俺は迷わない。
気持ち悪いのも治ったし、船に乗って帰ろ。
エンジン全開で漁港へ向かった。
漁港に着くとさっき海上で会った漁師のおじさんがいた。
おじさん「無事帰れたかや」
私「あぁ、しばらく岩で休憩しとったらマシになった」
おじさん「なおさん、今度ワシにもイカ釣り教えてごいた」
私「いいで。俺の弟子になりたいんだな」
おじさん「ワハハよろしく」
私「ほいよー、じゃまた」
と言って釣ったイカと交換した魚を持って帰った。
平日の15時。
1人船で沖に出て、イカの大物を求めて釣りをしながら遠くを眺めていた。
私は本当は1人で釣りには行きたくないが、平日の真っ昼間から釣りに行ける同世代なんていない。
漁師のじーさんとかは、この周辺にいるけど、私はイカ釣りをしに海に出ているだけだ。
竿先かグイーッっと曲がり、イカのアタリが来た。
フッキング成功。
私「おっしゃ、きたぁー!」
この時期のイカは引きがいいから面白い。
高級食材だ。
タモタモー。
船に備え付けてある巨大なタモですくって、イケスにズコーン!って突っ込んだ。
フフフフ大漁大漁~。
遠くに少し、でかい船が見えた。
私「んー?なんだ?あ!海上保安庁の巡視船だ」
ずーっと先に見える。
向こうもこっちを望遠鏡で見てるに違いない。
海上に出ていると時々、海上保安庁の巡視船とすれ違うことがある。
テロ対策や密漁の取り締まりで警戒しているそうだ。
免許とか確認したい場合は、見にくることもたまにある。
しかし、今回は確認には来なかった。
波が少しあるせいで、船はユラユラ揺れて私は気持ち悪くなっていた。
私は船長なんだけど、船酔いはする。
時間が経つにつれ余計気持ち悪くなってきた。
私「おぇー、もうダメだ。島にあがろ。うーきもちわりぃー」
こういう場合、私はイカリを降ろして船を固定し、島に上がることがある。
近くの岩に上陸して、座って酔いが覚めるまで遠くを眺めはじめた。
こうすることでしばらくすると回復する。
酔い止めを飲んでおけばいい話なんだが、よく飲み忘れる。
海上保安庁の巡視船は、私の船に近づいては来たのだが、目の前を通り過ぎて行った。
おそらく巡視船内ではこういったやり取りがあったのだろう。
海上保安庁の職員「隊長、あの船の船長は岩に座ってこちらを見ています」
海上保安庁の隊長「んー、たぶん船酔いして休んでるんだろう。そっとしておこう」
海上保安庁の職員「あいあいさー、面舵いっぱい全速前進!」
なーんて話してるんじゃないかなぁーと勝手に思いながら、こっちは過ぎ去る巡視船を眺めていた。
私が酔わなかったら、まだまだイカが釣れるかもしれないのに。
しばらく酔いを覚ましていると、漁師のおじさんが近くを通った。
私の住む地域のベテラン漁師だ。
ちなみに私はベテランイカ釣り師だ。
漁師のおじさん「おーい なおさんや~」
私「あぁ、なんだー?」
漁師のおじさん「釣れたかやー?」
私「あぁ、でっけーイカが12杯くらい釣れたでー」
漁師のおじさん「そげん釣れたかやぁー、魚やるわー交換さこい」
私「あぁいいでー」
漁師のおじさんは80歳ぐらい。
私は32歳。
海上でよく会う友達だ。
漁師のおじさん「島に上がって、なにしとるんやー?」
私「船酔いしたから、レロレローって吐く前に、休憩してるにー」
漁師のおじさん「そげん、船に弱いんか。ははは~気を付けてかえれやー」
私「あぁ、わかったーじゃあなー」
と言っておじさんは漁港へ向かった。
しばらく岩の上で遠くを眺めながら人生の振り返っていた。
今年で結婚生活7年目。
最近、同じことで悩むことが多かった。
はぁー・・・・・人生失敗したな~。
なんで、俺はよく考えずに結婚したんだろうか。
かわいくて仕方がない人を探して、結婚すればよかったなー。
結婚は我慢って言うけど、我慢して終わる人生なんて嫌だなぁ。
「好き、可愛い、愛してる」って言える人と、結婚すればよかった。
このままじゃ幸せを感じることなく、俺の人生ゲームオーバーだ。
私は相手の押しに負けて、流されるまま25歳で結婚。
妻は13歳年上。
「まあいっか」で人生歩んできたらこうなった。
結婚してから7年の月日が過ぎ、同年代の人を見ていると、みんな子供が産まれて羨ましかった。
早い人は20歳ぐらいで親になっている。
私はもう32歳。
孫とか一生いないのかなぁ。
地区の運動会とか参加していると、保育園や幼稚園の子供がいる親はカメラやスマホで撮影して楽しそう。
保育園や幼稚園の子供がいる親たちは、手をつないで競技なんて羨まし過ぎる。
こんなことになってるのは、ちゃんと考えなかった自分が悪いのもわかっている。
チームのテントで休憩タイム。
学校は違うけど、歳は同じ同級生も何人かいる。
近所の同級生「なおくんは、子供つくらないの?」
私「あぁ、俺は子供いなくても別にいいんだー」
なーんて、言ってごまかすばかり。
ホントは欲しい。
私の妻には3人の連れ子がいて、私自身には子供はいない。
結婚した後に、妻に「子供を作る気はない」と言われ、ただ単に一緒に生活して歳をとっていく暮らしだった。
こんな人生でよかったのかなぁ。
なんで結婚したんだろ!?
あーあ、やっちまったなぁ。
同じ考えを繰り返しついに決意した。
実行したらもうあとには戻れない。
このままダラダラ生活していく人生もある。
あーもうやめた!ここが俺の人生のターニングポイントだ。
俺は離婚して再婚相手を見つけて幸せ掴んでみせる!
人生の目標は、可愛い妻と再婚して子供を育てることに決めた!
もう俺は迷わない。
気持ち悪いのも治ったし、船に乗って帰ろ。
エンジン全開で漁港へ向かった。
漁港に着くとさっき海上で会った漁師のおじさんがいた。
おじさん「無事帰れたかや」
私「あぁ、しばらく岩で休憩しとったらマシになった」
おじさん「なおさん、今度ワシにもイカ釣り教えてごいた」
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