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二章 凝縮版

26話 後ろにいるぜ〜その顔!

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「ほらほら、苦しめよ…苦しめよ。ずっとずっと永久に痛めつけてやる」

「くっ…ん!うっ!」

(もう何分殴られてるんだろう…もう目も見えないや。アリスタは、勝ったのかな?生きて会いたいな)

「回復魔法」

カリンが回復魔法を唱えるも傷は回復しなかった

「…魔力切れか。悪いが俺も魔法は使えない、最後はサービスとして痛みを感じさせないように一瞬で殺してやるよ」

シャドウスナイパーは大きく拳を振り上げた

(アリスタ…)

カリンが死を覚悟したその時!

「時間停止魔法!」

「よく耐えたな、カリン」

「アリ…スタ…」

「早くしてアリスタ!もう魔法がとける!」

(その…声は)

「おっけ!」

アリスタはカリンを抱えてもう1人の仲間のもとへ走った。そして止まっていた時間が動き出す!

「死ねぇ!…消えた、まさか!?」

「硬直魔法!」

「なに!?体が…」

魔法を唱えたのはアリスタの隣にいたエイミだった!

「エイミ、なぜ人間の姿に戻っている?」

「それはもちろん!呪いがとけたからに決まってるでしょ!」

「・・・どうやって」

「いいわ、特別に教えてあげる」

それは遡る事数分前

「どうしたのアリスタ!全然攻めて来ないじゃない!」

(くっ、守るだけで精一杯…なんとかエイミのスキを作らなきゃ)

「さぁ早くぶっ殺して私はダーリンの元へ行かないと!」

「そのダーリンなら…後ろにいるぜ」

「え!?ダーリン?」

スパァァン!

アリスタは少年ながらのやり方でスキを作りエイミの背中を切った!

「いったぁ!?」

「今だ!」

アリスタはそのままエイミを押し倒しキスをした

「んー!」

(え、なにこいついきなりチューしてきたんだけど!?気でも狂ったのかな?っていうかさっきは痛かったなぁまさか騙し討ちで切られるとは我ながら情けない…ってかいつまでキスしてんのよこいつは)

「んぐっ!んんんー!」

エイミはアリスタの腕を掴み持ち上げようとした、しかしアリスタはエイミを強く抱きしめ唇を離さなかった

(離さない…このチャンス、絶対無駄にしない!)

(なによこいつそんなに欲求不満だったのかしら?まぁあんたがどんだけ迫ってこようと私はあの人の事が1番好きなんだから…あれ、あの人って誰だっけ?…あ!)

この時エイミはようやく理解した、魔切の剣によって自分が魔族から人間に戻りつつある事。そしてアリスタは回復魔法を使わせないためにエイミにキスをしている事に

(ま、まずいわ!このままじゃ人間に戻っちゃう…殺さなきゃ!殺さなきゃ!)

エイミはアリスタの首を締めたが、それでもアリスタはエイミの口を封じ続けた

(エイミを人間に戻すんだ…俺はどうなっても良い。エイミを助けれるなら死んだ…って…あれ?)

アリスタの首からギリギリの所で手が離れた。その手は優しくアリスタを包み込んだ

アリスタは涙しながら唇を離した

「お、お帰り…エイミ」

「ただいま…」

・・・

「とまぁそんな事があったのよ」

「・・・ふん、戦闘中なのに振り返るくらい俺の事を愛してたんだな」

「それもさっきまでの話だけどね、今は勇者アリスタのパーティーの1人よ」

「俺の事を…嫌いになったのか?」

「当たり前でしょ。現に今あんたを硬直魔法で動けなくさせてるんだし」

「そう…か、だけどこんな魔法…はぁ!」

「ちっ、魔法が解けやがった」

「エイミ、君は人間に戻った事によって魔族の時のような強大な魔法は使えなくなってしまった…悲しくはないかい?絶対的な力の喪失、そしてこれから待っている絶対的な死」

「悲しいわけないじゃない、私は仮にも聖職者よ?正義のために戦う。それに私、私達は負けないもの!カリン、戦えそう?」

「・・・ははっ…ごめん、まだ回復しきってないんだ」

「おっけ、行くよアリスタ!そしてロフト、ヴァンヌ、ゼオス君!」

「おう!」

「ま、任せてください!」

「今度こそ、貴様を倒す」

「もう死なねぇかんな!」

「あれ…3人の声がする…」

「はい!エイミさんが人間に戻った時に究極魔法の効果が全てリセットされたため自動的に蘇生されました」

「・・・何人集まろうともすぐ死ぬというのにバカな連中だ…こい!」

「死ぬのはあんたの方よ!時間停止魔法」

・・・

「さぁ、みんな!今のうちにシャドウスナイパーを倒して!」

「任せろ」

「これで…勝てる」

「くらえ!シャドウスナイパー!!!」

アリスタ達は時の止まったシャドウスナイパーに一斉攻撃を仕掛けた。が、

ズババババババ!

無数の水でできた槍がアリスタ達を襲った

「うわぁ!」

「ぐ……」

「きゃあ!時間停止魔法が解けた!?」

「あなた達にシャドウスナイパーさんを殺させる訳にはいきません」

現れたのは完全復活したマリンセイレーンだった

「・・・マリンセイレーンじゃないか」

「そうか、私が人間に戻った時にマリンセイレーンの魔法も解けたんだ」

「その通りですよ…そしてもうシャドウスナイパーさんへ魔法は使わせません!瞬間移動魔法!」

「エイミ!」

マリンセイレーンはエイミを掴み前回彼女達が争った場所に瞬間移動した

「さぁリベンジマッチと行きましょうか」

「さっさと終わらせてアリスタに加勢しないと!時間停止魔法!・・・あれ?時間停止魔法!」

エイミがなんど魔法を唱えてもマリンセイレーンの時は止まらない

「まだ気づかないのですか?私にもう魔法は通用しない」

「は?なんで…」

「前回は焦ってなんの対策もなく戦ってしまいましたが今回は私自身に状態異常無効魔法を何重にもかけましたのよ!」

「うわぁ…めんどくさ」

「さぁ!私の本気、味合わせてあげます!」

ズババババババ!!

「ちっ…瞬間移動魔法!」

再び水の槍がエイミを襲う!それに対しエイミは瞬間移動でこれをかわす

「ふん、ちょこまかと素早いのは変わりませんね…ですがこのままでは終わらせません!いでよクラーケンさん!」

「クラーケンですって…って、きゃあー!?」

なんと海面からクラーケンが顔を出し触手でエイミの手足と口を封じた

「むぐ、むー!んーんー!」

「んふふ…その様子じゃ魔法が使えないようですね。さて、あなたが私にした事をやり返してあげましょう!」

ビリぃ!

マリンセイレーンはエイミの服を破り捨てた

「ん、んんん!」

「ふっ、言葉でも対抗できないなんてお可哀そうにね!」

グサッ、グサッグサッ、グサッ!

4本の水の槍がエイミの四肢を貫く

「んぐ!フー、フゥ」

「口を封じてるため苦しむ声が聞こえないのが残念ですがその表情が私を楽しませる!さぁこのまま恥辱も味わってください!」

パチン!

マリンセイレーンが指を鳴らすとクラーケンの残りの触手が局部や尻に無理矢理入っていった!

「んんんんー!!!??」

「そうです!そうです!私もあなたにさせられたその顔!」

「んぐぅ!、んーんー!」

「んふふふふ!貴方がした質問をそのまま返してあげますよ!どんな気持ちですか?痛いですか?苦しいですか?悲しいですか?恥ずかしい?悔しいですか?…それとも、気持ちいですか?」
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