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本編
8.新しい婚約者①
そしてトントン拍子に準備が調い、私とブラッドリーは正式に婚約者となった。
それからのブラッドリーは、私との距離感をガラッと変えてきた。
「婚約したんだから、ブラッドって呼んでよ」
「わ、分かったわ」
「ほら、呼んで」
「え? ……あの、ブ、ブラッド?」
「うん、いいね。ステフィー?」
「ススス、ステフィー!?」
「グランデ卿が、君の愛称だって教えてくれたんだけど……嫌だった?」
「ぜんぜん。嫌じゃないわ」
「そう。なら良かった」
そう言って手を取りその指先にキスを落とす。
全身に震えが走り、頭がクラクラしてきた。
私にはまだ早いんじゃなかろうか?
「真っ赤になってる……かわいい」
今度は抱きしめられた。
ひえぇ~。
あの、慣れてないんです。
もうちょっと、ゆっくり進めて欲しいんですけど……。
「初めて会った時から、俺はステフィーを気に入ってたんだよ?」
「え? そうなの?」
「うん。だから縁談が来た時、真っ先に手を挙げた」
ん?
真っ先?
手を挙げた?
「どういうこと?」
頭の上へ盛大に、はてなマークを打ち上げた私はこてんと首を傾げてしまった。
「グランデ辺境伯令嬢の婿にと打診が来たのは、ローマン伯爵家──つまり本家に届いたんだ」
「本家……ブラッドのお父様は本家の次男だったかしら?」
「あ、俺の話ちゃんと覚えてたんだな」
以前学園で話したことなので、聞き流していると思っていたようだ。
でも私も、きっと最初からブラッドが気になっていたんだと思う。
だって、彼が話したことは些細なことでも覚えてるから……。
それからのブラッドリーは、私との距離感をガラッと変えてきた。
「婚約したんだから、ブラッドって呼んでよ」
「わ、分かったわ」
「ほら、呼んで」
「え? ……あの、ブ、ブラッド?」
「うん、いいね。ステフィー?」
「ススス、ステフィー!?」
「グランデ卿が、君の愛称だって教えてくれたんだけど……嫌だった?」
「ぜんぜん。嫌じゃないわ」
「そう。なら良かった」
そう言って手を取りその指先にキスを落とす。
全身に震えが走り、頭がクラクラしてきた。
私にはまだ早いんじゃなかろうか?
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今度は抱きしめられた。
ひえぇ~。
あの、慣れてないんです。
もうちょっと、ゆっくり進めて欲しいんですけど……。
「初めて会った時から、俺はステフィーを気に入ってたんだよ?」
「え? そうなの?」
「うん。だから縁談が来た時、真っ先に手を挙げた」
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頭の上へ盛大に、はてなマークを打ち上げた私はこてんと首を傾げてしまった。
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