50 / 79
本編
50.我が儘は良くないよ?〈ブリトニーside〉
しおりを挟む
〈ブリトニーside〉
「ブリトニー、良いところに戻ってきたね。例のグランデ辺境伯の跡継ぎとは上手くいかなかったそうじゃないか。残念だったね」
この日のお父様は上機嫌で私を執務室で待っていた。
いつもよりなんとなく良い服を着て、綺麗に磨かれた大きなグラスに、惜しげもなく注がれた高そうなお酒を飲んでいる。
違和感だらけだった。
「ただいま、お父様。何か良いことでもあったの?」
「あ~いや、ブリトニーは残念なことがあったばかりで悪いんだが、お前の言う通り、とてもめでたい事があってな」
「もしかして、勇者が見つかったってやつ!?」
「おや、耳が早いねぇ。融資者の事、もう知っているのかい?」
意外そうに私を見たお父様の目が一瞬ギラッと光った。
何かまずい事を言ったのかしら?
勇者の話はもしかして内緒なの?
「え? 詳しい事は何も知らないわ。大丈夫よ。それより、良いことがあったのでしょう? 何があったの?」
いつものように一番可愛く見えるポーズで聞いてみれば、実にあっさり「よろしい、教えてあげよう」と返ってきて……。
「キミの嫁ぎ先が決まったよ」
「えっ?」
何を言われたのか理解できず、お父様を穴が開くほど見詰めてしまった。
でもお父様の笑顔は変わらない。
「ブリトニーが中々結婚相手を連れて来ないからね、こちらでも探していたんだよ。そうしたら、ある伯爵から良いツテを紹介されてね」
「は? 何のこと?」
訳の分からない私が慌てていると、そこへ家令が入って来た。
「旦那様、もうご用意が出来ました。いつでも出発できます」
「うむ、ご苦労」
そう言って私に目を向けた。
とてつもなく嫌な予感がする。
「ブリトニー、良いところに戻ってきたね。例のグランデ辺境伯の跡継ぎとは上手くいかなかったそうじゃないか。残念だったね」
この日のお父様は上機嫌で私を執務室で待っていた。
いつもよりなんとなく良い服を着て、綺麗に磨かれた大きなグラスに、惜しげもなく注がれた高そうなお酒を飲んでいる。
違和感だらけだった。
「ただいま、お父様。何か良いことでもあったの?」
「あ~いや、ブリトニーは残念なことがあったばかりで悪いんだが、お前の言う通り、とてもめでたい事があってな」
「もしかして、勇者が見つかったってやつ!?」
「おや、耳が早いねぇ。融資者の事、もう知っているのかい?」
意外そうに私を見たお父様の目が一瞬ギラッと光った。
何かまずい事を言ったのかしら?
勇者の話はもしかして内緒なの?
「え? 詳しい事は何も知らないわ。大丈夫よ。それより、良いことがあったのでしょう? 何があったの?」
いつものように一番可愛く見えるポーズで聞いてみれば、実にあっさり「よろしい、教えてあげよう」と返ってきて……。
「キミの嫁ぎ先が決まったよ」
「えっ?」
何を言われたのか理解できず、お父様を穴が開くほど見詰めてしまった。
でもお父様の笑顔は変わらない。
「ブリトニーが中々結婚相手を連れて来ないからね、こちらでも探していたんだよ。そうしたら、ある伯爵から良いツテを紹介されてね」
「は? 何のこと?」
訳の分からない私が慌てていると、そこへ家令が入って来た。
「旦那様、もうご用意が出来ました。いつでも出発できます」
「うむ、ご苦労」
そう言って私に目を向けた。
とてつもなく嫌な予感がする。
347
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
2026.1月24日より連載版投稿開始予定❗️
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる