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第一話 始まりの一織り
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「おい、自己中脳筋」
ザードが部屋から出ると、廊下の向こうに仁王立ちした青年──工の国王子ヒサギが立っていた。
「…来てたのか」
「来てたのか…?はっ!ザード王子様があんだけ御活躍してくれたおかげで俺は尻拭いを任されたよ、バーーカ!!」
ヒサギはツカツカと駆け寄ると、思いきりザードの足を蹴った。ヒサギの靴は鉄入りだ。流石のザードも飛び跳ねて叫んでしまう。
「いってーーー!」
「ふんっ、いい気味だ」
「てめ…、鉄入り靴のくせに…!ぶっ殺す!!」
「これだけで勘弁してやってんだ。礼を言われたい位だね」
ヒサギは目を伏せながら、ザードが衝撃のせいで落とした短剣を拾い上げた。
「いいか…色々終わるまでは、お前にあの娘を預けといてやる……だが、」
短剣の柄をなであげ、ゆっくりと抜いた。
「ヒルデはもういない。それだけは覚えとけ」
言い終わるが早いか、ヒサギは腰に付けた工具を素早く取り出し、思いきり短剣を折った。
ザードは一瞬目を見開き、硬直してしまう。
「ヒサギ…てめぇ…」
「……」
ヒサギは軽く睨みつけると無言で踵を返した。
──静寂が城内を包みこむ。
風の音だけが耳を擦り、牙型の耳飾りを揺らす。
ザードは折れた剣を拾い、目を伏せ、俯いた。
ザードが部屋から出ると、廊下の向こうに仁王立ちした青年──工の国王子ヒサギが立っていた。
「…来てたのか」
「来てたのか…?はっ!ザード王子様があんだけ御活躍してくれたおかげで俺は尻拭いを任されたよ、バーーカ!!」
ヒサギはツカツカと駆け寄ると、思いきりザードの足を蹴った。ヒサギの靴は鉄入りだ。流石のザードも飛び跳ねて叫んでしまう。
「いってーーー!」
「ふんっ、いい気味だ」
「てめ…、鉄入り靴のくせに…!ぶっ殺す!!」
「これだけで勘弁してやってんだ。礼を言われたい位だね」
ヒサギは目を伏せながら、ザードが衝撃のせいで落とした短剣を拾い上げた。
「いいか…色々終わるまでは、お前にあの娘を預けといてやる……だが、」
短剣の柄をなであげ、ゆっくりと抜いた。
「ヒルデはもういない。それだけは覚えとけ」
言い終わるが早いか、ヒサギは腰に付けた工具を素早く取り出し、思いきり短剣を折った。
ザードは一瞬目を見開き、硬直してしまう。
「ヒサギ…てめぇ…」
「……」
ヒサギは軽く睨みつけると無言で踵を返した。
──静寂が城内を包みこむ。
風の音だけが耳を擦り、牙型の耳飾りを揺らす。
ザードは折れた剣を拾い、目を伏せ、俯いた。
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