25 / 87
幕間 3
第24話 迷いの森と氷の王城
しおりを挟む
波空国中央の聖湖のほとり、そこは色無森と呼ばれ人々から恐れられる迷いの森。その森には魔女が棲み、呪いの術を極めているというが……。
冷たい雨の降りしきる森の一軒家からは、古楽器の音がもれ聴こえていた。
「そこ! 一拍遅い」
ぱん、と手が打ち鳴らされ演奏が止む。
手を打ったのは真っ赤な衣の魔女。齢は、定かでない。大人になりきらぬ顔と体の内に、老練したものをしみこませた風貌だ。窓際の丸机に向かった椅子の上で、足を組んでふんぞり返っている。
一方で、向かいの椅子に腰かけているのは洒落者めいた青年。膝に乗せた弦楽器を弾く手を止め、小さく首をかしげた。
「遅いだけじゃない。この区間は一拍に七連符。おまえのは時々、六連符になっている」
魔女が言いつのる間、青年は楽器を置き、ふわぁ、とあくびをする。
「こんな曲弾けませんよ。そこの演奏装置にでも任せりゃいい」
青年は奥の壁を指差した。大量の本が積みあげられ、鉱物がごろごろと転がった先に、古代文字の譜面や陣が書きつけられた壁がある。その壁際に、王都の広場で風船と石を売るのに使われていたワゴン車が停められていた。
この家の主は、灯りの石の魔法を編みだした魔女、灯という。
灯は青年に向け、机の上で磨いていた石のかけらを投げつけた。
「どうも」
青年は石を片手でつかみとる。売ればかなりの値になる鉱石だ。
「おまえはどうしてそうなんだ、彗。〈人〉が弾いてこその味わいや響きがあるだろう。だから演奏家はいつの世も腕を磨く。〈人〉が弾けばこそ心が歌い、〈己そのものの音楽〉につながって──」
鉱石を透かして眺めていた青年、彗は、灯の言葉をさえぎる。
「俺から言わせれば演奏装置も一緒ですよ。弾かせておけば、いつか装置にも心が宿るかもしれない……俺みたいに」
彗はにっと灯に笑みを向ける。
ふん、と灯は面白くなさそうに、少しだけ開いていた窓の外を見やる。夏だというのに、時には雹の混じる冷たい雨が、数日にわたり続いていた。木々はくすみ、色無森の名の通り、色をなくしたかのようだ。
吹きこんだ風に灯は目を細めた。
「この雨、なにか運んできたな」
「厄介なものですかい?」
「……わからん。彗、ちょっと見てこい」
彗は、やれやれと楽器を鞄にしまった。
「行きますよ。ご命令とあらばね」
家を出て傘を開きながら、彗はぼやく。
「〈人〉になってもやっぱり雨にぬれるのは苦手だなぁ」
*
それより数日前。
色無森で雨が降りはじめた頃、遠く離れた王都では──。
*
誰もいない王宮を、ひとりの魔術師が朝焼け色の髪をなびかせて歩く。
元宮廷魔術師、結良であった。
あたりは氷の城といった様相だ。吹き抜けの回廊や庭園はもとより、雪の吹きこむはずのない屋内までもが氷雪に覆われている。
結良は宮廷魔術師の部屋の鏡から、朝の城に侵入した。出てきてみれば城内はこの有様で、雪と氷を踏んで行けども行けども、人っ子ひとり見当たらない。
かつて城に勤めていた結良には、魔法で鍵を開けて部屋をのぞくことくらいたやすいが、多くの扉は鍵ではなく氷雪に閉ざされ、開けるのに苦労した。階段も廊下も窓も、至るところが凍りついている。
魔法の嵐が吹きあれたことは明らかだった。
「防げなかったか……」
十年ほど前にも、王都は大雪の災害に見舞われた。〈流〉による災害、〈流災〉だ。そのときに結良は、襲いきた〈白流〉を撃退し、〈流〉の世界である〈宙〉とのはざまに封じた。それからずっと結良は、はざまの世界に〈白流〉を押しこめてきた。
その〈白流〉が力を取り戻し、再び王都を襲ったのだ。
だが今はその気配すらもない。
「自分の甘さに酔いそうだ……王都が〈宙〉に呑まれるなぞ、あってはならん」
結良はひとりつぶやく。すべての者が〈流〉の嵐にまかれ〈宙〉に消えた、そんな最悪の事態を想定しながら、硝子の塔の階段を登る。
やがて塔を登りきると、国王執務室の扉は半開きになっていた。凍りついた書棚を見やりながら入り口を抜け、大窓から王都を一望する。
「なに──?」
街は、動いていた。街全体が雪をかぶっているが、往来に人影があり、雪かきのされた通りを馬車が走っている。王宮には人ひとりいないというのに──。結良は塔を駆けおりて、街へ向かう橋を急いで渡った。
*
街に出て、結良は言葉を失った。
雪かきに出ている人々、凍った運河の舟を見に集まっている者たち、馬車を繰る御者、せわしく往来を行く人の姿は──すべてが黒々とした影なのだった。
「そんな、なにが……」
結良は言いしれぬ胸騒ぎを感じながら、王宮から続く橋を渡りきる。
影たちは互いを恐れることもなく、大雪の翌朝の街のいとなみを続けていた。鳥や馬、木々や建物に異変はない。が、人の顔には目も口もなく、服の形に出来あがった体は、帽子から服の裾まで、墨で塗りつぶされたようだ。
橋のそばで雪かきをしていた影たちが、結良に気づいた。
「王宮の魔術師様!」
声をあげた影は、女性であるらしい、としかわからない。雪を踏んでこちらへやってくる相手を、結良は身構えつつ観察した。
黒々とした胸元から、なにかが結良の耳に聴こえてくる。
「魔術師様、よかった! 助けてください」
結良はまだ、相手を人と見定めていない。魔のものであればかかわると厄介だ。一方で、相手は親しげに声をあげる。
「魔法が使えないんです。どれもこれも、歌っても演奏してもなにも起こらないの。それで街ではなにひとつできません。凍ってしまった雪も溶かせなくて……」
「おまえ」
近くで対面してはじめて、結良には彼女が一般の人間だとわかった。
女性の胸の央からは、彼女の音楽が流れだしている。
魔術師の訓練をつんだ結良は、人間と向きあうとき、その人の音楽を聴きとることができる。それは人の胸に宿っているように聴こえ、〈己そのものの音楽〉といわれる。
〈己そのものの音楽〉は、生まれる前から死したのちまで、その人をその人たらしめるものとして流れ続けるという。目の前にいる彼女は、彼女そのものの音楽が胸に秘められることなく、むきだしになったように大きく響いていた。
それはまるで……、結良は戦慄する。
「音楽に戻ったというのか」
「え、なんて?」
首をかしげる相手をよそに、結良は改めて街を見渡した。往来の者たち、家々の軒先や窓の向こうにいる街の人間すべてが、高らかに音楽を鳴らしていた。体をなくし、秘めていた音楽そのものになってしまったかのように──。
「これは」
結良はごくりとつばを呑む。
人々が〈宙〉に消えてしまったわけではない。
王都のこの場所が、もはや〈宙〉になっているのだ。
〈第三番につづく〉
冷たい雨の降りしきる森の一軒家からは、古楽器の音がもれ聴こえていた。
「そこ! 一拍遅い」
ぱん、と手が打ち鳴らされ演奏が止む。
手を打ったのは真っ赤な衣の魔女。齢は、定かでない。大人になりきらぬ顔と体の内に、老練したものをしみこませた風貌だ。窓際の丸机に向かった椅子の上で、足を組んでふんぞり返っている。
一方で、向かいの椅子に腰かけているのは洒落者めいた青年。膝に乗せた弦楽器を弾く手を止め、小さく首をかしげた。
「遅いだけじゃない。この区間は一拍に七連符。おまえのは時々、六連符になっている」
魔女が言いつのる間、青年は楽器を置き、ふわぁ、とあくびをする。
「こんな曲弾けませんよ。そこの演奏装置にでも任せりゃいい」
青年は奥の壁を指差した。大量の本が積みあげられ、鉱物がごろごろと転がった先に、古代文字の譜面や陣が書きつけられた壁がある。その壁際に、王都の広場で風船と石を売るのに使われていたワゴン車が停められていた。
この家の主は、灯りの石の魔法を編みだした魔女、灯という。
灯は青年に向け、机の上で磨いていた石のかけらを投げつけた。
「どうも」
青年は石を片手でつかみとる。売ればかなりの値になる鉱石だ。
「おまえはどうしてそうなんだ、彗。〈人〉が弾いてこその味わいや響きがあるだろう。だから演奏家はいつの世も腕を磨く。〈人〉が弾けばこそ心が歌い、〈己そのものの音楽〉につながって──」
鉱石を透かして眺めていた青年、彗は、灯の言葉をさえぎる。
「俺から言わせれば演奏装置も一緒ですよ。弾かせておけば、いつか装置にも心が宿るかもしれない……俺みたいに」
彗はにっと灯に笑みを向ける。
ふん、と灯は面白くなさそうに、少しだけ開いていた窓の外を見やる。夏だというのに、時には雹の混じる冷たい雨が、数日にわたり続いていた。木々はくすみ、色無森の名の通り、色をなくしたかのようだ。
吹きこんだ風に灯は目を細めた。
「この雨、なにか運んできたな」
「厄介なものですかい?」
「……わからん。彗、ちょっと見てこい」
彗は、やれやれと楽器を鞄にしまった。
「行きますよ。ご命令とあらばね」
家を出て傘を開きながら、彗はぼやく。
「〈人〉になってもやっぱり雨にぬれるのは苦手だなぁ」
*
それより数日前。
色無森で雨が降りはじめた頃、遠く離れた王都では──。
*
誰もいない王宮を、ひとりの魔術師が朝焼け色の髪をなびかせて歩く。
元宮廷魔術師、結良であった。
あたりは氷の城といった様相だ。吹き抜けの回廊や庭園はもとより、雪の吹きこむはずのない屋内までもが氷雪に覆われている。
結良は宮廷魔術師の部屋の鏡から、朝の城に侵入した。出てきてみれば城内はこの有様で、雪と氷を踏んで行けども行けども、人っ子ひとり見当たらない。
かつて城に勤めていた結良には、魔法で鍵を開けて部屋をのぞくことくらいたやすいが、多くの扉は鍵ではなく氷雪に閉ざされ、開けるのに苦労した。階段も廊下も窓も、至るところが凍りついている。
魔法の嵐が吹きあれたことは明らかだった。
「防げなかったか……」
十年ほど前にも、王都は大雪の災害に見舞われた。〈流〉による災害、〈流災〉だ。そのときに結良は、襲いきた〈白流〉を撃退し、〈流〉の世界である〈宙〉とのはざまに封じた。それからずっと結良は、はざまの世界に〈白流〉を押しこめてきた。
その〈白流〉が力を取り戻し、再び王都を襲ったのだ。
だが今はその気配すらもない。
「自分の甘さに酔いそうだ……王都が〈宙〉に呑まれるなぞ、あってはならん」
結良はひとりつぶやく。すべての者が〈流〉の嵐にまかれ〈宙〉に消えた、そんな最悪の事態を想定しながら、硝子の塔の階段を登る。
やがて塔を登りきると、国王執務室の扉は半開きになっていた。凍りついた書棚を見やりながら入り口を抜け、大窓から王都を一望する。
「なに──?」
街は、動いていた。街全体が雪をかぶっているが、往来に人影があり、雪かきのされた通りを馬車が走っている。王宮には人ひとりいないというのに──。結良は塔を駆けおりて、街へ向かう橋を急いで渡った。
*
街に出て、結良は言葉を失った。
雪かきに出ている人々、凍った運河の舟を見に集まっている者たち、馬車を繰る御者、せわしく往来を行く人の姿は──すべてが黒々とした影なのだった。
「そんな、なにが……」
結良は言いしれぬ胸騒ぎを感じながら、王宮から続く橋を渡りきる。
影たちは互いを恐れることもなく、大雪の翌朝の街のいとなみを続けていた。鳥や馬、木々や建物に異変はない。が、人の顔には目も口もなく、服の形に出来あがった体は、帽子から服の裾まで、墨で塗りつぶされたようだ。
橋のそばで雪かきをしていた影たちが、結良に気づいた。
「王宮の魔術師様!」
声をあげた影は、女性であるらしい、としかわからない。雪を踏んでこちらへやってくる相手を、結良は身構えつつ観察した。
黒々とした胸元から、なにかが結良の耳に聴こえてくる。
「魔術師様、よかった! 助けてください」
結良はまだ、相手を人と見定めていない。魔のものであればかかわると厄介だ。一方で、相手は親しげに声をあげる。
「魔法が使えないんです。どれもこれも、歌っても演奏してもなにも起こらないの。それで街ではなにひとつできません。凍ってしまった雪も溶かせなくて……」
「おまえ」
近くで対面してはじめて、結良には彼女が一般の人間だとわかった。
女性の胸の央からは、彼女の音楽が流れだしている。
魔術師の訓練をつんだ結良は、人間と向きあうとき、その人の音楽を聴きとることができる。それは人の胸に宿っているように聴こえ、〈己そのものの音楽〉といわれる。
〈己そのものの音楽〉は、生まれる前から死したのちまで、その人をその人たらしめるものとして流れ続けるという。目の前にいる彼女は、彼女そのものの音楽が胸に秘められることなく、むきだしになったように大きく響いていた。
それはまるで……、結良は戦慄する。
「音楽に戻ったというのか」
「え、なんて?」
首をかしげる相手をよそに、結良は改めて街を見渡した。往来の者たち、家々の軒先や窓の向こうにいる街の人間すべてが、高らかに音楽を鳴らしていた。体をなくし、秘めていた音楽そのものになってしまったかのように──。
「これは」
結良はごくりとつばを呑む。
人々が〈宙〉に消えてしまったわけではない。
王都のこの場所が、もはや〈宙〉になっているのだ。
〈第三番につづく〉
0
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
私の存在
戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。
何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。
しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。
しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
日下奈緒
恋愛
そばかす令嬢クラリスは、家族に支度金目当てで成り上がり伯爵セドリックに嫁がされる。
だが彼に溺愛され家は再興。
見下していた美貌の妹リリアナは婚約破棄される。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる