28 / 87
第三番
第27話 湖畔の喫茶店 2
しおりを挟む
「ほむらのつかさ じじがみよ ゆめのまにまに よいどれる……」
店内には古楽器の音に合わせ、呑気な歌が響いていた。中央のテーブル席に陣取った吟遊詩人めいた青年の歌だ。隣の席では、鎧があくびをかみ殺していた。
「なぁ彗、その歌なんとかならねぇのか?」
青年が歌を止めた。
常連客の彗である。他に客はない。
「じじがみをばかにせんでください。まぁ替え歌なんで、俺が創った〈流〉みたいなもんですが」
「お、しずちゃんに准、あがったか!」
鎧が軽く手をあげる。准はそちらへ向かうが、うしろでは、給仕服をまとった静湖が気恥ずかしげに店内をうかがっていた。
「おう、似合ってるじゃねぇか、俺の見立て通り! 准、着替えをのぞいたりしてねぇな?」
鎧がまくしたてる横で、彗もぽろぽろと楽器をつま弾きながら、興味津々の目を静湖に注ぐ。どう答えたものか、と准が思案するうちに、緊張した様子だった静湖が一歩進みでて、胸に手を当てて礼をした。
「一緒に入りました。お湯、ありがとうございました」
准は度肝をぬかれる。ぽろん、と彗の音が止まる。場がしんと静まった。
「おい、准っ!」
「准くん、やるねぇ」
慌てふためく鎧に、口笛を鳴らす彗。准は必死に弁明した。
「いや、あのね、しずは女の子じゃなくて」
またも場に沈黙が落ちた。
「……なんだって?」
「女の子じゃない子に、マスターはその服を?」
「そうじゃねぇ、誤解だ」
鎧と彗があたふたと言いあう中、静湖が小さな声ながらはっきりと口を挟んだ。
「これは、僕が着たかったんです」
誰もが三度、黙りこんで静湖を見つめた。雨の音がやけに響いた。
「……いいんじゃないですか、好きなものをお召しになれば。うちのマスターも、そうですので」
カウンタ内から落ちついた少女の声が飛んだ。服の持ち主の扇であった。香味茶の調合を続けている。鎧が頭をかきながら、准と静湖のそばのテーブル席にどっかと腰をおろす。いかつい体にはフリルエプロンをまとっている。
「あぁ、あぁ、そういうもんだよな、わかるぜ。俺だってある朝この姿になって以来、俺の顔や体はこれだって思っちゃいるが、かわいいカッコやモノを追い求め幾星霜、似合わないとは言わせねぇ──」
語りだす鎧の向こうから、彗が静湖の前にやってきて立ちふさがり、鋭く尋ねた。
「ねぇ、しずちゃんとやら。王都で会いませんでした?」
「なにぃ?」
鎧が彗を振り向く。准が驚いて様子をうかがうと、静湖は固まりながらも、なにかが引っかかったように、王都……、とつぶやいた。
鎧が手をひらひらと振って答える。
「ばか言え。王都なんかの子がこんなとこにいるわきゃねぇだろう」
「でも、青い髪。そっくりな子に会ったんですよ、春に王都で。しかもその子は、〈流の祭司〉に任じられた王子様だったんです」
静湖がびくりする。准は話についていけず、はらはらと見守ることしかできない。彗は見極めようとするかの目で、静湖に顔を寄せたのち──。
「ま、人違いですかねぇ」
「寝言もたいがいにしろよな、彗」
彗は准たちに背を向けて大きく伸びをし、店内をうろうろと歩いたあと、くるりと静湖に向き直った。
「やっぱり似てる! 本当に俺のこと憶えてない?」
静湖は縮こまって答えた。
「あ、あの……僕、憶えてないんです、なにも」
「なにも?」
彗は自分が否定されたかのように打ちひしがれた顔になる。准がなにか助け舟を出そうとしたとき、カウンタから見計らったように扇の声がかかった。
「カクテル、できましたよ」
「やった、俺の命の水!」
彗は今までのやりとりなど忘れたようにカウンタへ駆けていく。准は彼の言葉を思い返した──〈流の祭司〉を任じられた王子様。この国の王族など気にしたこともなかった。今は王都に若い王がいるらしい、という程度の認識だ。が、その王都に「しず」にそっくりな王子が暮らしていて、彗はその王子本人に会ってきたという。本当だとしたら、どんな人物なのだろう? 「しず」と関係はあるのだろうか?
「まったく、また酒頼みやがって。うちは酒場じゃねぇんだぞ。もっとかわいいものを頼みやがれ、花蜜茶とかハーブのソーダとか!」
カウンタ席で楽器を手に酒をあおる彗のもとへ、鎧が大股で向かっていく。
准は静湖をうかがう。うつむき加減で、彗の言葉を考えこんでいるようだった。
「しずもなにか飲もう、一緒に」
准が差しのべた手を、静湖は少し驚いて、うん、と握り返した。なにもかもがわからないが、准の手だけは安心だといわんばかりに。
一同はカウンタに集った。楽器をつま弾く彗に、並んだ准と静湖。鎧はカウンタ内に入り、扇とともに立ち働く。
注文のやりとりが落ちつくと、彗が話題を蒸し返した。
「まぁ、人違いだとしても青い髪なんて。一体いつからその姿に? 記憶も曖昧みたいだし、生まれはなんだったんでしょうね?」
あ……、と准は目からうろこが落ちる思いがした。鎧もぽん、と手を打つ。
「なるほど、新しく〈人〉になった子か! こりゃ久々だ、そうとなりゃ祝わねぇと」
准はきょとんとする静湖に改めて尋ねた。
「しず、〈人〉になる前のこと、なにかわかる?」
「なんのこと……?」
「わからねぇか、まぁ無理もねぇ。しかし扇、先を越されちまったなぁ」
「私は現状で不足ありません」
静湖は首をかしげ、鎧と扇のやりとりを見つめる。准は、思い浮かんだ考えをそのまま話した。
「しずは、みかげさんのもとにいたなにかだったのかな。生きもの、あるいは物に心が宿ることもある。鎧さんは、鉱物の生まれだよ」
「鎧さんが……鉱物?」
静湖は目をぱちくりとさせ鎧を見あげる。鎧は照れるように、はは、と笑った。
「混乱するだろ。俺は色無森の洞窟に生えた紫水晶だったのよ。それがあるときから〈人〉に近いことを考えるようになり──気づいたらこの姿になってたのさ。うちの客は、たいてい皆そんな生まれよ」
「准も?」
静湖が見開いた目を准に向ける。
「僕は狼の生まれだよ」
「狼は狼でも、天翔ける天狼だ」
鎧が威勢よく口を挟む。天狼の生まれだと明かすことに、准は抵抗はないが、自分からは口にしない。数少ない一族はもはや散り散りになり、〈人〉になってしまった准にわかることはほとんどない。
静湖はしばらくぽかんとしていた。
「……どういうこと? ここは魔法の国なの?」
カクテルをあおりながら彗が答える。
「湖の力で、皆〈人〉になると言われてますよ。聖なる湖と呼ばれるだけあって、湖には〈流〉の力が満ちているとか」
「〈流〉の力で、〈人〉になるの?」
尋ねた静湖に、彗は楽器をかかげて、にか、と笑い返した。
「〈流〉の力とは、すなわち音楽の力。動物や鳥だって歌い、花や木や鉱物も音を響かせるのは得意ですがね、やはり音楽の申し子は〈人〉だという。音楽の力を浴び続けたものたちは、音楽を極めるべく〈人〉にさせられるんですと──受け売りですけどね」
「星ノ実ソーダ二つ、お待たせしました」
扇が、准と静湖の前にグラスを置く。
今しがた交わされた話を考えるように、静湖はソーダ水をのぞいていた。准はその姿に親しみを覚えた。そう、准も〈人〉になったばかりの頃は、右も左もわからず戸惑ったものだ。この店に拾われていなければ、街にさまよい出てのたれ死んでいたかもしれない。
「クッキーも焼けています。ご入り用ですか」
淡々とした扇の声に、静湖が目を輝かせ顔をあげる。
雨の午後はわいわいと過ぎ、夕刻になって彗は森のねぐらへ帰っていった。准は屋根裏部屋に静湖を招き、夜を明かした。
*
店内には古楽器の音に合わせ、呑気な歌が響いていた。中央のテーブル席に陣取った吟遊詩人めいた青年の歌だ。隣の席では、鎧があくびをかみ殺していた。
「なぁ彗、その歌なんとかならねぇのか?」
青年が歌を止めた。
常連客の彗である。他に客はない。
「じじがみをばかにせんでください。まぁ替え歌なんで、俺が創った〈流〉みたいなもんですが」
「お、しずちゃんに准、あがったか!」
鎧が軽く手をあげる。准はそちらへ向かうが、うしろでは、給仕服をまとった静湖が気恥ずかしげに店内をうかがっていた。
「おう、似合ってるじゃねぇか、俺の見立て通り! 准、着替えをのぞいたりしてねぇな?」
鎧がまくしたてる横で、彗もぽろぽろと楽器をつま弾きながら、興味津々の目を静湖に注ぐ。どう答えたものか、と准が思案するうちに、緊張した様子だった静湖が一歩進みでて、胸に手を当てて礼をした。
「一緒に入りました。お湯、ありがとうございました」
准は度肝をぬかれる。ぽろん、と彗の音が止まる。場がしんと静まった。
「おい、准っ!」
「准くん、やるねぇ」
慌てふためく鎧に、口笛を鳴らす彗。准は必死に弁明した。
「いや、あのね、しずは女の子じゃなくて」
またも場に沈黙が落ちた。
「……なんだって?」
「女の子じゃない子に、マスターはその服を?」
「そうじゃねぇ、誤解だ」
鎧と彗があたふたと言いあう中、静湖が小さな声ながらはっきりと口を挟んだ。
「これは、僕が着たかったんです」
誰もが三度、黙りこんで静湖を見つめた。雨の音がやけに響いた。
「……いいんじゃないですか、好きなものをお召しになれば。うちのマスターも、そうですので」
カウンタ内から落ちついた少女の声が飛んだ。服の持ち主の扇であった。香味茶の調合を続けている。鎧が頭をかきながら、准と静湖のそばのテーブル席にどっかと腰をおろす。いかつい体にはフリルエプロンをまとっている。
「あぁ、あぁ、そういうもんだよな、わかるぜ。俺だってある朝この姿になって以来、俺の顔や体はこれだって思っちゃいるが、かわいいカッコやモノを追い求め幾星霜、似合わないとは言わせねぇ──」
語りだす鎧の向こうから、彗が静湖の前にやってきて立ちふさがり、鋭く尋ねた。
「ねぇ、しずちゃんとやら。王都で会いませんでした?」
「なにぃ?」
鎧が彗を振り向く。准が驚いて様子をうかがうと、静湖は固まりながらも、なにかが引っかかったように、王都……、とつぶやいた。
鎧が手をひらひらと振って答える。
「ばか言え。王都なんかの子がこんなとこにいるわきゃねぇだろう」
「でも、青い髪。そっくりな子に会ったんですよ、春に王都で。しかもその子は、〈流の祭司〉に任じられた王子様だったんです」
静湖がびくりする。准は話についていけず、はらはらと見守ることしかできない。彗は見極めようとするかの目で、静湖に顔を寄せたのち──。
「ま、人違いですかねぇ」
「寝言もたいがいにしろよな、彗」
彗は准たちに背を向けて大きく伸びをし、店内をうろうろと歩いたあと、くるりと静湖に向き直った。
「やっぱり似てる! 本当に俺のこと憶えてない?」
静湖は縮こまって答えた。
「あ、あの……僕、憶えてないんです、なにも」
「なにも?」
彗は自分が否定されたかのように打ちひしがれた顔になる。准がなにか助け舟を出そうとしたとき、カウンタから見計らったように扇の声がかかった。
「カクテル、できましたよ」
「やった、俺の命の水!」
彗は今までのやりとりなど忘れたようにカウンタへ駆けていく。准は彼の言葉を思い返した──〈流の祭司〉を任じられた王子様。この国の王族など気にしたこともなかった。今は王都に若い王がいるらしい、という程度の認識だ。が、その王都に「しず」にそっくりな王子が暮らしていて、彗はその王子本人に会ってきたという。本当だとしたら、どんな人物なのだろう? 「しず」と関係はあるのだろうか?
「まったく、また酒頼みやがって。うちは酒場じゃねぇんだぞ。もっとかわいいものを頼みやがれ、花蜜茶とかハーブのソーダとか!」
カウンタ席で楽器を手に酒をあおる彗のもとへ、鎧が大股で向かっていく。
准は静湖をうかがう。うつむき加減で、彗の言葉を考えこんでいるようだった。
「しずもなにか飲もう、一緒に」
准が差しのべた手を、静湖は少し驚いて、うん、と握り返した。なにもかもがわからないが、准の手だけは安心だといわんばかりに。
一同はカウンタに集った。楽器をつま弾く彗に、並んだ准と静湖。鎧はカウンタ内に入り、扇とともに立ち働く。
注文のやりとりが落ちつくと、彗が話題を蒸し返した。
「まぁ、人違いだとしても青い髪なんて。一体いつからその姿に? 記憶も曖昧みたいだし、生まれはなんだったんでしょうね?」
あ……、と准は目からうろこが落ちる思いがした。鎧もぽん、と手を打つ。
「なるほど、新しく〈人〉になった子か! こりゃ久々だ、そうとなりゃ祝わねぇと」
准はきょとんとする静湖に改めて尋ねた。
「しず、〈人〉になる前のこと、なにかわかる?」
「なんのこと……?」
「わからねぇか、まぁ無理もねぇ。しかし扇、先を越されちまったなぁ」
「私は現状で不足ありません」
静湖は首をかしげ、鎧と扇のやりとりを見つめる。准は、思い浮かんだ考えをそのまま話した。
「しずは、みかげさんのもとにいたなにかだったのかな。生きもの、あるいは物に心が宿ることもある。鎧さんは、鉱物の生まれだよ」
「鎧さんが……鉱物?」
静湖は目をぱちくりとさせ鎧を見あげる。鎧は照れるように、はは、と笑った。
「混乱するだろ。俺は色無森の洞窟に生えた紫水晶だったのよ。それがあるときから〈人〉に近いことを考えるようになり──気づいたらこの姿になってたのさ。うちの客は、たいてい皆そんな生まれよ」
「准も?」
静湖が見開いた目を准に向ける。
「僕は狼の生まれだよ」
「狼は狼でも、天翔ける天狼だ」
鎧が威勢よく口を挟む。天狼の生まれだと明かすことに、准は抵抗はないが、自分からは口にしない。数少ない一族はもはや散り散りになり、〈人〉になってしまった准にわかることはほとんどない。
静湖はしばらくぽかんとしていた。
「……どういうこと? ここは魔法の国なの?」
カクテルをあおりながら彗が答える。
「湖の力で、皆〈人〉になると言われてますよ。聖なる湖と呼ばれるだけあって、湖には〈流〉の力が満ちているとか」
「〈流〉の力で、〈人〉になるの?」
尋ねた静湖に、彗は楽器をかかげて、にか、と笑い返した。
「〈流〉の力とは、すなわち音楽の力。動物や鳥だって歌い、花や木や鉱物も音を響かせるのは得意ですがね、やはり音楽の申し子は〈人〉だという。音楽の力を浴び続けたものたちは、音楽を極めるべく〈人〉にさせられるんですと──受け売りですけどね」
「星ノ実ソーダ二つ、お待たせしました」
扇が、准と静湖の前にグラスを置く。
今しがた交わされた話を考えるように、静湖はソーダ水をのぞいていた。准はその姿に親しみを覚えた。そう、准も〈人〉になったばかりの頃は、右も左もわからず戸惑ったものだ。この店に拾われていなければ、街にさまよい出てのたれ死んでいたかもしれない。
「クッキーも焼けています。ご入り用ですか」
淡々とした扇の声に、静湖が目を輝かせ顔をあげる。
雨の午後はわいわいと過ぎ、夕刻になって彗は森のねぐらへ帰っていった。准は屋根裏部屋に静湖を招き、夜を明かした。
*
0
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
私の存在
戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。
何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。
しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。
しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
【完結】悪役令嬢の身代わりで処刑されかけた侍女、悪人面強面騎士にさらわれる。
雨宮羽那
恋愛
侍女リーリエは、処刑される予定の主・エリーゼと容姿がそっくりだったせいで、身代わりとして処刑台へ立たされていた。
(私はエリーゼ様じゃないわ!)と心の中で叫んだ瞬間、前世の記憶がよみがえり、ここが読みかけだった悪役令嬢ものの小説の世界だと気づく。
しかも小説ではエリーゼが処刑されるはずなのに、リーリエが処刑されかけているという最悪の展開。
絶体絶命の瞬間、リーリエの前に現れたのは強面で悪人面の騎士ガウェイン。
彼はなぜかリーリエを抱えあげ連れ去ってしまい――?
◇◇◇◇
※全5話
※AI不使用です。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる