28 / 30
第一章
第28話
しおりを挟む
おはようございまーすっと。まだ朝というには暗すぎる時間帯だが、ここに潜っていれば時間も潰せるだろう。アリアの様子も見ておきたいし。なんだかんだ一人にさせちゃったからな。
そんなわけで、in 生産世界。相も変わらず人のいない町といった様相だ。原動くんからすると建築のゲームでもしているような感覚だからな。いつか住む人が増えたりするなら使うこともあるだろうし、何より何もないよりかはある方が見映えが良いからどんどん造って欲しい。
「それで、アリアは…あそこか」
マコトさんが作った毒沼でスキルの練習をしているアリアを見つけた。
「やほ、アリア。調子はどうだい?」
「あ、オーマ様。悪くないです。というより、悪くなりようが無いことはよく知ってますよね」
「会話の定型みたいなものだろう?」
「そうですか。それで、何しに来たんですか?」
「アリアの様子を見に来たのと、ステータスの確認とスキルの試し打ちに来たんだ。一応、ここから離れたところでやるけど、出来れば家に戻っておいて。何があるか分からないから。原動くんの家なら大抵は大丈夫だろうからね」
「分かりました。この水は汲んでいっても良いですかね?」
「良いと思うよ。後でマコトさんには自分で言っておいてね」
「はい。それでは。あ、用事が済んだら一度戻ってきてください。ごはん作って待っておきますから」
「はーい、ありがと。いってきまーす」
よし。それじゃあ、ステータスの確認していこう。
≪ステータス≫
名前:悪鬼 桜満
種族:悪鬼族
年齢:17
職業:観察者・暗殺者
レベル:2
筋力:5000
耐久:100
知力:100
精神:7000[操作不可]
敏捷:100
ステータスポイント:50
【固有スキル】
『無個性Lv.1』
『融合』
『四字熟語』
『生産世界の創造者』
『災いの悪鬼』
『災厄の目覚め』
あらぁ、やっぱり種族変わってますねぇ。人間辞めちゃってますねぇ。スキルもちょっと変わってるけど。
『融合』
削除する必要なんてない。手間をかけて合成する必要なんてない。例え必要ないと思うものでも合わされば気にする必要なんてない。
『災厄の目覚め』
人を辞め、それを自覚した。人であれば存在した善なる才は、悪鬼となり厄を呼び込む業と化した。
スキルの変更はこれだけ。『削除・合成』の制御が効かなくなって、『災厄の目覚め』は害を広げる類いの能力が目覚めやすくなるらしい。特に変わったことはないからどうでもいいか。
まぁ不老不死の時点で人間を辞めたことに後悔はない。ただ面倒くさいことが一つ。人間至上主義の国に入る時だ。当分この国に滞在するつもりとはいえ、国によっては人族かそれ以外かを探知する罠が張ってあるらしい。そこにも行ってみたいが、やっぱり面倒なことになるのはだるいから穏便に行きたい。
「ていうか、そういや使ったことなかったな、これ。『災いの悪鬼』」
軽い気持ちで使ってみる。
「いてっ、あててててて」
こめかみと額に痛みを感じる。撫でてみると角が生えていた。こめかみからこめかみまで9本の角が。
「はぁー。ありきたりではあるけどね、鬼に角っていうのは。スキル発動で出し入れできるのは良いけど」
他にも色々できるようだが、ここで使うものでもない。脅しとか悪戯に使える能力セットって感じだ。
「他に変化は特になし。あるとすれば」
悪意の加速的増加ってところだな。どんなやつにでも手当たり次第に厄を振り撒きたい気分になる。高笑いしたい気分だし、頭の鈍痛がやけに遠のいていく気がする。
有り体にいえば、めっちゃ興奮する。
一応アリアから離れておいて良かった。近くにアリアが居たら、被害にあっていたかもしれない。それをしたら、アリアのことをめちゃくちゃに気に入っているマコトさんにミンチにされていただろうし、その後の関係に亀裂が走ったり、僕個人の社会的地位が底辺を越える底辺におちることになっていただろう。そうならなくて良かった。
まあ、例え抑えることができなかったとしても、アリアのステータスを突破することは不可能だったので傷をつける心配はほとんどないんだが。その後に心に傷を負うかもしれないからそうならないに越したことはないよね。
アリアなら何も気にしないどころか、意外と肝が据わっているので弱みをしっかり握られて、逆にこっちが服従させられる気もする。ご主人様、わたくしはあなたの忠実なる奴隷です。なんつってね。
何はともあれ、スキルの試しとステータス確認が無事に出来て良かった。一応、今度町の外に出て悪党にでも試しておくことにしよう。
取り敢えず気分を落ち着けてから、アリアとご飯を食べることにしよう。
〔あ、お帰りなさいオーマ様。ご用は済みましたか?〕
「うん。大したことでもないからね。すぐ終わったよ」
〔そうですか。これからまた出かけるんですよね?〕
「そうだね。夜になったら一度ここに来ようと思ってるけど」
〔それならこれ持っていってください。お弁当です。中身はサンドイッチだけなのですが〕
「お、ありがと。じゃ、行ってくるね。それとも一緒に行く?」
〔いえ、忌子とされるのはどこでも一緒なのでなるべく外には行きたくないんです〕
「そっか。じゃあ何かお土産買ってくるから楽しみにしててね。行ってきます」
〔はい。行ってらっしゃいませ〕
やっぱり、外に一緒に行くのは怖いだろうな。例え死なないとしても。僕にはあんまりわかんないけど、みんながみんな敵に見えるってのは苦しいんだろうな。
敵はみんな殺してしまえばいいと、物騒な考え方しているせいでアリアの優しい考えが分からないのもあるのかも。
いつか何も気にならなくなって、自分の意思で歩けるようになるといいな。
他人の意思や行動でねじ曲げられた欲求ほど、後悔を生むものは無いんだから。
少なくともその後悔を彼女は得るべきではない。得させてはならない。あれは苦しく足を止めさせ、息を詰まらせる。
僕だってもう二度と感じたくはない。だから好きに生きるって決めているんだ。
二度と友達を仲間を壊してはならない。壊すなら徹底的に敵を壊して、のんびり生きるんだ。そのためならいくらでも殺していこう。
そんなわけで、in 生産世界。相も変わらず人のいない町といった様相だ。原動くんからすると建築のゲームでもしているような感覚だからな。いつか住む人が増えたりするなら使うこともあるだろうし、何より何もないよりかはある方が見映えが良いからどんどん造って欲しい。
「それで、アリアは…あそこか」
マコトさんが作った毒沼でスキルの練習をしているアリアを見つけた。
「やほ、アリア。調子はどうだい?」
「あ、オーマ様。悪くないです。というより、悪くなりようが無いことはよく知ってますよね」
「会話の定型みたいなものだろう?」
「そうですか。それで、何しに来たんですか?」
「アリアの様子を見に来たのと、ステータスの確認とスキルの試し打ちに来たんだ。一応、ここから離れたところでやるけど、出来れば家に戻っておいて。何があるか分からないから。原動くんの家なら大抵は大丈夫だろうからね」
「分かりました。この水は汲んでいっても良いですかね?」
「良いと思うよ。後でマコトさんには自分で言っておいてね」
「はい。それでは。あ、用事が済んだら一度戻ってきてください。ごはん作って待っておきますから」
「はーい、ありがと。いってきまーす」
よし。それじゃあ、ステータスの確認していこう。
≪ステータス≫
名前:悪鬼 桜満
種族:悪鬼族
年齢:17
職業:観察者・暗殺者
レベル:2
筋力:5000
耐久:100
知力:100
精神:7000[操作不可]
敏捷:100
ステータスポイント:50
【固有スキル】
『無個性Lv.1』
『融合』
『四字熟語』
『生産世界の創造者』
『災いの悪鬼』
『災厄の目覚め』
あらぁ、やっぱり種族変わってますねぇ。人間辞めちゃってますねぇ。スキルもちょっと変わってるけど。
『融合』
削除する必要なんてない。手間をかけて合成する必要なんてない。例え必要ないと思うものでも合わされば気にする必要なんてない。
『災厄の目覚め』
人を辞め、それを自覚した。人であれば存在した善なる才は、悪鬼となり厄を呼び込む業と化した。
スキルの変更はこれだけ。『削除・合成』の制御が効かなくなって、『災厄の目覚め』は害を広げる類いの能力が目覚めやすくなるらしい。特に変わったことはないからどうでもいいか。
まぁ不老不死の時点で人間を辞めたことに後悔はない。ただ面倒くさいことが一つ。人間至上主義の国に入る時だ。当分この国に滞在するつもりとはいえ、国によっては人族かそれ以外かを探知する罠が張ってあるらしい。そこにも行ってみたいが、やっぱり面倒なことになるのはだるいから穏便に行きたい。
「ていうか、そういや使ったことなかったな、これ。『災いの悪鬼』」
軽い気持ちで使ってみる。
「いてっ、あててててて」
こめかみと額に痛みを感じる。撫でてみると角が生えていた。こめかみからこめかみまで9本の角が。
「はぁー。ありきたりではあるけどね、鬼に角っていうのは。スキル発動で出し入れできるのは良いけど」
他にも色々できるようだが、ここで使うものでもない。脅しとか悪戯に使える能力セットって感じだ。
「他に変化は特になし。あるとすれば」
悪意の加速的増加ってところだな。どんなやつにでも手当たり次第に厄を振り撒きたい気分になる。高笑いしたい気分だし、頭の鈍痛がやけに遠のいていく気がする。
有り体にいえば、めっちゃ興奮する。
一応アリアから離れておいて良かった。近くにアリアが居たら、被害にあっていたかもしれない。それをしたら、アリアのことをめちゃくちゃに気に入っているマコトさんにミンチにされていただろうし、その後の関係に亀裂が走ったり、僕個人の社会的地位が底辺を越える底辺におちることになっていただろう。そうならなくて良かった。
まあ、例え抑えることができなかったとしても、アリアのステータスを突破することは不可能だったので傷をつける心配はほとんどないんだが。その後に心に傷を負うかもしれないからそうならないに越したことはないよね。
アリアなら何も気にしないどころか、意外と肝が据わっているので弱みをしっかり握られて、逆にこっちが服従させられる気もする。ご主人様、わたくしはあなたの忠実なる奴隷です。なんつってね。
何はともあれ、スキルの試しとステータス確認が無事に出来て良かった。一応、今度町の外に出て悪党にでも試しておくことにしよう。
取り敢えず気分を落ち着けてから、アリアとご飯を食べることにしよう。
〔あ、お帰りなさいオーマ様。ご用は済みましたか?〕
「うん。大したことでもないからね。すぐ終わったよ」
〔そうですか。これからまた出かけるんですよね?〕
「そうだね。夜になったら一度ここに来ようと思ってるけど」
〔それならこれ持っていってください。お弁当です。中身はサンドイッチだけなのですが〕
「お、ありがと。じゃ、行ってくるね。それとも一緒に行く?」
〔いえ、忌子とされるのはどこでも一緒なのでなるべく外には行きたくないんです〕
「そっか。じゃあ何かお土産買ってくるから楽しみにしててね。行ってきます」
〔はい。行ってらっしゃいませ〕
やっぱり、外に一緒に行くのは怖いだろうな。例え死なないとしても。僕にはあんまりわかんないけど、みんながみんな敵に見えるってのは苦しいんだろうな。
敵はみんな殺してしまえばいいと、物騒な考え方しているせいでアリアの優しい考えが分からないのもあるのかも。
いつか何も気にならなくなって、自分の意思で歩けるようになるといいな。
他人の意思や行動でねじ曲げられた欲求ほど、後悔を生むものは無いんだから。
少なくともその後悔を彼女は得るべきではない。得させてはならない。あれは苦しく足を止めさせ、息を詰まらせる。
僕だってもう二度と感じたくはない。だから好きに生きるって決めているんだ。
二度と友達を仲間を壊してはならない。壊すなら徹底的に敵を壊して、のんびり生きるんだ。そのためならいくらでも殺していこう。
0
あなたにおすすめの小説
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる