女騎士アリア~凌辱の限りを尽くされながら、女だけのパーティは魔王討伐を目指す~

タバスコ野郎

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第40話 裸の勝者たち

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 アロケスは、獰猛な獅子の顔で躍りかかって来た。
 
 ガキィィィィン!

 アロケスとアリアの刃が交わり火花を散らす。

「くっ!」
「アリア様!」
 鍔迫り合いの二人を前に、ミサキが薙刀を振り下ろす。が、大上段に構えたミサキに向かって、アロケスは雷の呪文を放った。
 魔物の手から放たれた稲妻がミサキに突き刺さる。
「アアアアアアッ!」

 この隙にとアリアが蹴りを繰り出すが、アロケスは片手で剣を持ち、アリアの剣を抑えている。
「凄い力だわ」
「二人とも下がって!」
 見るとリーザが両手の先に燃え盛る火球を浮かべ、構えている。
 しばらく動けずにいるミサキを抱え、アリアが下がると同時にリーザは火球を放った。
「グオオオオッ!」

 火球は見事にアロケスを捕らえた。アケロスが大きくよろめく。
「ハアッ!!」
 すかさずそこへ次の魔法を繰り出す。だが襲い来る氷塊をものともせず、獅子の魔物は突進してきた。

 大きな剣で斬りかかる。
「速い!」
 見た目に反して素早い動きで攻撃してくる魔物を相手に、アリアは防戦一方だった。

「アリア様!」
 リーザに回復してもらったミサキが懐から飛び道具を投げた。故国に伝わる飛び苦無くないである。
 巨人の目を刺したのもこれであった。

 アロケスは飛びすさって苦無をかわすと、ミサキとリーザの所へ突進し、鋭い爪を振り下ろした。
 ズバアァッ!

「キャアアアッ!」
 ミサキの白衣しらぎぬが切り裂かれ、胸元がはだける。大きさでは仲間二人には及ばぬものの、若々しい胸がこぼれた。
「うおおっ!」
 斬りかかろうとしていたアロケスがそれを見て怯んだ。

「そうか、この手があった!」
 閃いたリーザはスリットをめくり、白い脚を見せつけた。
「ほーら、こっち見て、ライオンちゃん」
 だが、侮辱されたにもかかわらず、攻撃も出来ずにアロケスは目を背けている。

「アリア、ミサキ、二人とも着ているものを脱いで!」
 魔法使いは仲間たちに呼びかけた。

「どういうことなのリーザ」
「服を脱ぐなんて嫌ですよ、わたくし」
「いいから脱ぐの! アイツにはそれが一番効くのよ。ほら早く!」

 そう言うとリーザは嫌がるミサキの服を脱がせにかかった。
「ちょっ、やめっ、リーザさん!? やめてください!」
「あーもう脱がせにくいわねこの服! いっそ燃やしちゃおうかしら」

 二人の女がくんずほぐれつしている様子を、アロケスは正視することが出来ない。
「うっうっ……。女の人に無理矢理脱がされるなんて……」
 ようやくのことで魔法使いが巫女の袴を脱がし終えると、自らも服を脱ぎながら女騎士を促した。
「早くったらアリア!」
「わ、分かったわよ。今脱ぐから。でもさすがに全裸ってことはないわよね?」
 アリアは鎧の上半身部分を脱ぎ去った。

 三人の美女たちが身に着けているものは、それぞれ下半身の下着一枚になっていた。アリアだけは元々が下着同然の格好なので、あまり普段と変わらないように見える。

 ミサキは半泣きの顔になっていた。
「ううっ、こんな格好、ご先祖様に顔向けが……」
「泣くんじゃないの! 見てみなさいよ、アイツのあの怯えよう。もうまともに戦えないわよきっと」
 確かにアロケスは裸の女たちに囲まれて、両手で顔を覆っている。

「貴様ら、何を考えているのだ! 女の身でよくもそんな……」

「フン、裸もロクに見られないくせに偉そうに。普通なら泣いて喜ぶところよ、こんな美人が三人も揃って裸になってくれてるんだから」
 巨乳を露わにしてリーザは仁王立ちしている。
 だがどうやら魔界の将軍とやらは喜ぶどころか完全に戦意を喪失してしまったらしい。
 こんな好機はそうそうあることではない。

「ちょっと不本意だけどリーザの言う通りね。よし、行くわよ二人とも!」
「了解!」
 アリアの掛け声とともに、リーザがいくつもの火球を叩きつける。
「グオオオオオオン!!」
 咆哮をも焼き尽くすように、火球が魔物を飲み込む。
 だがまだ倒れる気配はない。

「ミサキ! 今よ!」
「はいっ!」
 女騎士と巫女はそれぞれの武器を構え、獅子の魔物に斬りかかった。

「ぐああああああっ!!」
 魔物は鎧を着ているので、アリアは脳天を目がけて斬り下ろした。
 プルルンと揺れる白い乳房がアロケスの眼前に迫る。

「やめろおおおおお!」
 だが赤面して動揺した魔物には為す術なく女騎士の一撃が叩き込まれる。

 同時にミサキの薙刀が首元に突き刺さり、獅子は口から紫の血を噴き出した。
「お、おのれ……人間の女め……。卑怯な手を……」
 
「ミサキ、下がって!」
 なおも踏みとどまるアロケスに、リーザが極大の稲妻を落とした。
「ギャアアアアアアアアッ!!!」

 獅子の魔物は黒焦げになってついに絶命した。

「はぁっ、はぁっ……勝ったのね……」
「やりましたね、わたくしたち。ついに倒しましたよ、敵の幹部を」
「今回はちょっと敵の自滅だったわね。情けない百獣の王だったこと」


 ちょうどその時、玉座の間の扉が外から開けられた。
「ベルヴァルト殿、皆様、ご無事ですか!?」
 ヤンコフスキーたち義勇兵の一団が、一気になだれ込んできた。

「キャアアアッ!!」
 彼らがそこで見たものを完全に理解するには、いささかの時を要した。
 黒焦げの魔物の死体が転がっていた傍に、何故か下着一枚の美女三人が、慌てて胸を隠していたのである。。

「アンタたち、ノックぐらいしなさいよ」


 クルムロフ城内は歓喜に沸き立った。
 つい先刻まで魔物に支配されていたエルムーデ王国の王城は、その城を慕う者たちの手により、支配者から解放されたのである。

 歓声の中で男泣きに泣くヤンコフスキーたちに、アリアは祝意を伝えた。
「おめでとうございます。貴殿の労苦が実りましたね」
「有難うございます、ベルヴァルト殿。本当に皆様には何とお礼を申し上げれば良いか……」
「礼などには及びません。前にお話ししたように、貴殿の境遇は私の境遇ですから。それよりも……」
 アリアは気掛かりなことを口にした。

「それよりも大変なのはここからですね。御国の再興は、簡単なことではないでしょう」
「いや、大丈夫ですよ。王都奪還の報が駆け巡れば、民は必ずここに戻って来るでしょう。みんなで一からやり直します」
 答えるヤンコフスキーのその目は、すでに未来を見ているように澄み切っていた。

 アリアは口調を改めて最後の命令を伝えた。
「では隊長、負傷者の手当てを終えたのち、隊列を整え城下に戻る。犠牲者を埋葬し黙祷を捧げよう。魔物の気配は消えたが、周囲の警戒を怠るな」
「はっ!」
 剛直な武人とその部下たちは一斉に腰を折って、ルビーの色に輝く髪を翻して立ち去る指揮官を見送った


 その夜、ネロスの中央にある大きな広場では、ささやかな祝宴が催された。
 散り散りになった住民たちは未だ還らず、王国の再建はまだ始まってもいないが、せめて今晩だけでも戦勝を祝いたかったのである。
 ラルーク公国からもらった食料にはまだ余裕があり、一晩くらいならとアリアが許可を出した。

「皆、本当にご苦労だった。辛い戦いだったが、よくこの未熟な私について来てくれた。ありがとう。今夜はしっかり食べて、ゆっくり休んでくれ。では乾杯!」
 緋色の髪の女騎士が杯を掲げると、割れんばかりの歓声が夜空にこだました。
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