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第46話 邪悪なる王
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アリアたちが君主会議に出席するニ、三日前。
闇に包まれた城内の一角で、ザーベナルトは甲高く気味の悪い笑い声を漏らした。
「ついに出来たぞ、完成だ。これで魔王様はようやくお体を取り戻し、完全に復活なさることが出来るのだ」
それは、長い歳月をかけた苦労がようやく実った瞬間だった。
ザーベナルトは自らが作り上げた異形の装置を見上げた。
その装置は、魔族であり、作り出した本人でもあるザーベナルトから見ても不気味な造形であった。
全体が真っ黒な上に、人間とも魔物ともつかぬ者たちが無数に絡み合うようにして形作られているのが分かる。
横に長い土台とその後ろに壁のようなものが立っていて、土台からは人が立ったまま入るような形の構造物が突き出しており、そこに透明な扉がついているのだった。
その扉の中には人の股間が当たる部分に台座があり、そこからは男根を模したような黒い突起が出ている。そして無数の管がその台座に繋がっていた。
そしてその構造物の隣には、巨大な魔物の手が親指と人差し指で輪を作っている。
「これが成功すればオレはあのバルグレンの野郎を抜いて、功績第一になるのは間違いない。魔王様の最側近の座はオレのものだ」
自分の人生に彩りを添えるべく、ザーベナルトはフードを被ってバルグレンを呼びに行った。
ほどなくして、ザーベナルトに伴われて主である宝玉を両手に捧げ持ったバルグレンが現れた。その後ろからは、屈強な魔物に引きずられるようにして裸のレオノーラが姿を見せた
一行が異形の装置の前に出ると、ザーベナルトは輪を作っている巨大な指の爪の先にできた隙間に、それまでバルグレンが恭しく捧げ持っていた青い宝玉をはめ込んだ。
「さあ、次は王女殿下の番ですよ。お入り下さい」
ザーベナルトは慇懃な笑みを浮かべ、手のひらでその禍々しい装置を指し示した。
「嫌です! そんなところには入りません!」
「ふむ。そう仰るだろうと思っておりましたよ。お前たち、やれ」
その声を聞くや、頭に角を二本生やした屈強な魔物たちは、無理矢理王女の身体をその装置の中へと押し込んだ。
扉の中の台座から生えた突起に、王女の割れ目をあてがう。
「ひっ! な、何を……」
恐怖に顔を引きつらせる王女を、そのまま勢いよく台座の突起に押しつけた。
「あぐううっ!」
膣内に不快な異物感が広がる。
そして裸のレオノーラを人の形をした空間にぴったりと嵌めると、両手両足を装置に付いていた枷で縛めた。
「イヤぁッ! やめて! 何をする気なの!?」
「お慶び下さいレオノーラ王女様。貴女様は今宵、偉大なる魔王様を完全に復活させるという素晴らしい功績を残されるのです。そう、我ら魔族にとって永遠に語り継がれる立派な功績をね」
そう言って装置に取り付けられた透明な扉を閉めると、常軌を逸したかと思うほどのけたたましい笑い声でザーベナルトは笑い、装置から突き出た把手を握って下へと一気に下ろした。
すると不気味な音とともに装置が振動し、レオノーラが跨る台座に繋がった管が、淡い金色の光を帯び始めた。
それと同時にレオノーラの下腹部も明るい金色に光り始め、やがてその光は徐々に強くなっていった。
レオノーラは扉の中で悶え苦しんでいるが、外にいる者たちには何も聞こえない。仮に聞こえたとしても状況を変えてくれることはなかっただろう。
「おお、この光はまさしくあの時の……! 千年ぶりに見るが確かにこの光だった。成功か? ザーベナルトよ」
バルグレンは傍らの魔導士に、やや興奮気味に訊ねた。
「肝心なのはこれからですよ」
注意深くザーベナルトが見守っている前で、王女の身体に宿った光はさらに強さを増し、それに応じるように王女は仰け反るように身体を引きつらせている。
そして、振動と共に王女が激しく身悶え始めると透明な扉に閉ざされた装置の中は、光で満たされた。
やがて、そのまばゆい光が扉の隙間から外に溢れだすほどになった時、巨大な指の先に嵌め込まれた青い宝玉が、にわかに眩しく輝きだした。
「さあ、いよいよです。遂に魔王様が千年ぶりにお体を取り戻されますぞ」
いつしかザーベナルトの表情は高揚し、普段は陰気なはずの両目は輝きを帯びてきている。
しばらくしてその輝きは闇を閉じ込めたような漆黒へと変わったかと思うと、宝玉から一気に真っ黒な煙が噴き出した。
その煙は室内を疾走するように一巡りした後、装置の前で一旦止まると、一見してわかるほどにはっきりとした大きな人型に形を変えた。
背の高さは、長身のバルグレンよりもさらに高いようだ。
やがて煙は徐々にその濃度を薄め、中から巨大な角と牙を生やし、獰猛そのものの顔つきをした人型の魔物が、ゆっくりと姿を現した。
身体は赤黒い色の筋肉質の肌が剥き出しになっており、ところどころ鋼鉄のような黒い装甲を着けている。
顔は恐ろしい表情をしていて、一見人間のようにも見えるが、二本の大きな角が曲線を描くように天に向かってそびえ立っている様子は、明らかに人間界の生物とは思えない。
両目は黄色い目玉が炯々と光っており、手足は人間の男の倍ほどの太さがある。
球体は黒い霧を吐き出しきった後、無色透明になって沈黙した。
完全に煙が消え去った時、その魔物は天を仰いで咆哮した。
千年の封印を破り、魔族の王を名乗る者が、ついにかつての肉体を取り戻したのである。
闇に包まれた城内の一角で、ザーベナルトは甲高く気味の悪い笑い声を漏らした。
「ついに出来たぞ、完成だ。これで魔王様はようやくお体を取り戻し、完全に復活なさることが出来るのだ」
それは、長い歳月をかけた苦労がようやく実った瞬間だった。
ザーベナルトは自らが作り上げた異形の装置を見上げた。
その装置は、魔族であり、作り出した本人でもあるザーベナルトから見ても不気味な造形であった。
全体が真っ黒な上に、人間とも魔物ともつかぬ者たちが無数に絡み合うようにして形作られているのが分かる。
横に長い土台とその後ろに壁のようなものが立っていて、土台からは人が立ったまま入るような形の構造物が突き出しており、そこに透明な扉がついているのだった。
その扉の中には人の股間が当たる部分に台座があり、そこからは男根を模したような黒い突起が出ている。そして無数の管がその台座に繋がっていた。
そしてその構造物の隣には、巨大な魔物の手が親指と人差し指で輪を作っている。
「これが成功すればオレはあのバルグレンの野郎を抜いて、功績第一になるのは間違いない。魔王様の最側近の座はオレのものだ」
自分の人生に彩りを添えるべく、ザーベナルトはフードを被ってバルグレンを呼びに行った。
ほどなくして、ザーベナルトに伴われて主である宝玉を両手に捧げ持ったバルグレンが現れた。その後ろからは、屈強な魔物に引きずられるようにして裸のレオノーラが姿を見せた
一行が異形の装置の前に出ると、ザーベナルトは輪を作っている巨大な指の爪の先にできた隙間に、それまでバルグレンが恭しく捧げ持っていた青い宝玉をはめ込んだ。
「さあ、次は王女殿下の番ですよ。お入り下さい」
ザーベナルトは慇懃な笑みを浮かべ、手のひらでその禍々しい装置を指し示した。
「嫌です! そんなところには入りません!」
「ふむ。そう仰るだろうと思っておりましたよ。お前たち、やれ」
その声を聞くや、頭に角を二本生やした屈強な魔物たちは、無理矢理王女の身体をその装置の中へと押し込んだ。
扉の中の台座から生えた突起に、王女の割れ目をあてがう。
「ひっ! な、何を……」
恐怖に顔を引きつらせる王女を、そのまま勢いよく台座の突起に押しつけた。
「あぐううっ!」
膣内に不快な異物感が広がる。
そして裸のレオノーラを人の形をした空間にぴったりと嵌めると、両手両足を装置に付いていた枷で縛めた。
「イヤぁッ! やめて! 何をする気なの!?」
「お慶び下さいレオノーラ王女様。貴女様は今宵、偉大なる魔王様を完全に復活させるという素晴らしい功績を残されるのです。そう、我ら魔族にとって永遠に語り継がれる立派な功績をね」
そう言って装置に取り付けられた透明な扉を閉めると、常軌を逸したかと思うほどのけたたましい笑い声でザーベナルトは笑い、装置から突き出た把手を握って下へと一気に下ろした。
すると不気味な音とともに装置が振動し、レオノーラが跨る台座に繋がった管が、淡い金色の光を帯び始めた。
それと同時にレオノーラの下腹部も明るい金色に光り始め、やがてその光は徐々に強くなっていった。
レオノーラは扉の中で悶え苦しんでいるが、外にいる者たちには何も聞こえない。仮に聞こえたとしても状況を変えてくれることはなかっただろう。
「おお、この光はまさしくあの時の……! 千年ぶりに見るが確かにこの光だった。成功か? ザーベナルトよ」
バルグレンは傍らの魔導士に、やや興奮気味に訊ねた。
「肝心なのはこれからですよ」
注意深くザーベナルトが見守っている前で、王女の身体に宿った光はさらに強さを増し、それに応じるように王女は仰け反るように身体を引きつらせている。
そして、振動と共に王女が激しく身悶え始めると透明な扉に閉ざされた装置の中は、光で満たされた。
やがて、そのまばゆい光が扉の隙間から外に溢れだすほどになった時、巨大な指の先に嵌め込まれた青い宝玉が、にわかに眩しく輝きだした。
「さあ、いよいよです。遂に魔王様が千年ぶりにお体を取り戻されますぞ」
いつしかザーベナルトの表情は高揚し、普段は陰気なはずの両目は輝きを帯びてきている。
しばらくしてその輝きは闇を閉じ込めたような漆黒へと変わったかと思うと、宝玉から一気に真っ黒な煙が噴き出した。
その煙は室内を疾走するように一巡りした後、装置の前で一旦止まると、一見してわかるほどにはっきりとした大きな人型に形を変えた。
背の高さは、長身のバルグレンよりもさらに高いようだ。
やがて煙は徐々にその濃度を薄め、中から巨大な角と牙を生やし、獰猛そのものの顔つきをした人型の魔物が、ゆっくりと姿を現した。
身体は赤黒い色の筋肉質の肌が剥き出しになっており、ところどころ鋼鉄のような黒い装甲を着けている。
顔は恐ろしい表情をしていて、一見人間のようにも見えるが、二本の大きな角が曲線を描くように天に向かってそびえ立っている様子は、明らかに人間界の生物とは思えない。
両目は黄色い目玉が炯々と光っており、手足は人間の男の倍ほどの太さがある。
球体は黒い霧を吐き出しきった後、無色透明になって沈黙した。
完全に煙が消え去った時、その魔物は天を仰いで咆哮した。
千年の封印を破り、魔族の王を名乗る者が、ついにかつての肉体を取り戻したのである。
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