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第74話 それぞれの試練
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「畏れながら魔王様」
静々と申し出たのはザーベナルトだった。
「何か」
「はっ。誠に畏れ多いことながら、臣、ザーベナルトめが魔王様にお願いしたき儀がございます」
「申せ」
魔王は特段気分を害した風でもなく言った。
「魔王様の御意を得て申し上げます。残る女たちのうち、金髪の魔法使いを臣に賜りとう存じますが、いかがでございましょうや」
「ほう。なぜこの女が良いのだ?」
「この者は人間離れした魔力を持っております。是非とも研究し、その魔力を人間が持ちえた理由を明らかにしとうございます。今後のお役に立てるかもしれませぬゆえ」
「ならぬ。こやつらは余に仇をなそうとしたのだ。断じて許しがたい。即刻殺せ」
魔王は冷酷に命じたが、ふと顔つきを改めて、臣下の魔導士の方を向いた。
「いや待て、忠実なる我が股肱の臣よ。これまでのお前の功績は、バルグレンにも劣らぬ大きなものだ。それにそなたの言う通り、研究とやらは必要かもしれぬ」
魔王はしばしの思案の後、臣下に言った。
「よかろう。そなたの希望通り金髪の方は褒美としてくれてやろう。お前の好きにするがいい」
主の思いがけない気前の良さに、魔導士は貧相な顔に望外の喜びの表情を浮かべた。
「恐れ多いお言葉、誠に恐悦至極に存じます」
「ちょっとアンタたち、勝手なこと言ってんじゃないわよ。誰がこんな根暗野郎の相手なんか……」
だが抗議の声も虚しく、リーザは再び一つ目の魔物に引きずり上げられ、何処かへと連れて行かれた。
「キャアアッ! 放しなさいよ! このっ!」
「リーザさん!」
「クックックッ。魔王様、それでは失礼致します」
慇懃に頭を下げ、ザーベナルトはリーザの後について魔王の前を下がった。
「さて、そうなるとお前も誰かにくれてやろうか」
魔王が問いかけたのは黒髪の巫女だった。
「く、くれるって……どういう意味です?」
ミサキはおずおずと問い返した。
「うむ、あやつがよかろう」
魔王は呟くと、良く響く声で臣下の名を呼んだ。
「レオノーラ! 出でよ、我が下僕よ!」
するとミサキの前に突然、かつてのラルディール王国の王女が現れた。
以前に来ていた汚れたドレスではなく、黒い下着姿である。
ほぼ裸同然で身体を隠す部分は余りにも小さかったが、それがかえって全裸よりも淫らな雰囲気を演出していた。
「レオノーラよ。この娘をお前にやる。こちらの側に堕とし、お前の仲間とせよ」
「はっ。有り難き幸せ」
奴隷となったレオノーラは、主に礼を言うと一つ目の魔物に向かって顎をしゃくり、ミサキを連行させた。
「いたっ、引っ張らないで! アリア様! アリア様、どうか返事をして下さい! このままではわたくしたちは魔王に負けてしまうんですよ!?」
だが、ミサキが呼びかけた相手は、かつての薫風の様な柔らかな微笑みも、研ぎ澄まされた切っ先の様な鋭い眼光もなく、ただ虚ろな眼差しを宙に浮かべているだけだった。
「諦めろ。魔王様の淫紋にかかって正気を取り戻せた人間はいない。さぁ、お前も来い」
完全に口調の変わったレオノーラの合図でサイクロプスによって引き離され、ミサキはリーザと同じように何処かへ連れて行かれてしまった。
「フハハハハ! アリアよ、喜べ。お前には死ぬまで余の相手を務めさせてやろう。人間の女は我ら魔族と交わると、気も狂わんばかりの悦びを得ることが出来るらしいからな。フハハハハ!」
魔王が高らかに笑い声を上げた時だった。玉座の間に鎧を着けた魔物が二体飛び込んできた。
「申し上げます! 三階の水鏡の間に詰めていたミイラ兵たちが何者かによって全滅しました! 敵が城内に侵入している模様です」
「馬鹿な。海上の連合軍は追い払ったのではなかったのか」
魔王に詰られ、二体の魔物は震えあがった。
「か、艦隊を組んできた人間たちはすでに沿岸近くまで撤退しました。ですが、また別の敵が城内に現れたものと思われます」
「バルグレンはどうした。奴に相手をさせろ」
「はっ。それが、バルグレン様は先ほどから所在が掴めず……」
それに答えた鎧姿の魔物は言い終えることなく、魔王の放った雷撃によって粉砕された。一体残された魔物は、慄いた態で主君の言葉を受け止める。
「おのれ役立たずどもが! 貴様はとにかくバルグレンを探して奴に伝えろ。何人も生かして帰すなとな」
震えながら戻って行く臣下を送り出した魔王は、人形のように表情を消したアリアを連れて階上の魔王の居室へと、石の重厚な階段を上がって行った。
薄暗い部屋の中で、暖炉の火が赤々と燃えている。
その明かりに照らされて、白い肌が浮かび上がる。
試験管やフラスコなど様々な実験道具に囲まれた部屋の中央に、鉄の枠に鎖で繋がれている女がいた。
「クックックッ。やっと貴女を手に入れられましたよ。魔女さん」
部屋の主は、囚われの女に向かって言った。
「それにしても美しい。まさに芸術の域だ。この美しい顔と身体に、我ら魔族ですら怯むほどの魔力が備わているとは、人間の神とやらは不公平なことをなさる」
「フンッ、何が神よ。この魔力はね、神様なんかに貰ったもんじゃないの。自分で手に入れたの。色んなものと引き替えにね。神なんかに頼っちゃいないのよ。わかった? 根暗野郎」
話しながら、先ほどザーベナルトによって首に嵌められた金色の輪が気になっていた。外したいが手が届かない。
だがリーザの悪態も、意中の人を手に入れた喜びに浸っているザーベナルトには響かなかったらしい。
「そう、それですよ。貴女はその魔力を自分で手に入れたと言う。しかしどうやって? 確かに人間界にも魔法使いはいる。だが貴女の魔力は規格外だ。なぜただの人間に、そんなことができたのか」
普段のザーベナルトを知るものが居たら驚嘆を禁じ得ないであろう。彼は何者かに操られるようにして、熱を帯びた口調で言った。
「私はそれが知りたい」
「バカじゃないの? アンタの希望なんか私の知ったこっちゃないわよそんなの。それよりコートかなんか無いかしら? この部屋寒いんだけど」
直截な言葉に、さすがにザーベナルトの頬が引きつった。
「よろしい。ではこちらで勝手にやらせていただくとしましょう。いや、しかしその前に、貴女のその素晴らしい魔力を全て私の物にしなければ」
「はあ? 私の魔力をアンタのものにですって? やれるもんならやってみなさいよ!」
自信に満ちた敵の態度にリーザは苛立ち、Ⅹ字に拘束されたまま、相手を焼き尽くす炎熱の呪文を唱えた。
……つもりだったが、何も起こらない。
「あれ?」
もう一度やってみるが結果は同じ。
「そんな、なんで……」
「ククク。貴女の首に嵌まっているそれは私が作った道具でね。魔導器と呼んでいますが、呪文を封じる効果があるのですよ。貴女ほどの遣い手ではその状態でも相当な威力の呪文が出てくるでしょうからね、念のため嵌めておいたのですよ」
「クッ……」
「さてそれではいよいよ貴女の魔力をいただきますか」
貧相な顔に冷たい笑みを浮かべて、ザーベナルトは、部屋の奥からガラガラと何やら大きな物体を引きずって来た。一抱えほどもある透明な球体が、四角錐の台座に乗っている。
ザーベナルトはその台座から伸びた柔らかな管を、リーザの首輪に開いていた穴に差し込んだ。
「これを使うのは今日が初めてでしてね。まあ失敗しても死ぬだけですから安心なさい。さあ、行きますよ」
醜く歪んだ顔に自尊心を貼りつかせ、魔王軍の軍師と目される魔導士は、台座に付いた把手を倒した。
リーザの悲劇は、それを合図に始まったのだった。
静々と申し出たのはザーベナルトだった。
「何か」
「はっ。誠に畏れ多いことながら、臣、ザーベナルトめが魔王様にお願いしたき儀がございます」
「申せ」
魔王は特段気分を害した風でもなく言った。
「魔王様の御意を得て申し上げます。残る女たちのうち、金髪の魔法使いを臣に賜りとう存じますが、いかがでございましょうや」
「ほう。なぜこの女が良いのだ?」
「この者は人間離れした魔力を持っております。是非とも研究し、その魔力を人間が持ちえた理由を明らかにしとうございます。今後のお役に立てるかもしれませぬゆえ」
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魔王は冷酷に命じたが、ふと顔つきを改めて、臣下の魔導士の方を向いた。
「いや待て、忠実なる我が股肱の臣よ。これまでのお前の功績は、バルグレンにも劣らぬ大きなものだ。それにそなたの言う通り、研究とやらは必要かもしれぬ」
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「よかろう。そなたの希望通り金髪の方は褒美としてくれてやろう。お前の好きにするがいい」
主の思いがけない気前の良さに、魔導士は貧相な顔に望外の喜びの表情を浮かべた。
「恐れ多いお言葉、誠に恐悦至極に存じます」
「ちょっとアンタたち、勝手なこと言ってんじゃないわよ。誰がこんな根暗野郎の相手なんか……」
だが抗議の声も虚しく、リーザは再び一つ目の魔物に引きずり上げられ、何処かへと連れて行かれた。
「キャアアッ! 放しなさいよ! このっ!」
「リーザさん!」
「クックックッ。魔王様、それでは失礼致します」
慇懃に頭を下げ、ザーベナルトはリーザの後について魔王の前を下がった。
「さて、そうなるとお前も誰かにくれてやろうか」
魔王が問いかけたのは黒髪の巫女だった。
「く、くれるって……どういう意味です?」
ミサキはおずおずと問い返した。
「うむ、あやつがよかろう」
魔王は呟くと、良く響く声で臣下の名を呼んだ。
「レオノーラ! 出でよ、我が下僕よ!」
するとミサキの前に突然、かつてのラルディール王国の王女が現れた。
以前に来ていた汚れたドレスではなく、黒い下着姿である。
ほぼ裸同然で身体を隠す部分は余りにも小さかったが、それがかえって全裸よりも淫らな雰囲気を演出していた。
「レオノーラよ。この娘をお前にやる。こちらの側に堕とし、お前の仲間とせよ」
「はっ。有り難き幸せ」
奴隷となったレオノーラは、主に礼を言うと一つ目の魔物に向かって顎をしゃくり、ミサキを連行させた。
「いたっ、引っ張らないで! アリア様! アリア様、どうか返事をして下さい! このままではわたくしたちは魔王に負けてしまうんですよ!?」
だが、ミサキが呼びかけた相手は、かつての薫風の様な柔らかな微笑みも、研ぎ澄まされた切っ先の様な鋭い眼光もなく、ただ虚ろな眼差しを宙に浮かべているだけだった。
「諦めろ。魔王様の淫紋にかかって正気を取り戻せた人間はいない。さぁ、お前も来い」
完全に口調の変わったレオノーラの合図でサイクロプスによって引き離され、ミサキはリーザと同じように何処かへ連れて行かれてしまった。
「フハハハハ! アリアよ、喜べ。お前には死ぬまで余の相手を務めさせてやろう。人間の女は我ら魔族と交わると、気も狂わんばかりの悦びを得ることが出来るらしいからな。フハハハハ!」
魔王が高らかに笑い声を上げた時だった。玉座の間に鎧を着けた魔物が二体飛び込んできた。
「申し上げます! 三階の水鏡の間に詰めていたミイラ兵たちが何者かによって全滅しました! 敵が城内に侵入している模様です」
「馬鹿な。海上の連合軍は追い払ったのではなかったのか」
魔王に詰られ、二体の魔物は震えあがった。
「か、艦隊を組んできた人間たちはすでに沿岸近くまで撤退しました。ですが、また別の敵が城内に現れたものと思われます」
「バルグレンはどうした。奴に相手をさせろ」
「はっ。それが、バルグレン様は先ほどから所在が掴めず……」
それに答えた鎧姿の魔物は言い終えることなく、魔王の放った雷撃によって粉砕された。一体残された魔物は、慄いた態で主君の言葉を受け止める。
「おのれ役立たずどもが! 貴様はとにかくバルグレンを探して奴に伝えろ。何人も生かして帰すなとな」
震えながら戻って行く臣下を送り出した魔王は、人形のように表情を消したアリアを連れて階上の魔王の居室へと、石の重厚な階段を上がって行った。
薄暗い部屋の中で、暖炉の火が赤々と燃えている。
その明かりに照らされて、白い肌が浮かび上がる。
試験管やフラスコなど様々な実験道具に囲まれた部屋の中央に、鉄の枠に鎖で繋がれている女がいた。
「クックックッ。やっと貴女を手に入れられましたよ。魔女さん」
部屋の主は、囚われの女に向かって言った。
「それにしても美しい。まさに芸術の域だ。この美しい顔と身体に、我ら魔族ですら怯むほどの魔力が備わているとは、人間の神とやらは不公平なことをなさる」
「フンッ、何が神よ。この魔力はね、神様なんかに貰ったもんじゃないの。自分で手に入れたの。色んなものと引き替えにね。神なんかに頼っちゃいないのよ。わかった? 根暗野郎」
話しながら、先ほどザーベナルトによって首に嵌められた金色の輪が気になっていた。外したいが手が届かない。
だがリーザの悪態も、意中の人を手に入れた喜びに浸っているザーベナルトには響かなかったらしい。
「そう、それですよ。貴女はその魔力を自分で手に入れたと言う。しかしどうやって? 確かに人間界にも魔法使いはいる。だが貴女の魔力は規格外だ。なぜただの人間に、そんなことができたのか」
普段のザーベナルトを知るものが居たら驚嘆を禁じ得ないであろう。彼は何者かに操られるようにして、熱を帯びた口調で言った。
「私はそれが知りたい」
「バカじゃないの? アンタの希望なんか私の知ったこっちゃないわよそんなの。それよりコートかなんか無いかしら? この部屋寒いんだけど」
直截な言葉に、さすがにザーベナルトの頬が引きつった。
「よろしい。ではこちらで勝手にやらせていただくとしましょう。いや、しかしその前に、貴女のその素晴らしい魔力を全て私の物にしなければ」
「はあ? 私の魔力をアンタのものにですって? やれるもんならやってみなさいよ!」
自信に満ちた敵の態度にリーザは苛立ち、Ⅹ字に拘束されたまま、相手を焼き尽くす炎熱の呪文を唱えた。
……つもりだったが、何も起こらない。
「あれ?」
もう一度やってみるが結果は同じ。
「そんな、なんで……」
「ククク。貴女の首に嵌まっているそれは私が作った道具でね。魔導器と呼んでいますが、呪文を封じる効果があるのですよ。貴女ほどの遣い手ではその状態でも相当な威力の呪文が出てくるでしょうからね、念のため嵌めておいたのですよ」
「クッ……」
「さてそれではいよいよ貴女の魔力をいただきますか」
貧相な顔に冷たい笑みを浮かべて、ザーベナルトは、部屋の奥からガラガラと何やら大きな物体を引きずって来た。一抱えほどもある透明な球体が、四角錐の台座に乗っている。
ザーベナルトはその台座から伸びた柔らかな管を、リーザの首輪に開いていた穴に差し込んだ。
「これを使うのは今日が初めてでしてね。まあ失敗しても死ぬだけですから安心なさい。さあ、行きますよ」
醜く歪んだ顔に自尊心を貼りつかせ、魔王軍の軍師と目される魔導士は、台座に付いた把手を倒した。
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