勘とノリでやってたら、七戦士に選ばれた

札神 八鬼

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第六章 光の街トルマリン

ウオルクスハープ

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君達は、雲の上で眠ることを
夢見たことがあるだろうか。

この世界の創造神はそんなことを夢見ていたのか、
実際にこの世界では実現が可能だ。

何故かと言うと、この世界の雲は全部モンスターで、
ウオルクスハープという、雲の羊だからだ。

見た目はぬいぐるみのような愛くるしい姿で、
体の綿の部分はモフモフの雲。

速度は人間の徒歩と同じ速度で、
この世界では旅人の移動手段として使用される。

「なあ、スハープ呼ぼうぜもう
俺もう眠くなってきた」

「お前…いくら便利だからって、
スハープばかりに頼るんじゃない
それに、あのモンスターには欠点があるだろ」

「あああれか…
そりゃ雲だから行き先は勝手に決めるだろ」

スハープは便利ではあるのだが、
その代わり雲なので、行き先はスハープが決める。

運良く目的地に着くこともあれば、
全く別の場所に着くこともある。

だからこそ、目的地が決まっていない
旅人にとっては便利な移動手段なのだ。

「別の所に行ったら、
移動魔法を使えば良いよ
目的地に着いたらラッキーってことで」

「二度手間にならなければ良いのだが…」

「でもスハープは、
甘いお菓子が無いと近づきませんよ?」

「大丈夫だ、いつでもサボれるように
甘いお菓子は常備してある!」

「流石ですハワード様!」

そう、ウオルクスハープは、甘いお菓子を好み、
スハープを使う時はお菓子を見せると寄ってくる。

特に綿菓子が大好物で、見せると沢山の
ウオルクスハープが寄ってくるほどだ。

俺は鞄からお菓子が入った袋を取り出し、
ウオルクスハープに向かってお菓子を見せた。

ちなみにこれはイーツが作ったのだが、
彼女の女子力にはいつも驚かされている。

すると、お菓子の匂いを嗅ぎ付けたのか、
俺達の人数分のスハープが寄ってきた。

「光の街まで頼む」

「メェー」

スハープが美味しそうにお菓子を食べている中、
俺は触り慣れたスハープの雲の部分を触る。

何度触ってもスハープの雲は手触りが良い。

俺達はスハープの背中に乗り込むと、
スハープ達は再び空へと浮かび上がる。

俺は仰向けに寝転がり、まぶたを静かに閉じる。

行き先は勿論、光の街だ。
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