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今日は妹の仕事の手伝いをしている
「全く、何故やらないのだ」
「だってぇー………」
泣きそうな声で抗議する妹を少し睨む
「仕事はするものだ」
トンと書類をまとめ、妹の頭をそれで優しく叩いた
「溜めてしまっては後が地獄ぞ」
「うぅ、はいですわ」
妹の返事を聞いて満足そうに私は微笑み紅茶を淹れる
妹の机にカップを置いて、書類の大半を持つ
「反省したのならやろう」
「はい!!」
ペンの走る音とハンコの押す音
それが終わる頃には夕暮れの色になっていた
妹は最後の書類を片すと背筋を伸ばしている
「終わりましたわ…」
ぐったりとしている妹の肩を揉む
「お疲れ様だな」
クスクスと笑いながらも妹の肩を揉む私に妹は嬉しそうだった
純白の髪に私の手が触れる
「綺麗だの」
静かにそう言うと妹は少し興奮気味に
「ありがとうございます!姉様も素敵ですわよ!」
そう言ってくれた
私は恥ずかしくて真っ赤になりつつも感謝を述べる
「ありがとうな」
よしよしと妹の頭を撫でて私は自室へと戻った
妹は静かに私の撫でたところに触れ、微笑んでいる
それがわかりまた笑ったのは言うまでもない
すっかり夜になった
そんな時刻
私は庭に出て魔法の練習と特訓をしていた
身体が鈍るといけないと
かつての母に言われたからだ
母は立派な人だと知っている
騎士団長を辞めてから今は病院に入院しているが未だに会うことができない
会う資格が私にはないからだ
妹の報告を聞くと母はいつも私に伝言を残す
「強くなりなさい」
強くなります
「愛してるわ」
私もです
妹に返事の伝言を頼むときいつも言われる
「姉様も行きませんか?」と
だが
私にはその資格がないと伝えると妹はいつも悲しそうに笑う
きっと母もそうだろう
父は今屋敷で仕事をしている
父も父で私を鍛えてくれた
大切な家族
だが皆、私は漆黒の王だ
だから闇に染まられたくない
私はそう思う
だから辛く、寂しくも
私はその資格がないから
強くならなくてはならないのだ
母に会うためにも
父を超えるためにも
妹を守るためにも
皆を率いるためにも
私はこの気持ちに勝つしか無いのだ
「は!」
後ろに気配を感じ、剣を当てる
刃と刃の交わる音が響いた
「あっぶな」
騎士団長がいた
「何だ、お前か」
「あのさー、俺の名前ナギだってんだろ?」
おや、忘れていた
「いかにも忘れただろ」
「む、すまないの」
私はクスリと笑いながらも申し訳なさそうに頭を下げる
ナギは困った様に私の手を引くと
堀に座らせる
「何だ、」
「あんたって意外と無理するよな」
無理とは?
「はて、そうか?」
「うわ、無自覚かよ」
いや惹かれても困るのだが
私は困った様に微笑むと
「そうか?」
「うん」
しばらくの話し相手になれとばかりに話しかけて来るな………
私はクスリと笑い、彼の話を聞いたのだった
「あんたに資格がないわけじゃねぇよ」
「そうかの」
資格がないわけじゃない
それはお前たちだから言えるのだろうな
そんな言葉、言えないが
「だってあんたは強いんだから」
「んー?そうとは思わんな」
まだ弱い
私は弱いのだ
だからこそ
資格がないと分かっている
「意外とネガティヴだな」
ナギは笑った
私は困った様に微笑むと
「知っているさ」
と答えたらナギは私の手を取る
「!?」
漆黒に染まると恐れ、手を引こうとすると
「逃げんな」
そう言われてしまった
私は大人しくなり、目を閉じる
「っ、あんたって天然たらしだよな」
「は?」
ふわりと抱き締められる
優しく、甘い匂いがした
男の人は皆、甘い匂いがする
だけど
このナギからは甘くも優しい匂いがした
「何をしているのです!!」
いつの間に来た妹に私はだき剥がされる
ナギは不機嫌そうだ
私は戸惑いつつも妹の方を向く
妹はナギを睨んでいる
「姉様に何していたのです!」
妹よ、落ち着いてくれ
「抱き締めたー」
ナギ!お前は何と言うことを言う!
「まぁ!何と言うことを!」
「落ち着け」
私の言葉に双方は黙る
互いに睨み合っていた
「なんというか、疲れた」
「なら!一緒に寝ましょう!」
今日は妹と寝た
残されたナギ
「あいつ、めちゃくちゃ柔けぇ」
と言っていたのは内緒だ
「全く、何故やらないのだ」
「だってぇー………」
泣きそうな声で抗議する妹を少し睨む
「仕事はするものだ」
トンと書類をまとめ、妹の頭をそれで優しく叩いた
「溜めてしまっては後が地獄ぞ」
「うぅ、はいですわ」
妹の返事を聞いて満足そうに私は微笑み紅茶を淹れる
妹の机にカップを置いて、書類の大半を持つ
「反省したのならやろう」
「はい!!」
ペンの走る音とハンコの押す音
それが終わる頃には夕暮れの色になっていた
妹は最後の書類を片すと背筋を伸ばしている
「終わりましたわ…」
ぐったりとしている妹の肩を揉む
「お疲れ様だな」
クスクスと笑いながらも妹の肩を揉む私に妹は嬉しそうだった
純白の髪に私の手が触れる
「綺麗だの」
静かにそう言うと妹は少し興奮気味に
「ありがとうございます!姉様も素敵ですわよ!」
そう言ってくれた
私は恥ずかしくて真っ赤になりつつも感謝を述べる
「ありがとうな」
よしよしと妹の頭を撫でて私は自室へと戻った
妹は静かに私の撫でたところに触れ、微笑んでいる
それがわかりまた笑ったのは言うまでもない
すっかり夜になった
そんな時刻
私は庭に出て魔法の練習と特訓をしていた
身体が鈍るといけないと
かつての母に言われたからだ
母は立派な人だと知っている
騎士団長を辞めてから今は病院に入院しているが未だに会うことができない
会う資格が私にはないからだ
妹の報告を聞くと母はいつも私に伝言を残す
「強くなりなさい」
強くなります
「愛してるわ」
私もです
妹に返事の伝言を頼むときいつも言われる
「姉様も行きませんか?」と
だが
私にはその資格がないと伝えると妹はいつも悲しそうに笑う
きっと母もそうだろう
父は今屋敷で仕事をしている
父も父で私を鍛えてくれた
大切な家族
だが皆、私は漆黒の王だ
だから闇に染まられたくない
私はそう思う
だから辛く、寂しくも
私はその資格がないから
強くならなくてはならないのだ
母に会うためにも
父を超えるためにも
妹を守るためにも
皆を率いるためにも
私はこの気持ちに勝つしか無いのだ
「は!」
後ろに気配を感じ、剣を当てる
刃と刃の交わる音が響いた
「あっぶな」
騎士団長がいた
「何だ、お前か」
「あのさー、俺の名前ナギだってんだろ?」
おや、忘れていた
「いかにも忘れただろ」
「む、すまないの」
私はクスリと笑いながらも申し訳なさそうに頭を下げる
ナギは困った様に私の手を引くと
堀に座らせる
「何だ、」
「あんたって意外と無理するよな」
無理とは?
「はて、そうか?」
「うわ、無自覚かよ」
いや惹かれても困るのだが
私は困った様に微笑むと
「そうか?」
「うん」
しばらくの話し相手になれとばかりに話しかけて来るな………
私はクスリと笑い、彼の話を聞いたのだった
「あんたに資格がないわけじゃねぇよ」
「そうかの」
資格がないわけじゃない
それはお前たちだから言えるのだろうな
そんな言葉、言えないが
「だってあんたは強いんだから」
「んー?そうとは思わんな」
まだ弱い
私は弱いのだ
だからこそ
資格がないと分かっている
「意外とネガティヴだな」
ナギは笑った
私は困った様に微笑むと
「知っているさ」
と答えたらナギは私の手を取る
「!?」
漆黒に染まると恐れ、手を引こうとすると
「逃げんな」
そう言われてしまった
私は大人しくなり、目を閉じる
「っ、あんたって天然たらしだよな」
「は?」
ふわりと抱き締められる
優しく、甘い匂いがした
男の人は皆、甘い匂いがする
だけど
このナギからは甘くも優しい匂いがした
「何をしているのです!!」
いつの間に来た妹に私はだき剥がされる
ナギは不機嫌そうだ
私は戸惑いつつも妹の方を向く
妹はナギを睨んでいる
「姉様に何していたのです!」
妹よ、落ち着いてくれ
「抱き締めたー」
ナギ!お前は何と言うことを言う!
「まぁ!何と言うことを!」
「落ち着け」
私の言葉に双方は黙る
互いに睨み合っていた
「なんというか、疲れた」
「なら!一緒に寝ましょう!」
今日は妹と寝た
残されたナギ
「あいつ、めちゃくちゃ柔けぇ」
と言っていたのは内緒だ
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