最強さんは女子高生

蒼葉縁

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I話

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朝早く起きたと思えば、一通の手紙が入っていた
僕は呆れて、あぁ、またかと思いつつもそれを読む
稲荷伊草、それが僕の名前だ
僕は女の身体をしていて心は両性
毎日日替わりで性別を変えているのだ
僕はその手紙を机に置く
手紙の内容はつまりは恋文だ
僕の家を知っていて逆に感心する
「はぁ、僕はこれからジムなんだが………」
短パンのタンクトップで外に出た
ところまでは良かったのだが、僕の周りに女性が集まっている
「僕はこれからジムなんだ」
「良いじゃない!たまには!」
僕は黙ってそっと女性の額をデコピンした
そして微笑む
「簡単に声を掛けるな、怖い思いする時が来てしまうぞ?」
僕の言葉に女性は拗ねつつも頷いた
僕はその態度に笑って、女性の頭を撫でる
「ではな」
ジムへと歩いていると、小さな男の子が泣いていた
見たところ怪我をしている
僕はそっと声をかけ、怪我を見た
そしてそっと怪我をひと撫でする
それが終わると男の子の怪我は一つも無くなっていた
僕には力がある
それは全知全能だ
僕は神に愛された愛子、世界の花嫁である
「はぁ………」
ジムへと向かい、鍛えていると声を掛けられた
僕は顔を上げる
「君が、稲荷伊草?」
「………何者だ」
僕はギロリと睨み、構える
男は首を左右に振ると慌てて僕に声を掛けた
「恋文の人です!」
「そうか、丁度いい」
僕は立ち上がる
そして蹴り上げた
後ろに下がる男
僕は鼻で笑う
「弱いね、僕は強い人が好きなんだ」
タンタンと軽いステップを踏んだ
そんな私の後ろに気配が二つする
「へぇ、どうやら君達もやりたいのかい?」
男二人はクスリと笑う
そして頷いた
「ふん、弱い」
結果は僕の圧勝
僕はどうやら加減を忘れたようだ
僕はその場所から去る
「待て!」
「っ!?」
腕を掴まれて目を見開く
僕はその腕を振り払い、構えを取った
「君、ぜひ我が校に来てくれないか!?」
「………っ?」
その言葉に首を傾げる
僕は生憎高認を取った
大学に行くつもりである
「僕は高校は卒業したという資格がある」
「アメリカの大学さ!」
僕は尚更キョトンとした
大学
アメリカ
何故、そんな人がここにいる?
僕は男の姿を見つめる
そして
「嘘の匂いはしない………」
普通の人たちからは嘘の匂いがする
だがこの人からはその匂いがしない
ということはやはり本当のことなのだろう
僕は溜息を吐き
「では、手続きを」
「本当かい!良かった!」
こうして僕はアメリカへと行くことになった
「ちなみに、その力は何だい?」
「見ていたのか、それで声を掛けたのか」
僕は車の中で男、クレバス・アルカナを睨む
アルカナはニコニコと笑ったまま
「大丈夫さ、僕の学校は君の人のような人たちが多い」
「安心したまえ!」
安心出来るか
私は溜息を吐きつつ飛行機へと向かった
私の家はそのまま、お金とかも全て私がこの体に宿している
身体と言うより、この両手にはまっている宝石にだ
飛行機に乗り、アメリカへと着く
大学の中に入ると多くの人達が僕を見つめる
騒がしい視線と鼓動と嘘の匂いとさまざまな音と匂いに酔いそうだ
「皆、新しい入学者だよ!」
アルカナの言葉に皆はキョトンとするが
『やった!!!!』
と、手を挙げて喜んでいる
僕は素直に
「は?」
と口から出ていた
自室を案内され、僕は中の部屋を変える
元住んでいた日本と同じ部屋にした
ノックをされ、扉を開ける
そこには男女が複数人
僕はギロリと睨み
「何か用か」
と言うと男性が睨み返した
ほぉ?
「随分と威勢のいい奴だな、しつけてやろうか?」
「その口を直したらな」
僕に殴りかかる男の首に手を当てる
男は固まった
僕はそれを鼻で笑う
「僕はこれでも強いんだ、女だからと舐めるなよ」
その目つきに男は怯える
「っ、分かったよ」
僕は男の首から手を離す
男はそそくさと走り去る
僕はそれを黙って見ていた
「凄いね!強い!」
「あいつから逃げるの初めて見たぜ」
僕は囲まれる
そして
僕はその場所から指を鳴らして消えた
「わぉ!」
「力使いか!」
突然現れた僕を見てそう言う彼ら彼女ら
僕は溜息を吐く
そして庭の木に登る
そこに寝転がり、目を閉じた
「おい」
「………」
声がする
いつの間にか寝ていたのか?僕は
「ん………」
「起きろ」
僕に触れる手を払う
息が荒くなる
僕は過去に虐待された経験があったからだ
「っ、おい大丈夫か?」
「は、………は、大、丈………夫」
息がうまくできない
胸が痛い
煩い
煩い!
「落ち着け、ゆっくり息をしろ」
トントンと優しく背中を叩かれる
僕は目を閉じて息をゆっくりした
「っ、………フー」
落ち着きを取り戻し僕は礼を言う
すると
彼は僕と友人になりたいと申し出てきた
僕はキョトンとする
「僕と友人に?何故」
「何故?興味と親しみがあるからだ」
彼は波坂橙里(なみさか・とうり)と言った
日本人かと思えばアイスランドと日本のハーフらしい
僕はイギリスと日本のハーフだ
「面白いな、橙里は」
僕は笑う
すると彼は顔を赤く染めて
「可愛い」
と言った
僕はキョトンとする
「一度眼科へ行け」
僕は結局のところ、彼と友人になった
それからは友人を作り、割と馴染んでくる
それに最初盾ついてきたからとも仲良くなった
「おはよ!伊草!」
「うるせぇぞ、ラカン」
ラカンというのは盾ついてきたのは男の名前だ
「そうだ」
隣から橙里が来る
さりげなく僕の腰に手を回すな
僕は溜息を吐く
「橙里、手を離せ」
「何故だ、そんな顔をしても嫌だ」
「おい」
僕にやたらとアプローチして来るが僕は絆されないからな!
というよりいつの間にかそうなったんだ!?
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