神妖恋物語

蒼葉縁

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参.弱き者よ強くなれ

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制服を身に纏い、いつも通りの朝を迎える
昨日の事が頭に流れた
図書館のボロボロになった本などは直したなど考えていると自室の扉をノックされる
「何じゃ?」
扉を開けると天音が立っていた
そしてゆっくりと私を見て私を抱き締める
「時雨………」
「何じゃなんじゃ、甘えん坊よの?」
カタカタと震えている天音の話をゆっくりと聞く
どうやら私が消える夢を見た様だ
私は天音の頭を撫でる
「この世界に生まれ落ち、早くも十六年生きておるからの…」
「時の流れほど怖いものはありません」
天音は腕に力を込めた
まるでここにいるか確かめるかの様に
私は安心するまで天音の頭を撫で続けた
「ありがとうございます」
安心してくれたのかすんなりと離れる天音
「気にするでない、天音よ」
立ち去ろうとする天音を呼び止める
「はい?」
振り返る天音に微笑み
「共に、強くなろうぞ」
天音は目を瞬かせると微笑んだ
「では、朝食を用意しますね」
「頼んじゃぞ」
朝食を食べてから学校へ行き、教室に入った瞬間周りの目が私に向かう
どうやら居なかったからだろう
私はにこっと微笑む
すると女子の集団が走ってくる
「綺麗!!」
女子の一人がそう言い
「仲良くしましょう!!」
女子の一人に手を繋がれる
「あい、分かった!」
私は嬉しそうに笑う
「………時雨」
不意に天音に呼ばれ振り返る
「何じゃ?」
「髪の毛にゴミついてますよ、来てください」
私は女子から離れ、天音の方へ行く
天音に取って貰い振り返ると女子が顔を赤くしていた
「何じゃ?」
首を傾げる
「す、素晴らしいわ」

「推しカプ………」
推し?
「???」
「気にしなくていいですよ」
天音の笑顔に負け、私は席に座る
そういえば
あの四人は元気だろうか………
授業は着々と終わりを告げ、放課後へ
私は天音と帰ろうとした時あの妖と似たような気配を感じた
天音は溜息を吐く
「私の作ったあれ、反応してます」
「何じゃと?」
気配を感じ取りながら走り出す
今度は裏庭
天音が結界を張る
私は黒炎を纏う槍を出し突き刺そうとした
その時、声がする
「ーーーー助けて」と
ピタリと動きが止まった
そして横からの攻撃に直で受ける
突き飛ばされて木々にぶつかった
「ーーーーカハッ」
「時雨!?」
私は立ち上がる
そしてそっと妖に近付く
妖は唸り私に威嚇した
私はそっと妖の頭を撫でる
「辛かったの」
「!?」
妖の目が見開かれ、涙を流した
淡い光と共に、少女が現れる
「本当は悪い妖じゃない」
「皆と仲良くしたいだけ」
「なのにどうして恐がるの?」
苦痛とも懇願とも言えるその願い
私は目を閉じて、白炎を出す
白炎を少女に纏わせ、呟く
「少女の悪しきものよ、無くなれ」
白炎は黒炎となり、燃え尽きた
気を失った少女を抱き寄せて、天音に渡す
結界の中にいる四人を見る
四人は悔しそうにしていた
それは何故か
また、守られたから
また、迷惑をかけたから
きっとどちらかだろう
私は溜息を吐いて四人の前に立った
「弱き者よ、強くなりたいか?」
「「「「!?」」」」
私の言葉に天音も渋々言い出す
「俺も協力するが、決めるのは貴方方次第ですよ」
「さぁ、どうする?」
四人は頷く
さぁ、どんな成長をするか
楽しみじゃの
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