私を化け物と言うのは大いに結構だがその方を馬鹿にしてみろ、獅子の餌にしてくれる

蒼葉縁

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「ママ~」
禮に呼ばれる
「はい?」
私はゆっくりと振り返ると禮はグリグリと擦り寄った
「お腹大丈夫なの?」
禮は私のお腹に耳を当てて聞く
私は微笑み禮の頭を撫でる
「大丈夫ですよ」
少しずつ大きくなっている自分のお腹を禮は嬉しそうに耳を当てていた
「命の音がする~」
禮はニコニコとお腹を触る
「そうですね」
私のお腹には命が宿っているのだ
まさかこの私に子供とは
吃驚です
そうですね
説明すれば今の状態を伝えるなら
六ヶ月目ですね
お腹が大きくなり、子供らしい形になっている所
「禮はまた君のお腹に夢中かな?」
カチャリと扉を開けて微笑んでいる主に私は頷く
「だってパパ~俺の兄弟だよ~?」
禮は私のお腹に耳を当てむすっとする
「そうだね」
そんな禮の頭を撫でて私を見つめた
「君はまた仕事かい?無理はいけないと言っただろう?」
コツンと額を合わせてそう言う主に私は困ったように頷いた
「禮、少し僕にも聞かせてくれないかな?」
その言葉に禮は嬉しくて
「パパと聞く~!!」
と横にずれる
二人して私のお腹に耳を当てた
クスクス笑っていると
お腹を蹴られる
「「「!」」」
私も吃驚した
「「蹴った!!」」
二人は同時にそう言うから私は微笑む
「元気な証ですよ」
優しくお腹を撫でる
禮は私のお腹に触れつつも
「兄弟できても俺は好き?」
禮は勉強している
「そうですね、大好きですよ」
子供が生まれて数年は大変なことも忙しいことも
だから今みたいに構ってあげられないことも
全て理解している
「僕たちが自分の息子を嫌いになるわけないだろう?」
「そうです、可愛い息子を嫌いになんてなりませんよ?」
禮は頷き私と主に擦り寄った
「う~」
私は優しく禮の頭を撫でて微笑む
主はクスリと笑い私の頭を引き寄せて隣に座る
「君も一人の身体ではないし、二児の母で僕の妻なんだから苦しいときは言ってくれ」
「ありがとう御座います」
主は私のお腹に触れつつも私にキスをする
「ふふ、真っ赤になるのは変わらないね」
クスリと笑う主に私はかーっと赤くなった
「主様!からかうなんて!」
頬に手を当てると
「ママ虐めないで~」
禮が主に怒っていた
「すまんすまん」
平和な生活に私は浸る
そして
お腹のこの子もその光景が見えているのか嬉しそうに蹴っている

お腹もだいぶ大きくなり
予定日まで一週間を切った
つわりも酷くてクラクラする
禮は慌てて看病してくれた
主は付きっきりになっている
「大丈夫ですよ………」
息を整える
「その割に具合悪そうだが?」
主は私の頬を摘む
「無理してる~」
禮は頷き返す
「っ!?」
ずきんとお腹が痛くなる
「痛い!」
蹲った
「予定日まであと二日だが!?」
主はあわあわとしている
「携帯貸して!病院!」
禮、頼りになります
間隔が狭くなり痛みが強い
「しっかりしてくれよ!」
主が私の手を握る
優しくて強く
私も頷き息を整える
この日のために、主は勉強してくれた
そして
分娩室へ入る
「いきんでください~」
「ふーふー!」
「その調子ですよー」
息が荒くなる
汗もすごい
それを拭ってくれる主
「頭が出てきましたよー!」
「ヴー!は、ぁ!」
ギュッと強く主の手を握る
「最後ですよー!いきんでー!」
気絶しそうな私に主は声を掛けた
私は最後の力を絞って
「ふーうー!」
いきむ
「ウアアァァァン!!アァァアアン!」
元気な産声に泣きそうになる
「元気な男の子ですよ~」
腕の中に収まる我が子に微笑む
「ふふ、こんにちはですね」
「旦那様も抱っこしてみてください」
私の腕から主の腕へと行く
主は子供を抱っこすると泣いてしまった
「無月、よく頑張ったねっありがとう」
私と額を合わせて泣いている主の頬を撫でる
看護師さん達は嬉しそうだ
「あぅぅ」
私達の間の赤子も喜んでいる
「主様、この子の御名前は?」
赤子を抱っこしながら私は聞く
「あぁ、皇と書いてこうと読む」
主は嬉しそうにそう言った
「皇、良い名前ですね」
私は赤子を見ると自分の名前を分かっているのかキャッキャっとしている
分娩室から出ると禮が慌てて走って来た
そして
私達を見ると
「ママ!!」
真っ先に私に駆け寄って来た
私は微笑み、禮を撫でる
そして主の腕に抱かれている皇を見て禮は涙を流した
「うぅ~ママありがとう~」
禮はくしゃくしゃと泣いて私に抱きついたままでいる
「禮、抱っこしてみるか?」
「………ん」
禮は慣れた様子で皇を抱っこする
禮を見た皇は小さな手で禮の指を握った
「兄ちゃんだよ」
「あぅー」
その様子は微笑ましくてとても愛しい
「体調はどうかな?」
主は私を見て微笑む
「非常に軽いです」
「ふふ、そうだろうね」
優しく自分のお腹を撫でる私に主は見つめる
「これからはどうする?」
「はい?」
実は私達は結婚式をしていない
籍は入れているが式は上げていなかった
「式をあげたい」
主の言葉に私は頷く
「主様がそう言うのなら」
「主様はやめてくれ、瑠衣と呼んでくれないか?」
ーーーーえ?
「む、無理です!」
首を振る
「拒否権はもちろんないよ」
いい笑顔ですね!?
「そ、そんな!」
私は真っ赤になる
「読んでくれないのかい?」
「っ………瑠衣様」
「んー」
首を傾げるぬ、瑠衣
「る、る………瑠衣」
「何だい?無月」
禮と皇ははしゃいでいる
私は赤くなり
瑠衣はご機嫌という非常に微笑ましい状況
のちに看護師は語る
「あんなに顔面偏差値の高い夫婦と子供は見たことありません」

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