ガーディアンと鎧の天使

イケのモ

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家出王子捜索隊

3話 ホーリー

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 フリー王国は龍の国、妖精の国であった旧フリー王国から続きその歴史を含めるとこの世界に現存する最古の国家である。
 かつては大陸でもっとも栄えていた西側すべてが国土であったこの国はなんやかんやがあり端の方へ追いやられている国である。
 現在この国、フリー王国には外交官の毛根が死滅しかけている外交問題よりも重要な(国王からしたら)ある問題が発生している。
 それは、ランスと言う王子が家出中である。
 連れ戻すために王家から二人の人物がこの土地にランスの持つ銀の鎧と特徴が酷似したガーディアンが訪れたと伯父から聞きやって来たのである。

「間違いないあの銀の色合いはランスだ」

 金の鎧に身を包むガーディアン。

 声色的に男であろうその人物がランスの持つ鎧に似た反射をする鎧が十数人の人物を載せた馬車と並走する姿を遠くから眺める。

「お兄様、そうですか…。やっとあの子に会えますね。」

 主人公の智と並べると姉弟ではと思うほどよく似た少女が金のガーディアンに遠方に住む家族が元気にしていると知った時に見せるような安心感を表情、仕草、声色から分かる。

「全く手の掛かる弟だ。」

 金のガーディアンは手間の掛かる弟がまた何かをしでかしたのかとやれやれと言った仕草をする。

「ええ、全くその通りです。お兄様」

 悪い事をした弟を叱ると言う名目でいじめようとする姉の表情に切り替わる。



 昨日の晩にナビゲートさんからの衝撃情報で自分には三つの鎧があるらしいが、山賊の監視していたので他の鎧に切り替える事は出来ていない。
 あると言うことだけが分かっている。
 今は山賊を対ガーディアンの対策がされている牢屋がある町に向かって移動中である。

「これから向かう町の道中で危険なポイントはありますか?」

「この道はよく行商人や俺たちが行き来で使うので凶暴な野生動物がたまに現れるか、毒草が多いので間違っても口に入れないで下さいくらいですかね」

「そうなんですか」

 (どれが毒草か分かる?)

 はい、判別は可能です。

「本当にあの値段でいいのすか?」

 お金に関してはナビゲートさんが丁寧に教えてくれたし、報酬はこの山賊達は懸賞金が掛けられておりそこから報酬が出ると言う契約である。

「自分一人ではあの人数の山賊達をちゃんとした所に連れて行くなんて時間がかかってしまいますよ。それにエールが復活する可能性があったのでそのリスクを回避って事での少しもらうと言う事に決めましたので」

「俺はガーディアンについて余り詳しくは知らなかったすけど自分、あの人数を相手取るなんてできないっす」

 余り情報を得られそうにはないが一応聞いてみる。

「ガーディアンの鎧…特にエースについてどれくらい知っているのですか?」

「詳しくは知らないですけどエースの名がつく鎧は最も弱いと有名っす。普通のガーディアンの鎧は契約武器を装備したもしくはでけえ鈍器を持った熟練の戦士が十人以上で当たらないと勝てないとかそんなものすよ」

「契約武器?もしかして…」
 (ナビゲートさん契約武器について教えて欲しい)

 コールとその後に契約している武器の名前を呼ぶ事により召喚可能な武器でガーディアンの鎧と同じく特別な力を持つ武器です。

 ナビゲートさんと心の声でやりとりをしている事を知らない。同行している村人が話しかけてくる。

「えぇ、うちの村長三つの契約武器と契約を結んでいるのはかなり有名な話しっす。王家ではソード姫が四つの契約武器を所持しているらしいすよ」

 村人の話が終わると直ぐにナビゲートさんが契約武器について続きの話をする。

 契約武器はで大まかに神器、魔器、魔導器、霊器、妖器の五つに分類できる武具の事で契約する事でガーディアンの鎧の様に召喚使役できる。
 契約するには神が気まぐれで設置した物か、召喚術での契約か、誰かから継承か、自他で作ったりしたものとなどと契約が可能です。

(作れんのそれ!?)

 はい。

 ナビゲートさんからすっごい気になる情報を聞き出そうとすると自分や馬車から程近くで突然爆発が発生する。
 馬車を引いていた村人は驚く馬達をなんとか御するのを見届けてから爆心地を見ると大型の槍がまるで雷を纏うように放電しながら刺さっていた。

「エース、ナビゲートさん第二撃を迎撃、自分よりも村人を優先。敵がどこ」

 ナビゲートさんがエースと言ったあの剣を操る能力で村人を守る様に指示をする。
 空を見上げてから爆心地に目を向けるとそこにはある筈の槍が無くなっていた。

「どうなっている!?」

 槍は上から降って来たので再び空を見上げると物凄い勢いで自身に向かって槍が飛んでくるのが見えたので思いっきり後ろに飛ぶ。
 再び爆発音と二つ目のクレーターのような跡を残し、今度は目の前で槍が消える。

「大丈夫すか!」

 村人が心配の声を上げるが、馬車との距離を取りながら槍に注力していると目の前で消えて再び空を見上げると真っ直ぐに飛べば自分に当たる軌道で迫る。

→「狙いは俺だ。町へ逃げろ」
 →「狙いは俺だ。村へ逃げろ」

 敵の狙いは自分だと思い村人をエースの能力で索敵しながら進んだ道中に自分達以外いなかったのを思い出す。
 その道を使い村に逃げる様に言う。

 目立つ様に千の剣をナビゲートさんが展開してくれて、自分は馬車から離れると槍は自分向かって飛んでくる。




 未だに敵の姿は見えないが敵からは自分の居場所はばれている様で正確に槍が飛んでくる。
 ナビゲートさんその都度、空中に浮かぶ剣を使い上手く槍の軌道を逸らしたり防いだりしてくれているので現在まで被弾はしていない。

(敵がどこにいるのか分からないから木の影に何本か剣を隠しながら次の木へと移りながら移動して発見次第様々な位置からの攻撃なんてどうですか?)

 いい案だと思います。その作戦を採用しましょう。

 ナビゲートさんが自分の案を採用してくれた。
 ナビゲートさんに視界の左下に51/1000と現在使用している剣の本数が表示されている事を教えてもらう。
 この剣はどうやら100mほど離れるとナビゲートさんが回収していくらしくそうやって移動していると敵が痺れを切らしたのか攻撃が切り替わる。

「どこにいるんだよ。敵は」

 と口にしながら剣の本数を確認すると121/981と表示される。

 敵の能力ににより一部の剣が操作出来なくなりました。


(え?ナビゲートさん?)

 何が起きたと思わず立ち止まり振り返るとキラキラとした光に触れた剣がその場に落ちる様子を確認し、空を見上げると遠く離れていて粒に見える異質な金の粒が見えたかと思うとキラキラとした光に包まれる。



 ランスを捕まえる為に邪魔になるであろう馬車から引き剥がす事に成功した。
 こちらを一切見ずに聖槍グリーの投擲を何度も防ぐ弟の成長に感動にしつつ弟と一緒に来た妹の実父、自分の養父である前国王の事を思い出す。
 三大鎧の一角を担い。現国王であり、自分達三人の養父と他の二つの鎧の持ち主である三人の弟を鍛えた偉大な兄で前国王、亡き父を思い出す。

(父王様であれば生身で頑丈さだけが取り柄の安物の剣のみでも防ぐのであろうな)


 流石に思い出に浸るのを止めないと見失うかもしれない。
 逃すと家族が特に妹がまた逃したと嘆くのでので今、この身に纏うこの黄金の鎧、ホーリーの能力を解放する。

「ホーリー・レイ」

 この鎧ホーリーの名を冠するこの力は聖なる光で相手を照らし動きを止める物。
 最初の一発目ら外したが弟がなぜか立ち止まったのでニ度目のホリー・レイを放つ。

「ホーリー・レイ」

 動かなくなった弟の鎧、ジョーカーをブレイクするために直接攻撃でトドメを刺そうと滑空の姿勢を取る。目を見張る信じられない出来事が起こる。



 キラキラとした謎の光に照らされた瞬間に身動きが取れなくなる。

 (ナビゲートさんこれはなんなんだ!?)

 …。

 ナビゲートさんの回答は沈黙。どうやらこの光を浴びるとナビゲートさんは機能を停止してしまった様だ。

(落ち着けよ自分。自分には他にも鎧をもう二つあるじゃないか、それに切り替えれば動けるよね?この状態よ。確か名前はダークエースとレッドエース。チェンジ、ダークエース)

 突然動けるようになる。そしてナビゲートさんの声が再び聞こえた。

 停止が付与されエースが沈黙、魔法により停止がダークエースに再付与されました。

(てことは後一回防げるのか。鎧を脱げば停止から解放されるのか?生身になった時はどうすればいい?)

 恐らく解放されます。
 停止の付与は範囲内の全ての対象に付与され、この能力についてはまだ断定は出来ませんが何かしらの制限があると考えられます。
 なので双剣エースをコール、双剣エースで召喚、霊器解放と宣言することで千の剣を召喚。そんで持って付与対象を増やし対処すればよろしいかと。

(OK)


 空中にいる相手に対してどうにか出来ないのかそれからも逃げながらナビゲートさんと相談した結果、現在の自分では対処は難しいらしい。
 自分の三つの鎧は空中戦が可能だが付け焼き刃で挑むのは簡単に撃ち落とされるだろうと。
 それぞれ遠距離攻撃はダークエース、中距離はエース、近距離はレッドエースといった感じらしく自分のミスで遠距離攻撃手段を喪失中。
 この敵の停止攻撃は3回が上限らしいダークエースの分が一枠分潰しているらしく2回止められると3回目で止められた剣が復活する事がわかった。ダークエースは恐らく身に纏っていたのならば動けるようになっただろう。


(くっ)

 再び敵の停止攻撃を喰らう。

(状態をチェンジ、レッドエース)

(そういえば鎧の脱ぎ方着方は?)

 鎧の残機が無くなりナビゲートさんに最終手段を取る事を決定して鎧の脱ぎ方と着方を聞く。

 脱ぎ方はアウトと鎧の名、着方はリンクと鎧の名です。

(理解しました。ナビゲートさん)



 今自分の目の前で今まであった常識を覆されていく。
 ソードランスは父親譲りの天才だ。
 自分はただ産まれ与えられた力ガーディアンのよろいが強かっただけだ。
 一角が欠けてしまった三大鎧の残る二つの鎧ですら止めてしまうほどのこの力。
 それを全く理解出来ない未知の方法で突破する弟を先回りしているこの成長を知らぬ妹は止めることができるであろうか?

「なんで止められる上限が復活しないのか?次で止められないとなると残りの力的にホーリーが持たないな。これで止める。ホーリー・レイ」

 ランスの動きが止まり命中した。近距離や中距離戦闘は弟の方が強いので近づかれる前に遠距離から動けなくする為に苦手な遠距離からの攻撃を連発し何度も何度も撃ち続けたホーリー・レイはもはや撃てない。

「後で聞き出そう。はぁ~滑空は苦手なんだよ」




(くそ被弾した)

 キラキラとした謎の光くらいとうとう全ての鎧に停止が付与されナビゲートさんが三度目の機能を停止する。

(ナビゲートさん…。これでナビゲートさんのサポートはこれ以上受けられないのか。アウト、エース)

 カッと光今までの鎧からパジャマ姿の自分に戻る。

(そういえば昨日から何も食べていないんだな)

 自分の服装が明らかに村人達と比べて浮いているので恥ずかしくなり、お腹が空いていなかったので食べ物も貰わずに昨晩から何も食べていない事を思い出す。

「コール、双剣エース」

 と言うと一対の剣が手に握りやすい位置に現れそのまま握る。デザインは気になるが今は気にしている場合ではないので教えてもらった通りにその力を解放する。

「霊器解放。双剣エース」

 エースによって展開した剣とは少し形の違う剣が数百、いや千に達するほど現れる。
 剣を一瞥した後に再び走り出す為に進行方向に視線を向けるとそこには黒髪の美女が立っていた。


 なんでこんなところに女性がいるのか理解が出来ず、自分は今誰かから狙われているので逃げた方がいいと言おうとすると美女は一言発する。

「グランド」

 腹部を物凄い力で殴られた、何か硬いものがぶつかって来た様な衝撃を受け激痛が走る。智は気を失ってしまった。

「あれ?いつもだったら避けるのに…まあいいわ。やっと捕まえた。私の可愛いランス♡」
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