黄金色の夢に憧れて

黄金色の夢に酔いしれて ①

　黄金色に輝くハイボール。
　一口運ぶと口の中にふわりとウィスキーの香りが広がる。
　炭酸の刺激がウイスキーと調和し爽快的な喉ごし。
　そして、レモンのフレッシュな香りがあとから広がり口の中をリセットしてくれる。

「さて。冬美さん。本日の一品目です。」

　紺色のエプロンをした優男はクールな女性、冬美が待つ食卓に白いお皿に盛り付けされた大根のステーキを配膳する。
　大根ステーキにかけられた味噌ベースのソースの味噌の香りが食欲を引き出させる。

「大根ステーキとなります。」
「・・・美味しそう。」

　冬美は、ナイフとフォークで一口大に切り上品に口へと運ぶ。
　味噌が香る。
　一噛みするとホロホロと大根が崩れ大根から鰹出汁が溢れ出す。
　そこへ。ハイボールを流し込む。
　口内に爽やかな香りが充満しまた、大根ステーキに手が伸びる。

「・・・美味しい」
　
　美味しそうに食べる冬美を見て満足そうな笑みを浮かべた優男は、キッチンへと向かった。
　幸せそうに食べ進める冬美の元にニンニク香るマッシュルームの炒め物が運ばれる。

「これは・・・美味しそうものを持ってきましたね。・・・ところでユウさん食べないのですか？」

　冬美は、上目遣いで聞いてくる。

「んーあと一品持ってきたら食べますよ」
「早く一緒に飲みましょうよ」

　食卓にユウも座るとグラスを持つ。

「今週もお疲れ様です」
「お疲れ様」

　二人は乾杯をして酒を酌み交わす。
　こうして二人の夜は過ぎていくのだった。