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河童の手のミイラ(下)
第二話
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襖の扉が開かれ現れたのは神職が着る白衣を身に纏った中年女性だ。
キリリとした目に凛とした佇まいの綺麗な女性。
「蓮、帰ってるなら手伝え……ってあら、お客様?」
「どうも……」
女性は真尋と利音に気が付いて、ごめんなさいと怒ったような態度を改めて丁寧に挨拶をする。
「蓮の母です。
ごめんなさい、お客様が来てるとは思わず………」
家族に見せる顔から余所行きの顔に変わる母に栗郷ははぁっと大きな溜め息を付いた。
「それで蓮、こちらは一体何者か?」
すると栗郷の母は二人を見てただの人間では無いと一瞬にして見破り、警戒感を顕にした。
栗郷家当主である母の実力は相当のものと栗郷自身も分かっているので、正直に彼女に話した。
「ああ、どうりで見たことのある顔だと思った」
利音を見てそう言った。
「あれ、会ったことありましたっけ?」
栗郷家当主とは面識はなかった気がすると必死に記憶を辿るがやはり覚えがない。
「パーティーで一度見かけただけだ。
直接顔を合わせた事はない。
何せ、人前に出るのはお好きでない様子だったからな」
「…………」
天明道主催のパーティー。
情報交換などをして親睦を深めようと言う名目のパーティーだがそれは表向きで、実際は腹の探り合いだ。
顔は笑っているが目は常に人の奥底を覗こうとする。
まだ実家にいた頃に父に無理矢理連れていかれたそのパーティーは利音にとって不快でしかなかった。
「それにしてもあの天才と呼ばれた宗像の息子が呪いを受けるなど、家を出て腕が鈍ったか?」
利音を挑発するような彼女の発言。
栗郷のプライドの高さと口の悪さはここから来ているのかと納得するのと同時に腹が立って仕方無い。
「呪いの専門家のくせに何も出来ないお宅の息子さん程じゃ無いですよ」
「…………」
挑発されたら挑発し返す。
何も出来ないと言われた栗郷は母から睨まれ、とばっちりを受ける。
「ところで、そちらの青年は宗像とどんな関係が?
見たところ半妖のようだが……」
「え、俺………?」
栗郷母は今度は真尋に標的を変える。
キリリとした目に凛とした佇まいの綺麗な女性。
「蓮、帰ってるなら手伝え……ってあら、お客様?」
「どうも……」
女性は真尋と利音に気が付いて、ごめんなさいと怒ったような態度を改めて丁寧に挨拶をする。
「蓮の母です。
ごめんなさい、お客様が来てるとは思わず………」
家族に見せる顔から余所行きの顔に変わる母に栗郷ははぁっと大きな溜め息を付いた。
「それで蓮、こちらは一体何者か?」
すると栗郷の母は二人を見てただの人間では無いと一瞬にして見破り、警戒感を顕にした。
栗郷家当主である母の実力は相当のものと栗郷自身も分かっているので、正直に彼女に話した。
「ああ、どうりで見たことのある顔だと思った」
利音を見てそう言った。
「あれ、会ったことありましたっけ?」
栗郷家当主とは面識はなかった気がすると必死に記憶を辿るがやはり覚えがない。
「パーティーで一度見かけただけだ。
直接顔を合わせた事はない。
何せ、人前に出るのはお好きでない様子だったからな」
「…………」
天明道主催のパーティー。
情報交換などをして親睦を深めようと言う名目のパーティーだがそれは表向きで、実際は腹の探り合いだ。
顔は笑っているが目は常に人の奥底を覗こうとする。
まだ実家にいた頃に父に無理矢理連れていかれたそのパーティーは利音にとって不快でしかなかった。
「それにしてもあの天才と呼ばれた宗像の息子が呪いを受けるなど、家を出て腕が鈍ったか?」
利音を挑発するような彼女の発言。
栗郷のプライドの高さと口の悪さはここから来ているのかと納得するのと同時に腹が立って仕方無い。
「呪いの専門家のくせに何も出来ないお宅の息子さん程じゃ無いですよ」
「…………」
挑発されたら挑発し返す。
何も出来ないと言われた栗郷は母から睨まれ、とばっちりを受ける。
「ところで、そちらの青年は宗像とどんな関係が?
見たところ半妖のようだが……」
「え、俺………?」
栗郷母は今度は真尋に標的を変える。
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