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河童の手のミイラ(下)
第七話
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身体を拘束された大蝦蟇は利音の術を破ろうと踠いており、このままではもうすぐ破られそうだ。
しかし利音の意識は段々と朦朧としてきたて、遂には真尋にもたれ掛かってしまう。
「利音さん!!」
そして目を瞑ったまま動かなくなった。
このままではまずいと真尋はせめて利音を栗郷の所へ逃がせたらと考える。
そして自分は大蝦蟇をここで食い止める。
「ネコ、利音さんを栗郷さんの所に………
ネコ………?」
すぐに来ないネコに真尋はどうしたのかと目を向けると、じっと利音を見つめたまま動こうとしない。
「ネコ、どうしたの?」
まさか利音でないと言うことを聞かないつもりなのかと焦る。
「ネコ!!」
言うことを聞いてくれと訴えるがまだネコは動かない。
そうしている間に大蝦蟇がロープを1本、2本と切ってしまう。
真尋は心からの願いを込め叫ぶ。
「ネコー!!」
「…………っ」
すると願いが届いたのかネコが傍にやって来て背中に乗れと言うかのように伏せる。
真尋はほっとしたように一呼吸を置いて気を失っている利音をネコの背に乗せる。
ネコが去ったのを見届けると真尋は術を全て破った大蝦蟇に向き合った。
「来い、俺が倒してやる!!」
その頃栗郷は犯人と対峙していた。
「まさか栗郷蓮が自ら来てくれるとはな」
「どう言う事だ?
テメェは一体誰だよ」
目の前にいるのは見た感じ30代半ばくらいの男性。
見覚えも無いし、誰なのかは分からない。
しかしながら相手からは霊力も感じるし、自分を知っているようなので利音の言う通り、天明道の人間なのだろうか?
「お前達とは面識は無いさ。
だから俺を知る筈もない……」
「じゃあ何で宗像を狙った?」
面識も無いなら何故利音を殺そうとするのか……
「何で………
お前達が樹璃を見殺しにしたからだ」
「樹璃……?」
樹璃とは一体誰の事か………
記憶を辿る栗郷に男の眉間には深い皺が寄る。
「そうか、覚えていないか……
そうか………」
「………!?」
すると男は人形の式札を取り出しボソボソと呪文を唱え始めた。
身構える栗郷の盾になるように狐達が前に出る。
そして式札は緑色の肌、額に一本の角、そして顔の中央に大きな目が一つの鬼に変貌した。
しかし利音の意識は段々と朦朧としてきたて、遂には真尋にもたれ掛かってしまう。
「利音さん!!」
そして目を瞑ったまま動かなくなった。
このままではまずいと真尋はせめて利音を栗郷の所へ逃がせたらと考える。
そして自分は大蝦蟇をここで食い止める。
「ネコ、利音さんを栗郷さんの所に………
ネコ………?」
すぐに来ないネコに真尋はどうしたのかと目を向けると、じっと利音を見つめたまま動こうとしない。
「ネコ、どうしたの?」
まさか利音でないと言うことを聞かないつもりなのかと焦る。
「ネコ!!」
言うことを聞いてくれと訴えるがまだネコは動かない。
そうしている間に大蝦蟇がロープを1本、2本と切ってしまう。
真尋は心からの願いを込め叫ぶ。
「ネコー!!」
「…………っ」
すると願いが届いたのかネコが傍にやって来て背中に乗れと言うかのように伏せる。
真尋はほっとしたように一呼吸を置いて気を失っている利音をネコの背に乗せる。
ネコが去ったのを見届けると真尋は術を全て破った大蝦蟇に向き合った。
「来い、俺が倒してやる!!」
その頃栗郷は犯人と対峙していた。
「まさか栗郷蓮が自ら来てくれるとはな」
「どう言う事だ?
テメェは一体誰だよ」
目の前にいるのは見た感じ30代半ばくらいの男性。
見覚えも無いし、誰なのかは分からない。
しかしながら相手からは霊力も感じるし、自分を知っているようなので利音の言う通り、天明道の人間なのだろうか?
「お前達とは面識は無いさ。
だから俺を知る筈もない……」
「じゃあ何で宗像を狙った?」
面識も無いなら何故利音を殺そうとするのか……
「何で………
お前達が樹璃を見殺しにしたからだ」
「樹璃……?」
樹璃とは一体誰の事か………
記憶を辿る栗郷に男の眉間には深い皺が寄る。
「そうか、覚えていないか……
そうか………」
「………!?」
すると男は人形の式札を取り出しボソボソと呪文を唱え始めた。
身構える栗郷の盾になるように狐達が前に出る。
そして式札は緑色の肌、額に一本の角、そして顔の中央に大きな目が一つの鬼に変貌した。
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