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60.厄介な来客
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その日の夜。昼間のうちに大体設計図を完成させた私たちは、食後のコーヒーを飲みながらスノウの言った“嫌な感じ”について話していた。
「おそらく相手は商人だろうが…」
「そうだね…バザール関連だとは思うけど、悪意を持っているからといって必ずしも何か仕掛けてくるとは限らない」
「ああ、どちらとも断定は出来ないが…スノウ、もう一度感じたら同じ奴かどうか分かるか?」
「ん~…やってみないとわからないの」
「そうか、ならまた感じたら報せてくれ」
「わかったの」
「まあ、あれこれ考えすぎてもね。さて、お風呂に…『ドンドン』」
エヴァさんがそう締め括って立ち上がりかけた時、ドアを叩く音がした。みんなで顔を見合わせる。こんな時間に訪ねてくる人物など思い当たらない。
「…すごいタイミング。これはもしかするかもよ?」
「だな。スノウ、真眼頼むな」
「わかったの」
「まずオレが出るよ。要件を聞いてからみんなを呼ぶ」
「ああ」
こうしている間もドアは叩かれ続けている。まだそれほど遅い時間ではないけれど近所迷惑とか考えないのかな?
「ハイハイ。スノウ、おいで」
「はいなの」
エヴァさんはスノウを連れてリビングを出て行った。
■
「はい」
エヴァントが扉を開けると3人の男が立っていた。1人は背が小さくでっぷりと太った中年で、いかにも成金というような趣味を疑うキンキラな出で立ちをしている。そして護衛らしき2人の大男を連れていた。
「貴様がレックスの代表のエヴァントか?」
開口一番、人を見下すような態度でそう言ったのは商人なら誰もが知っている男だった。
名はダグラム、ヴェスタと王都に大きな店を構えているSランクの大商人だ。貪欲で金に異常なほど執着があり、欲しいものは手段を選ばず奪う男。常に黒い噂が絶えずあるが、ギルドの追及をのらりくらりとかわして中々尻尾を掴ませない。
「そうですが、何か?」
内心厄介な奴が来たと思いながらそれを噯にも出さず返事する。
「何か、だと?分らんのか!?これだからEランク商人は…いいから中へ入れんか!」
「…どうぞ」
追い返す事も出来るが、今騒ぎになるのは良くないので仕方なく酒場の方へ通すことに。その時スノウが小さく鳴く。
(おなじなの)
それを聞いたエヴァントは、肩にいるスノウの小さな頭をそっと撫でた。
■
私はレオンさんとリビングのソファーで待っていたが、男の怒鳴り声か聞こえて思わず聞き耳を立てる。
「…今の声、ダグラムだな。チッ、嫌な奴が来たもんだ」
ボソッと呟いた彼は心底嫌そうな顔をした。
「レオンさん知ってるの?」
「ああ。Sランク商人のダグラム、裏で色々ヤバい事やってる噂のある奴だ。キラ、俺らの後ろから離れるなよ?」
「うん」
「行くぞ、あいつはいつもデカい護衛を連れてる。エヴァは今騒ぎにしたくねえだろうから酒場に通すはずだ。キラ、奴らに会ったら解析してみてくれ」
「うん、分かった」
私たちはエヴァさんが呼びに来る前に酒場へ向かった。
■
酒場へのドアの近くまで来たときエヴァさんが出てきた。レオンさんと視線を交わして頷き合う。スノウはレオンさんの頭上へ移動しながら『ぴっ』(おなじなの)と鳴いた。つまりそのダグラムという男は悪意を持って接触してきているという事。
「おい!ワシをいつまで待たせるんだ!」
ドアの向こうからまた怒鳴り声がする。私たちはその傲慢さにため息を吐きつつ中へ入った。
「お待たせしました。揃いましたのでご用件をどうぞ」
「おい!ここは客に茶のひとつも出さんのか!?おっ、ほお…良い女がおるではないか。おい女、茶を…「ご用件をどうぞ」」
ダグラムが粘つく気持ち悪い視線で私を見てお茶を淹れさせようとするが、途中でエヴァさんに遮られる。
「な、何だ貴様ら!その態度は!ワシを誰だと…」
「…御用がないならお帰りください」
憤慨してこちらを指さしながら声を荒げるも、2人に気圧されて黙った。丁寧な口調だが怒りを隠さないエヴァさん。ずっと金の瞳で威圧するレオンさん。スノウまでジッと睨んでいる。只ならぬ雰囲気だが後ろに控えている護衛はピクリとも動かない。するとダグラムは何事もなかったかのように話を進めた。
「…ま、まあいい。商売の話をしようじゃないか」
…よくこの雰囲気で商売の話する気になるね。さすがに図太い。
「貴様ら、何やら珍しいケースを作ったそうじゃないか。そのケース、ワシがまとめて大量に買ってやろう。それもギルドや他の商人よりも高値でだ。他の珍しい品も買ってやる。その代り、ワシ以外には売るな。どうだ?持ちつ持たれつ、いい関係を作ろうじゃないか」
ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべてイスに踏ん反り返る男。着ている奇妙な色のシャツは、出っ張ったお腹をギリギリで包んでいて今にもはち切れそうだ。
私は2人を見下した言い方にカチン、とくるが堪える。そしてミシミシいって壊れそうなイスを心配しながら解析した。ダグラムはレベルも各項目もたいしたことはなかったが、注目すべきは隠蔽(B)と強行(C)だ。このスキルを使って裏で色々やっているのかもしれない。護衛の2人は共にレベル40前後、1人は体術や剣術などの攻撃系、もう1人は盾と魔力結界という防御系と思われるスキルを所持していた。そして初めて目にした"奴隷"の二文字。
「お断りします」
「なッ…!き、貴様ら…この大商人ダグラム様が自ら話を持ち掛けてやっているというのに…ワシに楯突く気か!!」
こちらの態度に激高したダグラムは、バンッ!とテーブルを叩いてドスの効いた声で怒鳴り散らす。だがレオンさんとエヴァさんがそんな事でビビる訳が無い。私も2人が一緒なのと元々の性格もあってより冷静になってしまう。『商人が聞いて呆れる。これじゃヤクザか暴力団だよね』というのが内心である。
「…ぎゃあぎゃあうるせえな、断るっつってんだろうが。てめえになんざ売らねえ、さっさと帰れや」
「な…な…ぐぬぬ…」
レオンさんに睨まれ、怒気を多分に含んだ声色で威圧されてブルブル震えながら顔は怒るという意外な器用さを見せるダグラム。
「おい!貴様らそれでもワシの護衛か!」
すると護衛の2人はやっと動いて庇うように主人の前に立つがまるで覇気がない。その首元には奴隷印がある。
「…てめえら、そんなんで俺とやりあう気か?」
「「…」」
彼らは答えず、ただ立っているだけ。その眼は昏く、何も映していない。まるで人形かロボットだ。
「…ええい!この役立たずが!!いいかレックスの若造ども!このワシを怒らせたらどうなるか思い知らせてやる!!帰るぞ!!」
ダグラムは大声でそう言い放って凄い勢いで出ていく。護衛はやはり無言でその後を追った。
■
「「「はぁ…」」」
みんなで一斉にため息を吐きながらリビングのソファーに座る。スノウはすでにうつらうつらしていた。
「…あのクソ野郎…今度キラをあんな目で見たらタダじゃおかねえ」
「キラ、もうあいつの視界に入っちゃダメだよ?あいつを見るのもダメ、目がおかしくなる」
「…つぎは…あのまるいの…もやすの」
…え、ちょっと待って。怒りポイントまずそこ?それにスノウまで寝言みたいに過激な発言を…い、いや嬉しいけど、他にたくさん怒りどころあったよね?だってあからさまに2人を見下してたし。あ…思い出したらまた腹立ってきた。
「どうした?気分でも悪いか?」
「あいつに見られたからじゃない?横になる?」
思わず顰め面してしまうと左右から心配そうに覗き込まれるが、当の私は憮然として怒りを口にした。
「…違うの。あいつレオンさんとエヴァさんを見下して偉そうに…私も文句言いたかった」
「キラ…君って子は…」
「俺らの事はいいんだよ」
2人は途端に甘さを含んだ声で囁き、肩を抱く。
「だって…頭にきちゃって…それに思い知らせてやる、なんて言ってたし」
「心配するな。ああいう奴らのやることは大概似たようなもんだ」
「きちんと警戒もするよ。キラに手を出してくる可能性も充分あるから君も気を付けなきゃダメだよ?」
「うん…」
「「キラ…」」
頷くとキスが降ってくる。私たちは小さく何度も口づけを交わした。
■
「ええい!ワシを威圧するとは生意気な若造め!強行スキルを使う隙が無かったではないか!何としても彼奴らをワシの前に跪かせてやる!」
ダグラムはイライラしながら自室を歩き回り、考えを巡らせる。
「…何か、何か手はないか…そうだ!おい奴隷ども!ザロを呼べ!」
数分後、ダグラムの部屋に若い男がやって来た。力よりスピードを重視して鍛えた体躯は細くしなやかだが、その表情や雰囲気は陰気で薄気味悪い。
「ザロ、貴様に仕事をやる。レックスというパーティーの女を攫ってこい。ワシの役に立つために訓練を受けさせてやったんだ、それくらいできるだろ。名は確かキラだ。殺すなよ?イイ体してたからな…ワシ専用の性奴隷にしてやる」
「…」
「返事くらいせんか!」
「…はい…」
ザロは怒鳴られても眉一つ動かさず、ボソッと答えて部屋を後にした。
「全く薄気味悪い奴だ。…だがこれで男どもはワシに跪くだろう。そしてあの女は…グフフ…早速強力な媚薬を仕入れておくか」
下劣な笑みを浮かべたダグラムはいそいそと奥へ消えた。
※スノウのセリフについて
今まで外でスノウが鳴くときは 「ぴぃ」(なの) という風にしていましたが、( )のみに変更しました。( )の時は小鳥っぽく鳴いています。
「おそらく相手は商人だろうが…」
「そうだね…バザール関連だとは思うけど、悪意を持っているからといって必ずしも何か仕掛けてくるとは限らない」
「ああ、どちらとも断定は出来ないが…スノウ、もう一度感じたら同じ奴かどうか分かるか?」
「ん~…やってみないとわからないの」
「そうか、ならまた感じたら報せてくれ」
「わかったの」
「まあ、あれこれ考えすぎてもね。さて、お風呂に…『ドンドン』」
エヴァさんがそう締め括って立ち上がりかけた時、ドアを叩く音がした。みんなで顔を見合わせる。こんな時間に訪ねてくる人物など思い当たらない。
「…すごいタイミング。これはもしかするかもよ?」
「だな。スノウ、真眼頼むな」
「わかったの」
「まずオレが出るよ。要件を聞いてからみんなを呼ぶ」
「ああ」
こうしている間もドアは叩かれ続けている。まだそれほど遅い時間ではないけれど近所迷惑とか考えないのかな?
「ハイハイ。スノウ、おいで」
「はいなの」
エヴァさんはスノウを連れてリビングを出て行った。
■
「はい」
エヴァントが扉を開けると3人の男が立っていた。1人は背が小さくでっぷりと太った中年で、いかにも成金というような趣味を疑うキンキラな出で立ちをしている。そして護衛らしき2人の大男を連れていた。
「貴様がレックスの代表のエヴァントか?」
開口一番、人を見下すような態度でそう言ったのは商人なら誰もが知っている男だった。
名はダグラム、ヴェスタと王都に大きな店を構えているSランクの大商人だ。貪欲で金に異常なほど執着があり、欲しいものは手段を選ばず奪う男。常に黒い噂が絶えずあるが、ギルドの追及をのらりくらりとかわして中々尻尾を掴ませない。
「そうですが、何か?」
内心厄介な奴が来たと思いながらそれを噯にも出さず返事する。
「何か、だと?分らんのか!?これだからEランク商人は…いいから中へ入れんか!」
「…どうぞ」
追い返す事も出来るが、今騒ぎになるのは良くないので仕方なく酒場の方へ通すことに。その時スノウが小さく鳴く。
(おなじなの)
それを聞いたエヴァントは、肩にいるスノウの小さな頭をそっと撫でた。
■
私はレオンさんとリビングのソファーで待っていたが、男の怒鳴り声か聞こえて思わず聞き耳を立てる。
「…今の声、ダグラムだな。チッ、嫌な奴が来たもんだ」
ボソッと呟いた彼は心底嫌そうな顔をした。
「レオンさん知ってるの?」
「ああ。Sランク商人のダグラム、裏で色々ヤバい事やってる噂のある奴だ。キラ、俺らの後ろから離れるなよ?」
「うん」
「行くぞ、あいつはいつもデカい護衛を連れてる。エヴァは今騒ぎにしたくねえだろうから酒場に通すはずだ。キラ、奴らに会ったら解析してみてくれ」
「うん、分かった」
私たちはエヴァさんが呼びに来る前に酒場へ向かった。
■
酒場へのドアの近くまで来たときエヴァさんが出てきた。レオンさんと視線を交わして頷き合う。スノウはレオンさんの頭上へ移動しながら『ぴっ』(おなじなの)と鳴いた。つまりそのダグラムという男は悪意を持って接触してきているという事。
「おい!ワシをいつまで待たせるんだ!」
ドアの向こうからまた怒鳴り声がする。私たちはその傲慢さにため息を吐きつつ中へ入った。
「お待たせしました。揃いましたのでご用件をどうぞ」
「おい!ここは客に茶のひとつも出さんのか!?おっ、ほお…良い女がおるではないか。おい女、茶を…「ご用件をどうぞ」」
ダグラムが粘つく気持ち悪い視線で私を見てお茶を淹れさせようとするが、途中でエヴァさんに遮られる。
「な、何だ貴様ら!その態度は!ワシを誰だと…」
「…御用がないならお帰りください」
憤慨してこちらを指さしながら声を荒げるも、2人に気圧されて黙った。丁寧な口調だが怒りを隠さないエヴァさん。ずっと金の瞳で威圧するレオンさん。スノウまでジッと睨んでいる。只ならぬ雰囲気だが後ろに控えている護衛はピクリとも動かない。するとダグラムは何事もなかったかのように話を進めた。
「…ま、まあいい。商売の話をしようじゃないか」
…よくこの雰囲気で商売の話する気になるね。さすがに図太い。
「貴様ら、何やら珍しいケースを作ったそうじゃないか。そのケース、ワシがまとめて大量に買ってやろう。それもギルドや他の商人よりも高値でだ。他の珍しい品も買ってやる。その代り、ワシ以外には売るな。どうだ?持ちつ持たれつ、いい関係を作ろうじゃないか」
ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべてイスに踏ん反り返る男。着ている奇妙な色のシャツは、出っ張ったお腹をギリギリで包んでいて今にもはち切れそうだ。
私は2人を見下した言い方にカチン、とくるが堪える。そしてミシミシいって壊れそうなイスを心配しながら解析した。ダグラムはレベルも各項目もたいしたことはなかったが、注目すべきは隠蔽(B)と強行(C)だ。このスキルを使って裏で色々やっているのかもしれない。護衛の2人は共にレベル40前後、1人は体術や剣術などの攻撃系、もう1人は盾と魔力結界という防御系と思われるスキルを所持していた。そして初めて目にした"奴隷"の二文字。
「お断りします」
「なッ…!き、貴様ら…この大商人ダグラム様が自ら話を持ち掛けてやっているというのに…ワシに楯突く気か!!」
こちらの態度に激高したダグラムは、バンッ!とテーブルを叩いてドスの効いた声で怒鳴り散らす。だがレオンさんとエヴァさんがそんな事でビビる訳が無い。私も2人が一緒なのと元々の性格もあってより冷静になってしまう。『商人が聞いて呆れる。これじゃヤクザか暴力団だよね』というのが内心である。
「…ぎゃあぎゃあうるせえな、断るっつってんだろうが。てめえになんざ売らねえ、さっさと帰れや」
「な…な…ぐぬぬ…」
レオンさんに睨まれ、怒気を多分に含んだ声色で威圧されてブルブル震えながら顔は怒るという意外な器用さを見せるダグラム。
「おい!貴様らそれでもワシの護衛か!」
すると護衛の2人はやっと動いて庇うように主人の前に立つがまるで覇気がない。その首元には奴隷印がある。
「…てめえら、そんなんで俺とやりあう気か?」
「「…」」
彼らは答えず、ただ立っているだけ。その眼は昏く、何も映していない。まるで人形かロボットだ。
「…ええい!この役立たずが!!いいかレックスの若造ども!このワシを怒らせたらどうなるか思い知らせてやる!!帰るぞ!!」
ダグラムは大声でそう言い放って凄い勢いで出ていく。護衛はやはり無言でその後を追った。
■
「「「はぁ…」」」
みんなで一斉にため息を吐きながらリビングのソファーに座る。スノウはすでにうつらうつらしていた。
「…あのクソ野郎…今度キラをあんな目で見たらタダじゃおかねえ」
「キラ、もうあいつの視界に入っちゃダメだよ?あいつを見るのもダメ、目がおかしくなる」
「…つぎは…あのまるいの…もやすの」
…え、ちょっと待って。怒りポイントまずそこ?それにスノウまで寝言みたいに過激な発言を…い、いや嬉しいけど、他にたくさん怒りどころあったよね?だってあからさまに2人を見下してたし。あ…思い出したらまた腹立ってきた。
「どうした?気分でも悪いか?」
「あいつに見られたからじゃない?横になる?」
思わず顰め面してしまうと左右から心配そうに覗き込まれるが、当の私は憮然として怒りを口にした。
「…違うの。あいつレオンさんとエヴァさんを見下して偉そうに…私も文句言いたかった」
「キラ…君って子は…」
「俺らの事はいいんだよ」
2人は途端に甘さを含んだ声で囁き、肩を抱く。
「だって…頭にきちゃって…それに思い知らせてやる、なんて言ってたし」
「心配するな。ああいう奴らのやることは大概似たようなもんだ」
「きちんと警戒もするよ。キラに手を出してくる可能性も充分あるから君も気を付けなきゃダメだよ?」
「うん…」
「「キラ…」」
頷くとキスが降ってくる。私たちは小さく何度も口づけを交わした。
■
「ええい!ワシを威圧するとは生意気な若造め!強行スキルを使う隙が無かったではないか!何としても彼奴らをワシの前に跪かせてやる!」
ダグラムはイライラしながら自室を歩き回り、考えを巡らせる。
「…何か、何か手はないか…そうだ!おい奴隷ども!ザロを呼べ!」
数分後、ダグラムの部屋に若い男がやって来た。力よりスピードを重視して鍛えた体躯は細くしなやかだが、その表情や雰囲気は陰気で薄気味悪い。
「ザロ、貴様に仕事をやる。レックスというパーティーの女を攫ってこい。ワシの役に立つために訓練を受けさせてやったんだ、それくらいできるだろ。名は確かキラだ。殺すなよ?イイ体してたからな…ワシ専用の性奴隷にしてやる」
「…」
「返事くらいせんか!」
「…はい…」
ザロは怒鳴られても眉一つ動かさず、ボソッと答えて部屋を後にした。
「全く薄気味悪い奴だ。…だがこれで男どもはワシに跪くだろう。そしてあの女は…グフフ…早速強力な媚薬を仕入れておくか」
下劣な笑みを浮かべたダグラムはいそいそと奥へ消えた。
※スノウのセリフについて
今まで外でスノウが鳴くときは 「ぴぃ」(なの) という風にしていましたが、( )のみに変更しました。( )の時は小鳥っぽく鳴いています。
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